ハーブには、食べる、飲む、香りを楽しむといった、さまざまな活用方法があります。
初心者でも育てられる人気ハーブの特徴や、便利な使い方をそれぞれ詳しくご紹介いたします。
ハーブの種類は1万以上!
ハーブという名の植物はなく「暮らしの役に立つ香りのある植物」を、まとめてハーブと呼んでいます。
同じ植物でも「ハーブ」と呼んだり「スパイス」と呼んだり、国や用途によって定義が異なるので、分類はあいまいです。
そのためハーブの種類は1万を超えるといわれ、すぐに思い浮かぶミントやバジルだけでなく、シソやドクダミ、柚子などもハーブとして親しまれています。
失敗しない育て方のポイント
ハーブの中には発芽させるのが難しい種類があるため、初心者が失敗しないためには苗から育てると良いでしょう。
「乾燥している」「通年涼しい」など原産国の環境に近づけると、よく育つといわれています。
寄せ植えはハーブの特徴を熟知していないと難しいため、上級者向きです。初心者は単独植えから始めてみましょう。
西洋ハーブの特徴と使い方
ハーブといわれたときに思いつくのは、ほとんどが西洋ハーブではないでしょうか?
古くから欧米諸国で親しまれてきたハーブをご紹介します。
バジル
特徴:
爽やかで強い芳香の多年草で、日当たりがよく水はけのよい土を好みます。
使い方:
生の葉はサラダやピザに使われ、オリーブオイルと合わせて作るジェノベーゼソースはバジルの風味を存分に楽しめます。
コリアンダー(パクチー)
特徴:
独特なクセのある強い香りでビタミン群を多く含み、日当たりと水はけのよい、軽い土で育ちます。
使い方:
種はカレーなどの香辛料として、葉や茎はエスニック料理の香味野菜として使われます。
パセリ
特徴:
爽やかな苦味と強い香りを持ち、ビタミンとミネラルが豊富。室内でもよく育ちます。
使い方:
生でも乾葉でも使いやすく、さまざまなジャンルの料理の彩りや風味づけに使われています。
ミント
特徴:
スーッとした清涼感のある香りの多年草で、半日陰の乾燥しない土を好みます。
使い方:
モヒートやミントティーなどの飲み物だけでなく、入浴剤や虫よけなどの用途があります。
チャイブ
特徴:
ニンニクのような香りの多年草で、耐寒性はありますが冬は霜よけが必要です。
使い方:
長い葉をそのまま料理に添えたり、刻んでソースや肉料理の風味づけなどに使われたりします。
ローズマリー
特徴:
爽やかで強い芳香の多年草で、日当たりと水はけのよい、弱アルカリ性の土を好みます。
使い方:
ラム肉など肉料理の香りづけとして使われるほか、石けんや入浴剤としても人気があります。
ルッコラ
特徴:
ゴマのような香りを持つ多年草で、日当たりのよい弱アルカリ性の土を好みます。
使い方:
サラダやパスタのトッピングとして生で使われることが多いものの、炒め物にしても美味しく食べられます。
レモングラス
特徴:
レモンのような香りの多年草。寒さに弱いため、屋外に植える場合は、霜の心配がなくなってからが良いでしょう。
使い方:
エスニック料理の香りづけや、気軽に楽しめるハーブティーとしても人気があります。
イタリアンパセリ
特徴:
パセリに比べてマイルドな風味の二年草。日当たりと水はけのよい、弱アルカリ性の土を好みます。
使い方:
パセリよりクセが少ないので、サラダやソテーなどで香味野菜としてモリモリ食べられます。
タイム
特徴:
爽やかな芳香でビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、日当たりがよく水はけのよい土を好みます。
使い方:
タイムを入れたブーケガルニは、煮込み料理の肉や魚のにおいを消して旨味を引き出します。
ラベンダー
特徴:
フローラルな強い芳香を持つ多年草で、寒く湿った場所では育ちにくいハーブです。
使い方:
ポプリやドライフラワー、香水やアロマテラピーなどで香りを楽しむハーブの代表格です。
オレガノ
特徴:
爽やかな刺激のある香りの多年草で、日当たりがよく水はけのよい土を好みます。
使い方:
ハーブティーから肉料理まで広く使え、ピクルスの香りづけとしても有名なハーブです。
カモミール
特徴:
ほんのり甘い香りの多年草で、寒さに強く、暑さと乾燥には弱いハーブです。
使い方:
カモミールティーがメジャーですが、クッキーなどに入れて香りの良いお菓子を作ることもできます。
クレソン
特徴:
