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「居住する同じ自治体にふるさと納税するのは無意味」「損だ」という声もありますが、実際にはどうなのでしょうか。
「ふるさと納税は居住地以外の市町村に寄附する」というイメージが強く、居住する同じ自治体に寄附するのはレアケースといえるかもしれません。
自分の住んでいる同じ自治体にふるさと納税をする場合の意義やメリット、方法について考えてみましょう。
自分の住む同じ自治体にふるさと納税することは可能
「住民票登録している自治体にふるさと納税をすることはNG」と思っている人は多いかもしれませんが、実は可能なのです。
ふるさと納税は地域活性化、スポーツ・文化振興などの分野で個人が「応援したい」と思う自治体に対して納税できる仕組みです。
使い道を指定して納税することが可能なケースもあるため、応援を希望する市町村に対して希望する使い道で寄附金を有効に活かしてもらう手段にもなります。
ネーミングの通り故郷をはじめとした、居住地以外の自治体に寄附をするイメージを抱く人が多いですが、居住する市町村や県庁などへの寄附が禁じられているわけではありません。
ふるさと納税を自分の住む同じ自治体にするのが損である理由
ふるさと納税を自分の住む同じ自治体にするのは禁じられてはいないものの、「損である」と考える人もいます。
なぜなら以下のような理由が挙げられるためです。
- 返礼品を受け取ることはできない
- 税控除の面では税控除の効果がない
返礼品を受け取ることはできない
住民票登録している自治体にふるさと納税した場合、寄附の返礼品を受け取ることはできません。
ふるさと納税のメリットの一つとして、寄附に対して特産品をはじめとする魅力的な返礼品を受け取ることができる点が広く知られています。
ですが地方税法により、居住者からのふるさと納税に対しては返礼品は送られません。
税控除の面では損でも得でもない
ふるさと納税は寄附であり、そもそも減税や節税策になるわけではありません。
実質負担額2000円を除く寄附金額がふるさと納税をした年の所得税や翌年度分の住民税から還付・控除される仕組みです。
そのためふるさと納税は税金を先払いしている形であり、もともと損にもならない代わりに得をするシステムにはなっていません。
さらに、寄附金控除の申請をする必要があるため手間がかかります。
ふるさと納税を自分の住む同じ自治体にするメリット
ふるさと納税を自分の住む同じ自治体にする場合、前述した通り「損」というイメージを持たれがちですが、実際には意義はあります。
なぜなら、前に述べたようにふるさと納税は使い道を指定した上での寄附が可能なケースがあるからです。
そのため寄附金が地域活性化や文化・スポーツ振興、NGO団体への支援、子育て支援など、希望する地元の施策を進める資金に活用されるチャンスになり得ます。
さらに自分の住んでいる同じ自治体にふるさと納税すると、居住自治体の税収減を防ぐことにつながるケースもあります。
人口の多い大都市圏などの場合住民が他の自治体にふるさと納税をする金額が、地区外から得られるふるさとの納税寄附金額を上回る現象が指摘されています。
住民が他地区にふるさと納税をして住民税が控除される点から税収入が減る自治体に住んでいる場合、あえて居住地に寄附する行為が地元貢献につながるのです。
自分の住む同じ自治体にふるさと納税をする方法
自分の自治体にふるさと納税をする場合、方法としては以下の二通りが挙げられます。
二つともふるさと納税をする際によく利用される手段ですが、自分の住む同じ自治体に寄附する際は若干手順に違いが見られるケースもあります。
それぞれの手順をご紹介します。
- ふるさと納税のポータルサイト
- 申請書
ポータルサイトから居住地にふるさと納税をする流れ・手順
ポータルサイトを使ったふるさと納税は、以下の手順で行うことができます。
基本的には、居住地以外の市町村にふるさと納税をする場合と同じ流れになります。
- ①自分の住んでいる自治体の寄附ページを探す
- ②返礼品なしの寄附を選択
- ③金額を選択し、寄附の手続きをする
- ④自治体から寄附金受領証明書を受け取る
前述した通り、居住地にふるさと納税する場合は返礼品なしでの寄附とする必要があります。
そのため居住地以外の自治体にふるさと納税する場合と異なり、各サイトを通した手続きの中で「②返礼品なしの寄附を選択」する手順が必須となります。
申請書で居住地にふるさと納税をする流れ・手順
自分の住む同じ自治体に申請書を使ってふるさと納税することもできます。
寄附の手続きに関する必要書類は振込用紙や納入通知書など、自治体によって異なります。
以下の流れで手続きできます。
- ①自治体のHPで申請書を入手
- ②書類に必要事項を記入し、郵送やファックス、メールで送付し、寄附の手続きをする
- ③自治体から寄附金受領証明書を受け取る
控除申請を必ず行う
自分の住む同じ自治体にふるさと納税をして税額控除を受けるために、必ず控除申請をしましょう。
なぜなら居住地以外の自治体にふるさと納税をした場合と同様、自分の住む市町村への寄付金も実質負担金を除いて控除の対象になり得るからです。
反対に、申請を行わなければ控除が受けられなくなります。
控除申請のやり方は、以下の2つに大別されます。
確定申告
居住する市町村を含め寄附先が6自治体以上の場合、確定申告をして税額控除の手続きを進めます。
申告の際には自治体から送られてくる寄附金受領証明書が必要となります。
ワンストップ特例制度
給与所得者で寄附先が5自治体以内の場合、確定申告なしで税額控除を受けることができます。
その際は自治体から届く申請書を利用して、確定申告が不要となるワンストップ特例制度の手続きをします。
都道府県内の他の市区町村へなら返礼品を受け取れる
前述した通りふるさと納税を自分の住む同じ自治体にすると返礼品はありませんが、居住する都道府県内の他の市町村に寄附した場合には返礼品を受け取れます。
つまり住んでいる県の中でも居住地以外の別の市にふるさと納税した場合、返礼品を受け取るチャンスがあります。
例えば神奈川県川崎市に住んでいる場合川崎市にふるさと納税しても返礼品はありませんが、同じ神奈川県内の横浜市に寄附すれば返礼品を手に入れることができます。
まとめ
ふるさと納税とは自分の応援したい自治体に対する寄附であり、その点は現在住んでいる市町村であっても変わりません。
「地域を元気にしたい」「この施策を後押ししたい」という思いがあれば、自身が居住しているかどうかは関係なく意中の市町村に寄附できます。
自分の住む同じ自治体の施策や地元貢献に関心がある場合、居住地へのふるさと納税も検討してみてはいかがでしょうか。