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じゃがいもには可食部だけではなく、皮にも栄養素がたっぷり含まれています。じゃがいもにはどのような栄養素が含まれているか、栄養素にはどのような特徴や働きがあるかについて解説いたします。また、栄養を逃さない食べ方や栄養を逃がさない保存方法についても詳しくご紹介いたします。
じゃがいもの主な栄養成分と効能とは?
じゃがいもは、旬が5~6月と9~12月の2回ある別名「馬鈴薯」とも呼ばれるナス科ナス属に分類される野菜の一種です。
しかし、文部科学省【「日本食品標準成分表2010」について第3章の2】で食品としては「いも及びでん粉類」に分類されています。
じゃがいもにはさまざまな栄養素が含まれており、それらにはそれぞれ効能があります。それでは、詳しく見ていきましょう。
じゃがいもの可食部の成分
じゃがいもの可食部100gあたりのカロリーは76kcalです。
以下は「じゃがいも(塊茎、生)の可食部100gあたりの成分表(一部抜粋)」です。
ビタミンC | 35mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
ナイアシン | 1.3mg |
パントテン酸 | 0.47mg |
食物繊維(総量) | 1.3g |
カリウム | 410mg |
マグネシウム | 20mg |
炭水化物 | 17.6g |
<引用:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2015年版(七訂) > 第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)> いも及びでん粉類 (PDF:137KB) PDF」>
さらに、詳しくそれぞれの栄養素についてご紹介いたします。
①ビタミンC
ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種で、水に溶けやすい性質を持っています。
ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素を抑えるため、老化防止に役立ちます。
ただし、じゃがいもの種類によって、含まれているビタミンCの量には違いがあります。
また、じゃがいもに含まれているビタミンCは、でんぷんに守られているため、熱に強く、加熱調理に向いています。
②ビタミンB2
ビタミンB2は、水溶性ビタミンの一種で水に溶けやすい性質を持っていますが、他の水溶性ビタミンと比較すると水に溶けにくいといった特徴があります。
ビタミンB2は熱に強いため、加熱調理と相性のよい栄養素です。
また、ビタミンB2は、成長を促進するため、髪や皮膚などをつくる働きがあるだけでなく、脂質や糖質の代謝を促進します。
③ビタミンB6
ビタミンB6は、水溶性ビタミンの一種で水に溶けやすい性質を持っています。
ビタミンB6は補酵素としてアミノ酸の代謝を補助する働きがあります。
④ナイアシン
ナイアシンは、水溶性ビタミンの一種で水に溶けやすい性質を持っています。
ナイアシンは補助酵素として酵素の働きを助ける役割をしています。これにより、皮膚や粘膜の健康を維持し、細胞の生まれ変わりにも役立っています。このほか、血行の促進や二日酔いの予防などの働きもしています。
⑤パントテン酸
パントテン酸は、水溶性ビタミンの一種で水に溶けやすい性質を持っています。
パントテン酸は補酵素として、ストレスをやわらげる働きをする副腎皮質ホルモンの合成に関わりがあります。
⑤食物繊維(総量)
食物繊維には、水に溶けやすい性質を持つ水溶性食物繊維と水に溶けにくい性質を持つ不溶性食物繊維があり、食物繊維(総量)とは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を足したものをいいます。
食物繊維には腸内環境を整える役割があり、便秘の解消につながります。また、糖尿病の予防やコレステロール値を低下させる働きがあります。
⑥カリウム
カリウムは必須ミネラルの一種で、塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。そのため、むくみの予防と改善や高血圧の予防に役立ちます。また、筋肉の収縮にも関係しているため、筋肉の正常な働きを維持します。
⑦マグネシウム
マグネシウムは必須ミネラルの一種で、カルシウムなどとともに丈夫な骨や歯をつくる働きがあります。また、高血圧の予防や生活習慣の予防の役割を担っています。
⑧炭水化物
炭水化物は三大栄養素のひとつであり、体や脳を動かすエネルギー源です。
炭水化物を過剰摂取してしまうと、肥満の原因になります。
じゃがいもの皮の成分
じゃがいもの皮にも栄養素は含まれているため、皮を向いて捨ててしまうのは栄養素を摂取する上で非常にもったいないといえます。それでは、じゃがいもの皮に含まれている栄養素についてご紹介いたします。
①鉄
鉄は必須ミネラルの一種で、組織や細胞に酸素を運ぶ役割を担っており、体を動かす上で重要です。また、鉄を摂取することで貧血の予防ができます。
②クロロゲン酸
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。また、糖尿病の予防や脂肪肝の予防をする働きをします。
【豆知識】栄養を逃さない食べ方のポイント
ポイント①皮つきのまま調理する
じゃがいもの皮にも栄養素はあるため、皮つきのまま調理すると栄養を逃さずにおいしくいただけます。たとえば、フライドポテトやジャーマンポテトなどがこれにあたります。
ただし、皮つきのまま食べるときは、毒素に注意しなければなりません。じゃがいもの皮が緑色に変色している場合は、ソラニンという毒素が大量に発生しています。緑色の皮を食べてしまうと、嘔吐や下痢などの症状を引き起こすことがあります。
また、じゃがいもの皮を食べるときは、じゃがいもについている土をよく洗い、きれいに流しましょう。
ポイント②煮る
じゃがいもの栄養を逃さない「煮る」レシピには、カレーをはじめ、シチューや肉じゃがなどがあります。
じゃがいもに多く含まれているビタミンは水溶性ビタミンのため、調理中に栄養素が水に溶けだしてしまいます。しかし、じゃがいもを煮ることで溶けだした水溶性ビタミンを一緒に食べられるため、余すことなく栄養素を摂取できます。
栄養素を逃さない保存方法
じゃがいもの栄養素を逃さないためには、3つのことに注意して保存する必要があります。
①風通しのよいところで保存する
じゃがいもの保存に適した温度は5℃前後であるため、風通しのよい涼しい場所で保存しなければなりません。
また、直射日光は皮の変色の原因となるため、必ず直射日光の当たらない場所に保存しましょう。
②暗い場所で保存する
じゃがいもは、明るい場所で保存するとソラニンという毒素を増加させます。ソラニンが増加すると、じゃがいもの皮は緑色に変化し、食べられなくなってしまいます。そのため、暗い場所で保存することが重要です。
③冷蔵庫には入れずに保存する
じゃがいもは冷蔵庫など低温の場所で保存すると、でん粉の一部が糖に変化することで糖度が増加します。
糖度が増加したじゃがいもを120℃以上で加熱することで、アクリルアミドが発生しやすくなります。
アクリルアミドについては、「アクリルアミドが健康に与える悪影響として、神経毒性と発がん性が懸念されています。」と解説されています。
<引用: 農林水産省の「消費・安全>食品中のアクリルアミドに関する情報>詳細編>家庭で消費者ができること>よくある質問」>
もし、冷蔵庫でじゃがいもを保存してしまった場合は、揚げる調理は避けた方がよいでしょう。
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