目次
自然でやさしい甘さが魅力の秋の味覚・さつまいも。
食べるとほっこりあったかい気持ちになる、大人も子どもも大好きな食材です。
美味しさをシンプルに味わえる焼き芋はもちろん、スイートポテトや大学芋、芋ようかんなど、さつまいもを使ったお菓子類はおやつタイムの定番。
さつまいもご飯や天ぷら、煮物、ポタージュなど、料理の材料としても大活躍します。
そんな身近な存在のさつまいもですが、店頭に並ぶたくさんの種類を見て「何が違うのかわからない…」と困ったことはありませんか?
さつまいもは、現在栽培されているものだけでも40~60ほどの品種があり、用途や好みに合わせて使い分けられています。
そこで今回は、さつまいも品種の特徴やおすすめの調理方法について、ほくほく系・ねっとり系・しっとり系の3つの食感別に解説。
なかなかお目にかかれない、オレンジ色や白色の個性派品種もご紹介します。
【ほくほく系】さつまいもの種類と食べ方|焼き芋・天ぷら・レモン煮に
紛質でしっかりとした食感とほどよい甘味が特徴のほくほく系のさつまいも。
2000年代に入るまでは、国内で生産されるさつまいもの大部分がこのタイプだったと言われています。
現在は、流行のしっとり系・ねっとり系さつまいもの人気に押され気味ですが、昔ながらの「さつまいもらしさ」を味わうのには、ほくほく系が1番。
焼き芋のほか、食感を活かせる天ぷらや煮物、炒め物、サラダなどの料理に適しています。
主力品種のベニアズマは、そんなほくほく系さつまいもの代名詞的存在です。
ベニアズマ
ベニアズマは、青果用さつまいもとしては国内シェアNo.1を誇る、最もポピュラーな品種。
正式な品種名はカタカナの「ベニアズマ」ですが、「紅あずま」や「べにあずま」と表記されることもあります。
茨城県や千葉県を中心に、東日本での栽培が盛ん。どこか懐かしさを感じる素朴な味わいと安定した美味しさで、品種の誕生から30年を超えた現在でも根強い人気があります。
【ねっとり系】さつまいもの種類と食べ方|焼き芋・お菓子・干し芋に
鹿児島県種子島産の「安納いも」が火付け役となり、2003年頃から爆発的に人気となったねっとり系のさつまいも。
水分を含んだ粘り気のある食感と、焼き芋にすると蜜が出るほどの強い甘味が特徴です。
焼き芋はもちろん、濃厚な甘さを活かしたお菓子や干し芋も格別の味。ここでは、そんなねっとり系の代表品種を2つご紹介します。
安納紅(安納いも)
安納紅(あんのうべに)は、一般に「安納いも」というブランド名で呼ばれているさつまいもの代表品種です。
戦後にインドネシアから持ち込まれたさつまいもを改良したもので、品種が開発された種子島の安納地域にちなんで名付けられました。
さつまいもとは思えないほどクリーミーな食感と、コクのある甘味は唯一無二。ねっとり系さつまいもの人気をけん引する売れっ子品種です。
べにはるか
収穫後にしばらく貯蔵・熟成させることで、安納いもにも負けない甘味とねっとり感を味わうことができるべにはるか。
2007年の品種登録直後から全国的な人気を呼び、現在では押しも押されもしない定番の品種となりました。
いもの形がキレイで、丸ごと焼き芋にしたときの見た目が美しいのも魅力。味にクセがないので、和菓子や洋菓子にもよく合います。
【しっとり系】さつまいもの種類と食べ方|何にでも合う万能選手
「ほくほく系とねっとり系の中間くらいの食感」と評されるしっとり系のさつまいもは、上品でなめらかな口あたりが人気。
甘味もほくほく系とねっとり系の中間程度のものが多いと言われていて、しっかりとした甘さを感じつつも、比較的さっぱりいただくことができます。
焼き芋が美味しいのはもちろんのこと、お菓子にも料理にも使える、さつまいも界のオールラウンダーです。ここでは代表的な3品種をご紹介します。
高系14号(なると金時・紅さつまなど)
高系(こうけい)14号は、1945年に品種登録された歴史の古い品種。
