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梅雨の風物詩である紫陽花は、日本の初夏を彩る代表的な花のひとつです。
カラフルで美しい見た目から、毎年咲くのを楽しみにしている方も多いでしょう。
本記事では、紫陽花が咲く季節について紹介します。
また、代表的な品種や育て方のポイントも解説しているので、紫陽花を育ててみたい方もぜひご覧ください。
紫陽花について

紫陽花は日本原産のアジサイ科アジサイ属に属する落葉低木です。
梅雨の時期に花を咲かせることから、雨が似合う花として知られています。
紫陽花の花のように見える部分は、じつはガクが変化してできた装飾花です。
本当の花はその中心に小さく咲いています。
性質
紫陽花は土壌の酸性度によって、花の色が変わるのが特徴です。
酸性の土壌では青色系の花が咲き、中性から弱アルカリ性の土壌では赤やピンク系の花が咲きます。
ただし、土壌の影響を受けない種類や、成長とともに花色が変わる種類も存在しており、その性質は種類によってさまざまです。
咲き方
紫陽花の咲き方にはいくつか種類があり、それぞれで見た目の印象が異なります。
丸く球状に咲くものは「手まり咲き」と呼ばれ、装飾花が密集しているのが特徴です。
一方、「ガク咲き」は、中央にある両性花を囲むように装飾花が配置されています。
花言葉
紫陽花は色によって花言葉が異なります。
青い紫陽花は「知的」「神秘的」「冷淡」「無常」といった意味を持ち、落ち着いた印象を与える相手への贈り物に最適です。
白い紫陽花は「寛容」「一途な愛情」を表し、結婚式の装飾にもよく用いられます。
赤やピンクの紫陽花は「強い愛情」「元気な女性」という意味があり、恋人や母の日の贈り物にぴったりです。
紫陽花の季節はいつ?

紫陽花の季節は地域によって異なり、南に行くほど開花は早くなります。
北海道では7月上旬から下旬頃、東北地方では6月下旬頃が開花時期です。
関東から九州にかけては6月の初旬から中旬頃、沖縄では5月下旬頃に咲き始めます。
紫陽花の原種

紫陽花は品種改良が盛んに行われており、その数は3,000種類以上あるといわれています。
そのなかでも、原種となる4種類の紫陽花について見ていきましょう。
ホンアジサイ
ホンアジサイは、一般的な紫陽花として知られている種類です。
ガクアジサイの変異型にあたり、両性花の部分がほとんどなく、装飾花が花全体を覆っています。
多くの園芸品種が存在し、花の色も多彩です。
ガクアジサイ
ガクアジサイは日本固有の紫陽花の一種です。
中央に小さな両性花が集まり、その周囲を大きな装飾花が囲んでいます。
この姿が額縁のように見えることから、ガクアジサイと名付けられました。
ヤマアジサイ
ヤマアジサイは山地に自生する紫陽花で、別名「サワアジサイ」とも呼ばれます。
見た目はガクアジサイに似ていますが、枝が細く全体的に小ぶりです。
また、寒さや暑さに強く、育てやすいため、置き場所を選ばずに楽しめます。
ノリウツギ
ノリウツギは、円錐形の花をつける紫陽花の仲間で、ピラミッドアジサイとも呼ばれています。
成長すると、高さが5メートル近くにまで達する高木です。
寒耐性が強いため、寒い地域でも育てやすい品種として知られています。
紫陽花の主な品種

