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日本の風物詩として定着している「お歳暮」。
郵便・宅配便など非接触で済ませることができるため、対面でのの挨拶が気になるときにもぴったりです。
ただし、お歳暮に関するマナーや注意をきちんと把握していないと、かえって失礼になる恐れがあります。
そこで今回は、お歳暮を贈る時期やマナーを始め、品物選びのポイントまでを詳し紹介します。
お歳暮を贈る時期とは
お歳暮は、その年お世話になった人々へ、日頃の感謝の気持ちを伝える風習です。
かつて年の暮れ(歳暮)に、手土産を持参して回る「歳暮回り」という行事があり、これが現在のお歳暮のルーツの1つと考えられます。
まずは、お歳暮を贈る相手や時期をチェックしましょう。
お歳暮は年の暮れ・年末に贈る
お歳暮は、かつての行事である歳暮回りと同様に、年の暮れ・年末に実施されます。
贈り先は、感謝の気持ちを伝えたい人であれば基本的に誰でも問題ありません。
以下が一般的なお歳暮の贈り先です。
- 職場の上司
- 取引先
- 親戚
- 家族
- 義理の両親
- 親しい友人や知人
- 恩師
- 自身の挙式の仲人 など
贈る時期は地域によって多少異なる
日本全国においてポピュラーな風習となっているお歳暮ですが、贈る時期は地域ごとに多少異なります。
以下は、地域ごとのお歳暮の時期の目安です。
地域 | 地域 |
---|---|
関東 | 12月初旬〜12月31日 |
関西 | 12月中旬〜12月31日 |
北海道・東北・北陸・東海・中国・四国・九州 | 12月10日頃〜12月20日頃 |
沖縄 | 12月初旬〜12月25日頃 |
お歳暮を贈るときのマナー
お歳暮には守るべきマナーがありますので、送る際には時期だけでなく、以下の4点にもご注意ください。
- 贈る前に相手に都合の確認を取る
- 遅れないように準備し始める
- 喪中の相手には忌明け後に贈る
- お歳暮で贈ってはいけない品物がある
上記のポイントを守らないと、かえって失礼になる恐れがあるため、1つずつ確認していきましょう。
贈る前に相手に都合の確認を取る
サプライズ効果を期待して「先方に何も伝えずお歳暮を贈りたい」人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現代ではコンプライアンスなどの問題もあるため、贈る前に相手の都合を確認したほうが無難です。
以下、都合を確認すべき理由を、相手ごとに紹介します。
職場の上司、取引先
社内規定により、お歳暮などのやり取りがNGとなっている可能性があるため、事前に確認しましょう。
特に公務員の場合、贈答品の受け取りが公務員倫理法違反に当たる恐れがあるため、ご注意ください。
親戚、家族、親しい友人や知人、恩師、自身の挙式の仲人など
旅行、帰省など年末年始のスケジュールによって、お歳暮が受け取れない恐れがあります。
生ものを贈る際は特に注意が必要です。
また「元々お歳暮などのやりとりを好まない」「高齢のためお歳暮のやりとりをやめた」という人もいるため、先方の都合を確認すべきです。
遅れないように準備し始める
相手の都合が確認できたら、遅れないように準備を始めましょう。
年末は宅配便・郵便の繁忙期でもあるため、11月中に準備をし、12月のお歳暮の期間内に届くように手配します。
人気商品の場合は、早めに売り切れることもあるため、申し込みもできるだけ早い方が望ましいです。
なお、相手の都合に合わせて、通常よりも早い時期にお歳暮を贈らなければならないケースもあります。
そのような事情でも対応できるよう、相手の都合の確認も、できるだけ早い時期に行いましょう。
喪中の相手には忌明け後に贈る
お歳暮を贈る際、先方が喪中の場合は、忌引き後(49日以降)に贈るのが望ましいです。
送り主が喪中の場合も、お歳暮を贈ることは問題ありません。
ただし、先方が気にするケースもあるため、やはり忌引き後に贈った方が無難です。
