目次
豆腐は、低カロリーながら、たんぱく質や必須脂肪酸、マグネシウムなどのミネラルを多く含むヘルシーな食品です。
豆腐の種類によっても栄養価に差があり、木綿豆腐は絹ごし豆腐に比べてややカロリーが高く、たんぱく質や脂質も多めに含まれています。
この記事では、豆腐に含まれる栄養素とその働きについて詳しく解説します。
さらに、健康や美容を気にかける人にもうれしい、豆腐を使った簡単レシピも紹介します。
豆腐に含まれる主な栄養素とその働き

豆腐は、大豆と水を主な原料とし、にがり(塩化マグネシウム)や硫酸カルシウムなどの凝固剤で固めて作られます。
木綿豆腐と絹ごし豆腐では栄養成分の含有量がやや異なりますが、ここでは一般的な豆腐に含まれる主な栄養素とその働きを解説します。
以下は、木綿豆腐と絹ごし豆腐の100gあたりの主な栄養成分の含有量です。
| 栄養成分 | 木綿豆腐 | 絹ごし豆腐 |
|---|---|---|
| エネルギー | 73kcal | 56kcal |
| たんぱく質 | 7.0g | 5.3g |
| 脂質 | 4.9g | 3.5g |
| 食物繊維 | 1.1g | 0.9g |
| 炭水化物 | 1.5g | 2.0g |
| カリウム | 110mg | 150mg |
| カルシウム | 93mg | 75mg |
| マグネシウム | 57mg | 50mg |
| 鉄 | 1.5mg | 1.2mg |
| ビタミンE (α-トコフェロール) | 0.2mg | 0.1mg |
なお本記事では、食品の栄養価を「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より引用しています。
たんぱく質
大豆を原料とする豆腐にはたんぱく質が豊富に含まれています。
豆腐に含まれるたんぱく質は植物性でありながら必須アミノ酸をバランスよく含み、体を構成する材料になりやすい良質なたんぱく質です。
健康維持のためには、肉や魚などの動物性たんぱく質だけでなく、豆腐などから植物性たんぱく質もバランスよく摂取すると理想的です。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、推奨されるたんぱく質の摂取量は成人男性で65g/日(65歳以上は60g/日)、成人女性で50g/日とされています。
豆腐100gには5~7g程度のたんぱく質が含まれ、日々の食事に取り入れることでたんぱく質の補給に役立ちます。
必須脂肪酸
豆腐の脂質には、不飽和脂肪酸であり、必須脂肪酸でもあるα-リノレン酸やリノール酸が多く含まれます。
α-リノレン酸は、青魚に多いDHAやEPAと同じn-3(ω-3)系の脂肪酸で、体内で一部がDHAに変化します。
n-6(ω-6)系脂肪酸であるリノール酸には、血中コレステロールを上げにくくする働きがあるとされています。
動物性の脂質の摂りすぎが気になるときには、豆腐のような植物性食品を取り入れるとよりバランスよく脂質を摂取できます。
マグネシウム
豆腐の原料の大豆にはマグネシウムが豊富で、豆腐にもマグネシウムが多く含まれます。
近年主流となっている「にがり(塩化マグネシウム)」を凝固剤に使った豆腐では、とくに含有量が多い傾向があります。
マグネシウムは骨や歯の形成に役立ち、複数の酵素の構成成分にもなります。
現代人は不足しがちな傾向にあるため、意識して摂りたいミネラルのひとつです。
参考:weeeat!「にがりが豆腐の歴史を変えた!豆腐マイスター協会理事長に聞く、知られざる豆腐の歴史秘話 #1」
カルシウム
豆腐にはカルシウムも多く含まれています。
ただし、現在主流であるにがりを凝固剤に使った豆腐では、硫酸カルシウムを使った豆腐ほどはカルシウムが多くない傾向があります。
カルシウムは日本人に不足しがちなミネラルであり、骨や歯を形成するほか、筋肉の収縮でも重要な役割を果たしています。
カルシウムの慢性的な不足は骨粗しょう症の一因にもなります。
また、カルシウムは、魚やきのこなどに含まれるビタミンDと一緒に摂ると吸収されやすくなります。
鉄
大豆は鉄分を多く含んでおり、豆腐も鉄分摂取に役立ちます。
鉄は赤血球の材料となり、体内の酸素の運搬などに必要な栄養素です。
豆腐などの植物性食品には「非ヘム鉄」が含まれます。動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と比べると吸収率が低いですが、ビタミンCと一緒に摂ると吸収されやすくなります。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化作用をもつビタミンです。
体内で過剰に発生した活性酸素の影響を抑えて、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあります。
脂溶性ビタミンであり、油と一緒に摂取すると吸収率が向上します。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の栄養価の違い

