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日本でもおなじみのカレーは、世界各国でそれぞれ違いがあります。
なかには、日本のカレーのイメージとはかけ離れたものも多いです。
ここでは、国ごとに異なるカレーの種類とその特徴を解説します。
カレーの由来とは?
カレーと呼ばれるようになったのは、16~17世紀ごろ、インドが発祥の地とされています。
もともとは「カレー」という言葉ではなく、インドのスパイスを使った料理「カリ」がヨーロッパへわたり、これが訛って「カレー」と呼ばれるようになり、東南アジアを中心に世界へ広がっていきました。
いまでは、国ごとにさまざまな素材を使った幅広い料理となり、各国で呼び名も変わっていったのです。
インドのカレーは北と南で種類が異なる
カレー発祥の地・インドのカレーは、北インドと南インドで、宗教や気候、採れる作物などさまざまな理由から大きく違いがあります。
北インドのカレーは、チャパティ(薄く焼いたパンの一種)やナンをつけて食べるので、肉や乳製品、ナッツを使ったとろみが強く、コクのある濃厚な味わいが特徴です。
南インドでは、米が主食なので、ご飯になじみやすいサラサラとしたカレーが多く食べられています。
世界のカレーの種類
その国ならではの文化などによって、カレーの特徴やおいしさには違いがあります。
ここからは、国ごとになじみ深い代表的なカレーをその特徴とともに紹介していきます。
インド
インドのカレーは、複数のスパイスを使用して作る、スパイスカレーが有名です。
バターチキンカレー
日本でも人気の高い、北インドを代表するカレーです。
クリーミーでトマトやヨーグルトの軽やかな味わいは、一度食べるとクセになります。
キーマカレー
だれからも愛される挽き肉を使ったカレーです。
日本では豚や牛などの肉が良く使われていますが、インドではヤギや羊の肉を使うのが一般的です。
パラクパニール(ほうれん草とチーズのカレー)
緑色が特徴的な、辛さ控えめでマイルドなカレーです。
ほうれん草のなめらかさとチーズのコクがマッチした、まろやかな味わいです。
サンバル
南インドを代表する酸味のあるカレーで、さらさらとしたスープに近く、日本でいう味噌汁的な存在です。
豆がベースで、大根やナス、オクラなどさまざまな野菜を組み合わせて煮込みます。
タイ
インドと同じくらいカレーといえばイメージされる国です。
「ゲーン」と呼ばれる、独特な風味と味付けが特徴のタイカレーは、多種多様な唐辛子をベースにフレッシュなハーブを使用するため、新鮮な風味と清涼感を感じられます。
グリーンカレー
青唐辛子、プリッキーヌ(タイの激辛唐辛子)をたっぷりと使って作るタイを代表とするカレーです。
ココナッツミルクを入れることで、刺激的な辛さにまろやかさがあるのが特徴です。
マッサマンカレー
玉ねぎやじゃがいもを具材として使用するので、日本人にとっても食べやすい味わいです。
レッドカレー
赤唐辛子を使った、マイルドでコクのある辛さが特徴のカレーです。
いかにも辛そうな赤色で、ヒリヒリとした辛味が好きな方におすすめです。
イエローカレー
黄色の理由は、スパイスのターメリックによるものです。
マイルドで優しい味なので、辛いのが苦手な方にもおすすめです。
パキスタン
パキスタンは、インドの近くに位置する国で、北インドと南インドのカレーをミックスさせたものが多いです。
ムルギカリー(鶏肉のカレー)
スープの骨付きチキンカレーで、スープにも鶏肉のだしが出ています。
食べ方は、まず骨を抜き、鶏肉をほぐして、カレーとご飯と一緒に混ぜ合わせます。
マチリカリー(白身魚のカレー)
スパイスがたっぷり入っており、からだを温めるという理由から主に冬に食べられるカレーです。
白身魚は、ヨーグルトに漬けて臭みを抜いたものを使用します。
魚の旨味とヨーグルトのコクが特徴です。
スリランカ
スリランカのカレーは、豆やナスを使ったものが多いのが特徴です。
パリップ(豆のカレー)
スリランカではよく食べられているカレーで、パリップとはレンズ豆を指します。
レンズ豆たっぷりのローカルフードとして現地で愛されています。
ワアンバトゥモージュ(揚げナスのカレー)
油で揚げたナスをスパイスで煮込んだカレーです。
辛さは控えめですが、スパイスが複雑に絡み合い刺激的な味です。
