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二日酔いを和らげるには、「水分補給」と「肝機能を支える栄養素の摂取」が欠かせません。
アルコールの分解によって生じるアセトアルデヒドや脱水が、頭痛・吐き気・だるさの原因となります。
おかゆやしじみの味噌汁など、胃腸をいたわる食事をとることで、回復を助けることができます。
この記事では、二日酔いの原因や、症状に応じたおすすめの食べ物・飲み物、避けたい食材、予防策までを解説します。
二日酔いの朝におすすめの食べ物・飲み物

二日酔いを和らげたいときは、水分・エネルギー・肝臓を支える栄養素を同時に補うことが大切です。
以下のメニューは、胃にやさしく、代謝や解毒をサポートするとされる代表的な組み合わせです。
しじみの味噌汁
しじみに含まれるオルニチンは、肝臓でのアルコール代謝を助ける働きがあると報告されています。
味噌の発酵成分も胃にやさしく、電解質の補給にも役立ちます。
朝に1杯飲むことで、体内の水分とミネラルバランスを整える助けになります。
参考:京和発酵バイオヘルスケア「オルニチンのはたらきと効果」
卵入りおかゆ
卵の良質なたんぱく質は、肝臓の働きを支える栄養素のひとつです。
おかゆにすることで胃腸への負担を軽減しながら、エネルギーをやさしく補給できます。
しょうがやネギを添えると血流促進にもつながります。
納豆と豆腐のセット
大豆製品には、ビタミンB群やたんぱく質が豊富に含まれています。
これらは肝臓の代謝を助ける栄養素として知られています。
納豆に含まれるナットウキナーゼは、血栓溶解活性など循環器系を支える働きが報告されており、結果として体調の回復を後押しする可能性があります。
冷ややっこや湯豆腐など、温度を調整すれば胃にもやさしい一品です。
出血傾向のある人や抗凝固薬を服用中の人は、摂取について医師に相談してください。
トマトジュース
トマトに含まれるクエン酸やリコピンには抗酸化作用があり、肝臓への負担を軽減しうるとされています。
また、トマトの水溶性成分がアルコール代謝を助ける可能性が示唆されています(ヒト小規模試験や動物実験の報告)。
なお、研究結果には個人差があり、摂取量や体質によって実感は異なります。日常の食事に無理のない範囲で取り入れるのが目安です。
参考1:JBpress「トマトがアルコール分解を早める」
参考2:科学技術振興機構 SciencePortal「トマトを食すると、酔いにくく覚めやすくなる」
スポーツドリンクまたは経口補水液
アルコールによる利尿作用で失われた水分・ナトリウム・カリウムを補うのに適しています。
体内の電解質バランスを整えることで、頭痛や倦怠感をやわらげる助けとなります。
糖分の摂りすぎを避けるため、少量をこまめに摂取するのが理想です。
特に経口補水液は成分の過剰摂取につながる可能性があるため、脱水症状が酷い時に服用し、持病のある人などは、医師に判断を仰ぎましょう。
参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(PDF)
バナナ
バナナは果糖とカリウムを同時に補える果物です。
果糖はアルコール代謝を助ける働きがあり、カリウムは体内の水分バランスを整えるミネラルとして知られています。
吐き気があるときでも食べやすく、朝のエネルギー補給に向いています。
白湯・麦茶
温かい飲み物は血流を促進し、体を内側から温めることで代謝を助けます。
冷たい飲み物よりも胃への刺激が少なく、脱水の回復にも役立ちます。
朝一番にゆっくりと飲むことで、体の巡りを整える助けになります。

アセトアルデヒドによる不調
アルコールの代謝で生じる「アセトアルデヒド」は有害な物質であり、頭痛・吐き気・倦怠感などを引き起こす原因になります。
体質によって分解能力に差があり、ALDH2酵素(2型アルデヒド脱水素酵素)の活性が低い人ほど二日酔いが起こりやすい傾向があります。
参考:長嶺 晋吉「アルコールの生理と栄養」『日本醸造協会雑誌』第57巻 第3号(1962)pp.210–214
脱水と低血糖が重なると症状が悪化する
アルコールの利尿作用で水分が排出され、電解質が不足します。
同時にアルコール代謝で糖が消費されるため、血糖値が低下し、だるさやめまいが起こりやすくなります。
水分と糖質を同時に補うことが、回復の助けになります。
症状別おすすめ食べ物|吐き気・頭痛・だるさに合わせて選ぶ

吐き気が強いときは「すりおろしリンゴ」
消化がよく、果糖がアルコール分解を助ける働きがあります。
冷たすぎない常温で摂ると、胃への負担を抑えられます。
頭痛やだるさがあるときは「まぐろとほうれん草のおひたし」
ビタミンB群や鉄分が豊富で、酸化ストレスを軽減する作用が報告されています。
タウリンを含む魚介類と組み合わせることで、肝臓の働きを支える効果が期待されます。
参考1:農林水産省「タウリンの試験成績等の概要」
参考2:国際タウリン研究会「タウリンは魚介類に豊富に含まれるアミノ酸」
体調が戻りかけたときは「鶏そぼろ雑炊」
温かく、消化がよい上に栄養バランスが整ったメニューです。
たんぱく質と炭水化物を一緒に摂ることで、回復期のエネルギー補給に役立ちます。
避けたほうがよい食べ物・飲み物

揚げ物・辛い料理
脂質や香辛料が胃粘膜を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。
迎え酒やカフェイン過多
アルコールを再び摂取すると、肝臓の解毒機能を妨げるおそれがあります。
また、カフェインは利尿作用があるため、とくに大量摂取では脱水を招くおそれがあります。
少量〜中等量で大きな影響が出ないこともありますが、二日酔い時は水分補給を優先し、摂取は控えめにしましょう。
冷たい飲み物や炭酸飲料
冷たい飲み物は胃の働きを鈍らせることがあり、消化を遅らせる要因となります。
常温または温かい飲み物を選ぶと良いでしょう。
飲む前・飲酒中にできる二日酔い予防策

飲む前は「乳製品」で胃を保護
空腹での飲酒は避け、ヨーグルトや牛乳などの乳製品を摂るとアルコール吸収が緩やかになるといわれています。
乳タンパク質が胃壁を覆い、刺激をやわらげる効果が期待されます。
飲酒中は「水をチェイサーとして挟む」
水や炭酸水を交互に飲むことで、体内のアルコール濃度上昇を抑えられます。
塩分や脂質の多いおつまみは控えめにし、枝豆や冷奴などの軽い一品を選ぶのがおすすめです。
まとめ|二日酔いをやわらげる3つのポイント
- 水分と電解質をこまめに補給する
- 胃にやさしく栄養バランスの取れた食事を心がける
- 無理をせず休養をとり、体を冷やさない
これらを意識することで、体の回復を助け、翌日をより快適に過ごせます。
嘔吐の反復、意識障害、強い頭痛が続く場合などは、速やかに医療機関を受診してください。
参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(PDF)











