目次
1年を通して出回っており普段使いされる小松菜ですが、じつは栄養価の高い野菜だということを知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、小松菜に含まれる栄養素の効果や小松菜に似ているほうれん草との違い、栄養の吸収がよくなるレシピを紹介します。
小松菜の栄養効果・効能
小松菜は低カロリーですが栄養価の高い野菜です。
まずは、小松菜に含まれる栄養素にどのような効能・効果があるのか紹介します。
カルシウム
カルシウムは体内に最も多く含まれるミネラルで丈夫な骨や歯を作るのに欠かせないため、不足すると骨粗鬆症の原因となります。
ビタミンKを一緒に摂取すると取り込まれたカルシウムが体外へ排出するのを抑えてくれるので、どちらも豊富に含まれる小松菜はとても優秀な野菜です。
また、カルシウムには心臓を動かす、筋肉を収縮させる、ホルモンの分泌を調整するなどの働きもあり、筋肉の痙攣(足がつる状態など)を予防します。
血液中に含まれるカルシウムは神経伝達に関わっており、精神を安定させたりイライラを抑えたりする作用もあります。
カリウム
カリウムは、ナトリウムとともに細胞の浸透圧を正常に保つ働きのあるミネラルです。
ナトリウムの摂取が多いとカリウムが働いて体外に排出するため、高血圧やむくみの予防・改善に役立ちます。
心臓の機能や筋肉の収縮に作用するため、尿や汗として大量に排出されるとカリウムが不足して足がつる原因にもなります。
鉄分
鉄分は赤血球内にあるヘモグロビンの成分になり、酸素と結びついて身体中に酸素を運ぶ働きをするミネラルです。
不足すると貧血や頭痛、倦怠感、めまい、集中力の低下、筋力の低下など、さまざまな症状を引き起こします。
野菜に含まれる非ヘム鉄は吸収率が低いので、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取して吸収率を上げましょう。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンを合成したりメラニンの生成を抑制する働きがあるため、シミ・そばかす予防やハリのある美肌づくりに作用します。
免疫力をアップさせたり鉄分の吸収を助けたりする効果もありますが、精神的なストレスで大量に消費し数時間で体外に排出されるため、こまめに摂取する必要があります。
また水溶性のビタミンなので水に溶けやすく加熱によっても失われてしまうため、調理法に工夫が必要です。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、油脂と一緒に摂ると体内への吸収がよくなります。
出血時の血液を凝固させる働きや、カルシウムが骨に沈着するのを助けます。
βカロテン
野菜は、可食部100g中のβカロテンの含有量で緑黄色野菜か淡色野菜に分けられます。
βカロテンは有害な活性酸素による酸化を抑えるため、3100μgも含まれる小松菜はとても抗酸化作用の強い緑黄色野菜です。
紫外線、喫煙、ストレス、飲酒などから過剰に作られる活性酸素から体を守り、老化や生活習慣病を予防します。
抗酸化作用を高めるにはビタミンCやEなど、抗酸化作用のある複数の栄養素を一緒にとるのが効果的です。
βカロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変換され、暗いところで目が見えにくくなる夜盲症の改善、皮膚や髪を美しく保つ、鼻・喉・消化器・呼吸器の粘膜を強くするなどの働きをします。
小松菜とほうれん草の栄養価を比較
青菜類はとても栄養価の高い野菜です。
なかでもほうれん草は鉄分が多いことで知られていますが、じつは小松菜のほうが多く含まれています。
下の栄養成分表は、小松菜とほうれん草の可食部100g中に含まれる栄養価を比較したものですが、小松菜は鉄分だけでなくカルシウムも豊富なのがわかります。
小松菜にはほうれん草の3倍のカルシウムが含まれており、カルシウムが豊富な食品として知られる牛乳よりも多いのです。
その他にもβカロテンやビタミンB群、ビタミンCやビタミンKなど、積極的にとりたい栄養素がバランスよく含まれています。
小松菜(生) | 小松菜(ゆで) | ほうれん草(生) | ほうれん草(ゆで) | |
---|---|---|---|---|
エネルギー | 13kcal | 14kcal | 18kcal | 23kcal |