ネパール
ネパールのカレーの具材は、野菜が中心で豆をよく使用しています。
辛さは控えめなものが多いです。
ダル(豆のカレースープ)
栄養豊富な豆カレーで、ネパールで親しまれています。
辛さはまったくなく、カレーというよりはサラサラとしたスープのような味わいです。
アル・べンタ・タルカリ(ジャガイモとナスのドライカレー)
「タルカリ」とは野菜のカレー炒め風という意味があります。
ネパールの定食に欠かせない野菜のドライカレーです。
インドネシア
インドネシアは、古くからスパイスの国として有名で、一般の家庭でも20種類ほどスパイスを常備しています。
ソトアヤム(鶏肉のカレースープ)
ニンニクとターメリックが効いた鶏肉のカレースープで、インドネシアでは定番の料理です。
辛みはほとんどありません。
ナシカリ
とろみのないサラサラとしたタイプのビーフカレーで、油を使わずに煮込むため、さっぱりとした味わいです。
シンガポール
シンガポールは多民族国家である影響から、カレーもさまざまな国の特徴が交わっています。
ラクサ(スパイシーココナッツミルク麺)
ココナッツミルクと海老のだしが効いた甘くてスパイシーなカレースープです。
スープがよく絡む太めのライスヌードルで食べるのが定番となっています。
フィッシュヘッドカレー
大きな魚の頭が入った、豪快な見た目が特徴のカレーです。
魚のだしもよく効いており、辛さのなかに酸味と甘みが感じられるシンガポールの名物料理です。
マレーシア
マレーシアは多民族国家で、食文化にもそれぞれ特徴があります。
味の好みも地域によってさまざまですが、共通点として、唐辛子とカレーが好まれています。
ケタムマサラマ(蟹のカレー)
蟹の旨味とコクが染み出た、辛くて甘いココナッツ風味のカレーです。
蟹のエキスがたっぷり染み出たスープは絶品です。
イカンマサラマ(魚のカレー)
辛味とコクのあるスープで魚をまるごと煮込んだ奥深い味のカレーです。
スパイスを加えたココナッツミルクベースのスープは、ご飯にもパンにも相性がよいです。
カンボジア
カンボジアのカレーは、マイルドな味付けが多いのが特徴です。
スープのようなサラサラとしたカレーがメインです。
クメールカレー
ココナッツミルクや砂糖を使用した、日本人でも食べやすい、カンボジアならではのカレーです。
カンボジアでは、麺を入れたりパンにつけたりして食べます。
ミャンマー
ミャンマーは、インドと中国が融合したような食文化を持ち、スパイスは控えめで、油を多く使うのが特徴です。
ウエッターヒン(豚肉のカレー)
シンプルな豚肉のカレーです。
豚肉の旨味が染み出た油とスパイシーなスープが混ざりあい、ご飯にとてもよく合います。
イギリス
インドやパキスタンを植民地としていたイギリスは、さまざまなスパイスを手に入れることができました。
またカレー粉発祥の国としても知られています。
チキンティッカマサラ
ヨーグルトとスパイスに漬け込んだ鶏肉を、タンドールで焼き、チキンカレーの具材として使用します。
イギリスの国民食と言われるほど人気のカレーです。
ドイツ
ヨーロッパでは、イギリス以外の国ではカレーはまだ普及していません。
しかし、ドイツ・ベルリンにはカレーパウダーを用いた、カリーヴルストと呼ばれる料理が存在します。
カリーヴルスト
焼いたソーセージにケチャップとカレーパウダーをふんだんにかけた料理です。
B級グルメとしてドイツの人々から愛されています。
日本
日本のカレーは、イギリスより伝わった欧風カレーをさらに日本風にアレンジされたものが、今の日本のカレーのルーツになっています。
今ではポピュラーな、ドライカレーやスープカレーも、じつは日本発祥のカレーです。
ドライカレー
ドライカレーは、インドのキーマカレーを日本でアレンジして生まれた料理です。
汁気の少ないカレー全般をドライカレーと呼びます。
使用する具材にとくに決まりはなく、健康に気づかった食材や華やかな見た目を意識したものなどバリエーションも豊富です。
スープカレー
スープカレーはサラサラとしたスープタイプのカレーで、スパイスの効いたスープと大きな具材が特徴です。
札幌が発祥の地といわれており、南インドやスリランカ、タイなどの汁気の多いカレーと似ています。
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