目次
さわやかな苦みが特徴のピーマンは、ハウス栽培もされているため通年手に入れやすい野菜です。ピーマンには、どのような栄養が含まれているのかご存じでしょうか。
この記事では、ピーマンに含まれる栄養と効能を詳しく解説します。
また、ピーマンの色による栄養の違いや、おすすめの食べ方なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ピーマンの主な栄養素と効能
一般的なピーマン(青ピーマン)は、熟す前に収穫されるため鮮やかな緑色をしているのが特徴です。
ここでは、青ピーマンに含まれる栄養素と効能を解説します。
ビタミンC
栄養素(可食部100gあたり) | 青ピーマン | レモン(果汁) |
---|---|---|
ビタミンC | 76mg | 50mg |
青ピーマンはビタミンCを多く含む野菜で、その含有量はレモン果汁の約1.5倍となる76mgにも上ります。
ビタミンCは人体に最も多く必要なビタミンで、老化防止や疾病予防となる抗酸化作用などがある栄養素です。
水溶性ビタミンのため、水にさらしたり、加熱したりすることで栄養素が減少しやすいですが、ピーマンに含まれるビタミンCは加熱による影響を受けにくいという特徴があります。
β-カロテン
栄養素(可食部100gあたり) | 青ピーマン | アスパラガス |
---|---|---|
β-カロテン | 400μg | 370μg |
青ピーマンは、β-カロテンを多く含む緑黄色野菜のひとつです。
緑黄色野菜の定義は「可食部100gのカロテン含量が600μgあること」ですが、ピーマンは摂取量と頻度が考慮され、栄養指導上は緑黄色野菜として取り扱うとされています。
同じ扱いとなるアスパラガスと比較すると、カロテンの含有量は約1.1倍です。
中でも脂溶性ビタミンのひとつであるβ-カロテンは、体内で抗酸化作用を持つビタミンAに変換されます。
そして、ビタミンAの主要成分であるレチノールには抵抗力を高める効能があり、皮膚粘膜の健康維持にも役立つでしょう。
カリウム
栄養素(可食部100gあたり) | 青ピーマン | きゅうり |
---|---|---|
カリウム | 190mg | 200mg |
青ピーマンに含まれるカリウムは、きゅうりと同程度となります。
人体に欠かせないミネラルのひとつであるカリウムは、細胞の浸透圧を調整し、体内のpHバランスを保つのが特徴です。
体内のナトリウムを排出しやすくし、血圧を下げる効能もあります。
カリウムが不足すると脱力感や食欲不振などの症状が出ることがあるため、日常生活でカリウムを多く含む食材を摂取することを意識しましょう。
食物繊維
栄養素(可食部100gあたり) | 青ピーマン | セロリ |
---|---|---|
食物繊維(総量) | 2.3g | 1.5g |
青ピーマンに含まれる食物繊維は、セロリの約1.5倍あります。
食物繊維は小腸では消化吸収されず、大腸に達するのが特徴です。
それによって腸を整える効能だけでなく、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール濃度を下げたりする効能があります。
食物繊維は肉や魚介類にはほとんど含まれないため、野菜のような植物性の食品から取り入れる必要があります。
近年では、日本人の食物繊維摂取が減少傾向にあるとされているため、毎日の食事に取り入れたい栄養素です。
ビタミンE
栄養素(可食部100gあたり) | 青ピーマン | なす |
---|---|---|
α-トコフェロール | 0.8mg | 0.3mg |
青ピーマンに含まれるビタミンE(α-トコフェロール)は、なすの約2.6倍あります。
ビタミンEは4種のトコフェロールから構成され、摂取基準の指標となるのがα-トコフェロールです。
ビタミンEは、ビタミンCやビタミンAと同様に抗酸化作用があり、体内の脂質が酸化しないように働きかけます。
