目次
レバーには体に良い栄養が豊富に含まれており、とくに貧血には効果があるといわれています。
しかし、食感や匂いが苦手で食べられない方も少なくありません。
この記事では、レバーに含まれる栄養素や期待できる効能などについて解説します。
おいしく食べるための下処理の方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
レバーの種類と特徴
主なレバーの種類には、牛・豚・鶏の3種類があり、それぞれに特徴があります。
牛レバー
牛レバーは、トロッとした柔らかい肉質と滑らかな食感、濃いめの風味が特徴で、加熱すると身が締まります。
下処理をしっかりと行わないと、臭みが残るため、調理には若干の注意が必要です。
豚レバー
豚レバーは、3種類の中で最も高たんぱくで、牛レバーよりも弾力がありますので、ぷりぷりとした食感が楽しめます。
鉄分も3種類のレバーのうちで最も多く、貧血などの予防にも効果的です。
鶏レバー
鶏レバーはしっとりときめ細かい食感が特徴です。牛や豚に比べて臭みやクセが少ないので、最も食べやすいレバーといえます。
ただ、コレステロールが非常に多いため、コレステロールの摂取制限をしている方はとくに注意が必要です。
ちなみに、鶏レバーのなかで白味がかったフォアグラのような食感のある白レバーという種類もありますが、これは大変希少なレバーであまり市場には出てきません。
レバーに含まれる栄養素
牛・豚・鶏レバーに含まれている栄養素は以下の通りです。
それぞれの種類で栄養価が異なる
栄養素の種類はほぼ同じですが、含まれる量が違うのが注目のポイントになります。
100gあたりの含有量 | 牛レバー | 豚レバー | 鶏レバー |
---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 119 | 114 | 100 |
たんぱく質(g) | 19.6 | 20.4 | 18.9 |
糖質(g) | 3.7 | 2.5 | 0.6 |
脂質(g) | 3.7 | 3.4 | 3.1 |
コレステロール(mg) | 240 | 250 | 370 |
炭水化物(g) | 3.7 | 2.5 | 0.6 |
鉄(mg) | 4.0 | 13.0 | 9.0 |
亜鉛(mg) | 3.8 | 6.9 | 3.3 |
ビタミンA(μg) | 1100 | 13000 | 14000 |
ビタミンB1(mg) | 0.22 | 0.34 | 0.38 |
ビタミンB2(mg) | 3.00 | 3.60 | 1.80 |
ビタミンB6(mg) | 0.89 | 0.57 | 0.65 |
ビタミンB12(μg) | 53.0 | 25.0 | 44.0 |
葉酸(μg) | 1000 | 810 | 1300 |
参考 https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
レバー全体としては、高たんぱくで鉄分やビタミンB群が豊富であるのが特徴になります。
種類別だと、鉄分が最も多く含まれているのは豚レバーで、糖質・炭水化物が少ないのは鶏レバーです。
もし貧血が気になるなら豚レバーを、ダイエット食として摂るなら鶏レバーがおすすめです。
とはいえ、どのレバーも十分に豊富な量の栄養素が含まれていますので、現代人にとっては大変身体にうれしい食材です。
レバーのすごい効能
レバーの栄養素といえば「鉄分」の印象をもっている方は多いのではないでしょうか。
ここでは、代表的な鉄分に加えてレバーに含まれる主な栄養素の効能について解説します。
貧血に効果的な鉄分
鉄分は、赤血球を作る成分の1つで、全身に酸素を運ぶという重要な働きがあります。
そのため、鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になり、身体が重い・疲れやすい・息切れがするなどの症状が表れます。
また、酸素が十分に脳にいきわたらないことで集中力の欠如や記憶力・思考力の低下にもつながります。
レバーに含まれる鉄分は、ヘム鉄という吸収力の高いものですので、少量を摂るだけでも鉄分不足を補うことができます。
造血のビタミン・葉酸
葉酸は、ビタミンB群の1つで水溶性のビタミンです。
のちに紹介するビタミンB12と共に、赤血球を作るのを助けるという働きがあることから、「造血のビタミン」と呼ばれています。
また、DNAやRNAといった核酸の合成を助ける働きもあり、胎児の成長には欠かせない栄養素です。
葉酸が不足すると、貧血はもちろん、妊娠中の女性の場合は、胎児の成長にも悪影響を与えます。
味覚障害の予防に亜鉛
亜鉛は、体内で作ることができないため、体外から摂取することが必要な必須ミネラルの1つです。
身体の成長・維持には欠かせない栄養素で、皮膚や粘膜の健康も守ってくれます。
必要な量はとても微量ですが、200種類以上の酵素の構成・酵素反応の活性化のほか、ホルモンの合成や分泌を調整したり、DNA・たんぱく質の合成や免疫反応の調整をしたりと大変重要な働きを持つ栄養素です。
亜鉛が不足することでよく知られている症状が味覚異常です。
子どもの場合は成長障害、男性なら性機能低下などの症状が起こる可能性もあります。
皮膚や目の健康を保つビタミンA
