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日本の伝統的な発酵食品、納豆。
ご飯のお供に最適なのはもちろんのこと、パスタやトーストと合わせたり、おつまみメニューにアレンジしたりしても美味しくいただけます。
大豆に含まれるタンパク質やイソフラボンのほか、納豆特有の酵素・ナットウキナーゼなども含まれていて栄養豊富。
ダイエットや美肌への効果も期待できるので、ついまとめ買いしたくなりますが、そんなときに気になるのが賞味期限です。
今回は、納豆の賞味期限や保存方法、おすすめの食べ方について解説します。
納豆はもともと腐っているから賞味期限はない?発酵と腐敗との違い
納豆が発酵食品であることから「もともと腐っているから賞味期限はない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
まずは「腐る(腐敗)」と「発酵」の違いを押さえて、納豆には賞味期限があることを理解しましょう。
本質的には、「発酵」と「腐敗」に違いはありません。
人間にとって都合がいい微生物による物質の変化を「発酵」、都合が悪いものを「腐敗」と呼んでいます。
つまり、納豆は納豆菌によって「発酵して」作られ、有害な菌によって「腐敗」してしまいます。
納豆ができる過程と、腐る過程は別のもの。
健康に良い成分を含んでいる納豆は、正しい保存と食べ方を守ることが非常に大切です。
食べないほうがいい納豆の特徴
腐敗してしまった納豆を食べると、お腹を壊してしまったり具合が悪くなったりする可能性が高いです。
また、慢性的に腐敗した食べ物を食べると、発がん性のリスクもあります。
以下で紹介する腐敗した納豆の見分け方をチェックし、腐ったものを食べないようにしましょう。
納豆の糸について
腐敗した納豆は、「納豆の糸」の状態が異常であることがあります。
新鮮な納豆と比較して、ほとんど糸をひかない場合やベチョベチョしている場合は、食べないことをおすすめします。
色やにおいについて
新鮮な納豆は黒っぽい色をしていて、納豆独特の強いにおいがあります。
しかし、腐敗した納豆は色が変化し、納豆独特のにおいではない異臭があります。
また、パッケージが膨れている納豆や、開封後長期間放置していた納豆は避けておきましょう。
腐っているかいないか判断できない場合は、体調を崩さないためにも、廃棄して新しいものを購入することをおすすめします。
参考:東京福祉保健局:カビの生えた饅頭を食べてしまいました。食中毒が心配です。【食品安全FAQ】
納豆の消費期限と賞味期限との違い
納豆には「賞味期限」が記載されています。
賞味期限は、美味しさや風味などの品質が保たれる期限のことをいいます。
安全に食べられる可能性が低くなる「消費期限」ではないので、多少賞味期限を越しても、すぐに安全性に問題が生じるわけではありません。
しかし、食感や風味が落ちてしまうので、なるべく賞味期限内に食べることをおすすめします。
参考:東京都福祉保健局:消費期限と賞味期限は、何が違うのでしょうか?【食品安全FAQ】
納豆の賞味期限はどれくらい?
納豆を食べるときに必ず確認しておきたいのが、パッケージに表示されている賞味期限。
メーカーや商品によって異なりますが、一般的な賞味期限はどのくらいなのでしょうか?
発酵食品の納豆に賞味期限があるのはなぜ?