カリウム | 500mg | 140mg | 690mg | 490mg |
カルシウム | 170mg | 150mg | 49mg | 69mg |
鉄 | 2.8mg | 2.1mg | 2.0mg | 0.9mg |
βカロテン | 3100μg | 3100μg | 4200μg | 5400μg |
ビタミンK | 210μg | 320μg | 270μg | 320μg |
ビタミンB1 | 0.09mg | 0.04mg | 0.11mg | 0.05mg |
ビタミンC | 39mg | 21mg | 35mg | 19mg |
食物繊維 | 1.9g | 2.4g | 2.8g | 3.6g |
生の状態とゆでた状態で栄養素の含有量が異なるのは、ゆでたことで水溶性の栄養素が流出してしまった結果です。
保存方法や調理方法など、栄養をムダにしない工夫をしましょう。
小松菜の栄養価を逃がさない方法
小松菜に含まれる豊富な栄養を逃さずに調理する方法や、栄養素の吸収率が上がるコツを紹介します。
洗ってから切る
ビタミンB群やC、カリウムは水溶性です。
水に溶けやすく熱に弱いため、長時間水に浸したり加熱しすぎたりすると栄養価が失われてしまいます。
切った断面から溶け出しやすいので、切る前に洗うようにしましょう。
下ゆでしない
青菜類はゆでたり炒めたりすることが多いですが、ゆで時間が長くなるほど水溶性の栄養素の損失量が多くなるのでサラダやスムージーなど生で食べるのがおすすめです。
小松菜はほうれん草のようにアクがなく食べやすいので、ゆでる場合はサッと短時間で済ませて水にさらすのはやめましょう。炒める場合は下ゆでする必要はありません。
煮汁ごと食べられるスープなら、溶け出した栄養をムダなく摂取できます。
食べ合わせを工夫する
相性のよい栄養素と一緒に摂取すると、栄養素の吸収率や働きをよくすることができます。
ビタミンDと一緒に
カルシウムは健康で丈夫な骨を作るのに欠かせないミネラルですが、加齢によって吸収率が下がってしまいます。
カルシウムの吸収率を上げるには、ビタミンDが多く含まれる乳製品・きのこ類・卵・鮭・いわしなどと一緒に食べるのがおすすめです。
油で炒めて
小松菜に含まれるビタミンK、カルシウムと相性のよいビタミンDは脂溶性のため、油と一緒にとると吸収率が高まります。
油で炒めたり和えたりがおすすめですが、水溶性のビタミンは熱に弱いため加熱しすぎに注意が必要です。
すぐに食べないなら冷凍保存
小松菜を買ってきたときのまま冷蔵庫に入れておくと、乾燥して栄養が失われてしまいます。
湿らせたキッチンペーパーで包んでから袋に入れて野菜室で保存し、なるべく早く食べるようにしましょう。
2〜3日おく場合は生のままざく切りにして冷凍すれば、栄養価も落ちにくく約3週間保存可能です。
小松菜の栄養の吸収率をアップさせるレシピ
カルシウムの吸収率をアップさせ、水溶性のビタミンを逃さずにとれるレシピを紹介します。
小松菜とちりめんじゃこの炒め物
- 小松菜は洗って根を切り落とし、3cmの長さに切る。
- 油を熱したフライパンで小松菜を炒め、ちりめんじゃこを加えてさっと炒める。
- 酒・醤油で味付けし、仕上げに白ごまをふる。
野菜に含まれるカルシウムや鉄分などのミネラルは、吸収率が低いのが欠点です。
動物性たんぱく質が豊富なちりめんじゃこと一緒に食べることで、吸収率を上げるのがおすすめです。
油で炒めることで脂溶性ビタミンのβカロテンの吸収率もアップします。
小松菜と卵のスープ
- 小松菜は洗って根を切り落とし、3cmの長さに切る。
- 沸騰した湯に鶏ガラスープの素、小松菜を入れて柔らかくなるまで煮る。
- 醤油を少量加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
- 溶き卵を静かに回し入れ、火が通ったらごま油で風味をつける。
卵に含まれるビタミンDがカルシウムの吸収を助けてくれます。
スープにすることで、水溶性のビタミンやミネラルも逃さずにとることができます。
【耳より情報】ふるさと納税で美味しい食材がもらえる!
ふるさと納税を活用すれば、新鮮な魚介類や厳選されたお肉、旬の野菜やフルーツなど、全国の特産品や美味しい食材を手に入れることができます。
しかも、地域の活性化を応援しながら税控除を受けられるメリットも。
この機会にぜひ、ふるさと納税で美味しい食材を手に入れて、食卓を豊かにしてはいかがでしょうか!