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バーベキューや炭火焼きに殻付きのホタテ貝が並ぶと、見た目も豪勢で盛りあがることうけ合いですね。
ところが、「火を通し過ぎて固くなってしまった」「貝柱がうまくはずれなかった」など、焼き方がわからず失敗してしまったという経験はありませんか。
今回は、ホタテの基礎知識をふまえて、殻付きのまま焼きあげるコツと殻を開けてから焼く方法、殻のないホタテ貝柱の焼き方をご紹介します。
知っておきたいホタテの基礎知識
ホタテガイ(帆立貝)は、直径約20センチの殻を持つ大型の二枚貝の一種。大きな貝柱が特徴です。
まずはホタテの産地や旬、栄養素など基本的な特徴をお伝えします。
ホタテの産地
日本のホタテの主な産地は、北海道から東北地方にかけての寒い海です。
水揚げ量第1位は北海道で、オホーツク海から日本海にかけて、多くの産地があります。
ホタテの養殖には、ヒモで吊り下げて育てる垂下(すいか)方式、稚貝を海に放し成長させて水揚げする地撒き(じまき)方式などがあります。
ホタテの旬
一年を通して出荷があるホタテですが、おもなシーズンは冬から春にかけてです。ホタテは春の産卵期に向けて、寒い冬に栄養を蓄えて大きく育ちます。
とはいえ、同じ北海道でも日本海側の垂下式は冬から春、オホーツク海側の地撒き式は初夏から秋が旬など、地域によって異なります。
産卵のために大きくなる、ホタテ卵とも呼ばれる生殖巣。
ホタテの仲間は雌雄同体ですが、日本に生息するホタテは雌雄異体です。
生殖巣が白い精巣ならオス、オレンジがかった赤い卵巣ならメスのホタテです。
ホタテの特徴と栄養
他の貝類と同じく、高タンパクで低カロリー、低脂質なホタテ。
良質なタンパク質が豊富で、糖質が気になる方にも向いている食材です。
貝類などの魚介類に含まれるタウリンは、ホタテにも多く含まれています。
タウリンには、肝臓の働きを活発にする作用のほか、血液中のコレステロール値や中性脂肪値を下げる、血圧を正常に保つといった働きがあります。
タウリンは水溶性なので、加熱によって出てくる汁も残さずいただきたいものです。
汁物やスープ、シチューなど汁ごと食べる調理にすると、よい出汁にもなって一石二鳥です。
他にも、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸といったビタミン類、亜鉛、鉄分などのミネラル類も含まれます。
ヘルシーで栄養豊富なところもうれしいですね。
ホタテのウロに注意
ホタテを構成する器官の中で、最も大きい部分が貝柱です。
貝柱は、二枚貝の内側に付いている筋肉で、閉殻筋と呼ばれます。
殻を開閉して泳ぐことにも使われる、重要な器官です。
通常二枚貝には貝柱がふたつついていますが、ホタテの場合は成長途中でひとつが退化します。
次に、通称貝ヒモ、ミミと呼ばれる外套膜です。
貝柱をぐるりと取り巻くようなヒダ状の部位で、貝柱とは違うコリコリとした歯ごたえがあります。
もっとも気を付けなければならないのが、中腸腺。通称ウロと呼ばれる黒っぽい部分です。
肝臓、すい臓のような働きをする内臓にあたり、重金属や貝毒が蓄積されている恐れがあります。
苦みを好んで食べる方もいらっしゃいますが、取り除いてしまう方が無難です。
殻付きホタテを上手に焼くコツ
殻付きホタテの醍醐味である焼きホタテ。
殻付きのまま焼くコツと、殻を開いて殻焼きする方法のふたつに分けてご紹介します。
殻付きホタテ、基本の焼き方
バーベキューの鉄板や網による炭焼き、七輪などで、殻付きホタテを焼く基本です。
この場合、表面の汚れを洗い流すくらいで、これといった下ごしらえは不要です。
安全に調理するために、軍手やトングを用意しておくとよいです。
手順1:平らな面を下にして置く
ホタテの貝殻は、平らな方と丸く膨らみのある方があります。
よく加熱した鉄板や網の上に、平らな方を下にしてホタテを置きます。
手順2:ひっくり返す
貝の口が開いてきますが、あわてずに、平らな方の殻から貝柱が離れてくるのを待ちましょう。
貝柱が離れたのを確認したら、ひっくり返します。
この時、熱い汁がこぼれることあるので、軍手をはめたりトングを使うなどして気をつけて返してください。
手順3:火止め
加熱を続けるうちにつながっていた殻がはずれ、汁がたくさん出てきます。
貝柱がもう片方の殻からもはずれて、ぐつぐつと汁が沸騰したらできあがりです。
焼きあがったら、火からすぐにおろします。
手順4:味付け
ウロ(中腸線)は取り除き、タレやポン酢しょうゆなど、お好みの調味料でいただきます。
