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グミやゼリーなどさまざまな食品に使われているゼラチンは、独特の食感を生み出すためにも欠かせない材料です。
ゼラチンは、主にタンパク質でできていることから、美容や健康に役立つさまざまな効果が期待できます。
この記事ではゼラチンの効果を詳しく解説し、効果的な摂取方法や注意点も紹介します。
ゼラチンに期待できる効果

ゼラチンには、肌や髪の美しさを保つ働きのほかに、骨の健康を維持するなど、さまざまな効果が期待できます。
ここでは、ゼラチンに期待できる効果を詳しく解説します。
肌に潤いと弾力を与える
ゼラチンの主成分であるたんぱく質には、肌の新陳代謝である「ターンオーバー」を促進し、古い細胞から新しい細胞へと入れ替わるサイクルを整え、健やかな肌へと改善する働きがあります。
たんぱく質が不足し、ターンオーバーのサイクルが乱れると、肌表面の水分量が減少し、乾燥肌を招いてしまいます。
また、本来は自然に剥がれ落ちるはずだった古い角質が蓄積してしまうことから、肌が固くなり、ハリや弾力が低下する原因にもつながります。
若々しい肌を維持するためにも、新しい細胞を作る栄養にもなるゼラチンを、積極的に取り入れるようにするとよいでしょう。
髪の乾燥を防ぐ
髪の毛を構成する「ケラチン」は、たんぱく質の一種です。
ケラチンは、髪の柔軟性や弾力性にも深く関わっているため、ゼラチンからたんぱく質を補うことで、ハリ・コシのある髪の毛を作る手助けとなるでしょう。
また、たんぱく質には、熱を産生し、血行を良くする作用もあります。
頭皮への血流も改善されると、髪の乾燥から起こりやすい枝毛や切れ毛などのヘアトラブルの予防にもつながります。
健康的な髪を維持するには、ゼラチンなども活用しつつ、十分な量のたんぱく質を補給する心がけが大切です。
骨の健康維持に役立つ
骨を丈夫にする栄養素といえば、カルシウムのイメージが強いかもしれませんが、ゼラチンに含まれるたんぱく質も、骨の成長に必要不可欠な栄養素のひとつです。
骨の中には、コラーゲンという繊維状のたんぱく質が網の目状に張り巡らされています。
このコラーゲンは、カルシウムの沈着を助ける役割があるほか、外部からの衝撃を吸収するため、骨の強度や柔軟性にも関わっています。
たんぱく質が足りていないと、骨がスカスカになる「骨粗しょう症」などの原因となる恐れもあります。
関節のスムーズな動きを助ける
たんぱく質の一種であるコラーゲンは、関節のクッションとなる軟骨の主成分でもあります。
関節のスムーズな働きに欠かせない軟骨は、加齢などに伴いすり減ると、痛みやこわばりの原因となります。
ゼラチンは、体内でコラーゲンを合成する材料にもなるため、軟骨の形成をサポートし、関節のスムーズな動きを助ける効果が期待できます。
ゼラチンとは?

ゼラチンは、幅広い分野で活用されており、私たちの生活に欠かせない存在です。
ここでは、ゼラチンの原料や用途、使われる食品などを見ていきましょう。
コラーゲンを原料に製造される
ゼラチンは、動物の皮や骨に多く含まれるコラーゲンを、煮出すことにより、熱で変性させてから抽出したものです。
ゼラチンは、食品の凝固剤として活用でき、加熱した液体の食品に溶かしてから冷やすと、ゼリー状に固まります。
また、ゼラチンは食用以外にも、医療用・写真用・工業用など、さまざまな用途のものが製造されています。
ゼラチンが使われている主な食品
ゼラチンは保水・保型・結着・増粘など、さまざまな特性を持っていることから、家庭料理から加工食品まで、多岐にわたり活用されています。
家庭料理
家庭では、ゼリー・ババロア・ムースといったスイーツ作りが主な用途です。
また、深みやまろやかさを加えるために、ビーフシチューなどの煮込み料理に使われることもあります。
加工食品
ゼラチンを用いた加工食品は、グミ・マシュマロなど、プルンとした食感の洋菓子が最も有名です。
さらに、ヨーグルトやアイスクリームなどの口当たりが重要な食品に適切な粘度を与えたり、加工肉製品では成形する際に結着剤として使用されたりしています。
チルド惣菜や冷凍食品でも、型崩れを防ぐためにゼラチンが配合されることもあります。
ゼラチンの効果的な摂取方法

