目次
高級食材としてもよく知られ、濃厚でくせになる味わいが魅力のウニ。
きっと、「お寿司屋さんでは必ずウニを頼む」という方も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税の返礼品としても大人気のウニですが、じつは、種類や産地によって最もおいしい時期が異なります。ぜひ、旬のウニを楽しんでください。
ウニってどんな生物?
ウニの多くは海底表面に生息しており、主にコンブやワカメなどの海藻類を食べて生きています。
管足という、内部に体液の詰まった細長い管をくねくねと伸び縮みさせることで移動することができます。
管足はウニの足として使われているだけでなく、呼吸や排泄のときにも使われる器官です。
ウニは固い殻に覆われており、その表面にはとげが無数に生えています。
見た目がハリネズミのように見えることから、ウニは英語で「海のハリネズミ」という意味の「sea urchin」と呼ばれています。
ウニの内部には消化管と生殖巣があり、私達が食べている「ウニ」はこの生殖巣の部分です。
ひとつのウニのなかには5つの生殖巣が入っており、栄養状態の良いウニは生殖巣が隙間なくパンパンに詰まっているのが特徴です。
日本の食用ウニの種類と特徴
ウニには様々な種類がありますが、日本で獲れる食用のウニの種類は限られています。主なウニの種類について、ひとつずつ見ていきましょう。
ムラサキウニの特徴
ムラサキウニは、高級品として知られるウニの一種で、一般的にイメージするウニの形状と一番似ているのがこのムラサキウニではないでしょうか。
白色がかった淡い黄色の身はさっぱりとした味わいで、さわやかな磯の香りを感じることができます。上品な甘さが口の中で広がります。
バフンウニ
北海道を除く日本全国に生息している小型のウニです。
「馬糞」に似ているところから名付けられたバフンウニですが、短いとげが密生した見た目は何となくタワシを連想させます。
身は濃い黄色で、非常にまったりとした甘い味わいです。
ウニの中で最も味が濃厚ともいわれるほどで、その独特な風味に惹きつけられます。
エゾバフンウニ
北海道を中心に獲れるエゾバフンウニは、オレンジ色の美しい身が特徴です。
バフンウニと名前は似ていますが、エゾバフンウニのほうがバフンウニよりも大型です。
身の色は濃いオレンジで、口に含むと舌の上でとろけるような濃厚な味わいが魅力です。
エゾバフンウニは生産量が少ないことから、「最高級のウニ」とも呼び声高い一品です。
キタムラサキウニ
主に北海道や東北地方で生産されるウニです。
とげは比較的細く、サイズも小さめです。
身は薄い黄色。しっかりとした粒が感じられ味はまろやかで甘みがあり、クリーミーな食感が特徴です。
身がずっしりしており崩れにくいので、寿司ネタとしてもよく使われています。ほんのりとした、淡白な甘みがあります。
赤ウニ
赤ウニは、九州沿岸に生息する暖かい海を好むウニです。
希少価値が非常に高いため、「幻のウニ」とも呼ばれています。
身は、名前の通り赤みを帯びた濃い黄色をしています。
味は強い甘みが特徴で、鼻の奥にがつんと来るような濃厚な味わいです。
ウニの旬を産地別に解説
同じ国産のウニでも、産地によって種類や旬がことなります。
ここでは、各地方のうにの種類と旬の時期について早見表と詳細説明で解説していきます。
地域 | 獲れるウニの種類とその旬 |
---|---|
北海道 | バフンウニ:5月下旬〜8月上旬、ムラサキウニ:6月〜8月 |
東北地方 | ムラサキウニ:6月〜8月、バフンウニ:6月〜7月 |
関東地方 | ムラサキウニ:5月下旬〜8月上旬、バフンウニ:6月〜7月 |
中国地方 | ムラサキウニ:5月下旬〜8月上旬、バフンウニ:6月〜7月 |
四国地方 | ムラサキウニ:5月下旬〜8月上旬、バフンウニ:6月〜7月 |
九州地方 | ムラサキウニ:5月下旬〜8月上旬、バフンウニ:6月〜7月 |
