目次
唐揚げと竜田揚げは、見た目も味わいも似ていますが、実は使われる衣などに違いがあります。
当記事では、唐揚げと竜田揚げの違いを明らかにしつつ、おいしいレシピや衣を上手に仕上げるコツも紹介します。
献立のレパートリーを増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。
唐揚げと竜田揚げの違いは4つ

唐揚げと竜田揚げの違いは、以下の4つです。
- 由来の違い
- 衣の違い
- 味付けの違い
- カロリーの違い
1つずつ詳しく見ていきましょう。
由来の違い
唐揚げと竜田揚げでは、由来に違いがあります。
唐揚げは、本来下味も衣も付けずにそのまま揚げて調理する料理だったため「空(から)で揚げる」が名前の由来となっています。
一方、竜田揚げの由来には2つの説が考えられています。
まず、奈良県にある竜田川が語源となっている説です。
赤みがあり、でこぼことした形の竜田揚げを、竜田川の紅葉に見立てたことが発祥だとされています。
もう1つは、かつて日本の軍艦であった「龍田」という船が由来になっている説です。
乗船している隊員たちに提供した揚げ物が好評であったため、竜田揚げという名前が付いて広まったとされています。
衣の違い
唐揚げと竜田揚げの違いは、衣にあります。
唐揚げは、衣に小麦粉と片栗粉の両方を使用しますが、竜田揚げは片栗粉のみをまぶして揚げます。
衣の違いは、出来上がった料理の見た目や食感に影響します。
片栗粉だけをまぶして揚げた竜田揚げは、白っぽい見た目とサクサクとした食感が特徴です。
一方、衣に小麦粉を使用する唐揚げは、熱いうちにはカリカリとした歯ごたえがあり、冷めたあとはしっとりとした食感になります。
片栗粉のみを衣にする揚げ物は、冷めたときにベタついて油っぽさを感じる可能性があるため、お弁当用に作るおかずには、小麦粉を加えて作るのがおすすめです。
味付けの違い
味付けに関しても、唐揚げと竜田揚げに違いがあります。
唐揚げは、もともとは味付けをせずに食材をそのまま揚げた料理のことを指します。
一方の竜田揚げはというと、みりんや醤油などでしっかりと素材に味を付けてから、衣をまぶして揚げた料理です。
しかし、現在は唐揚げにも下味を付けてから揚げるレシピがほとんどで、味付けにおける両者の違いはなくなっています。
食材に先に味を付けることで、肉や魚の臭みが取れ食感も良くなるため、下味を付けるのが主流になっています。
最近は、醤油やしょうがだけでなく、塩こうじなどで下味を付けるレシピも人気です。
カロリーの違い
唐揚げと竜田揚げでは、カロリーに違いが出る可能性があります。
同じ食材を使用した場合、カロリーの違いに影響するのは衣や味付けです。
唐揚げには、衣として小麦粉も使用するため、片栗粉のみを付ける竜田揚げより油を吸収しやすくなります。
よって、唐揚げの方がカロリーが高くなる傾向があります。
しかし、竜田揚げを作る際にも、みりんや砂糖など糖質を多く含む調味料を使用することでカロリーは上がってしまうため、注意してください。
「衣や味付けはそのままで、ヘルシーに仕上げたい」という場合は、素材に鶏むね肉や白身魚を使う方法もおすすめです。
ザンギとの違いは地域性

唐揚げや竜田揚げとザンギの違いは、地域性です。
ザンギは、北海道で親しまれる名称で、鶏の唐揚げを指します。
ザンギの発祥は、北海道釧路市にある飲食店とされていて、中国語で鶏の唐揚げを意味する「炸鶏(ザーギー)」が由来になっているといわれています。
ちなみに、一部では、唐揚げとザンギには細かな違いがあり、別の料理とする意見もあるようです。
まず、ザンギは濃い目に味付けがされていて、色もこげ茶色に近い点が唐揚げと異なると考えられています。
また、ザンギはもともと鶏肉をまるごと使った料理で、鶏もも肉や鶏むね肉がメジャーな唐揚げとは部位に違いがあるとの説もあります。
唐揚げや竜田揚げのおいしいレシピ【3選】

