SDGsとは|意味や2030年までに達成すべき17の目標をわかりやすく簡単に解説

SDGsとは|意味や2030年までに達成すべき17の目標をわかりやすく簡単に解説

SDGsという言葉を日常生活の中で聞いたことがあるという人も増えてきました。

知名度が上がっているとはいえ、どんな取り組みなのかきちんと理解している、実践しているという人はそう多くはないのではないでしょうか。

SDGsに取り組み始めてから目標時期まで残り半分となった今、SDGsとは何か、日本や企業がどのような取り組みをしているのか、個人ができることは何かを改めて解説していきます。

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[わかりやすく解説] SDGs(持続可能な開発目標)とは

SDGs(エス・ディー・ジーズ)は、英語でSustainable Development Goalsの略語で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。

SDGsは2015年の行われた国連サミットで採択されたもので、国連に加盟している193カ国の国々が共通で掲げる2016年から2030年の15年間で達成したい目標です。

発展途上国化先進国か関係なく、同じ地球で暮らす人類としての国際目標で、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことも宣言しています。

SDGsにおける「持続可能な開発」の意味

SDGsにおける「持続可能な開発」とはどういう意味なのでしょうか。

国際連合広報センターによると、持続可能な開発とは、以下のように定義づけられています。

将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発
引用元:国際連合広報センター

私たちの子供や孫世代さらに先の未来の人々が暮らす社会や環境を壊すような開発をしない、現代の人だけの利益だけを考えた無理な開発をしないということです。

持続可能な開発をするためには、社会的包摂・経済成長・環境保護の要素からアプローチしていく必要があります。

また企業や政府のみならず、地球上で生活する全ての人類が協力して取り組まなければ実現できないでしょう。

SDGsに取り組む理由

SDGsは、近年世界中で見られる地球温暖化による異常気象や地殻変動、食糧不足などに対する意識が高まってきていることが、注目される理由の一つです。

過去にも地球温暖化に対する対策や目標は数多くありましが、どうしても経済成長を優先する傾向がありました。
こうした問題を全人類がしっかりと受け止めて、責任を果たしていく必要があると考えられるようになったのです。

SDGsと聞くと国や政府、企業の取り組みのようにどこか他人事のように捉える人もいるかもしれませんが、これは私たち個人個人が真摯に取り組むべき課題でもあるのです。

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SDGsの「17の目標」と「169のターゲット」とは

SDGsは、17の目標、169のターゲット、さらに具体的な目標となる232の指標が設定されています。

17の目標は以下の通りです。

■SDGs17の目標

持続可能な開発目標(SDGs)
目標1 貧困をなくそう あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
目標2 飢餓をゼロに 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標3 すべての人に健康と福祉を あらゆる年齢の全ての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
目標4 質の高い教育をみんなに すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機械を促進する
目標5 ジェンダー平等を実現しよう ジェンダーの平等を達成し、全ての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標6 安全な水とトイレを世界中に すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
目標7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに すべての人々に手頃で信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8 働きがいも経済成長も すべての人のための持続的包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用及びディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
目標9 産業と技術革新の基盤を作ろう 強靭なインフラを整備し、合説的で持続可能な産業化を推進するとともに技術革新の拡大を図る
目標10 人や国の不平等をなくそう 国内および国家間の格差を是正する
目標11 住み続けられるまちづくりを 年と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
目標12 つくる責任、つかう責任 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13 気候変動に具体的な対策を 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
目標14 海の豊かさを守ろう 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
目標15 陸の豊かさも守ろう 陸上生態系の保護、回復及び持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止及び逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
目標16 平和と公正をすべての人に 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバルパートナーシップを活性化する

参考:持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組|外務省

これら17個の目標に対しそれぞれに、以下のような具体的なターゲットが数個ずつ決められています。

【目標1に対するターゲットの例】

  • 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる
  • 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる

SDGsはこのように目標を掲げるだけではなく、世界のSDGsの目標達成度を数値化し、進捗状況を定期的にモニタリングする国連ハイレベル政策フォーラム(HLPF:High Level Political Forum)を設置しています。

毎年7月ごろに進捗状況のレビューが行われていることからも、いかに重要度の高い目標かがわかるでしょう。

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世界のSDGsの状況

2022年のSDGs達成度ランキングは、以下のようになっています。

  • 1位:フィンランド
  • 2位:デンマーク
  • 3位:スウェーデン

北欧が上位を占めており、主要国であるイギリスは11位、アメリカは41位、中国は56位という結果になっています。

世界ではさまざまな取り組みがされています。

海洋のプラスチックごみと仮想通貨が交換できるといった振興事業とのコラボや、身近なところではスターバックスのプラスチックストロー廃止なども話題になりました。

常に上位をキープしている北欧の国々では、家電の素材の再利用だけでなく、電力などのエネルギー利用効率が高い製品を開発するなど、環境を優先したものづくりが主流となりつつあります。

さらには再生可能な素材を用いた建造物や製品、100%再生可能なエネルギーを使用したビレッジを作るなど、その規模は拡大してきています。

各国が積極的に取り組んでいる反面、パンデミックや戦争などの影響で、貧困や食糧不足などが悪化し、ここ2年ほどは世界平均で見てもSDGsの取り組みは後退したと言われています。