ゼラチンの効果を引き出すには、たんぱく質以外の栄養素を含む食材との組み合わせが鍵となります。
おすすめの取り入れ方についても、併せて解説します。
ビタミンCや鉄分と組み合わせる
ゼラチンの主成分であるたんぱく質は、「アミノ酸」という物質を基本単位に、多数のアミノ酸がつながって構成されています。
アミノ酸は、ビタミンCや鉄分と一緒に摂取すると、コラーゲンの材料として使われやすくなります。
ゼラチンを美容や健康目的で摂取するなら、以下のような食材と組み合わせると理想的です。
- ビタミンCを多く含む食材
キウイ、イチゴ、レモン、キャベツ、ブロッコリー、赤ピーマン、かぼちゃ、にがうり、菜の花など - 鉄分を多く含む食材
豚レバー、鶏レバー、牛もも肉、コンビーフ、カツオ、しじみ、小松菜、ほうれん草、大根の葉、ひじき、豆乳など
飲み物や料理に加える
食用ゼラチンは、板・粉末・顆粒の3種類があります。
最も普及しているのは粉末タイプのゼラチンで、小分けになっているため使い勝手に優れます。
粉末タイプのゼラチンは、コーヒー・お茶などのドリンクや、味噌汁・ミネストローネなどの汁物に、さっと溶けやすいのが特徴です。
気軽に日々の食生活に取り入れられるため、上手く活用するとよいでしょう。
ゼラチンの安全性と注意点

ゼラチンはさまざまな美容・健康効果が期待できる食品ですが、摂取量や体質によっては不調を感じるケースもあります。
この章では、ゼラチンを摂取する際の注意点について解説します。
過剰摂取のリスク
ゼラチンの原料であるコラーゲンは、一般的に、消化されにくいたんぱく質として知られています。
ゼラチンは加熱加工により消化されやすくなっていますが、それでもほかのたんぱく質と比べると、やや消化されにくい傾向があります。
ゼラチンを摂りすぎると、十分に消化されなかったたんぱく質が、腸で悪玉菌のエサとなり、腸内環境が乱れる原因にもなりえます。
もっとも、ゼラチンは一度の使用量が少ないため、通常はそうした心配は不要です。
しかし、健康や美容のために摂りすぎると、かえって腸内環境を乱したり、体調に悪影響を与えたりする可能性もあります。
ゼラチンは一般食品なので、とくに摂取の目安量などは定められていませんが、1日当たり小さじ1杯~大さじ1杯程度までを目安にするとよいでしょう。
アレルギー反応の可能性
牛や豚・魚など、動物由来のたんぱく質から製造されるゼラチンは、食物アレルギーの原因となることもあります。
食品表示基準でも、アレルギーの特定原材料に準ずるものとして規定されており、食物アレルギー表示が推奨されている食品です。
体質によっては、ゼラチンを口にすることで、蕁麻疹や発赤などの皮膚症状や、まれにアナフィラキシーショックといった重いアレルギー反応が出ることもあります。
とくに、免疫・消化機能が未熟な乳幼児や、過去に動物性たんぱく質でアレルギー反応を経験したことのある方は、十分に注意が必要です。
なお、ゼラチンアレルギーの有無については、通常の食物アレルゲン検査と同様に、医療機関での採血検査で確認できます。
まとめ
ゼラチンは、コラーゲンのもととなるたんぱく質を豊富に含む食品です。
食生活に取り入れることで、美しい肌や髪を作ったり、骨や関節の健康を維持したりするなど、さまざまな効果が期待されています。
一方、過剰に摂取すると体調を崩す恐れもあるため、摂りすぎには注意が必要です。
また、ゼラチンだけに偏らず、肉・魚介類・大豆製品などのたんぱく源とバランスよく組み合わせるように心がけましょう。