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夏になると食べたくなるとうもろこし。「甘いから太るのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、とうもろこしに含まれる栄養素とその効能、ダイエット中に食べる場合のポイントを紹介します。
とうもろこしのカロリーと主な栄養素
とうもろこしは糖質・たんぱく質・脂質が多くエネルギーが高いため、穀物として主食で食べる国もあります。
日本ではゆでてそのまま食べたり缶詰のコーンを利用したりすることが多いので、「生・ゆで・缶詰」それぞれの栄養価を見ていきましょう。
下の表は、スイートコーンの可食部100g中に含まれる主な栄養素と含有量です。
生 | ゆで | 缶詰/カーネル(粒) | |
---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 77.1 | 95 | 78 |
たんぱく質(g) | 3.6 | 3.5 | 2.3 |
脂質(g) | 1.7 | 1.7 | 0.5 |
炭水化物(g) | 16.8 | 18.6 | 17.8 |
カリウム(mg) | 290 | 290 | 130 |
リン(mg) | 100 | 100 | 40 |
ビタミンB1(mg) | 0.15 | 0.12 | 0.03 |
食物繊維総量(g) | 3.0 | 3.0 | 3.3 |
※スイートコーンとは、甘味が強いとうもろこしの品種の総称で、日本で一般的に食べられているものです。
とうもろこしは、生の状態とゆでたもので栄養価に大きな変化はありません。
一方で缶詰は、炭水化物や食物繊維などはゆでたとうもろこしと大きな差はありません。
しかしたんぱく質や脂質、カリウム、リン、ビタミンB群などが加熱により減少しています。
缶詰の汁ごと料理に使用すれば、流出した栄養も逃さずにとることができます。
以下では、主な栄養素の働きについて見ていきましょう。
食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、とうもろこしには不溶性食物繊維が豊富です。
胃や腸で水分を吸収して膨らむため満腹感が持続したり、腸のぜんどう運動を盛んにして排便を促したりする効果があります。
コレステロール値を下げる働き、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑える働きもあります。
ビタミンB1
食品から摂取した糖質は酵素の働きによってエネルギーに変わりますが、酵素を働かせるために必要なのがビタミンB1です。
脳のエネルギー源であるブドウ糖の代謝を助けるのもビタミンB1なので、不足すると集中力の低下によるイライラや疲れの原因にもなります。
米を主食とする日本人は糖質からのエネルギー摂取が多いため、ビタミンB1が不足しやすいといわれています。
ビタミンB1は水溶性で熱に弱いため、加熱時間を短くする、ゆで汁ごとスープにするのがおすすめです。
ビタミンC
ビタミンCにはコラーゲンを合成する、鉄の吸収を助ける、メラニン色素の生成を抑える、老化の原因となる活性酸素を除去するなどの働きがあります。
肌のハリを保ちシミやシワを予防するなど美肌づくりには欠かせないビタミンですが、数時間で体外へ排出されるためこまめにとる必要があります。
ビタミンCも水溶性なので、調理によって失われないよう工夫が必要です。
カリウム
ナトリウムを体外に排出して、血圧を下げたりむくみを予防したりします。
心臓の機能や筋肉の収縮にも作用するため、不足すると足がつるなどの症状が出ます。
とうもろこしの効能とダイエット効果
とうもろこしには美容やダイエットに効果のある栄養素が豊富に含まれていますが、食べ過ぎには注意が必要です。
下の表は、とうもろこしとごはんのエネルギー源となる栄養素を比較したものです。
とうもろこし1本(175g) | ごはん(150g) | |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 166 | 234 |
たんぱく質(g) | 6.1 | 3.8 |
脂質(g) | 3 | 0.5 |
糖質(g) | 27.3 | 53.4 |
※とうもろこし1本=重さ350g(廃棄率50%なので可食部175g)
※ごはん1杯=(茶碗1杯分150g)
ごはん1杯よりも、とうもろこし1本の方がカロリーも糖質も低いことがわかります。
ただ、野菜のなかではたんぱく質・脂質・糖質ともに高めなので、食べ過ぎると太る原因となってしまいます。
ご飯の代わりに食べる、とうもろこしご飯にしてごはんの量を減らす、カロリーの高いお菓子の代わりにとうもろこしを食べるなど、置き換えて食べるのがおすすめです。
では、とうもろこしの効果・効能を見てみましょう。
便秘を改善
とうもろこしの粒の皮に不溶性食物繊維が豊富に含まれているので、便秘改善に効果があります。
ダイエットをすると便秘になりやすく、便秘による代謝の低下や肌トラブルが起こる可能性もあります。
これらのトラブルを防ぐためにもとうもろこしはおすすめです。
糖質をエネルギーに変える
ビタミンB1が不足すると糖をエネルギーに変換できず、体内に蓄積して体脂肪となってしまいます。
糖質が豊富なとうもろこしをたくさん食べると、ビタミンB1が不足してエネルギーとして利用されずに太る原因となります。
