【長芋と山芋の違い】見た目や味・調理法を比較!かゆくならないコツと選び方・保存方法も紹介

【長芋と山芋の違い】見た目や味・調理法を比較!かゆくならないコツと選び方・保存方法も紹介

「とろろ」として親しまれている長芋と山芋。

どこがどう違うのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか?

この2つの芋類の違いや特徴、かゆみ防止&変色防止のポイント、選び方、保存方法などを解説します。

長芋や山芋を使うときの参考にしてみてください。

生ではシャキシャキ、加熱すればホクホク、すりおろせばトロトロの食感が楽しめる長芋。とろろやお好み焼きのつなぎのイメージが強いですが、実は、サラダや漬物から煮物・焼物・揚げ物まで、あらゆる調理法と相性のいい食材です。今回は、そんな栄養たっぷりの長芋にクローズアップ。長芋を食べると得られる効果・効能や、おすすめの食べ方、山芋・大和芋・自然薯との違いについても解説します。

「山芋」は通称で正式名称ではない

「山芋」は通称で正式名称ではない

じつは「山芋」という名前の品種はなく、ヤマノイモ科に属する芋を通称として山芋と呼んでいます。

ヤマノイモ科ヤマノイモ属の主なもの

  • 長芋
  • いちょう芋
  • つくね芋
  • 自然薯(じねんじょ)

一般的にこの中で山芋と呼ばれているものはいちょう芋。

地域によっては別のヤマノイモを山芋と呼んだり、ヤマノイモをまとめて山芋としていたりもします。

この記事ではいちょう芋を山芋として扱います。

「大和芋」もヤマノイモの通称

ヤマノイモ科の大和芋も同じく、正式名称ではなく通称です。

一般的に関東ではいちょう芋を、近畿ではつくね芋を大和芋と呼んでいます。

ヤマノイモは縄文時代から食されていたとされ、歴史が古いだけにさまざまな呼び名があることがわかります。

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長芋と山芋の特徴・味・栄養素・調理法について

長芋と山芋の特徴・味・栄養素・調理法について

長芋と山芋にはハッキリとした違いがあります。

長芋

長芋の特徴

  • 細長い円柱型
  • 粘り気は弱め
  • あっさりした味
  • 切ってサラダなどにして食べることが多い

ほかのヤマノイモに比べると水分が多いために、淡白な味わいで粘り気も少ないのが特徴です。

あっさりしているのでサラダにしたり、お好み焼きの生地など他の食材に混ぜるのに向いています。

山芋

山芋の特徴

  • イチョウの葉のような扇形、もしくは棒状
  • 粘り気が強い
  • 濃厚な味わいでほんのりとした甘みがある
  • すりおろして、とろろにして食べることが多い

イチョウの葉に似た形をしていることからいちょう芋といいますが、長芋のような棒状のものもあり、こちらを見かけることも増えています。

長芋に比べると粘り気も味もしっかりしていて、シンプルにとろろにして食べるのに向いています。

ふくまれる栄養の違い

生の長芋と山芋の可食部100gあたりの栄養素を比べてみましょう。

栄養素長芋山芋
カロリー64kcal108kcal
たんぱく質2.2g4.5g
脂質0.3g0.5g
炭水化物13.9g22.6g
食物繊維1.0g1.4g
ビタミンB10.1mg0.15mg
ナイアシン0.4mg0.4mg
ビタミンB60.09mg0.11mg
葉酸8μg13μg
パントテン酸0.61mg0.85mg
ビタミンC6mg7mg
カリウム430mg590mg
カルシウム17mg12mg
マグネシウム17mg19mg
リン27mg65mg

参照:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

消化を助けるアミラーゼや、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富にふくまれ、胃腸を保護して疲労回復を助ける作用があります。

全体的に山芋の方が栄養がやや多くふくまれていますが、あまり気にするほどの差ではありません。

長芋と山芋はそれぞれ代用できる?

