公務員のふるさと納税方法|寄附の流れや注意点を紹介

公務員のふるさと納税方法|寄附の流れや注意点を紹介

2008年に導入されたふるさと納税。

日本各地を寄附によって応援しつつ、税制控除を受けることができ、更に寄附のお礼として返礼品が受け取れる魅力的な制度です。

そんなふるさと納税は、自営業者やサラリーマンのみならず、公務員でも問題なく利用できることをご存知ですか。

そこで今回は公務員の方を対象に、ふるさと納税の利用方法やメリット、注意点などについて解説します。

今やすっかり一般的になったふるさと納税。税金の控除が受けられるのも魅力の一つです。入院したりして医療費控除を受けようとするケースもあると思います。その際、ふるさと納税と併用して控除を受けることはできるのでしょうか?できないと思う人もいるかもしれませんが、実はできます。この記事を読めば、併用の方法や注意点がわかります。

ふるさと納税は公務員も利用可能

ふるさと納税は公務員も利用可能

「ふるさと納税に興味があるけれど、規則違反になるのでは」。

そんなふうに考えて、 ふるさと納税を敬遠している公務員もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、ふるさと納税は公務員でも、問題もなく利用可能です。

公務員には「国家公務員法(第103条・第104条)」「地方公務員法(第38条)」のそれぞれにおいて副業を原則禁止する規定が存在します。 

しかし、ふるさと納税はあくまでも寄附であり、副業には当たりません。ふるさと納税に対して返礼品をもらうことができますが、あくまでも寄附に対する返礼であり、副業によって得る利益とは異なります。

公務員がふるさと納税するメリット

公務員がふるさと納税するメリット

ふるさと納税には、以下5つのメリットが存在します。

1.ふるさと納税は寄附金控除の対象であるため、住民税の控除が受けられる

寄附金控除の対象であるふるさと納税を利用することで、確定申告をせずに住民税の控除を受けることができます。(*ワンストップ特例制度利用時。確定申告した場合は所得税も控除対象となります)

2.2,000円の自己負担額を除く全額が住民税控除となる 

ふるさと納税での自己負担金は2,000円のみで、2,000円を超える寄附金額全額が、住民税控除されます。(*ただし控除限度額あり)

3.ふるさと納税した自治体の特産品などを返礼品として受け取ることができる

米、肉、魚介類、旬の果物をはじめ、電化製品、日用品、宿泊券、アクティビティ体験に至るまで、自治体ごとに多種多様な返礼品が用意されています。

4.確定申告不要で利用できる 

公務員は「ワンストップ特例制度」が利用できるため、確定申告不要でふるさと納税が利用できます。

5.寄附金の使い道を指定できるなど、自治体の活性化に貢献できる

寄附金をどのように役立てて欲しいのかを指定できるため、地域活性化、地方創生、復興支援などに積極的に関わることができます。

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公務員がふるさと納税するときの注意点

公務員がふるさと納税するときの注意点

ふるさと納税は公務員でも利用できる制度です。

それでも、制度利用に際していくつか不安が残るのではないでしょうか。

ここからは以下3点について、公務員がふるさと納税するときの注意点をご紹介します。

  • 確定申告が必要な場合がある
  • 公務員のふるさと納税はモラル違反?
  • ふるさと納税したことは職場にバレる?

確定申告が必要な場合がある

寄附による控除を受けるためには、通常、確定申告が必要となります。しかし、ふるさと納税には「ワンストップ特例制度」と呼ばれる仕組みが用意されており、確定申告不要で寄附金控除を受けることが可能です。 

公務員もワンストップ特例制度の対象ですが、以下のようなケースではワンストップ特例制度の対象外となり、確定申告が必要となります。

  • 寄附する自治体が年間5つを超えるケース
  • 医療費還付を受けるなど何らかの理由で確定申告が必要なケース
  • ワンストップ特例の申請に不備があったケース 

公務員のふるさと納税はモラル違反?

「自分の居住地・勤務地以外の自治体にふるさと納税したらモラルに反するのではないか」

そのようにお考えの公務員もいらっしゃるかもしれません。

しかし、公務員のふるさと納税利用に関する規定は存在しません。

そもそも、公務員の中には県をまたいで仕事をする方、頻繁に異動する方も数多くいます。

すでにご紹介したように、ふるさと納税は副業にも当たらないため、公務員が利用してもどのようなモラル違反にも当たりません。

ふるさと納税は「地域の活性化」が主目的の1つですから、むしろ公務員の方も積極的に利用することで、その一助となることができます。

ふるさと納税の趣旨をよく理解し、常識的に利用する限りにおいては、誰もが積極的に利用したい制度と言えるでしょう。

ふるさと納税したことは職場にバレる?

ふるさと納税したことは職場にバレる?

