目次
近年注目されている発酵食品。
そのうちの一つである納豆は、昔から日本の食卓に欠かせない食品として親しまれてきました。
納豆は、毎日の食事に取り入れることで健康や美容に高い効果を発揮してくれる、栄養価の高い食品です。
この記事では、納豆に含まれる栄養素とその働きのほか、摂取する際のポイントについても解説します。
納豆中の主な栄養素や成分とその働き
1パック(50g)の納豆には、健康な体の基礎を作り、維持するための栄養素が多く含まれています。
ここでは、納豆に含まれる主な栄養素や成分と、体内での働きについて解説します。
なお、主な栄養素の含有量は次章にて、粒納豆とひきわり納豆を比較しつつまとめています。
たんぱく質
たんぱく質は、「脂質」「炭水化物」とともに三大栄養素の一つです。
筋肉、臓器、皮膚や髪など、体を形作る成分となります。
植物性食品ながら、納豆からは良質なたんぱく質が摂取できます。
体を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸も十分に含まれているのです。
たんぱく質は、納豆1パック(50g)に約8g含まれています。
食物繊維
食物繊維には、粘着性があり胃腸内をゆっくり移動する「水溶性食物繊維」と、腸を刺激して活性化する「不溶性食物繊維」の2種類があります。
昔は食べ物の残り部分とみなされて、体に不要だと考えられていました。
しかし現在では「第六の栄養素」とも呼ばれ重要視されています。
納豆の食物繊維は、水溶性と不溶性のバランスがよく、1パック(50g)に3~5gほど含まれています。
脂質
納豆の脂質には、健康維持に欠かせない必須脂肪酸が豊富に含まれています。
必須脂肪酸は、体内でリン脂質の原料にもなる成分です。
リン脂質は細胞を形作る細胞膜の主成分です。脳や神経を形成する重要な成分であり、学習機能、記憶、睡眠に関係が深いとされています。
納豆1パック(50g)には、脂質が約5g含まれています。
ビタミン
納豆は数種類のビタミンを含んでいます。
「ビタミンK」は食品の中でも納豆にとくに多く含まれ、カルシウムの骨への定着を促す働きや、出血時の血液凝固を助ける働きがあります。
納豆からは、皮膚の健康維持に欠かせない「ビタミンB6」や、脂質の酸化を防ぎLDL(悪玉コレステロール)を減少させる「ビタミンE」なども摂取できます。
ミネラル
納豆には多くのミネラルが含まれています。
納豆中の主なミネラルとその働きは以下のとおりです。
- カリウム:塩分(ナトリウム)の排出を促しむくみを予防する。
- カルシウム:骨や歯を構成する。筋肉の収縮でも重要な役割を担っている。
- 鉄分:血中のヘモグロビンを構成し酸素の運搬に欠かせない。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼは、納豆菌が作り出す酵素です。
ナットウキナーゼには血栓の溶解と予防をする働きが期待されており、納豆を摂ることで高めの血圧を下げることにも繋がるといわれています。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをしてくれる機能性成分です。
大豆を原材料とする納豆にも豊富に含まれています。
大豆イソフラボンを摂ることで、肌や髪にツヤを与えたり、自律神経を安定させたりする効果が期待できます。
また、イライラや様々な不調を引き起こす更年期障害の緩和にも効果を発揮するといわれています。
粒納豆とひきわり納豆の栄養を比較
納豆には大きく、粒納豆とひきわり納豆の2種類があります。
2種類の納豆の栄養について以下の表で比較します。
栄養素 | 100gあたりの含有量 | ||
---|---|---|---|
粒納豆 (糸引納豆) | ひきわり 納豆 | ||
たんぱく質 | 16.5g | 16.6g | |
脂質 | 10.0g | 10.0g | |
炭水化物 | 12.1g | 10.5g | |
食物繊維 | 9.5g | 5.9g | |
ミネラル | カリウム | 690mg | 700mg |
カルシウム | 91mg | 59mg | |
マグネシウム | 100mg | 88mg | |
鉄 | 3.3mg | 2.6mg | |