途中で調味する場合は焼きあがる直前に、ひっくり返して平らな殻をはずし、汁が沸いてきた頃合いがを目安にしてください。
酒を少々振ってからしょうゆをひとたらし、ひと煮立ちしたらベーシックなしょうゆ味の焼きホタテです。
お好みでバターを落としたバターしょうゆ味も、またおいしいものです。
あっさりしてるとはいえうまみは強いので、味付けは控えめでも十分おいしく味わえます。
フライパンや魚焼きグリルで焼く場合も、基本の焼き方は同じです。
予熱したところに平らな殻を下にして焼き始めますが、ひっくり返すタイミングを見極めるのと、焼いてる最中に殻をはずすのがちょっと大変かもしれません。
次にご紹介する、殻を開いてから焼く方法がおすすめです。
殻を開いて作る殻焼きホタテ
殻を開いて下処理をしてから作る殻焼きホタテ。先にひと手間かけることで、調理しやすくなります。
ホタテの殻が開いたり閉じたりするのは、貝柱がその役割をつかさどっているからです。
殻と貝柱の境目にナイフを差し込んではずすことで、殻を開けることができます。
ホタテ専用の道具もありますが、家庭にあるテーブルナイフを用意すれば十分です。
貝殻は鋭利な部分もあるので、作業中は軍手やゴム手袋をはめるか、タオルや手ぬぐいで手を守ってください。
手順1:持つ向きの確認
ホタテの殻の丸みのある方を上に、平たい方を下にして、手に持ちます。
手順2:殻を外す
テーブルナイフを殻のふちから差し込んでいき、下側の平らな面に添うように、中の貝柱に向かって進めていきます。
ナイフを小刻みに動かして、貝柱と殻の境目のつながっている部分を切り離します。
手順3:身をはずす
片方の貝柱が切り離せると、貝殻がはずせます。
反対側の貝柱も同じ要領で、貝柱と殻の間にナイフを入れて身をはずします。
手順4:ウロを取り除いて洗う
ウロ(中腸線)は取り除きます。
この時、黒っぽい筋(消化腺など)が残っていたら、軽く洗い流しましょう。
貝柱だけにしたい場合は、貝ヒモなどもはずしておきます。
ホタテの貝ヒモも、調理しておいしくいただけます。
ぬめりは包丁の背でこそげとってから、塩をふってよくもみ、水洗いするとよいでしょう。
または湯通しするとでぬめりを落とせます。刺身や酢の物、焼き物、甘辛い煮つけなど、貝柱とはまた別に一品作れます。
手順5:丸みのある殻に身を乗せる
たっぷりの汁もこぼさず受けられるように、丸みのある殻の方に身を乗せます。
この時に不安定なら、適当にくしゃくしゃにしたアルミホイルで土台を作って安定させます。
手順6:ホタテを置く
よく加熱した鉄板や網の上に、殻に身をのせたホタテを置きます。
出てきた汁が沸騰してきたら、ホタテをひっくり返してください。
再度沸騰して、貝柱が全体に白っぽくなったら焼きあがりです。
味付けする場合は、焼きあがる少し前に行います。
フライパンの場合は、殻に乗せたホタテを並べ、フタをして強~中火で3~5分を目安に蒸し焼きにします。
平らな殻をフタがわりにしてもよいです。汁が出てきたら裏返し、汁が沸騰して全体に白っぽくなったら焼きあがりです。
グリルやオーブン、オーブントースターの場合は、強めの火で予熱して、5分を目安に加熱します。
加熱前に、バターとしょうゆなどお好みの調味料をのせてから焼きあげる方法もあります。
ホタテ貝柱のおいしい焼き方
生の刺身用ホタテ貝柱や、冷凍のホタテ貝柱。刺身以外の食べ方をしたい場合、サッと火を通すことで、また違った味わいになります。
手順1:解凍
冷凍のホタテ貝柱を使う場合は、解凍しておきます。
冷凍のホタテは、冷蔵庫に移しての解凍です。大きさにもよりますが、解凍には半日程度かかります。
急ぐ場合は、ポリ袋などに入れて流水にさらしてください。
手順2:フライパンで焼く
直接水に浸すと水っぽくなってしまうので、必ずポリ袋などに入れて解凍します。
フライパンを温めてバターか油をひき、中火で3分を目安に加熱します。
様子を見て焼き色がついていたらひっくり返してください。
手順3:火止め
ひっくり返したら味付けをして、さっとからめたら火を止めて皿に移します。
ホタテ貝柱も殻焼きと同様に、火を通し過ぎると固くなってしまいます。
さっと焼き色がつく程度に仕上げるのがコツです。
手順4:味付け
バターで焼いてしょうゆをさっとからめるバターしょうゆ焼き、オリーブオイルで焼いて塩コショウで仕上げるなど、シンプルな味付けがおすすめです。
刻んだパセリやレモン汁を振りかけてもよいでしょう。
網焼きの場合、網に引っかかるなどして調理しづらいことがありますが、耐熱皿や小さなスキレット、アルミホイルで器を作ることで、フライパンと同じように調理できます。
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