ふるさと納税したことが職場にバレる可能性はゼロではありません。その理由は以下の2つです。

  • ふるさと納税の控除対象である住民税をそれぞれの自治体が管理していること 
  • 職場から渡される「住民税の決定通知書」に寄附の事実が記載されること

ただし、公務員がふるさと納税を利用することは禁止されていないため、バレても不利益を被ることはありません。

ただし、職場の上司などがふるさと納税に否定的な場合などは「ふるさと納税の趣旨に賛同し、地域活性化や復興支援に貢献したいこと」を伝えるなど、ケースに応じてフォローをしておくと良いでしょう。

 ふるさと納税の手続きの流れ

ふるさと納税の手続きの流れ

ふるさと納税の寄附には4つのステップがあるので、制度を利用する前に確認しておきましょう。

以下、ふるさと納税サイトを利用したふるさと納税の手続きの流れです。

  • 控除限度額を確認
  • 寄附先・返礼品の決定
  • ふるさと納税サイトで寄附
  • 税金控除の申請

①控除限度額を確認

ふるさと納税を利用してワンストップ特例制度で申請すると、住民税の控除を受けることができます。

ただし控除限度額は、公務員・サラリーマン、自営業者、年金受給者などの属性によって異なり、さらに家族構成によっても変化します。

以下、公務員を含む給与所得者の控除限度額(全額控除されるふるさと納税の年間上限額)の目安です。

独身もしくは共働き配偶者に収入のない夫婦共働きで高校生の子供1人
給与収入300万円28,000円19,000円19,000円
給与収入500万円61,000円49,000円49,000円
給与収入1,000万円 176,000円166,000円166,000円

②寄附先・返礼品の決定

控除限度額を確認したら、寄附先・返礼品を選びます。

旬の食材や特産物、高還元率の返礼品には早くから申し込みが殺到して、在庫がなくなる恐れがあるため、できるだけ早く申し込むことがポイントです。

寄附先や返礼品は、各自治体のホームページに掲載されていますが、1つずつ見ていくのは大変です。

そのため「ふるさと納税サイト(ふるさと納税ポータルサイト)」を利用することで、各自治体の特徴や返礼品を効率的にチェックすることができます。 

③ふるさと納税サイトで寄附

寄附先・返礼品が決定したら、寄附の申し込みと寄附金の支払いを実施します。

ふるさと納税サイトを利用すれば、返礼品選びから寄附までの手続きが一括で行えるので便利です。

寄附が完了したら、寄附金受領証明書と返礼品が後日配送されます。

④税金控除の申請

ふるさと納税の税金控除は自動で行われるわけではありません。

申し込み、寄附金の支払い、返礼品の受け取りが無事完了しても、手続きを行わなければ税金控除の対象とはなりませんのでご注意ください。

前述のように、ふるさと納税の税金控除の申請方法には「確定申告」「ワンストップ特例制度」の2つがあります。

特定申告すべき特別な理由がない公務員は、ワンストップ特例制度による税金控除の申請が可能です。

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ワンストップ特例制度の条件と方法

ワンストップ特例制度の条件と方法

ワンストップ特例制度は、ふるさと納税の寄附金控除を、確定申告不要で受けることができる制度です。

以下のように簡単な手続きで、ふるさと納税の寄附金控除の申請が完了します。

ワンストップ特例制度の申請方法

1.必要なものの準備

ワンストップ特例制度の申請には「ワンストップ特例制度の申請用紙(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)」「本人確認書類」 「封筒・切手」が必要です。 

申請用紙は、各自治体のホームページからダウンロードできるほか、ふるさと納税サイトからダウンロードできる場合もあります。

本人確認書類については「マイナンバーカードの両面の写し(Aパターン)」「通知カードもしくは住民票の写しと、運転免許証もしくはパスポートの写し(Bパターン)」「通知カードもしくは住民票の写しと、健康保険証・年金手帳など公的書類2点以上の写し(Cパターン)」のいずれかを申請用紙と共に同封してください。

2.申請書類への記載

次にワンストップ特例制度の申請用紙へ必要事項を記載します。

提出日、ふるさと納税した自治体、氏名、マイナンバー、住所、連絡先、性別、生年月日、寄附金額などの必要事項を漏れなく記載してください。 

3. 各自治体への郵送

ふるさと納税を実施した各自治体へ「ワンストップ特例制度の申請用紙(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)」「本人確認書類」を入れた封筒を郵送します。

寄附先の自治体で申請書が受理されると、申込者の住む自治体へ連絡が届き、翌年分の住民税が控除される仕組みです。

ワンストップ特例制度の申請期限は、ふるさと納税を利用した翌年の1月10日必着ですので、申請書は余裕を持って送付するようにしてください。

なお、ワンストップ特例制度が利用できるのは、以下の2条件に当てはまる方となります。

ワンストップ特例制度の利用条件

  • 給与所得者(初めから確定申告が不要な方)
  • 寄附する自治体が年間5つを超えない方

「寄附する自治体が年間5つ」については、寄附先の自治体数を指します。

つまり、ふるさと納税の回数が年間5回を超えても、寄附先の自治体数が5つ以内であれば、ワンストップ特例制度の対象となります。 

ただし、確定申告とワンストップ特例制度の併用はできないためご注意ください。

例えば、医療費還付を受けるなどの理由で確定申告する方は、ワンストップ特例制度の対象外となります。

まとめ

公務員がふるさと納税を利用しても、何の問題もありません。

ふるさと納税は、地域の応援や多種多様な返礼品も含めて、非常に魅力的な制度と言えます。

ワンストップ特例制度を利用すれば、確定申告なしで住民税の控除を受けることができますので、公務員の方も前向きに利用を検討されると良いでしょう。

(*本記事は2021年4月時点の情報を元に作成されました。シミュレーションで提示された金額はあくまでも目安で、実際の金額は異なる可能性があります)

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