紫陽花にはさまざまな品種があり、それぞれ特徴が異なります。
紫陽花の主な品種について見ていきましょう。
カシワバアジサイ
カシワバアジサイは、アメリカ原産の紫陽花で、柏餅に使われるカシワに似た葉が特徴です。
花は円錐形に咲き、白から淡いピンクへと徐々に色づきます。
「慈愛」や「美」といった花言葉を持つため、女性への贈り物としても人気です。
セイヨウアジサイ
セイヨウアジサイは、日本原産のガクアジサイがヨーロッパで品種改良され、再び日本へ逆輸入された品種です。
日本の紫陽花に比べて花にボリュームがあります。
見た目はホンアジサイに似た手まり型です。
秋色アジサイ
秋色アジサイは、特定の品種名ではなく、季節の移り変わりとともに花色がアンティーク調の落ち着いた色合いに変化する状態のことを指します。
初夏の鮮やかな色から秋にかけて深みのある色へと変わるため、長く色の変化を楽しめるのが特徴です。
変化した後はドライフラワーとしても人気があり、インテリアや装飾に用いられます。
ダンスパーティー
ダンスパーティーは、ガクアジサイとアメリカの園芸種を交配して生まれた紫陽花です。
花びらが広がる姿が、まるでダンスを踊る女性のドレスの裾のように見えることから、その名前が付けられました。
花色は淡い青紫やピンクがあり、華やかで上品な雰囲気が魅力です。
コンペイトウ
コンペイトウは、青やピンク色の花に、白い縁が特徴のガクアジサイです。
その名のとおり、金平糖のような可愛らしい見た目をしています。
八重咲きの品種と紫式部という品種を掛け合わせて生まれました。
アナベル
アナベルはアメリカ原産の紫陽花で、丸くふわふわとした手まり状の姿が特徴的です。
さまざまな花色がありますが、白いアナベルは清楚で上品な印象を与えることから、ウェディングブーケとしても用いられます。
開花を楽しんだ後は、花をそのまま乾燥させてドライフラワーにして飾るのも人気です。
万華鏡
万華鏡は、花びらの縁に向かって白く変化する美しいグラデーションが特徴の紫陽花です。
花色は青やピンクがあり、淡い色合いをしています。
その姿が万華鏡の模様のように華やかなため、この名が付けられました。
美しい見た目から、贈り物としても人気があります。
紫陽花の名所3選

紫陽花には日本全国にさまざまな名所があります。
とくに見応えのある3つの名所について見ていきましょう。
【岩手県】みちのくあじさい園
みちのくあじさい園は、岩手県一関市にあるあじさい園です。
6月下旬から7月下旬にかけて開園し、約400種・5万株の紫陽花が広大な杉林を彩ります。
園内には3つの散策コースがあり、咲き誇る紫陽花とともに自然の景観を楽しめるでしょう。
【秋田県】雲昌寺
雲昌寺は、秋田県男鹿市にあるお寺で、副住職が20年以上かけて栽培した紫陽花の群生が見所です。
満開の時期には2000株の紫陽花が一斉に咲き、一面を青色に染める圧巻の景色が広がります。
夜間には紫陽花がライトアップされ、昼とは違った幻想的な光景を楽しめるでしょう。
【宮崎県】桃源郷岬
桃源郷岬は、宮崎県東臼杵郡にある施設庭園です。
広大な敷地に約200万本の紫陽花が咲いており、季節になると色とりどりの紫陽花を楽しめます。
背景には日向灘が一望でき、その景色は圧巻です。
紫陽花の育て方

紫陽花は適切な育て方をすれば、個人でもきれいな花を咲かせることができます。
紫陽花の育て方について見ていきましょう。
土壌作り
紫陽花は湿り気のある肥沃な土で育てるのが最適です。
植えつけの場所には、腐葉土や堆肥を混ぜて耕すことで、根が張りやすくなります。
また、酸性度によって咲く花の色が変わるため、咲かせたい色に合わせて肥料を調整することも大切です。
植え付け
植え付けをする際は、鉢よりも大きな穴を掘り、隙間ができないようにしっかりと土を入れましょう。
隙間があると、水やり時に根崩れの原因となり、うまく育たない危険性があります。
水やり
アジサイの水やりは鉢植えと地植えで異なります。
鉢植えの場合は、土の表面に乾きが見られたら鉢底から水が流れるほどの水を与えましょう。
地植えの場合は、根付くまでは水やりが必要ですが、その後は雨が降らない日が続く場合のみ適宜与えてください。
まとめ
今回は、紫陽花の季節や種類などについて紹介しました。
紫陽花は梅雨の季節に咲く日本を代表する花で、土壌の酸性度によって花色が変わるのが特徴です。
多彩な花言葉によって贈り物にも適しているため、ぜひお世話になった方へのプレゼントとして紫陽花を検討してみてはいかがでしょうか。
















