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「シーズン到来!鮎漁が解禁しました!」
6月になると、上記のような見出しをテレビで見かけることはありませんか?
“清流からの贈り物”と呼ばれ、川魚の代表ともいえる鮎ですが、
「鮎はどんな魚?」
「鮎の美味しい食べ方は?」
「自宅でも食べられる?」
といった疑問をお持ちの方もいると思います。
この記事では、
- 鮎が美味しく食べられる旬の時期
- 天然と養殖の違い
- 鮎漁で有名な地域
- 鮎の美味しい食べ方3選
- スーパーや飲食店の価格
について、くわしく解説いたします。
食べる際の注意点や、鮎の保存方法もあわせて紹介しますので、ぜひチェックしてください。
鮎(あゆ)が美味しく食べられる旬の時期は?
鮎が食べられる時期については、以下の3つにわけられます。
- 4~5月:天然の鮎が食べられない
- 6~8月:若鮎〜成魚になり脂がのるタイミング
- 9月〜10月:子持ち鮎を味わえる
季節により、鮎は市場に出回らないケースもあります。
4~5月ごろの鮎(あゆ)
4〜5月ごろの鮎は、稚鮎(ちあゆ)と呼ばれています。
ただし、天然の鮎は、11月〜5月末までほとんどの地域で禁漁期間となっているため、稚鮎は市場には出回りません。
スーパーや飲食店で見かける稚鮎については、養殖のものとなります。
6~8月ごろの鮎(あゆ)
鮎が旬の時期のなかでも、6~8月は“鮎の最盛期”といわれています。
最盛期の鮎には、以下2つの特徴があります。
- 香魚(こうぎょ)とも呼ばれ、脂がのるだけでなく香りも楽しめる
- 7月の若鮎の時期では骨も柔らかいため、丸ごと美味しく食べられる
※鮎は藻やプランクトンしかたべないため、ワタ(内臓)に苦みがない。
鮎の成長過程
9月~10月 | 河川の下流で産卵 |
---|---|
11月~5月 | 海で育つ |
6月~8月 | 産卵のため川にもどる(旬の時期) |
9月〜10月ごろの鮎(あゆ)
旬を過ぎた9〜10月の卵を持った鮎は『子持ち鮎』あるいは『落ち鮎』と呼ばれ、一味違った味を楽しめます。
子持ち鮎の食べごろは地域により異なり、東北地方では8月下旬・関東〜中国・四国地方では9月〜10月、九州地方では10月ごろといわれています。
鮎 (あゆ) 天然と養殖 それぞれの違いについて
天然の鮎と養殖の鮎では、以下のような違いがあります。
天然 | 養殖 | |
---|---|---|
出荷時期 | 6月~10月 | 1年中 |
香り | ある | ほとんどない |
安全性 | 生食は注意 | 高い |
天然の鮎が食べられるのは6月~10月
鮎は資源保護の対象となっているため、天然の鮎が食べられるのは、漁が解禁される6月1日~10月末となります。
※一般的に、11月~5月末は禁漁となっている地域が多い
また、天然の鮎には、横川吸虫(よこがわきゅうちゅう)という寄生虫がいることもあります。
アユ、シラウオ、ウグイ、コイに寄生しているため,これらの淡水魚の生食や不完全調理での喫食により感染する。
日本医事新報社:横川吸虫症(有害異形吸虫症を含む)[私の治療]
成人の場合、少量なら無害といわれていますが、お子様の場合は食中毒の症状※が出るケースもあるため、生で食べる刺身や生焼けの場合は注意が必要です。
※腹痛・下痢・血便など
天然の鮎を食べるときは、いちど冷凍保存するか、しっかり加熱処理しておきましょう。
アユを-3℃の緩慢冷凍 3 日間で感染を防げることが報告されている。
引用:食品安全委員会
養殖の鮎はシーズン関係なく食べられる
養殖の鮎は、一年中食べられるメリットがありますが、香り豊かな旬の天然の鮎と比較すると、その香りは少し控えめです。ですが、養殖の鮎は寄生虫の心配が少ないというメリットがあります。
スーパーで見かける鮎はほとんどが養殖で、天然の鮎を見かけることは滅多にありません。
そのため、ご家庭で手軽に鮎を楽しみたい場合は、養殖を選ぶ機会が多くなります。
鮎(あゆ)の漁獲量日本一は?