レバーに豊富に含まれている栄養素であるビタミンAの働きは、目や皮膚の健康維持です。
不足すると、暗い場所や夜間の視力が落ちる夜盲症になったり、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなったりします。
粘膜が乾燥することで、免疫力が下がるという症状も見られます。
疲労回復にはビタミンB群
ビタミンB群は、栄養素の代謝にも深く関わっており、疲労の回復を助けてくれます。
ビタミンB1とB2
チアミンと呼ばれる水溶性のビタミンであるビタミンB1は、糖質を燃やしてエネルギーに変えるために必要な栄養素です。
不足すると、疲労やだるさ、食欲不振などの症状が表れます。
一方ビタミンB2は、脂質を燃やしてエネルギーに変える栄養素で、どちらもエネルギー代謝には重要です。
またビタミンB2は、皮膚や粘膜、爪や髪などの再生促進する働きもあり「発育のビタミン」とも呼ばれています。
不足した時の症状としては、子どもの発育障害や口内炎・舌炎・角膜炎などです。
ビタミンB6
ビタミンB6は、免疫機能・皮膚の抵抗力の維持や赤血球のヘモグロビンの合成にも必須の栄養素です。
脂肪肝の予防にも関わっています。
エストロゲンの分泌を助けて、ホルモンバランスの調整を行う働きもあり、月経前症候群の症状を和らげるという効果も期待されています。
不足すると、湿疹や口内炎・舌炎などの皮膚炎や貧血、免疫力低下などの症状が表れます。
ビタミンB12
ビタミンB12は、アミノ酸・核酸の代謝や葉酸の代謝に関わっている栄養素です。
赤血球の形成を助ける栄養素としても欠かせません。
不足すると、貧血・食欲不振・疲労・体力低下・体重減少などの症状が表れます。
ビタミンB群はどれも水溶性のビタミンですので、身体に貯めておくことができません。
そのため、毎日こまめに摂取するように心がけましょう。
レバーを食べるときの注意点
レバーは私たちが摂取しておくべき栄養素が豊富に含まれている大変優秀な食品です。
しかし、いくら優れた食品でも摂取目安量を大きく超えて食べることは、かえって体調を崩す原因になるので注意点を紹介します。
ビタミンAの過剰摂取
ビタミンAを過剰摂取すると下記のような症状の原因となるので摂取量に注意が必要です。
- 頭痛
- 吐き気
- 疲労感
- 脱毛
- 皮膚の異常乾燥
長期に大量なビタミンAを摂取すると肝機能障害が起こることもあるほか、妊婦がビタミンAの過剰摂取を続けると、胎児に先天異常が表れる危険性があります。
ビタミンの1日あたりの摂取量目安
ビタミンAの1日当たりの摂取限度量は、成人で2700μgまでとされていますが、これをレバーで換算してみると、以下の通りです。
牛レバー | 245g |
---|---|
豚レバー | 20g |
鶏レバー | 19g |
例えば焼き鳥のレバーなら串1本あたり30〜40gで、もうこれだけで1日の摂取限度量を越えてしまいます。
もちろん、たった1回摂取限度量を超えただけで何らかの異常が出るようなことはまずありません。
しかし、ビタミンAは脂溶性ビタミンで、限度以上に摂取した分は肝臓に蓄積されます。
多めに摂取した後しばらくは、ビタミンAが多く含まれる食品は控えるなどの注意をしてください。
痛風のリスク
レバーにはプリン体も多く含まれています。
牛レバーで100g中219.8mg、豚レバーは284.8mg、鶏レバーなら312.2mgものプリン体が含まれています。
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」のプリン体含有量の分類では、最もプリン体含有量の少ない牛レバーでも「多い」に、鶏レバーは「きわめて多い」ランクに分類されます。
そのため、高尿酸血症の方や痛風のリスクが大きい方は、レバーの食べ過ぎには十分注意してください。
レバーをおいしく食べるには?
レバーは大変栄養が豊富ですが、独特の臭みがあるため、苦手な方も多くいらっしゃいます。
ですが、しっかりとした処理をすれば、美味しくいただけますので、ぜひお試しください。
下処理が肝心
レバーの下処理に最もおすすめなのは、牛乳に浸すという方法です。
また、よりおいしくレバーをいただくには、できるだけ新鮮なものを選ぶようにしてください。
下処理の方法は以下の通りです。
- 適当な大きさにカットする
- 水で洗いながら血の塊を取り除く
- 牛乳に10~30分程度浸す
- 水で洗って水けをふく
こうしておけば、独特の臭みはほとんど感じません。
組み合わせるならこの食材
レバーをよりおいしくいただき、栄養素をより効果的に取り入れるのにおすすめの代表的な食材は以下です。
- レモン
- 玉ねぎ
- ニラ
レモンに含まれるビタミンCは、レバーに含まれる鉄分の吸収を助けてくれます。
レバー料理にレモンを添えたり、ビタミンCが豊富なパプリカやピーマンなどと炒めたりするのもおすすめです。
玉ねぎやニラには、ビタミンB1の吸収が良くなる硫化アリルが含まれています。
にんにくやネギにも硫化アリルが多く含まれていますので、それらの食材とレバーを合わせて調理することで、より効果的に栄養素を摂取できます。
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