外はカリカリ、中はジューシー「鶏の唐揚げ」
材料(2人分)
- 鶏もも肉:大1枚(約350g)
- 塩・こしょう:少々
- ★マヨネーズ:小さじ2
- ★醤油:小さじ2
- ★酒:小さじ2
- ★生姜(すりおろし):1/2かけ
- ★にんにく(すりおろし):1/2かけ
- 片栗粉:大さじ2
- 水:大さじ1
- 小麦粉:1/2カップ
- 揚げ油:適量
作り方
- 鶏肉は4〜5cm大に切って、塩・こしょうをふる
- ポリ袋に★と鶏肉を入れて、袋の上から手でよく揉み込む
- そのまま10分ほど置く
- ボウルに片栗粉と水でそぼろ状の衣を作り、あとから小麦粉を加えてさっと混ぜる
- 鶏肉の汁気を切って、衣をまぶす
- 鍋に揚げ油を入れて170℃に熱し、鶏肉の半量を入れて中火で揚げる
- 3分ほど揚げたら裏返し、全体がきつね色になるまでさらに2分ほど揚げる
- 仕上げに強火で1分ほど揚げる
片栗粉をそぼろ状にすることで、カリカリ食感の唐揚げに仕上がります。
時間に余裕がある場合は、鶏もも肉と調味料をポリ袋に入れたあと、冷蔵庫に1時間程置いておくと、味がますます染みておいしくなります。
カレー風味でご飯がすすむ「サバの竜田揚げ」
材料(2~3人分)
- さば切り身(3枚におろしたもの):1/2尾
- 塩:少々
- ★酒:大さじ1
- ★醤油:大さじ1
- ★みりん:小さじ1/2
- ★カレー粉:小さじ1/2
- 片栗粉:大さじ1と1/2
- カレー粉:小さじ1/2
- 揚げ油:適量
- レモン:適量
- フレッシュハーブやベビーリーフなど:適量
作り方
- サバは骨を抜いてひと口大に切り、塩をふって10分置く
- サバの水分をペーパーでふき取り、★に20分漬けて下味を付ける
- 水気を軽く切ったサバに、片栗粉とカレー粉を混ぜ合わせた衣をまぶす
- 170℃に熱した揚げ油で、きつね色になるまで揚げる
- 好みで、ベビーリーフやレモンを添える
下味と衣の両方にカレー粉を加えることで、油で揚げたあともしっかりと風味を感じられます。
途中でレモン汁をしぼると、爽やかな香りが加わり味変できます。
タレが決め手の「いわしの竜田揚げ ごま醤油ダレ」
材料(4人分)
- いわし:4尾
- 片栗粉:適宜
- 揚げ油:適宜
- しょうゆ:大さじ1と1/3
- みりん:小さじ1強
- 三温糖:大さじ2弱
- 生姜:少々
- 白いりごま:小さじ1強
- 水:大さじ1弱
作り方
- いわしは手開きにする
- ペーパータオルでいわしの水気をふき取ったら、片栗粉をまんべんなくまぶす
- 175℃〜180℃に熱した揚げ油で、きつね色になるまで揚げる
- 醤油・みりん・三温糖・水を鍋で温め、煮立ったらごま・生姜の絞り汁を加えてタレを作る
- いわしをタレにくぐらせる
骨が気にならないいわしの竜田揚げは、子どもにも食べやすいメニューです。
甘辛いタレがご飯によく合うため、竜田揚げ丼にするのもおすすめです。
唐揚げや竜田揚げの衣を上手に仕上げる2つのコツ

衣が決め手の唐揚げや竜田揚げですが、自宅で作った際に失敗した経験がある方も多いでしょう。
唐揚げや竜田揚げの衣を上手に仕上げるコツは、以下の2つです。
- 衣は適量付ける
- 揚げている途中はあまり触らない
下記にて詳しく見ていきましょう。
衣は適量付ける
カリカリ・サクサクの食感に仕上げるには、衣を適切な量付けることが重要です。
衣を付けすぎた場合、油を多く吸ってしまい、重たい仕上がりになってしまいます。
一方、衣が少なすぎると、揚げ物のおいしい食感が演出できず、味気ないものになってしまいます。
ポイントは、粉を全体にまんべんなくまぶすことと、油に入れる前に余分な粉をはたいて落とすことです。
食材と粉を入れたビニール袋を軽く膨らませ、振りながらまぶす方法もおすすめです。
揚げている途中はあまり触らない
油で揚げている途中は、はしなどであまり触らないほうが衣が上手に仕上がります。
まだ衣が柔らかいうちに動かしてしまうと、はがれたり形がくずれたりする可能性があるため、注意してください。
唐揚げや竜田揚げは「170℃程度の油で3〜4分揚げる」というレシピが多いです。
途中裏面が気になりますが、我慢して時間までは触らないようにしましょう。
また、一度に多く揚げようとすると衣同士がくっついてしまい、型崩れの原因となります。
一度に揚げる量は、食材同士が触れ合わない程度にするのがおすすめです。
まとめ
唐揚げと竜田揚げは、本来使われる衣や味付けなどで区別されていましたが、現在ではレシピが多様化していて、大きな違いがなくなっています。
また、北海道では、鶏の唐揚げをザンギと呼んでいるようです。
自宅で唐揚げや竜田揚げを作る際は、衣の付け方や量、揚げ方を工夫することでおいしく仕上がります。
献立のレパートリーを増やしたい方は、参考にしてください。