長芋の代わりに山芋を、山芋の代わりに長芋を使ってそれぞれ代用が可能。

粘り気と味わいに違いがあり、シンプルな料理ほどその違いが分かりやすくなります。

すりおろすだけのとろろの場合、山芋にだし汁を加えて長芋のようなあっさりした味わいにすることは簡単ですが、その逆の長芋で山芋のような粘り気を出すのは難しいです。

とはいえ、他の具材や調味料と合わせて食べる場合はそこまで気になりません。

他にもあるヤマノイモ|つくね芋・自然薯

丸くゴツゴツしたつくね芋は粘りがとくに強く、関西でよく出回っています。

関西で山芋といえばつくね芋を指します。

細長い見た目の自然薯は山に自生しているものを掘るのが主流。

掘るには大変な労力がかかることから流通量が少なく値段も高めですが、栄養価がとても高く、古くは薬として用いられていました。

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ヤマノイモは生で食べられる

ヤマノイモは生で食べられる

同じ芋類のじゃがいもやさつまいもにふくまれるデンプンは、生のままでは消化が難しい成分です。

長芋や山芋をはじめとするヤマノイモはデンプンを分解する消化酵素のアミラーゼが豊富なので、生でも食べられるのです。

長芋・山芋の調理で手がでかゆくならないコツ

皮をむいた長芋や山芋をさわると、手がかゆくなることがあります。

これは長芋と山芋にふくまれるシュウ酸カルシウムというトゲトゲした物質が皮膚に入り込んで刺激することが原因で起こります。

長芋・山芋でかゆみが出るのを防ぐポイント

  • 皮をむいたら酢を数滴加えた水に入れ、10分ほど置いておく
  • 冷凍してから凍ったまま調理する

酢水に漬けたり冷凍したまま使うことでシュウ酸カルシウムのトゲの部分が折れて、かゆみ防止になります。

かゆくなってしまったときの対処法

  • 手を40℃前後のお湯につける
  • かゆい部分に酢かレモン汁を付け、こすりながら水で洗い流す

シュウ酸カルシウムはお湯や酸に弱く、手をお湯につけたり酸性の酢やレモン汁をかけてから洗い流すとかゆみが取れます。

長芋・山芋の変色を防ぐコツ

長芋や山芋は調理中にピンク色になってしまったり、すりおろしている最中に黒くなってしまうことがあります。

ピンク色に変色するのは長芋と山芋にふくまれるポリフェノールが空気中の酸素と反応して酸化する現象です。

黒っぽく変色するのは皮付近に多くふくまれるアクが出てくるためです。

変色しても問題なく食べることができますが、白いまま食べたいときには変色しない方法を試してみましょう。

ピンク色に変色するのを防ぐ

  • すり鉢を使ってすりおろす
  • 食べる直前にすりおろしてすぐに食べる
  • すりおろしたら数滴の酢かレモン汁を加えて軽く混ぜる
  • 切ってから酢かレモン汁を数滴加えた水に10分ほどさらす

金属製のすりおろし器は変色の原因となる酸化を促進させるため、陶器製のすり鉢を使うのがおすすめ。

すり鉢は目が細かく、ふんわりとした口当たりの良いとろろを作ることができます。

また、食べたり使ったりする直前にすりおろして、変色するまでの時間を作らないことも大切です。

それが難しいときは、酢かレモン汁を加えると変色するまでの時間を伸ばすことができます。

黒く変色するのを防ぐ

  • 厚めに皮をむいてボウルに水と数滴の酢を入れ、長芋・山芋を10分漬けておく
  • 新物を避け、ひね物を選ぶ

長芋・山芋は採れたてのものを「新物」といい、すぐには出荷せず一年を通して流通させられるよう保存しておいたものを「ひね物」といいます。

新物のほうがアクが多く変色しやすいので、新物ではなくひね物を選ぶといいでしょう。

新物を今すぐ使いたい場合は、皮を厚めに3mmほどむいてから酢水にさらすと変色しにくくなります。

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おいしい長芋と山芋の選び方

おいしい長芋と山芋の選び方

おいしい長芋・山芋を選ぶポイント

  • ずっしりと重みがある
  • 表面にハリとツヤがあり、傷や斑点がない
  • 切り口が白いままで変色していない

良い長芋と山芋は持った時にずっしりとした重さがあり、表面がきれいです。

長芋はカットされていることも多いですが、切り口が変色していないかも見てみてください。

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長芋と山芋の保存方法

長芋と山芋の保存方法

長芋・山芋は生で食べることも多いので、適切な保存方法でおいしさを保ちましょう。

丸ごと冷蔵保存する場合

  1. 新聞紙でまるごとくるむ
  2. 冷蔵庫の野菜室で保存

保存期間は約1ヶ月。

25℃以下なら、日の当たらない風通しの良い場所で常温保存もできます。

カットされたものを冷蔵保存する場合

  1. ラップで全体をきっちり包む
  2. 密閉できる保存袋に入れて、できるだけ空気を抜く
  3. 冷蔵庫の野菜室で保存

保存期間は生で食べるなら3日~4日ほど、加熱して食べるなら1週間ほどが目安です。

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まとめ

長芋と山芋は見た目はもちろん、粘り気も味わいにも違いがあります。

山芋(ヤマノイモ)は種類がいくつもあって、地域によってどの芋を指すのかが異なるのも特徴です。

長芋と山芋を使い比べて、違いを実感してみると料理の奥深さが楽しめることでしょう。

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本記事では、長芋の保存方法を4種類紹介します。ほかにも、長芋の保存期間や活用レシピについても解説しますので、長芋の保存方法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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