今後はこれまでよりも一層、各国が協力関係を築いてSDGsに取り組む必要があるでしょう。

参照元:https://www.sdgindex.org/reports/sustainable-development-report-2022/

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日本のSDGsの状況

日本のSDGs達成度は、2020年17位、2021年18位、2022年19位とランキングを下げている状態です。

17個の目標の中で日本が達成した目標は3つで、また6つの目標においては達成率が最も低い評価でした。

日本では2015年の国連でのSDGs採択を受けて、SDGsへの取り組みを促進するためのSDGs推進本部を設置しています。

毎年2回ほど、SDGs推進本部会合が開催されており、日本としての方針などを決定しています。

具体的に、日本ではどのようなことに取り組んでいるのか、以下の2つの項目に分けて紹介します。

  • 国や自治体が行っているSDGsの取り組み
  • 企業が行っているSDGsの取り組み

国や自治体が行っているSDGsの取り組み

日本政府は、日本が未達成の目標の達成や、SDGsの課題解決先進国として世界を引率するためにSDGs実施指針を策定しています。
日本が優先的に取り組むべき8つの課題を決め、具体的な施策をまとめたSDGsアクションプランの設定なども行なっています。

定期的にアクションプランの見直しを行い、改訂なども随時行い、タイムリーな問題も組み込めるようにしています。

さらにこうしたアクションプランに沿った活動を促進するために、SDGs達成に向けて優れた取り組みを行なった企業などを表彰する制度も制定しています。

また表彰だけではなく、特に優れた企業には上限4,000万円ほどの補助金を給付する制度をもうけるなど、全国的にSDGsへの取り組みを加速させる仕組みを作っています。

企業が行っているSDGsの取り組み

認知度が上がっているSDGsですが、実はSDGsに積極的な企業は2021年時点で約40%程度です。ただ、2020年度よりは上昇傾向にあるため、今後さらに増加していくと考えられます。

例えば、目標10への取り組みとして幅広い人材を対象にした就労プログラムを開催する人材系企業や、目標12への取り組みとして紙やプラスチック素材にかわる新しい素材の開発など、多くの日本企業がSDGs貢献のためのサービスやプログラム、イベントなどを積極的に取り入れています。

一方で、まだ何の取り組みもしていない企業は50%以上。実際にどのように取り組めばいいのか、足踏み状態になっている企業も多いようです。

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個人でできるSDGsの取り組みもある!

SDGsは、政府や企業のみならず、私たち一人一人の取り組みが必要不可欠です。

ではSDGsへの取り組みとして、個人単位ではどのようなことができるのか、いくつか例を解説します。

  • 節電・節水
  • 環境に配慮した製品やサービスの選択
  • フードロスを減らす
  • 再利用・リサイクルを行う
  • 夫婦の育児・家事の平等な分担

もちろんここに挙げたもの以外にも、生活の中で簡単に取り入れられるものは無限にあり、アイデア次第ともいえます。

大人から子供まですべての人が取り組めるので、今日からでも少しずつ意識的に取り組んでみましょう。

節電・節水

節電・節水は、今日からでも始められる簡単な行動ですが、SDGsの目標13の達成に貢献できます。

電気や水は、作られる過程から実際に使用するまで多くのエネルギーを消費します。

その際に排出される温室効果ガスが地球温暖化に繋がっています。

今、家の中を見渡してみてください。つけっぱなしになっている家電や部屋の電気はないでしょうか。

シャワーがポタポタと水が垂れていないか、手洗いや皿洗い、歯磨きの際に水を出しっぱなしにしていないかなど、無駄をなくすことが大切です。

SDGsだけでなく家計にもメリットがあるので、意識的に取り組んでみるといいでしょう。

環境に配慮した製品やサービスの選択

近年では当たり前になってきたエコバックやマイボトルなどプラスチックゴミを減らし、SDGsの目標12や目標14に貢献できます。

プラスチックごみによる海洋汚染問題は特に深刻な問題となっており、プラスチックごみを減らす活動は優先度が高いです。

また移動手段に関しても車を使うよりも電車やバスなどの公共交通機関を使うことで、SDGsの目標13に貢献ができるでしょう。

バスや電車は同じエネルギーでより多くの人を運ぶことができるため、エネルギーを削減できるといえます。

エネルギーを削減できれば温室効果ガスの排出を抑えることにつながります。

また移動距離にもよりますが、エネルギーを使わない自転車などもおすすめです。

フードロスを減らす

フードロスを減らすことは、SDGsの目標12の達成に貢献できます。

日本では年間で一人当たり約47kgの食べ物を無駄にしていると言われています。

食材や食品は食べ切れる量だけを買うようにし、買った食材はきちんと使い切ることが大切です。

再利用・リサイクルを行う

再利用やリサイクルを行うことで、SDGsの目標13~15に貢献することができます。

ゴミが減ると、焼却処分による環境への悪影響を軽減するだけでなく、資源を大切に繰り返し使うことで有限な資源を減らすことなく利用できるため、正しく持続可能となるでしょう。

ごみをきちんと分別する、リサイクルできるものは各々が積極的に取り入れるなど、毎日の暮らしの中でごみを捨てるときに意識してみてください。

夫婦の育児・家事の平等な分担

意外と思われるかもしれませんが、夫婦の育児や家事の分担もSDGsの取り組みの一つとされています。これはSDGsの目標5に貢献する取り組みです。

日本では現在でも、男性が仕事、女性が家事・育児、と考える人も少なくありません。

先進国としては遅れている要素の一つです。少しずつではありますが、男性が家事や育児をしやすい環境が社会的にも整備されてきています。

家庭内で話し合い、夫と妻が仕事や家事、育児を協力しあうことが大切です。

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まとめ

SDGsは、2016年から取り組みが進められ、2022年現在で6年ほど経過しました。

これからSDGs後半戦に向けて、会社や企業に任せるのではなく、個人個人が意識的に積極的に取り組んでいくことが求められています。

近年、世界情勢や異常気象、パンデミックなど各々を取り巻く環境も著しく変化していますが、それでも日常の小さな意識を変えるだけでも、世界の貧困や格差など深刻な問題の改善へとつながっていくのです。

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