干し芋の作り方まとめ|芋の準備から干し方のコツまで徹底解説!

干し芋の作り方まとめ|芋の準備から干し方のコツまで徹底解説!

干し芋はご家庭でも作ることができます。

作り方はシンプルで、蒸した芋の皮をむいて適度な大きさに切り、数日間干すと完成です。

ただし、おいしく作るにはコツがあり、とくに干す工程では、干し芋が傷まないように注意を要します。

この記事では、干し芋の作り方を、芋の準備から干し方のコツにいたるまで詳しくまとめました。

また、季節や天候に左右されない、オーブンでの簡易的な作り方もご紹介します。

自然でやさしい甘さが魅力の秋の味覚・さつまいも。今回は、さつまいも品種の特徴やおすすめの調理方法について、ほくほく系・ねっとり系・しっとり系の3つの食感別に解説。なかなかお目にかかれない、オレンジ色や白色の個性派品種もご紹介します。

干し芋に適した芋の準備

干し芋に適した芋の準備

干し芋は、材料のさつまいもの準備からこだわると、よりおいしく作ることができます。

「品種」と「大きさ」に着目して選んだ芋を、「追熟」させて使うとよいでしょう。

これらの3つのポイントを順番に説明します。

干し芋向きの品種を選ぶ

干し芋は、どの品種のさつまいもでも作れますが、味や食感は品種によって大きく変わってきます。

一般的には、ホクホクした品種より、ねっとりした食感の品種が干し芋に適しています

繊維の少なさや糖度の高さも、干し芋に向く特徴です。

流通量の多い品種のなかで、干し芋におすすめの品種を3つ紹介します。

  • 紅はるか:甘味の強さが特徴の、ねっとりした食感の芋。
  • 安納芋:甘味や舌触りなどのバランスが取れた芋。
  • シルクスイート:繊維が少なく、しっとり滑らかな食感が特徴の芋。

上記以外にも干し芋向きの品種はあるため、干し芋に向く特徴をもつ品種かどうか調べてみるとよいでしょう。

300g前後の芋が最適

さつまいものサイズは、100g未満の小ぶりなものから、600gを超える大きなものまで様々です。

干し芋には300g前後の中くらいのサイズが最適です。

中くらいの芋は、1cmくらいの厚さに平たく切ると、干すのに適した大きさになります。

小さな芋や大きな芋で作る場合は、切り方に工夫が必要です。

例として、小さな芋は丸ごとや2等分にして、大きな芋は棒状に切ってから干し芋にするとよいでしょう。

追熟させて甘味を引き出す

干し芋には「追熟」させた芋を使いましょう。追熟とは、収穫後の芋を、適切な条件で貯蔵して熟成させることです。

追熟ではデンプンから糖が生じて、甘味が引き出されます

生じる糖は、乾燥中に適度に水分を保持するため、干し芋のパサつきを防ぐ効果もあります

熱帯原産のさつまいもは寒さに弱く、以下の貯蔵条件が適します。

  • 温度:13~15℃
  • 湿度:90%程度

<出典:片山 健二『「焼き芋」の甘さの秘密』化学と教育(2019)

