目次
リンゴ酢には、ダイエットや生活習慣病の予防など、さまざまな効果があります。
この記事では、リンゴ酢に期待される主な効果を解説します。
リンゴ酢に含まれる成分や効果的な取り入れ方も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
リンゴ酢とは?
リンゴ酢の原料や製法、味わいとはどのようなものなのでしょうか。
この章では、リンゴ酢の特徴や種類、主な栄養素や成分を紹介します。
リンゴ酢の特徴
リンゴ酢は、リンゴの果汁を発酵させて作った果実酢です。
果実酢は『醸造酢のうち、原材料に果実を使用し、穀類、果実以外の農産物、ハチミツを使用しておらず、果実の使用総量が醸造酢1Lにつき搾汁として300g以上であるもの。』と定義されています。
リンゴ酢は基本的に、リンゴ果汁をアルコール発酵させ、さらに酢酸発酵させて作られます。
味わいは甘酸っぱくフルーティで、料理やドリンクとして活用でき、「リンゴ酢」と「純リンゴ酢」の2種類があります。
リンゴ酢と純リンゴ酢の違い
市販されているリンゴ酢には、主に「リンゴ酢」「純リンゴ酢」「リンゴ酢ドリンク」があります。
リンゴ酢ドリンクは、飲みやすくするために糖分や香料などが添加された清涼飲料水です。
ここでは、果実酢であるリンゴ酢と純リンゴ酢の違いを解説します。
- リンゴ酢
原材料はリンゴ果汁とアルコール。
リンゴ果汁にアルコールを加え、酢酸発酵させて作られる。
短期間で製造でき、安価で、さっぱりとした味わい。 - 純リンゴ酢
原材料はリンゴ果汁のみ。
リンゴ果汁をアルコール発酵させ、さらに酢酸発酵させて作られる。
発酵や熟成の期間が長く、コクがあってまろやかな味わいとなる。
リンゴ酢は手頃な価格ですっきりとした味わい、純リンゴ酢は深くまろやかな味わいが特徴です。
両者の健康効果に大きな違いはありません。好みや用途によって使い分けるとよいでしょう。
リンゴ酢に含まれる主な栄養素と成分
リンゴ酢に含まれる主な栄養素は以下のとおりです。
また比較対象として、米酢の含有量も示します。
栄養素 | リンゴ酢 100g当たりの 含有量 | 米酢 100g当たりの 含有量 |
---|---|---|
エネルギー | 26kcal | 46kcal |
糖質 | 2.4g | 7.4g |
酢酸 | 4.7g | 4.4g |
カリウム | 59mg | 16mg |
ナトリウム | 18mg | 12mg |
カルシウム | 4mg | 2mg |
マグネシウム | 4mg | 6mg |
これらの栄養素以外に、果実酢には、原料の果実由来のポリフェノールが含まれています。
リンゴ酢にもリンゴ由来のポリフェノールが含まれ、抗酸化作用が期待できます。
リンゴ酢の効果
リンゴ酢に含まれる酢酸には、さまざまな健康効果があります。
この章では、リンゴ酢に期待される主な効果を紹介します。
ダイエット効果
リンゴ酢の継続的な摂取は、ダイエットに効果的です。
リンゴ酢に含まれる酢酸には、AMPキナーゼ(AMPK)という酵素を活性化させる働きがあります。
AMPKが活性化すると、脂肪酸の分解が促進され、合成が抑制されます。
リンゴ酢を含んだ飲料を1日2回、12週間摂取する二重盲検試験では、酢飲料を摂取した群で体重、BMI、内臓脂肪面積、腹囲が低下したという報告があります。
リンゴ酢など、酢酸を含む食酢を摂取すると、脂肪の燃焼が促進され蓄積が抑制されるため、ダイエットに有用です。
血糖値の上昇を抑制する効果
食事の際にリンゴ酢を摂取すると、食後の血糖値の急上昇が抑えられます。
これは、リンゴ酢に含まれる酢酸に、食べたものを胃の中に長く留め、消化管での消化吸収を遅らせる作用があるからです。
この効果は、とくに血糖値が高めの人に対して有効です。さらに、食事の際に摂る食酢の量は、10mLよりも20mLの方が効果が高いこともわかっています。
血糖値が高めの人は、食事に酢を使った料理やリンゴ酢ドリンクをプラスすると、食後血糖値の上昇抑制に効果的です。
血圧を下げる効果
リンゴ酢に含まれる酢酸には、高めの血圧を下げる効果が期待できます。
血圧が高めの人が継続的にリンゴ酢を摂取した結果、最高血圧・最低血圧ともに減少したという報告があります。
これは、酢酸に、レニン-アンジオテンシン系という血圧上昇に関わる調節機構を抑制する働きがあるためです。
また酢酸は、代謝の過程で、血管拡張作用のあるアデノシンという物質を生成し、血圧降下に寄与します。
なおこの効果は、血圧が高めの人に作用するので、正常の人の血圧が下がりすぎる心配はありません。
さらに食酢は、料理に加えると塩味を感じやすくするため、高血圧予防に必要な減塩対策にも効果的です。
コレステロールを下げる効果
