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よもぎは、古来から漢方で使われてきた薬草でもあり、冷え性の改善や殺菌作用など、さまざまな効能があります。
よもぎ茶に加工して飲めば、春先によく見かけるよもぎの効能を、一年を通して得ることができます。
よもぎ茶は女性に嬉しい効能も多く、歳を重ねると生じる女性ならではの悩みにも効果的です。
この記事では、よもぎ茶の効能を詳しく解説し、飲むときの注意点や、よもぎから作る方法も紹介します。
和製ハーブの女王で作る「よもぎ茶」とは?

キク科の多年草であるよもぎは、日当たりのよい野山や河原などに自生しており、道端でもよく見かけます。
漢方では艾葉と呼ばれ、古くから切り傷などの止血薬として用いられてきました。
「和製ハーブの女王」とも呼ばれていて、さまざまな栄養素を含んでいます。
このよもぎを乾燥させ、煎じて作る飲み物が「よもぎ茶」です。
よもぎ茶の風味は、草っぽい香りの中にほんのりと甘味と苦味があります。
初めての人でも飲みやすく、例えるなら、抹茶を薄めたようにさっぱりして癖が少ない味わいです。
よもぎ茶の効能

よもぎ茶には、ビタミンCやナイアシンなどのビタミン、カリウムや鉄などのミネラルが豊富で滋養に優れています。
さらに、タンニン・クロロフィル・サポニンなどの有用な成分も含まれています。
ここでは、よもぎ茶に期待できる主な効能を紹介します。
貧血・冷え性改善
よもぎ茶には、貧血・冷え性を改善する効能が期待できます。
鉄やクロロフィル(葉緑素)が、血液の材料になったり血流を改善したりするためです。
古代からよもぎ茶は、産後の出血を抑える目的で利用されてきました。
よもぎ茶はその止血効果に加え、体内での血液生成をサポートするため、貧血予防にも効果的です。
抗菌作用・抗酸化作用
よもぎ茶は、口内を清浄に保つ働きがあります。
よもぎに含まれる、α-テルピネオール、シネオールなどの精油成分やクロロフィルに、抗菌作用があるためです。
さらに、よもぎの抽出液にはさまざまなポリフェノールが含まれ、抗酸化作用があることが判明しています。
こうした複合的な作用から、ニキビの原因であるアクネ菌の増殖を抑えたり、肌の炎症を鎮める効果も期待できるでしょう。
デトックス効果
よもぎ茶には、デトックス効果が期待されています。
クロロフィルは体内に溜まった有害物質を吸着し、排出を助ける働きがあるとされるためです。
さらに、よもぎ茶に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムの排出を促進する効果があります。
こうした効果により、肌の状態やむくみの改善が期待できるので、よもぎ茶は美容に気を遣う人にもおすすめです。
生理の痛み・不順の改善
よもぎ茶には、女性のホルモンバランスが乱れることによって起こる月経不順や、更年期障害などの症状を改善する効果が期待されます。
よもぎ茶に含まれる精油成分のひとつ「ツヨン」は、女性の生理機能に作用します。
子宮を収縮させる働きがあり、血液循環がスムーズになって、生理痛を軽減する効果があるのです。
さらにクロロフィルにも、血液の質を改善する働きがあるとされています。
よもぎ茶を取り入れることで、ホルモンバランスが整い、月経周期の乱れや月経量の不足などの生理不順の改善に役立つでしょう。
安眠・リラックス効果
よもぎ茶は、その心地よい香りからリラックス効果があるといわれています。
よもぎの香りはアロマテラピーでも注目されており、シオネールやツヨンなどの精油成分が含まれます。
とくにシオネールには、神経を落ち着かせてイライラを解消する効果や、安定した睡眠を促す効果が知られています。
温かいよもぎ茶の香りを就寝前に楽しめば、リラックス効果や安眠効果を得やすいでしょう。
よもぎ茶を飲むときの注意点