沖縄県 | ムラサキウニ:5月下旬〜8月上旬、バフンウニ:6月〜7月 |
北海道
ウニの生産量日本一を誇る北海道。
北海道産のウニは貴重な資源であるため、獲りすぎることのないよう、特に産卵時期や繁殖時期などに場所に応じて禁漁期間が設けられています。
しかし、場所によって獲れるウニの種類や旬の時期が違うので、道内ではほぼ1年を通してウニ漁が行われています。
まず、1月中旬~6月にかけて羅臼で獲れるのがバフンウニです。
3月に入ると襟裳・日高などではエゾバフンウニが取れはじめ、6月~8月は、利尻島や積丹で獲れるムラサキウニが旬を迎えます。
秋以降は、12月ごろまで松前などでキタムラサキウニの漁が盛んに行われます。
東北
東北地方では、キタムラサキウニとエゾバフンウニがとくに多く生産されています。
青森で獲れるキタムラサキウニ・エゾバフンウニの旬が4月~6月、三陸地方ではキタムラサキウニの旬が6月~8月ごろです。
北陸・中国地方
北陸地方で獲れるムラサキウニの旬は、5月~6月ごろです。
越前ウニで有名な福井県では、例年7月20日ごろにバフンウニの漁が解禁されるため、7月中旬~8月ごろに旬を迎えます。
中国地方では特に山口県のウニが有名です。
山口県では、ムラサキウニの旬が3月~4月、バフンウニの旬が6月~7月、赤ウニの旬が6月~8月ごろです。
九州
九州地方では、ムラサキウニの旬が4月~6月、赤ウニの旬が9月~10月ごろです。
温帯性の赤ウニは九州地方の西側で多く獲れますが、ほとんどが九州で消費されてしまうことから東日本にはあまり流通していません。
赤ウニが幻のウニと呼ばれる所以はここにもあるといえるでしょう。
美味しいウニを選ぶコツ
せっかく高価なウニを買うなら、美味しいウニを見分けたいもの。
ここでは、美味しいウニを選ぶコツを紹介します。
色と形を確認する
ウニの色や形も美味しさのポイントになります。鮮やかな黄金色をしていて、形が綺麗であれば、新鮮で美味しいウニである可能性が高いです。
ミョウバンを使っていないウニを選ぶ
ミョウバンを使ったウニは、爽やかな味、濃厚さ、旨味が多少生ウニに劣ります。
ミョウバンを使用していない、塩水につけられたものを選ぶことがおすすめです。
塩水ウニを選ぶ
最近では、塩水につけたまま流通させる塩水ウニというものがあります。
塩水ウニは、ミョウバン漬けにしたウニと比べて後味にエグミが出ないため、美味しいウニとして選ばれることが多いです。
美味しいウニの食べ方
生でそのまま食べる
まずは、生でそのまま食べるのがおすすめです。
生だと磯の香りを感じて、舌では濃厚なコク、甘さを堪能できます。
塩ウニご飯
塩ウニご飯は、ウニの濃厚な味わいとご飯が絶妙にマッチした一品です。
ご飯にウニをのせ、さらに塩をふりかけるだけで簡単に作れます。
ウニの濃厚さと甘さを塩が引き出してくれて、美味しさが引き立ちます。
焼きウニ
殻付きの生ウニを網焼きで焼いて食べることをいいます。
醤油を身の部分に垂らし、軽くウニの身の表面が乾いたくらいが食べごろです。
熱が加わることでウニの甘さが引き立ちます。
ウニのパスタ
ウニを使ったパスタは、ウニの風味が麺によく絡み、独特の味わいが楽しめます。特にクリームソースやトマトソースとの相性が抜群で、ウニのコクが引き立ちます。
うにバターカレー
ウニとバターを使ったカレーは、濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。
ウニのコクとバターの風味が絶妙に調和し、カレーのスパイスとも良く合います。
まとめ
旬のウニは身もたっぷりと詰まっており、濃厚で味わい深いうまみを存分に楽しめます。
種類によって風味も異なるため、食べ比べをしながら自分の好みのウニを見つけるのもおもしろいかもしれません。
各地で獲れるウニの旬を見極め、最もおいしい時期のウニを堪能してください。