リンゴ酢飲料の継続的な摂取は、総コレステロール値とLDL(悪玉)コレステロール値を下げることがわかっています。
この効果はコレステロール値が高めの人に対して有効であり、また、HDL(善玉)コレステロールには影響しません。
リンゴ酢の摂取により、正常な人のコレステロール値が下がりすぎたり、HDLコレステロールまで減ったりすることがないため、安心して飲用できます。
疲労回復効果
リンゴ酢などの食酢には、運動後の疲労を回復させる効果が期待できます。
運動後に疲労を感じる原因の一つは、エネルギー源となるグリコーゲンの不足です。
したがって、疲労回復のためには、運動で消費されたグリコーゲンを速やかに回復させることが大切です。
実験では、運動後にグルコース(ブドウ糖)とともに酢酸を摂取すると、グリコーゲンの回復が促進されることがわかっています。
疲労回復のためには、糖分と一緒に食酢を摂ると効果的です。
骨粗しょう症予防
リンゴ酢に含まれる酢酸は、骨粗しょう症予防にも有用です。
酢酸には、カルシウムの吸収を促進させ、骨を強くする働きがあります。
骨強化のために必要な食酢の量は20〜30mLと考えられており、1日に摂取するのに無理のない量といえます。
また、酢酸には他の食品のカルシウムを溶解する作用があることもわかっています。
たとえば、殻付きのシジミ50gと水200mLに食酢7.5mLを加え、8分間加熱し、味噌を溶かし入れた味噌汁では、酢を加えない場合に比べて3.4倍のカルシウムが溶け出します。
骨粗しょう症を予防するには、若いうちから骨を強化する食生活を心がけることが大切です。
リンゴ酢の効果的な取り入れ方
リンゴ酢には、さまざまな健康への効果が期待されます。
この章では、リンゴ酢の1日の摂取量や摂取のタイミングなど、効果的な取り入れ方を紹介します。
大さじ1~2杯を毎日摂取する
リンゴ酢は、大さじ1〜2杯を毎日摂取すると効果的です。
リンゴ酢には、ダイエット、血糖値の上昇抑制、血圧やコレステロールの降下など、生活習慣病を予防する効果があります。
生活習慣病や骨粗しょう症の予防を目的とした場合、1日に15〜30mLの継続的な摂取が必要です。
大さじ1杯が15mLなので、大さじ1〜2杯を毎日摂取すると、効果を持続できます。
リンゴ酢を摂取する効果的なタイミングは?
リンゴ酢の摂取には、それぞれの目的に応じた効果的なタイミングがあります。
ダイエットが目的の場合は食事中、疲労回復には運動後に摂取するとよいでしょう。
食事中|ダイエットに効く
前述のとおり、リンゴ酢に含まれる酢酸はAMPKという酵素を活性化させるため、脂肪の合成が抑制されます。
また食事中に食酢を摂取すると、血糖値の上昇が抑制されることもわかっています。
食事にリンゴ酢を使った料理を加えると、脂肪の蓄積が抑えられ、血糖値の上昇が抑制されるため、ダイエットに効果的です。
運動後|疲労回復
運動後の体内のグリコーゲン不足は、疲労感につながります。
いくつかの実験では、運動後に糖分とお酢を摂取すると、糖分だけを摂取した場合に比べてグリコーゲンの回復が促進されるという結果が出ています。
疲労回復のためには、運動後にリンゴ酢ドリンクなどを摂取すると効果的です。
空腹時は避ける
リンゴ酢の主成分は酢酸です。
酢酸には胃を荒らす作用があるため、空腹時に飲むのは避けましょう。
また、リンゴ酢を原液に近い濃度で摂取すると胃に負担がかかるので、5倍以上に薄めて取り入れるようにしましょう。
料理に使う、ドリンクにして飲む
毎日の生活にリンゴ酢をうまく取り入れるには、料理に使う、ドリンクにして飲むなどの方法があります。
料理に使う
リンゴ酢のフルーティーさを利用して、サラダのドレッシングやピクルス、魚介のマリネなどに使うのがおすすめです。
トマトを使った洋風の煮込み料理や豚肉のソテーなどに加えると、さっぱりとした味わいに仕上がります。
ドリンクにして飲む
リンゴ酢を水や炭酸水、牛乳などで割り、はちみつを加えたドリンクは手軽です。
お酢特有の酸味が気になる場合は、レモンやオレンジなどのかんきつ類を加えると飲みやすくなります。
りんごやブルーベリーなど、好みのフルーツと砂糖を漬け込んだ手作りのフルーツ酢もおすすめです。
好みのフルーツを漬けて、炭酸水などで割って飲みましょう。
まとめ
リンゴ酢には、ダイエット、血糖値の上昇抑制、血圧やコレステロール値の低下など、生活習慣病を予防する効果が期待できます。
リンゴ酢に含まれる酢酸は、体内でのカルシウムの吸収を促進させるため、骨の強化にも有効です。
これらの効果を得るためには、1日にリンゴ酢大さじ1〜2杯の継続的な摂取が必要です。
フルーティーな味わいのリンゴ酢は、料理やドリンクなどに活用できます。
ぜひ、毎日の生活に取り入れてみてください。