よもぎは日本人に馴染み深い植物ですが、利用にはいくつかの注意点もあります。
ここでは、よもぎ茶を楽しむうえで知っておきたい注意点を解説します。
妊娠中はたくさん飲まない
妊娠中は、よもぎ茶を飲む量に気を付ける必要があります。
よもぎの精油成分であるツヨンには、子宮を収縮させる作用があります。
一般的な摂取量であれば問題ありませんが、摂りすぎると流産や早産のリスクが高まる可能性があります。
よもぎ茶はノンカフェインでリラックス効果もあることから、妊娠中に少量を飲むのは効果的ですが、多量に飲むのは避けましょう。
効果的なタイミングで飲む
よもぎ茶は、期待する効能によっては、以下のように飲むタイミングを変えると効果的です。
- 安眠効果
寝る前に温かくして飲む。 - 貧血・冷え性・血流の改善、美容効果
食事の前に飲み、成分の吸収率を高める。 - 代謝の促進
運動や仕事、入浴前に飲む。
効果的なタイミングで飲むことで、さらなる効能を得ましょう。
副作用やアレルギーが出る場合も
体質や体調によっては、よもぎ茶に副作用やアレルギーが出る場合もあります。
まず、よもぎやキク科植物にアレルギーがある人は、よもぎ茶の摂取を控えるようにしてください。
アレルギーがなくても、あまりに大量に飲むことは避けましょう。
よもぎ茶などのノンカフェインのお茶でも、一般に1日2リットルまでが上限とされています。
適切な摂取量には個人差があるため、最初は1日1〜2杯から始めて、自分に合った量を見極めていくとよいでしょう。
よもぎ茶の作り方と淹れ方

よもぎ茶は、茶葉やティーバッグが市販されているほか、生のよもぎから作ることもできます。
よもぎ茶の自作方法と、おいしい淹れ方を紹介します。
よもぎ茶の作り方
よもぎ茶は、春に採取できるよもぎを材料に、自宅で簡単に作れます。
よもぎの採取は、排気ガスなどの汚染が少ない場所で行いましょう。
- 自生するよもぎから、茎や古い葉を避け、新芽や柔らかい若葉を摘む。
- よもぎを水洗いして丁寧に汚れを落とし、水気を切る。
- 風通しのよい場所でザルやキッチンペーパーなどに広げ、3日以上かけて乾燥させる。
- フライパンを使って香りが立つまで、焦げないよう弱火でから煎りする。
フライパンで焙煎する手順は必須ではありませんが、香りが引き立ち保存性も向上します。
また、よもぎの採取時は、猛毒のトリカブトと絶対に間違えないでください。
以下のような特徴や違いがあります。
- よもぎ
葉の裏は、白っぽくて細かな毛が生えた、特徴的な色と質感である。
よもぎ特有のさわやかな香りがする。 - トリカブト(猛毒)
葉の裏は緑色でツルツルしている。
あまり強い香りはしない。
よもぎ茶のおいしい淹れ方・飲み方
よもぎ茶は、緑茶と同じように、急須と熱湯で淹れることができます。
急須に熱湯を入れた後は、3分ほど待つようにしましょう。
もしくは、以下のように小鍋などで煮出すと、より香りが引き立ちます。
- 1リットルの水を入れる。
- 5〜10gの茶葉を入れて火にかけ、沸騰したら1~2分ほど弱火で煮出す。
- 茶こしなどで茶葉を取り除く。
よもぎ茶は初めてでも飲みやすい風味ですが、どうしても苦手なら、レモングラスを入れるとさわやかな酸味が重なり、さっぱりと飲めます。
牛乳や豆乳を入れると、抹茶オーレのような味わいにもなります。
余ったよもぎ茶葉は、空気が入らないよう密閉して冷暗所に保管しましょう。
空気に触れると風味が落ちてしまい、香りによるリラックス効果も損なわれてしまいます。
まとめ
よもぎ茶は、貧血や冷え性の改善が期待できたり、抗菌作用があったりと、多彩な効能を持つお茶です。
「和製ハーブの女王」とも呼ばれるよい香りで、リラックス効果も得られます。
女性特有の悩みにも、よもぎ茶はおすすめです。ただし、妊娠中の飲み過ぎには気を付けましょう。
興味のある方は、手作りのよもぎ茶にも挑戦してみてはいかがでしょうか。