また、動脈硬化の予防や悪玉コレステロールの減少など、加齢によって出やすい症状を抑える効能が特徴です。
ビタミンEが不足すると、神経機能の低下や筋無力症が起こるとされています。
脂溶性ビタミンであるため、油を使った調理法で効率よく摂取できるでしょう。
その他の有用成分
ピーマンは栄養素以外にも、さまざまな有用成分が含まれています。
たとえば、ピーマンの香り成分であるピラジンは、ほうじ茶などにも含まれる成分です。
精神を安定させたり、血液をサラサラにして血行を促進したりする効能があります。
また、抗酸化作用があるポリフェノールのクエルシトリンは渋みを持つ成分です。ピラジンと合わさることでピーマン独特の苦みを生み出しています。クエルシトリンを摂取することで高血圧の予防や血中中性脂肪の抑制効果が期待できます。
同じくポリフェノールのヘスペリジンはビタミンPとも呼ばれ、ビタミンCの吸収を助けます。
そして、青ピーマンの緑色はクロロフィルと呼ばれる葉緑素によるものです。こちらもポリフェノールと同様に抗酸化作用があります。
ピーマンの色による栄養の違い
店頭で見かける青や赤のピーマン、またピーマンを大きくしたようなパプリカは栄養に違いがあるのでしょうか。
ここでは、ピーマンの色による栄養の違いや、パプリカとの違いについて解説します。
赤ピーマンはさらに栄養豊富
青ピーマンが完熟したものが、赤ピーマンです。
赤い色はトマトやスイカにも含まれる色素のリコペン(リコピン)によるもので、強い抗酸化作用が期待できるでしょう。
また、善玉コレステロールを増加させたり、血圧を抑えたりする働きがあります。
脂溶性の成分ですので、吸収を高めるために油を使って調理するのがおすすめです。
パプリカは別の品種
パプリカはピーマンと同じトウガラシ属の野菜ですが、別の品種です。
一般的なピーマンと比べるとサイズが大きく肉厚で、ビタミンCはピーマンの2倍以上と豊富な栄養素を含んでいます。
熟す前はピーマンと同様に緑色ですが、完熟すると赤だけでなく黄色・オレンジ色・紫色・白色・黒色などさまざまな色になるのが特徴です。
ピーマンに比べると青臭さや苦みが弱く甘みがあるため、サラダなど生食でもおいしく食べられるでしょう。
おすすめの調理方法や食べ方
ピーマンは、苦みを活かすことも抑えて調理することもできる野菜です。
ここでは、おすすめの調理法や食べ方を紹介します。
加熱しても栄養が減りにくい
ピーマンに多く含まれるビタミンCは加熱で減少しやすい栄養素です。
しかし、ピーマンは組織がしっかりしているため、加熱調理でビタミンCがほとんど減りません。
通年入手できる野菜ですので、日々の献立にも取り入れやすいでしょう。
食感と苦みは切り方で調整
ピーマンの食感と苦みは、切り方で調整可能です。へたを上にすると、縦方向にピーマンの繊維があります。
繊維に沿うように縦切りにするとピーマンの細胞が壊れにくいため、苦みを抑えられるでしょう。
そしてシャキシャキとした食感になりますので、チンジャオロースなどには縦切りがおすすめです。
繊維に対して垂直になる横方向に切ると、苦みが出やすくなりますが、熱が通りやすくなります。苦みを活かしたいときや、レンジ調理におすすめです。
種ごと食べるのもおすすめ
ピーマンの種は調理の際に取り除くことが多いですが、じつは栄養素を多く含んでいます。
加熱調理することで、種の口当たりも気になりにくいです。
また、ピーマンの苦みは包丁を入れないことで最も抑えられます。
煮浸しにしたり、肉詰めにしたりするなど、まるごと調理して種も一緒に食べるのがおすすめです。
【耳より情報】ふるさと納税で美味しい食材がもらえる!
ふるさと納税を活用すれば、新鮮な魚介類や厳選されたお肉、旬の野菜やフルーツなど、全国の特産品や美味しい食材を手に入れることができます。
しかも、地域の活性化を応援しながら税控除を受けられるメリットも。
この機会にぜひ、ふるさと納税で美味しい食材を手に入れて、食卓を豊かにしてはいかがでしょうか!