豆腐は種類によって栄養価に違いがあります。
木綿豆腐と絹ごし豆腐でとくに違いがあるのは次の栄養素です。
| 栄養成分 | 木綿豆腐 | 絹ごし豆腐 |
|---|---|---|
| エネルギー | 73kcal | 56kcal |
| たんぱく質 | 7.0g | 5.3g |
| カリウム | 110mg | 150mg |
※数値は100gあたりの含有量です。
ここでは、木綿豆腐と絹ごし豆腐の特徴を解説します。
木綿豆腐
木綿豆腐は絹ごし豆腐と比べてカロリーが高く、たんぱく質も多く含まれています。
凝固剤で固めた豆乳を崩した後に型に入れて押し固めて水を切る古典的な製法で作られており、古くから親しまれています。
水分が抜けることで成分が凝縮され、重さあたりの栄養価が高めです。
木綿豆腐は、かための食感で少しざらざらしており、濃厚な味わいが特徴です。
水分が少ない分、崩れにくく味がしみやすいため、煮る・焼くなどの調理法にも適しています。
絹ごし豆腐
絹ごし豆腐は、木綿豆腐よりも低カロリーで比較的カリウムが多いです。
型の中で豆乳と凝固剤を混ぜて静置して固める製法で作られています。
水分が多く残るため、重さあたりの栄養価が木綿豆腐より低い傾向にあります。
絹ごし豆腐は、絹のようになめらかな食感で、冷や奴や湯豆腐などに向いています。
味も控えめでくせがなく、繊細なものから濃いものまで、さまざまな味付けにマッチしやすい豆腐です。
豆腐に含まれる機能性成分とその働き

豆腐には先述した主な栄養素のほかにも、注目されている機能性成分が多く含まれています。
ここからは、豆腐に多く含まれるレシチン、サポニン、イソフラボンの3つの機能性成分とその働きを紹介します。
レシチン
豆腐には「レシチン」という脂質が含まれています。
レシチンは大豆や卵黄などに含まれるリン脂質の一種で、大豆由来のものは「大豆レシチン」とも呼ばれています。
食品中では水と油をなじませやすくする性質をもつほか、細胞膜の構成成分としても重要な物質です。
体内では脂質の運搬にも関わっており、血液中のコレステロールや中性脂肪に関係する成分として研究が進められています。
サポニン
サポニンとは、大豆や高麗人参、ごぼうなどに多く含まれる成分です。
大豆製品である豆腐にも含まれており、体内の脂質の酸化の抑制や、脂質の代謝に関わる成分として注目されています。
名前の由来はラテン語の「石けん(サポ)」で、水に溶かすと泡立つ性質があります。
イソフラボン
豆腐に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと分子構造が似ており「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。
エストロゲンは、骨の健康や肌のコラーゲン生成などに関わるホルモンです。
大豆イソフラボンはこのエストロゲンに似た働きをもつ可能性があるとして、研究が進められています。
豆腐の栄養をしっかり摂れる簡単レシピ

この章では、豆腐の栄養を生かした2つの簡単レシピを紹介します。
ほうれん草の白和え
緑黄色野菜のほうれん草と豆腐の組み合わせで、栄養バランスのよい定番料理です。
風味付けにごま油を加えることで、豆腐に含まれるビタミンEの吸収を助けます。
材料(2人分)
- 木綿豆腐:1/2丁
- ほうれん草:1/2束(1/2袋・約100g)
- にんじん:1/5本
- しょうゆ:小さじ1
- (A)
すりごま:大さじ1と1/2
砂糖:大さじ1
塩:ひとつまみ - ごま油:適量
作り方
- 木綿豆腐は厚みを半分にするように1/2丁に切ってキッチンペーパーなどで包み、重しをして20分ほど冷蔵庫に入れて水切りする。
- ほうれん草はゆでてから、水気をしっかり絞る。全体にしょうゆをかけてなじませ、もう一度よく絞り、4~5cm程度に切り分ける。
- にんじんはせん切りにして、シャキシャキした食感が残る程度にサッとゆでる。
- ボウルに豆腐を入れ、泡立て器などで崩しながらなめらかになるまで混ぜ、さらに(A)を混ぜ合わせる。
- ほうれん草とにんじん、少量のごま油を加えてあえたら完成。
水切りした豆腐は、フードプロセッサーにかけるか裏ごしをすると、よりなめらかな食感に仕上がります。
豆腐の酸辣湯
絹ごし豆腐と卵、きくらげを使ったシンプルな酸辣湯(サンラータン)です。
酸味のあるスープが食欲をそそります。
卵ときくらげにはビタミンDが多く含まれており、豆腐に含まれるカルシウムの吸収を助けます。
材料(2人分)
- 絹ごし豆腐:1丁
- 卵:1個
- 乾燥きくらげ:5g
- 水:500mL
- (A)
鶏がらスープの素:大さじ1
酒:大さじ1
しょうゆ:大さじ1
砂糖:小さじ1 - 塩・コショウ:適量
- 片栗粉:小さじ2
- 酢:大さじ1と1/2
- ラー油:適量
作り方
- きくらげはたっぷりの水に入れて戻しておく。
- 鍋に水500mLと(A)の調味料を入れて火にかける。沸騰したら火を弱め、スープを味見しつつ塩・コショウで味を調える。
- 一口大に切ったきくらげと絹ごし豆腐を加えて、2分ほど煮る。
- 片栗粉は倍量の水(分量外)で水溶き片栗粉にする。豆腐を崩さないように、スープをやさしく混ぜながら水溶き片栗粉を加えて、スープにとろみをつける。
- 溶いた卵を回し入れてから火を止め、酢とラー油を加えてサッと混ぜたら完成。
まとめ
豆腐は、カロリーを抑えながらたんぱく質やミネラルを摂取したいときや、植物性の脂質を摂りたいときに役立つ食品です。
さらに、たんぱく質を重視するなら木綿豆腐、低カロリーを重視するなら絹ごし豆腐がおすすめです。
調理では、油を使用したり、ビタミンDを多く含む食品と組み合わせたりするとより効率的に栄養を摂取できます。
豆腐はそのまま食べられるほか、和え物やスープなどさまざまな調理方法があるため、レシピ選びを工夫することで毎日飽きずに食べられるでしょう。