納豆のような発酵食品は、なんとなく「腐りにくい」というイメージを持たれがち。
確かに、発酵食品の中には時間が経つごとに熟成が進んで旨味が増していくものもありますが、納豆はそうではありません。
納豆は、蒸した大豆に「納豆菌」と呼ばれる菌をふりかけ、38~42℃の温度で食べ頃の状態まで発酵させた後、冷却することで納豆菌の働きを弱めて出荷されています。
出荷後も納豆菌はゆっくりと発酵を続けているので、時間が経過すると必要以上に発酵が進んでしまうことに。
品質劣化につながることから、「品質が変わらず美味しく食べられる期限」として賞味期限が定められています。
平均的な賞味期限は製造日から7~10日
納豆の賞味期限は、製造日から7~10日前後に設定されています。
メーカーや商品ごとに使用されている納豆菌の種類や発酵の条件が異なりますので、必ずパッケージの記載を確認してください。
十分に発酵・熟成した食べ頃の状態で出荷されているので、賞味期限内であればいつでも美味しくいただくことができます。
ちなみに、納豆に付属しているたれやからしの賞味期限も、納豆にあわせて設定されていることがほとんど。
たれやからしも納豆の賞味期限内に食べきるのがおすすめです。
ひきわり納豆の賞味期限は短い
納豆巻きや手巻き寿司にも欠かせないひきわり納豆は、砕いた大豆に納豆菌をふりかけて発酵させているため、一般的な粒納豆と比べて菌が付着する表面積が大きいのが特徴です。
その分納豆菌の働きも活発で、発酵が進むスピードも速くなるため、ひきわり納豆の賞味期限は粒納豆より短いことが多くなっています。
冷蔵庫で正しく保存しよう
納豆の賞味期限は、10℃以下の冷蔵庫で保存されることを前提に設定されています。
10℃以上の温度に長時間さらされると、発酵が進んでしまい、通常よりも早く品質が劣化することに。
室温が10℃を下回る冬場であれば常温保存も可能ですが、厳密な温度管理は難しいため、冷蔵庫で保存する方が安心です。
賞味期限切れの納豆は食べられる?
気がついたら賞味期限を過ぎていた納豆。
食べていいのか、捨てた方がいいのか、迷った経験はありませんか?
ここでは、賞味期限が切れた納豆の特徴や、食べられるかどうか判断するポイントについて解説します。
賞味期限を過ぎると風味が失われていく
「食べても健康に害のない、安全な期限」として定められている消費期限とは異なり、賞味期限は「美味しく食べられる期限」です。
ほかの食品と同様に、納豆も賞味期限を過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。
賞味期限から数日過ぎた程度では問題なく食べられるケースも多くありますが、本来の風味や食感は失われてしまうため、メーカーは推奨していないことがほとんどです。
ものによっては体調に影響が出る可能性も否定できませんので、妊婦さんが食べる場合や、赤ちゃんの離乳食にする場合は、必ず賞味期限内のものを使用するようにしましょう。
賞味期限から2日~5日ほど過ぎた納豆の特徴
賞味期限を1日~2日過ぎた程度ではほとんど気がつかないことも多いですが、時間が経つごとに少しずつ変化を感じるようになります。
豆の色(茶色)が濃くなる
大豆の色がやや濃くなり、こげ茶色に変化し始めます。
表面が白い膜で覆われる
納豆菌の集合体である「菌膜」が表面を覆い、全体に白っぽく見えることがあります。
菌膜は賞味期限内の納豆にも見られるもので、食べても全く問題ありません。
においが強くなる
納豆特有のにおいがより強く感じられるようになります。
賞味期限から1週間〜2週間以上過ぎた納豆の特徴
賞味期限が切れて1週間を超えると、明らかな違いがわかるようになります。
豆の色(茶色)がさらに濃くなる
豆の見た目がさらに茶色っぽくなり、やや黒ずんでいるような印象を受けることもあります。
白い粒(チロシン)が付着し、シャリシャリする
納豆の表面にチロシンという白いアミノ酸の結晶が付着し始めます。
チロシンは、納豆菌が大豆のタンパク質を分解してできたものです。