現在もベニアズマと並ぶ主力品種のひとつで、おもに西日本で栽培されています。
各県で高系14号から派生したオリジナルブランドが開発されていて、石川県の「五郎島金時」、徳島県の「なると金時」、宮崎県の「宮崎紅」、鹿児島県の「紅さつま」などはその一例。ほくほく感とねっとり感の絶妙なバランスが味わえる、汎用性の高い品種です。
シルクスイート
近年注目が集まっているのが、絹のようになめらかな舌ざわりが魅力のシルクスイート。
「シルクスイート」は商標名で、正式な品種名は「HE306」といいます。さつまいもの概念を覆すふんわりとした口どけは、まるで高級スイーツを食べているかのよう。
2012年に誕生した比較的新しい品種ですが、メディアでも頻繁に取り上げられるエース的存在です。
クイックスイート
「電子レンジ調理向き」という珍しいキャッチフレーズで知られているのが、その名のとおり手軽な時短調理にぴったりのクイックスイート。
低い温度でも糖に分解されやすい特殊なでんぷんを含んでいて、通常、甘味が少なくなってしまいがちな電子レンジの加熱でも存分に甘味を引き出すことができます。
思い立ったらすぐに食べられるので、ちょっと小腹がすいたときにぴったりです。
さつまいもの種類によってカロリー・糖質は違う?
さつまいもの種類によって甘味が違うとなると、カロリーや糖質にも差があるのか気になりますよね。
一般的には、ほくほく系のさつまいもに比べて、比較的甘味が強いねっとり系・しっとり系のさつまいもの方がカロリー・糖質が高い傾向にあると言われています。
ただし、さつまいもの栄養成分は収穫後の貯蔵条件や調理方法によっても大きく変化しますので、必ずしもこの限りではありません。
紫・オレンジ・白色も!カラフルなさつまいも品種の用途とは?
さつまいもの中身の色といえば黄色が定番ですが、数あるさつまいも品種の中には黄色以外の色をしたものもたくさんあります。
ここでは、紫色・オレンジ色・白色のさつまいも品種と、その用途をチェックしてみましょう。
紫色
「紫いも」とも呼ばれる、赤紫~紫色のさつまいも。
鮮やかな色合いは、視力回復などの効能で知られるポリフェノールの一種・アントシアニンによるものです。
パープルスイートロードやふくむらさきのような青果用の品種は、焼き芋やお菓子、サラダなどにすると美味しく、見た目も華やか。
加工用品種のアヤムラサキやムラサキマサリなどは、天然色素やジュース、ペースト、パウダーなどに利用されます。
オレンジ色
緑黄色野菜などに豊富に含まれる栄養素・β-カロテンをたっぷり含んださつまいもは、かぼちゃのように濃いオレンジ色。
青果用のアヤコマチやハロウィンスウィートは、加熱するとより鮮やかなオレンジ色になるので、焼き芋やお菓子にしたときの彩りもキレイです。
ほかにも、ジュース用のジェイレッドやパウダー用のサニーレッドなどが加工用品種としておなじみ。
β-カロテンには抗酸化作用があるので、健康や美容にうれしい効果も期待できます。
白色
でんぷんの含有量が多い白色のさつまいもは、おもに加工用として利用されています。
そのひとつであるコガネセンガンは、あまり馴染みのない名前ながら、実はさつまいも作付面積トップの主力品種。芋焼酎原料のスタンダードで、現在販売されている芋焼酎の9割以上がこの品種からつくられているほどです。
このほかにも、白いさつまいもにはシロユタカやこなみずきなどのでんぷん加工用の品種があり、清涼飲料の甘味料や春雨の原料として用いられています。
【耳より情報】ふるさと納税で美味しい食材がもらえる!
ふるさと納税を活用すれば、新鮮な魚介類や厳選されたお肉、旬の野菜やフルーツなど、全国の特産品や美味しい食材を手に入れることができます。
しかも、地域の活性化を応援しながら税控除を受けられるメリットも。
この機会にぜひ、ふるさと納税で美味しい食材を手に入れて、食卓を豊かにしてはいかがでしょうか!