初秋などの早い時期に買った芋や、自分で収穫した芋は、2週間程度は保管して追熟させてから干し芋にします

ただし、冬以降に購入した芋は、すでに販売者側での追熟が済んだ芋であることも多いです。

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干し芋の作り方

干し芋の作り方

干し芋作りでは、下記の道具を使います。

  • 蒸し器
  • 竹串
  • 軍手やふきん(事前に洗った清潔なもの)
  • 包丁、まな板
  • 干し網やザル

干し芋の作り方の概要は、以下のとおりです。

  1. よく洗った芋を弱火でゆっくり蒸す。
  2. 熱いうちに皮をむく。
  3. 1cm程度の厚さに切る。
  4. ザルや網などに並べて干す。

各手順を詳しく説明します。

注意点として、芋を干し始めるタイミング(気候・天気)が重要です。

後の章で述べるように、気候や天気予報をよく確認して作業を始めてください

弱火でゆっくり蒸す

まず、蒸し器によく洗った皮付きの芋と水を入れて、火にかけます。

沸騰したらすぐに火力を落として、弱火でゆっくりと芋を蒸します。弱火でゆっくり蒸すのは、芋の甘みを引き出すためです。

竹串が中心までスッと刺さるようになるまで加熱します。蒸す時間は芋の大きさ次第ですが、1〜2時間ほどが目安です。

空焚きにならないよう、蒸し器にはこまめに水をつぎ足しましょう

熱いうちに皮をむく

蒸した芋は、熱いうちに皮をむきます。軍手やふきんを使い、やけどに気をつけて行ってください。

外側の紫色の皮だけでなく、その内側の茶色い甘皮まで取り除くのがコツです。

皮がむきにくい場合、箸などを使うとむきやすくなります。

皮がむけた芋は、粗熱が取れるまで放置して冷ましてください

1cm程度の厚さに切る

芋の粗熱が取れたら、適したサイズに包丁で切り分けます。

中くらいのサイズの芋なら、1cmくらいの厚さに平たくカットしましょう。

さつまいもは、先端から末端に向かって、縦に繊維が入っています。芋を切るときは、繊維にそって縦に切ることが重要です。

蒸した芋は軟らかく、輪切りのように繊維を断つ切り方では、簡単に崩れてしまいます。

並べて干す

適当な大きさに切った芋を、干し網やザルなどに、重ならないように並べて干します

干すときは、以下のポイントを抑えましょう。

  • 日中はなるべく、日光が当たる風通しのよい場所に干す。
  • 夜は屋内に取り込む。
  • 1日1回は芋を裏返す。
  • カラスなど、鳥や動物に取られないように注意する。

初めての干し芋作りでは、どのくらい干すべきか迷うものです。

はかりがあれば、干し始めの重さを量っておくと、重量の変化がよい目安になります。

芋を干す期間や重量変化の目安を、下表に示します。

芋の仕上がりしっとりした半生のような仕上がりねっとりした市販品のような仕上がり
干す期間の目安3日間程度1週間程度
芋の重量変化の目安干し始めの50%程度になるまで干し始めの30%以下になるまで
表中の干す期間はあくまで目安であり、干す条件や芋の大きさなどに大きく左右されます。

長めに干した芋は、食感が変わり甘味が濃縮されるだけでなく、水分が抜けて保存性もよくなります。

完成した干し芋は、1つずつラップに包んでからチャック付き保存袋に入れて、冷蔵か冷凍保存してください。

冷蔵では、およそ1週間は保存できます。

次の章で解説する、失敗せずに干すコツも参考にしてください。

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干し芋を失敗せずに干すコツ

干し芋を失敗せずに干すコツ

干し芋を干す工程は、失敗することも多いです。

条件が悪いとカビが生えたり、雨や露で干し芋が台無しになったりします。

干し芋を失敗せずに干すコツ3つのコツと、気象条件などに左右されないオーブンでの作り方を紹介します。

暑い時期を避ける

干し芋作りは、気温が十分に下がった時期に始めます。最高気温が18℃以上あると、カビが生えるリスクが高まるためです。

また、寒い方が干し芋に向いていますが、氷点下に達するような極端な寒さは避けた方が無難です。

例として、北日本などの寒冷地では秋のうちに、温暖な平野部などでは真冬の冷え込みを避けつつ秋から冬にかけて干すとよいでしょう。

晴天が続く時に干し始める

干し始めの天気が悪いと、失敗する確率が跳ね上がります

干し始めの芋は水分が多く、日当たりのよさや湿度の低さが揃わないと、カビが生えやすいためです。

ずっと晴天が続くのが理想ですが、とくに最初の2〜3日間は晴天になるタイミングを選んで干し始めましょう

晴天の日光を利用して天日で干すことも、上手く作るポイントのひとつです。

雨や露に注意

干し芋は、雨や露で濡れてしまわないよう、十分な注意が必要です。

食感や風味に悪影響があるうえ、カビが生えやすくなります。

気温が低い時期に作るため、夜露に気をつけて、夜間はなるべく屋内に取り込むとよいでしょう。

また、干している期間はこまめに天気予報を確認して、雨に打たれないように気をつけてください

オーブンで作る方法もあり

天気や季節、お住まいの地域の気候によっては、自然乾燥での干し芋作りは難しい場合もあります

そこで、オーブンを使った簡易的な干し芋の作り方を紹介します。

  1. 自然乾燥の場合と同じように、蒸した芋の皮をむいて切る。その間に、オーブンを予熱しておく。
  2. 芋をクッキングシート上に並べて、120℃前後のオーブンで加熱する。
  3. 20分加熱して、箸などを使って芋を裏返し、さらに20分加熱する。
  4. 乾燥が足りないようなら適宜、加熱時間を増やす。

上手く作るには、焦げ目がつかないように気をつけつつ、低温でゆっくり乾燥することが重要です。

こまめに様子を見ながら、焦げそうな場合は、温度を少し下げたり、芋にアルミホイルをかぶせたりして加熱してください。

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まとめ

干し芋は、作り方を間違わなければ、家庭でもおいしく作れます。

自分で作れば、好みの仕上がりにできることもメリットです。

紹介した作り方を参考に、とくに気象条件には気を配りつつ、自作の干し芋にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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