食べても問題ありませんが、シャリシャリとした独特の食感があります。
アンモニア臭がある
納豆特有のにおいだけでなく、ツンとするようなアンモニア臭を感じることがあります。
苦みを感じる
納豆菌による発酵が進むと、大豆のタンパク質が分解されてペプチドが生成されます。
納豆の苦みやえぐみの原因になりますが、ペプチドそのものは食べても問題ありません。
賞味期限から1ヵ月以上過ぎた納豆の特徴
賞味期限から1ヵ月以上が経過すると、見た目・におい・味が大きく変化します。
水分が抜けてかたくなる
豆から水分が抜けて乾燥が進み、全体にかたい食感になります。
表面の白い粒(チロシン)が増える
チロシンの白い粒がさらに増加し、砂を噛んでいるようなザラザラとした食感があります。
アンモニア臭・苦みを感じる
鼻をつくようなアンモニア臭や、ペプチドによる苦みをより強く感じるようになります。
カビが発生する場合も
納豆菌以外の雑菌が繁殖すると、納豆の表面にカビが生えたり、かき混ぜても糸を引かなくなったりすることがあります。
このような状態の納豆は「腐っている」と判断できるので、絶対に食べないようにしてください。
食べきれない納豆は冷凍保存しよう
すぐに食べない納豆は冷凍保存することも可能です。
ここでは、納豆の冷凍保存方法や解凍するときのコツについてまとめました。
冷凍保存した納豆の賞味期限のめやす
冷凍庫で保存すると、納豆の賞味期限は「3週間程度」です。
賞味期限以内に食べられないと思ったら、すぐに冷凍することをおすすめします。
また、あまりにも長期間冷凍すると、風味が落ちてしまうのでなるべく早く食べましょう。
納豆の冷凍保存方法
納豆は、買ってきたパッケージの状態でそのまま冷凍保存することができます。
チャック付きのフリーザーバッグなどに入れて密封し、乾燥やにおい移りを防ぎましょう。
パックごとラップでぴったりと包んでもOKです。
賞味期限内の新鮮なうちに冷凍し、3週間程度を目安に食べきってください。
冷凍納豆の解凍方法
冷凍した納豆を食べるときは、食べる6~8時間前を目安に冷蔵庫に移し、時間をかけて自然解凍します。
常温に出しておいたり電子レンジで加熱したりすると、風味や食感が変わってしまうので注意が必要です。
解凍した納豆は、賞味期限にかかわらずすぐに食べきるようにしましょう。
加熱して食べよう!納豆のアレンジレシピ
「まだ食べられるけれど、お腹を壊さないか心配…」という方におすすめなのが、火を通してからいただく納豆のアレンジレシピ。
ナットウキナーゼなどの熱に弱い成分は失われてしまいますが、タンパク質などの栄養素はそのまま摂取することができます。
納豆チャーハン
細かく刻んだねぎとごはんを炒めた後、納豆を投入してさらに炒め、塩こしょうで味を整えると納豆チャーハンに。
炒めることで納豆のねばつきが無くなるので、納豆嫌いのお子さんにもおすすめです。
納豆オムレツ
ボウルに卵2個、納豆1パック、醤油小さじ2杯を入れて混ぜ合わせ、フライパンで通常どおりオムレツを作るだけ。
とろとろの卵と納豆が絡み合う、絶妙な食感がたまりません。
お好みで青ねぎやかつお節、刻み海苔を散らしていただきましょう。
納豆の味噌汁(納豆汁)
好みの具材で通常どおり味噌汁を作り、味噌を溶かして味を整えてから、沸騰直前に納豆を入れます。
火を止めて軽く混ぜ合わせれば、納豆汁の完成。
冷凍納豆を使う場合は、凍ったまま投入してもOKです。
カリカリ納豆焼き
まずは、チーズを好きなだけ入れた納豆に塩や胡椒で味を整えます。
次に、振るった薄力粉大さじ1を入れてまぜましょう。
オリーブオイルやサラダ油を引き、こんがりとカリカリになるまで揚げ焼きしたら完成です。
納豆のキャベツ焼き
一般的なお好み焼きの材料に納豆を入れるだけで簡単に、納豆のキャベツ焼きが作れます。
納豆に合うキムチやネギなどを入れてアレンジすると、さらに美味しくなります。
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