天然と養殖では、漁獲量の多い地域が変わります。
天然の鮎:漁獲量日本一は滋賀県の315トン
1位 | 滋賀県 | 315トン |
---|---|---|
2位 | 茨城県 | 309トン |
3位 | 栃木県 | 299トン |
4位 | 神奈川県 | 231トン |
5位 | 岐阜県 | 208トン |
※全国の漁獲量:1,854トン
上記5県が、73.3%(1,360トン)のシェアを占めています。
参考資料:農林水産省およびe-Stat
養殖の鮎:漁獲量日本一は愛知県の1,247トン
1位 | 愛知県 | 1,247トン |
---|---|---|
2位 | 岐阜県 | 838トン |
3位 | 和歌山県 | 580トン |
4位 | 栃木県 | 308トン |
5位 | 滋賀県 | 271トン |
※全国の漁獲量: 3,909トン
養殖では地域が変わり、上記5県が82.9%(3,244トン)のシェアを占めています。
参考資料:農林水産省およびe-Stat
旬の鮎(あゆ)を美味しく食べる食べ方3選
旬の鮎を美味しく食べるには、次の3つの方法がおすすめです。
- 塩焼き
- 天ぷら
- 刺身
なお、生で食べる刺身の場合、天然の鮎であれば前述したように寄生虫の心配があります。
そのため、自宅調理であれば、加熱する塩焼きや天ぷらがおすすめです。
パリッと香ばしい定番の塩焼き
おすすめの食べ方1つ目は、パリッと香ばしい定番の塩焼き。
パリパリの香ばしい皮とあわせて、鮎の香りを楽しみたい方は、塩焼きで旬の味を楽しみましょう。
サクサク食感を楽しめる天ぷら
おすすめの食べ方2つ目は、サクサク食感が楽しめお酒のあてにもピッタリな天ぷら。
揚げたてをそのままいただいてもよし、天つゆや梅肉とあわせて食べるのもおすすめです。
旬の鮎であれば、塩焼きとおなじく、ワタをとらなくても問題ありません。
歯ごたえと香りが楽しめる刺身
おすすめの食べ方3つ目は、しっかりした歯ごたえと香りが楽しめる刺身です。
旬の鮎はあっさりしていながらも脂がのっているため、醤油をかけただけで脂が浮き上がってくる場合も。
ただし、天然の鮎は寄生虫がいるケースもあるため、安全面を考えるなら、自宅調理はおすすめしにくい一面があります。
鮎(あゆ)の保存方法は冷凍がおすすめ
自宅で鮎を保存する場合は、冷凍保存がおすすめです。
内臓を取らずにそのまま冷凍すると、生臭くなる場合もあるため、注意しましょう。
冷凍保存の手順
- 頭と内臓をとりのぞく
- 水分をふきとる
- ラップでつつむ(空気が入らないように注意)
- 冷凍庫へ
調理前に解凍するときは、冷蔵庫で時間をかけて自然解凍、いそぐ場合は冷水や氷水につけながら解凍しましょう。
レンジなどで加熱すると、解凍にムラがでるだけでなく、風味が損なわれてしまうため、自然解凍がおすすめです。
鮎(あゆ)の販売価格や飲食店の価格は?
スーパーでは養殖と天然で、飲食店では調理方法などで価格が変わります。
ちなみに、スーパーでは天然の鮎を見かける機会は少なく、ほとんどが養殖ものと思っておきましょう。
スーパーの場合
スーパーで販売されている鮎の価格は、次のようになります。
養殖 | 300円~400円 |
---|---|
天然 | 800円~1,300円 |
※1尾当たりの販売価格
サンマ1尾が100~300円と考えると、鮎の価格はすこし高い印象です。
飲食店の場合
飲食店の例をあげると、次のようになります。
松月庵 | 鮎の天麩羅(単品):1,100円 |
---|---|
活料理専門店 綾戸簗 | 塩焼き(2尾):1,800円 |
鮎や | 定食:1,800円(コース料理:3,200円~5,150円) |
※価格は2023年6月時点のもの
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