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有識者に賢くお金を使用・運用するテクニックを聞くと、NISAやiDeCoとならび、必ずふるさと納税が挙げられます。
そんなふるさと納税の寄附について、直接自治体へ寄附する方法を中心に紹介します。
ポータルサイトでの手続きとの違いや注意点を解説するため、ふるさと納税にこれから取り組みたい方はぜひ参考にしてください。
寄附の方法は大きく分けて2つある
ふるさと納税とは、自分が生まれた故郷や応援したい自治体に寄附ができる制度です。
ゆかりのある自治体を応援する意味で寄附することも有効ですが、寄附金獲得のため、各自治体がさまざまな返礼品を考案しています。
野菜や果物、工芸品など地域の特産物だけでなく、美容品やキャンプグッズまで返礼品のジャンルは多岐にわたります。
よって、自分が欲しい返礼品をもらえる自治体を選んで寄附する方も多いです。
ここでは、そんなふるさと納税の寄附の方法について解説します。
自治体へ直接納付の申し込みをおこなう方法
寄附申し込み書を直接郵送やFAX、またはメールで送付することで直接自治体へ寄附できます。
方法については自治体により多少異なる部分もあります。
多くの場合寄附申し込み書については自治体のHPにPDFやWord形式で準備されており、自分でダウンロードして必要事項を記入することで送付可能です。
申し込み書が自治体で受理されると、別途寄附金を納付するための納付書が届きます。
金融機関へ受け取った納付書を持ち込み、所定の口座へ入金することで納付が完了する流れです。
自治体で入金が確認でき次第、返礼品を申し込めます。
自治体によっては、寄附手続きの時点で返礼品の申し込みができる場合もあります。
各自治体が事前に案内しているスケジュールに沿って返礼品は適宜発送されますが、寄附金受領書は別途送付されるため注意が必要です。
受領書は確定申告をする際に必要になるので、大切に保管してください。
ワンストップ特例制度を希望して申し込みする場合は、寄附金受領書と同封する形で特例申請書が送付されます。忘れずに記入して返送しましょう。
ワンストップ特例制度については後で詳しく解説します。
ふるさと納税のポータルサイトからの申し込む方法
直接自治体とやりとりしなくてもふるさと納税ができる方法として、ポータルサイトを利用する方法があります。
ポータルサイトを利用すれば、ジャンルや希望する納付金額の範囲内など条件を絞って横断的に返礼品を探せます。
ポータルサイト上で自治体への寄附の申し込み手続きができ、サイトによってはクレジットカードなどキャッシュレス決済での寄附も可能です。
申し込み後の返礼品や寄附金受領書等のやりとりの流れについては、直接自治体へ寄附する場合とおおむね同じです。
2つの方法の違い
ポータルサイトは掲載されている複数の自治体から寄附先を探せる利便性があります。
決済方法も振込でなくキャッシュレスで済ませられるケースが多いため、直接自治体へ寄附する方法よりスマートに手続きが完了できます。
しかし、以下のような方は、直接自治体へ寄附するのがおすすめです。
- 情報がシンプルなほうが分かりやすい
- ポータルサイトに登録するのが億劫でクレジットカードやキャッシュレス決済では普段決済しない
どちらの方法を選んでも、控除できる税額に影響はないため自分に合った方法を選択しましょう。
ふるさと納税で受けられる税額控除ってなに?
ふるさと納税で寄附した資金の用途は指定でき、寄附のうち2,000円を超える部分については税金の控除が受けられます。
直接自治体へ寄附・ポータルサイトを経由する方法の、どちらを利用しても、税額控除の手続きを忘れずに完了させましょう。
ここでは、税額控除の手続きである、確定申告とワンストップ特例制度について説明します。
ワンストップ特例制度を利用する場合
ワンストップ特例制度を利用する場合、寄附額が上限金額内であれば、全額住民税から控除されます。
ワンストップ特例制度の特徴は、ふるさと納税をした後に確定申告をしなくても寄附金控除が受けられる点です。
自治体へ直接寄附する場合、申請書を提出する際にワンストップ特例を希望する選択欄にチェックを入れて提出します。
後日、自治体から送られてくる特例申請書に必要事項を記入して、必要書類とともに寄附した翌年の1月10日までに返送しましょう。申請が完了すれば税額控除を受けられます。
ちなみに、ワンストップ特例制度は以下の要件を満たさなければいけません。
- ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者(会社員など)の方
- 給与収入が2,000万円以下で、初年度の住宅ローン控除や医療費控除を受ける予定のない方
- ふるさと納税の寄附先が5自治体以内である方
以上の要件を満たせない場合は、別途確定申告をおこなう必要があります。
確定申告をおこなう場合
確定申告で、わずかに所得税が還付されるケースもあります。しかし、確定申告をおこなう場合はワンストップ特例制度は利用できません。
確定申告をおこなう場合、ふるさと納税をおこなった翌年の3月15日までに、所轄の税務署に対して手続きを完了させなければいけません。
直接税務署に行かなくても、e-Taxからでも手続きができます。
ふるさと納税については、自治体から受け取った寄附金受領書を証票として提出することで税額控除できます。
医療費控除など、他の控除がある場合はまとめて確定申告で控除手続きを済ませましょう。
ふるさと納税をおこなう際の注意点
ふるさと納税自体の金額に上限はありません。
ふるさと納税のうち、税額控除の対象となる金額にはあくまでも上限があり、超えた部分は控除されず、自己負担となります。
ここでは、ふるさと納税の上限額について、どのような注意点があるか解説します。
ふるさと納税には控除の上限額がある
ふるさと納税をおこなう時には、まだ当該年度の所得や所得控除の金額は確定していません。
したがって、正確な上限額を算出することはできません。
しかし、前年の所得金額や住民税の税額等を参考に、目安の金額を計算することでおおまかな寄附可能額を算出できます。
シミュレーションを賢く使おう
ふるさと納税における寄附可能額の算出には、シミュレーションを利用しましょう。
ふるさと納税のポータルサイトなどでは、控除上限額のシミュレーターが用意されていることが多いので簡単に目安を知ることができます。
シミュレーションを活用して、上限額いっぱいまでふるさと納税を楽しみましょう。
自己負担額(2,000円)を超えてしまうケースについて
税額計算の基礎となる課税所得が所得税率区分の変わり目であったり、住宅ローン控除など他の控除と併用していたりする場合、結果的に自己負担額を超えてしまう場合があります。
シミュレーションサイトを利用することで、おおよその控除限度額は予測できます。
しかし、利用する控除の制度だけでなく、ワンストップ特例制度か確定申告をするのかによっても税額は変動する可能性があり注意が必要です。
どうしても自己負担額を超えたくない方は、シミュレーションで算出された金額より少なく抑えた利用金額にとどめましょう。
まとめ
ふるさと納税において自治体へ直接寄附する方法は、ポータルサイトを経由する方法に比べて非効率な部分があるかもしれません。
しかし、寄附先の自治体が決まっていて情報が多すぎないサイトを利用したいなど、ポータルサイトを利用するメリットがない場合は自治体への直接寄附を選択すると良いでしょう。
いずれにせよ、返礼品を受け取っただけで安心せず、税額控除を受けるためにきちんと最後まで手続きを完了させてください。
自己負担額の2,000円で、さまざまな地域の返礼品を楽しみましょう。