ダイエット中の方は1日1本程度にするなど、食べ過ぎには注意が必要です。
中性脂肪値を下げる
とうもろこしに含まれるリノール酸は、n-6系(オメガ6系)といわれる不飽和脂肪酸の一種です。
中性脂肪値を下げる、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らすなど健康によい働きをする一方で、摂りすぎると善玉コレステロールまで減少させてしまいます。
n-6系の脂質はさまざまな食品に含まれるため、とりすぎにも注意が必要です。
美肌を作る
とうもろこしにはコラーゲンを合成するたんぱく質やビタミンCなど、美肌を作る栄養素が含まれています。
リノール酸には、肌を保湿し柔らかくする効果もあります。
疲労を回復
アスパラギン酸はエネルギーの代謝にかかわるアミノ酸の一種で、うまみ成分の一つでもあります。
栄養ドリンクにも配合されているように、疲労回復やスタミナ向上の効果があります。
目の調子を整える
カロテノイドの一種であるゼアキサンチンは、とうもろこしの色素成分です。
ゼアキサンチンの抗酸化作用は加齢による視力低下の改善や、白内障の予防に効果があるといわれています。
とうもろこしの栄養をムダにしない3つのポイント
とうもろこしは収穫されたらすぐに食べごろを迎え、鮮度が落ちやすいのが特徴です。
6〜9月頃にしか出回らないので、おいしくムダなく食べられるようにポイントを3つ紹介します。
その日のうちに
とうもろこしは収穫直後から味が落ちてしまいます。栄養価は収穫後24時間で半減するといわれています。
生のまま保存するのは避け、買ってきたらその日のうちにゆでたり蒸したりしましょう。
最近は生のまま食べられる柔らかくて甘い品種も作られていて、新鮮なうちにしか食べられないので栄養を逃さずとることができます。
胚芽を残さない
とうもろこしの栄養は、粒の付け根にある「胚芽」の部分に最も多く含まれています。
かぶりついて食べたときや包丁で粒をそぎ落としたときに残りがちですが、とてももったいない食べ方です。
縦に1〜2列手でもいでしまえば、あとは簡単に粒の根本からはずして食べることができます。
芯もひげも捨てない
食べ終わったあとの芯にもうまみや栄養がたっぷり残っています。
水から煮出してスープのダシにしたり、はずした粒と一緒にご飯と炊き込んだりするとおいしいのでおすすめです。
とうもろこしのひげには利尿作用や血圧降下作用があるので、乾燥させてひげ茶にすればむくみ解消も期待できます。
とうもろこしのおいしさと栄養効果がアップするレシピ
とうもろこしのゆで方や、一緒に食べると効能・効果が上がるレシピを紹介します。
3つのゆで方でおいしさアップ
とうもろこしの甘みを引き出すゆで方を3つ紹介します。
お湯からゆでる
- 内側の薄皮を1〜2枚残して外側の皮をむき取る。
- 沸騰した湯に2%の塩を入れて3〜5分ゆでる。
水からゆでる
- 内側の薄皮を1〜2枚残して外側の皮をむき取る。
- 水に2%の塩を入れて火にかけ、沸騰後3〜5分ゆでる。
電子レンジで加熱する
- 内側の薄皮を1〜2枚残して外側の皮をむき取り、ラップで包む。
- 電子レンジで4〜5分加熱し、粗熱が取れるまでラップをしたまま蒸らす。
- さらに甘みを引き出したい場合は、3%の湯に加熱後のとうもろこしを3〜4分つける。
薄皮を残した状態でゆでることで、甘味や風味が逃げずおいしく仕上がるので試してみてください。
コーンスープでアミノ酸のバランスアップ
とうもろこしにはたんぱく質が豊富に含まれていますが、それを構成する必須アミノ酸のリジンが少ないのが特徴です。
必須アミノ酸は9種類あり、1つでも少ないものがあると残りの必須アミノ酸もそれに合わせた量しか吸収できません。
必須アミノ酸がバランスよく含まれる牛乳と一緒にとると、不足分を補うことができます。
コーンスープの作り方
- とうもろこし1本は粒を芯から外す。玉ねぎ1/2個をスライスする。
- とうもろこしの芯を水から煮出しスープを作る。
- バターを溶かしたフライパンで玉ねぎととうもろこしを炒め、2のスープを200cc加えて10分ほど煮込む。
- 粗熱を取ってからミキサーにかける。
- 鍋に戻し入れ、牛乳200ccを加えて温め、塩で味を整える。
ドライカレーでビタミンB1の効果を持続
とうもろこしに含まれる糖質をエネルギーに変えるには、たくさんのビタミンB1が必要だとお伝えしました。
玉ねぎやにんにくに含まれるアリシンという成分とビタミンB1が結合すると、血液中に長く留まりビタミンB1を長時間利用することができます。
また、植物油で炒めることでビタミンB1の消費を節約することができます。
ドライカレーの作り方
- 玉ねぎ(1/2個)・にんにく(1かけ)・にんじん(1/2個)をみじん切りにする。とうもろこし(1/2本)は粒を芯から外す。
- フライパンに油を熱し、玉ねぎ・にんにく・にんじんを弱火でしんなりするまで炒める。
- ひき肉(300g)を加えて火が通るまで炒めてからとうもろこしを加える。
- カレー粉(大さじ1.5)・ケチャップ(大さじ2)・ソース(大さじ1)・コンソメ(小さじ1)・水(50cc)を加えて炒め合わせる。
- コショウ・醤油(小さじ1〜2)で味を整え、温かいご飯の上に盛り付ける。
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