送り主や相手が喪中の場合は、紅白の水引はかけず、表書きを「お歳暮」として贈りましょう。
お歳暮で贈ってはいけない品物がある
お歳暮には「贈ることが望ましくない品物」があるため、商品選びの前に必ず確認してください。
以下、お歳暮として贈らない方がよい品物と、その理由です。
刃物
ナイフ、包丁、ハサミなどは「縁を切る」ことを連想させるため。
商品券・現金
品物選びの心遣いがなく、値段もはっきりわかるため。
スリッパ、マット、靴など
「踏みつける」ことを連想させるため。
櫛(くし)
櫛は「苦」「死」を連想させる発音のため。
ハンカチ
日本語で手巾(てきれ)とも言いますが「手切れ」を連想させるため。
時計・筆記用具
「勉強に励みなさい」という意味もあり、目上の方に贈る場合には失礼にあたる恐れがあります。
嗜好品・食品
コーヒー、紅茶、お茶などの嗜好品が苦手な場合、贈っても喜ばれない恐れがあります。
食品を贈る場合には、好みだけでなく、食品アレルギーの有無も事前に確認しておくと良いでしょう。
お歳暮を贈るのが遅れてしまった場合の対処法
年内に届かない場合には、贈り方を以下のように変更することで対処できます。
- 年が明けてしまったなら「御年賀」にする
- 松の内に間に合わなかったら「寒中見舞い」にする
年が明けてしまったなら「御年賀」にする
お歳暮を贈るのが年明けとなった場合は、のしの表書きを「御年賀」に変更します。
御年賀を贈ることができるのは「松の内」までですが、具体的な期間は地域によって異なります。
御年賀として贈ることができる期間
- 関東:1月7日まで
- 関西地方、山陰地方、名古屋など:1月15日まで
ただし、岐阜県などのように、同県でも地域ごとに御年賀の期間が異なるケースもあるため、先方へ事前に問い合わせておくと良いでしょう。
御年賀を贈る際は、紅白5本蝶結びののし紙を使用します。
「お歳暮として贈る予定が、御年賀で贈ることになった」という旨の添え状も同封することが望ましいです。
また、本来の御年賀は手渡しが基本のため、可能であれば検討しましょう。
ただし、現在はコロナ禍でもあるため、宅配・郵送する場合には、その旨も添え状に記載してください。
松の内に間に合わなかったら「寒中見舞い」にする
お歳暮を贈るのが遅れ、さらに松の内も過ぎた場合には「寒中見舞い」として贈ります。
寒中見舞いの具体的な時期は、1月6日頃から2月3日頃(小寒から立春)までです。
やはり「お歳暮として贈る予定が、寒中見舞いで贈ることになった」旨の添え状も同封しましょう。
なお、目上の人に対しては失礼となる恐れがあるため「寒中見舞い」ではなく「寒中御伺(お伺い)」という言葉を使用します。
お歳暮の品物の選び方のポイント
お歳暮はデパートやスーパーのほか、ネット通販でも申し込めます。いずれも豊富な商品が用意されていますが、品物選びに迷ってしまう人は、以下の3つのポイントから品物を絞り込むと良いでしょう。
金額で選ぶ
お歳暮の一般的な予算は3,000~5,000円程度です。
特にお世話になった相手には、10,000円程度まで予算を広げても良いでしょう。
基本的には「毎年無理なく贈ることができる金額」を予算とし、その範囲内で品物を選びます。
相手の好みや家族構成に合わせる
お歳暮で贈る品物は、相手の好みに合わせることが前提です。
相手が苦手な食べ物などを選ばないようにご注意ください。
相手の好みがどうしてもわからない場合は、カタログギフトを贈る方法もあります。
また、お歳暮の量は家族構成に合わせて、過不足のないよう配慮しましょう。
人気のあるもの・話題のものから選ぶ
お歳暮の定番は、スイーツやフルーツ、肉、魚、ビール、ジュース、調味料セットなどの食品です。
この他、洗剤類やバスアロマ、タオルなどの詰め合わせも人気となっています。
特に、人気店・有名店の商品、話題の商品などは、お歳暮としても最適です。
まとめ
お歳暮は、付き合いのある方々との絆を確認し、さらに深められる素敵な風習です。
紹介したマナーを守り、相手のことを考えた品物を贈れば、さらに良好な関係を築くことが期待できるでしょう。