亜鉛 | 1.9mg | 1.3mg | |
銅 | 0.6mg | 0.43mg | |
マンガン | 1.39mg | 1.00mg | |
ビタミンB群 | ビタミンB1 | 0.13mg | 0.14mg |
ビタミンB2 | 0.30mg | 0.36mg | |
ビタミンB6 | 0.24mg | 0.29mg | |
ビタミンE (α-トコフェロール) | 0.5mg | 0.8mg | |
ビタミンK | 870μg | 930μg |
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を元に作成
粒納豆は、ひきわり納豆よりも食物繊維やカルシウム、マグネシウムを多く含んでいます。
一方、ひきわり納豆は、粒納豆よりもビタミンEやビタミンKが多めです。
ただし、栄養価が大きく異なるわけではないので、好みで納豆を選んでもよいでしょう。
納豆の栄養や成分による効果
ここでは、納豆を摂取することで、体にどのような働きが期待できるのかを解説します。
納豆に含まれる栄養素や成分の効果について、理解を深めましょう。
腸内環境を整える
納豆は腸内環境を整える食物繊維を豊富に含んでいます。
納豆には、腸内の善玉菌を増やし排便を助ける水溶性食物繊維と、大腸でぜん動運動を促して便秘を防ぐ不溶性食物繊維の両方が含まれます。
日本人は食習慣の欧米化から、食物繊維の摂取が足りていないといわれています。
納豆を1日1パック食べて食物繊維を補うと、腸内環境の改善に効果的です。
骨粗しょう症を予防する
納豆に含まれる栄養素の一つのビタミンKはカルシウムの骨への定着を促す働きがあります。
さらに、納豆にはカルシウムも含まれることから、骨の強度を保ち、骨粗しょう症や骨折を防ぐ効果が期待できます。
血糖値の上昇を抑える
納豆は、食物繊維がとくに豊富な食品のひとつで、食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。
粒納豆の場合、100g中に9.5gほどの食物繊維が含まれ、じつに重さの1割近くを食物繊維が占めています。
食物繊維は消化管の中で、消化中の食べ物の粘度を高めたり、移動速度を抑えたりします。その結果、小腸での糖の吸収速度が抑えられ、血糖値の急上昇を防げるのです。
野菜・きのこ・果物などが少なめのメニューでも、納豆を足すだけで、血糖値が上がりにくい食事になります。
納豆の栄養を摂る際のポイント
健康的な体のために納豆を摂取した方がいいとはいえ、食べ過ぎは不調を招く恐れがあります。
ここでは、納豆を食べる際のポイントと注意点を解説します。
一日1パックを目安に食べる
明確な基準があるわけではありませんが、納豆の食べ過ぎは体によくありません。
納豆は一日1パックを目安に食べるようにしましょう。
極端に納豆を食べすぎると、腸内に納豆菌が増えすぎて胃腸の調子が悪くなったり、イソフラボンの過剰摂取により婦人科系の病気になったりする可能性があります。
夕食時に食べる
納豆を食べるタイミングとしては朝食より夕食がおすすめです。
納豆は腸内の善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境を整えます。
腸の働きが最も活発なのが起床して15〜19時間後といわれており、その時間に善玉菌を増やすと腸の動きがより活性化します。
朝7時頃に起床した場合、15時間後は夜10時なので、夕食に納豆を食べると善玉菌が効率よく働いてくれます。
納豆だけに栄養が偏らないようにする
いくら納豆が体に良くても、納豆だけに栄養が偏らないようにしなければなりません。
たんぱく質は納豆以外に、肉・魚・卵・乳製品などから摂取できます。
納豆の栄養だけに頼らず、バランスの取れた食事を意識しましょう。
薬との食べ合わせに気をつける
「ワルファリン」という薬を服用中の方は、納豆を食べてはいけません。
ワルファリンは血液をサラサラにして、血栓ができるのを防ぐ薬です。
納豆は、血を固める作用があるビタミンKを含んでおり、ワルファリン服用中に食べると薬の効果が十分に発揮されません。
薬との食べ合わせには細心の注意が必要です。
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