さっぱりした風味で幅広い栄養素を多く含み、日当たりがよく湿った土を好みます。
使い方:
サッパリとした風味が脂の多い肉によく合うため、肉料理の付け合わせには欠かせません。
チェリーセージ
特徴:
ほんのり甘い香りを放つ多年草で、風通しの良い場所を好みます。
使い方:
かわいい花はポプリや食用にも使えますが、主に観賞用として人気の高いハーブです。
ディル
特徴:
爽やかな芳香の一年草で、寒く湿った場所では育ちにくいハーブです。
使い方:
ピクルスの香りづけに使われるほか、香りの立つソースやドレッシングにも適しています。
フェンネル
特徴:
ほんのり甘くスパイシーな香りの多年草で、寒さに強いハーブです。
使い方:
種も葉も料理の香りづけに使われ、オイルやビネガーにもよく合います。
ルバーブ
特徴:
爽やかな酸味の多年草。日当たりがよく、湿った土を好みます。
使い方:
食用になるのは茎で、ジャムやシロップ漬けは甘酸っぱくてくせになる美味しさです。
レモンバーム
特徴:
レモンに似た香りの多年草で、日当たりがよく水はけのよい土を好みます。
使い方:
サラダやソースのアクセントになるほか、ポプリやハーブティーとしても使われます。
セージ
特徴:
ヨモギに似た芳香を持つ多年草で、風通しの良い場所を好みます。
使い方:
ソーセージ作りによく使われ、油の多い料理などに使うと香りが際立ちます。
セルバチコ
特徴:
風味の似ているルッコラに比べて香りの強い多年草。日当たりの良い場所を好みますが、強い日差しは避けましょう。
使い方:
サラダやパスタ、オムレツのアクセントにピッタリ。香りを楽しむために生で食べたいハーブです。
セロリ
特徴:
強い風味でビタミンや食物繊維が豊富。栄養のある湿った土を好みます。
使い方:
茎はブーケガルニ、葉はサラダ、種はセロリソルトにと余さず使えるハーブです。
和ハーブの特徴と使い方
普段なにげなく使っている、スーパーで買えるあの野菜も立派なハーブです。
私たちになじみの深い、和のハーブをご紹介します。
シソ(紫蘇)
特徴:
爽やかな芳香でビタミンとミネラルを多く含み、日差しが強すぎない場所の、湿った土を好みます。
使い方:
和食に欠かせないハーブで、薬味としてどんな料理にも合わせられます。
ミツバ(三つ葉)
特徴:
清々しい香りを持ち、βカロテンを多く含みます。半日陰で湿った土を好むハーブです。
使い方:
吸い物や茶碗蒸しのほか、おひたしにしても美味しく食べられます。
アサツキ
特徴:
辛みと香りの強い多年草で、寒さに強く、風通しの良い場所を好みます。
使い方:
新芽と成長した葉とで食感や風味が異なり、添え物としてもメインとしても活躍します。
ヨモギ(蓬)
特徴:
上品な香りの食物繊維が豊富な多年草で、水はけのよい土を好みます。
使い方:
春の訪れを感じる草餅や天ぷらとして食べるほか、入浴剤としても人気があります。
サンショウ(山椒)
特徴:
すっきりとした強い香味の落葉低木で、強い日差しに弱く、湿った土を好みます。
使い方:
風味づけに使われる若葉も、ちりめん山椒などに使われる実も、爽やかで和食によく合います。
ショウガ(生姜)
特徴:
独特な辛みと香りを持ち、食物繊維やカリウムを豊富に含みます。多湿を好むハーブです。
使い方:
薬味として使われるほか、飲み物としても人気の高いハーブです。
ドクダミ
特徴:
強烈な香りを持つ多年草で、半日陰の湿った土を好みます。
使い方:
ドクダミ茶で知られ、古くから薬草として親しまれています。葉の天ぷらは意外にもくせがなく美味しく食べられます。
ミョウガ(茗荷)
特徴:
独特で爽やかな香りの多年草で、日当たりの悪い場所でも育ちます。
使い方:
主につぼみの部分を食べますが、春には茎(ミョウガタケ)の天ぷらなども楽しめます。
ハーブを使うときの注意点
ハーブには薬草として使われるものも多く、摂りすぎると不調の原因になることがあります。
植物のアレルギーを持つ人は、ハーブでもアレルギー症状が出る可能性があるので気をつけましょう。
体に合わないハーブもあるため、妊娠中の方や、服薬中の方は医師に相談した上で使用すると安心です。
まとめ
たくさんのハーブの中から、あなた好みのハーブを見つけて育ててみましょう!
料理やガーデニング、香りを楽しむなど、さまざまな使い方で生活の中に取り入れ、ぜひハーブのある暮らしを楽しんでください。