いわしの旬は種類によって違う! 産地や栄養成分、選び方についてもご紹介

いわしの旬は種類によって違う! 産地や栄養成分、選び方についてもご紹介

昔から庶民の食卓にかかせない魚であるいわし。一時は漁獲量が減って価格が高騰しましたが、今では漁獲量が戻りつつあります。

そんないわしの旬がいつかご存じでしょうか。じつは、いわしの種類によって旬が違うのです。この記事では、

  • いわし旬について
  • いわしの代表的な産地
  • いわしの栄養成分
  • いわしの上手な選び方
  • いわしの美味しい食べ方

についてご紹介します。

「アジ」は、昔から私たちの舌を楽しませてくれる魚です。その調理方法も多岐にわたり、さまざまな表情を見せてくれるのも魅力です。今回はこの「アジ」を取り上げ、その旬や種類、よく獲れる地域、そして楽しみ方について解説していきます。

いわしの旬を種類別にご紹介

いわしの旬を種類別にご紹介

現在日本で流通しているいわしは、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種類です。種類別に旬の時期を図に表すと以下のようになります。

旬(月)123 4 56789101112
マイワシ
ウルメイワシ
カタクチイワシ

(○印が旬の時期)

いわしの種類別に詳しくみていきましょう。

マイワシ

いわし類の中で最も漁獲量の多いマイワシの旬は、5月から10月にかけてです。なぜこのように旬の期間が長いのかというと、マイワシは回遊魚で沖縄以外のすべての地域で収穫できるからです。

5月から6月にかけては主に関東地方で採れたマイワシが多く流通し、8月から9月は北海道釧路で水揚げされる「釧路まいわし」が旬を迎えます。

ウルメイワシ

大きな目玉が特徴的なウルメイワシは、西日本側に主な産地が集中しています。通年漁獲されますが、旬の時期は脂がのる10月から2月頃といえるでしょう。夏に獲れるウルメイワシは脂が少なく、多くが干物として流通します。

カタクチイワシ(コイワシ)

アンチョビの材料として有名なカタクチイワシ。コイワシと呼ばれることもあります。北海道から九州南部の沿岸で漁獲され、初夏から秋にかけて旬といわれていますが、カタクチイワシは1年を通して水揚げされ、年間でさほど味が変わりません。カタクチイワシの旬はあまり気にしなくて良さそうです。

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いわしの代表的な産地

いわしの代表的な産地

沖縄を除く日本各地で水揚げされるいわしですが、農林水産省の漁獲量データによりますといわし全体での産地は、

  • 茨城県
  • 三重県
  • 鳥取県
  • 長崎県

などでした。

ちなみに、いわしの漁獲量の半分以上を占めるマイワシが多く獲れるのは、宮城県や千葉県など東日本に位置する都道府県です。

地域ごとにブランドいわしが存在したり独特な食べ方があるので、選りすぐって県別にご紹介します。

宮城県

初夏から秋にかけて、世界三大漁場がある宮城県の金華山沖では「金華いわし」が水揚げされます。「金華いわし」は一般的なマイワシより20%程度脂のりが良く、とろけるような味わいが特徴です。

茨城県

北茨城市の大津漁港は、県内随一の施網漁港。水揚げされたマイワシは、おさしみや焼きでシンプルに食されるだけでなく、缶詰や丸干しに加工され海外に輸出されることもあるほどの漁獲量を誇ります。

日常的にいわしを食する茨城県には、「いわしの卯の花漬け」という郷土料理があります。酢とおからに漬け込んで、豊富に獲れるいわしを長く味わえるように工夫しているのです。

千葉県

日本有数のいわしの産地である千葉県には、有名な銚子港があります。銚子港の沖合は、南からの黒潮と北からの親潮がぶつかる非常に良い漁場です。

その銚子港で梅雨時期に水揚げされるマイワシは、「入梅いわし」と呼ばれ大変な人気を誇ります。「入梅いわしまつり」なるものが開催された年もあり大盛況でした。 

三重県

三重県はいわし漁が盛んな県で、豊富に水揚げされるいわしを使った「いわし寿し」という郷土料理がメジャーです。元々は秋祭りの際に食べられていましたが、現在はあまり食べる機会がなく、日本の伝統文化を残すべく県内の寿司職人たちが協力しているようです。

大阪府

大阪府の岸和田漁港では、7月から9月にかけてまるまると太ったマイワシが水揚げされます。「金太郎いわし」や「トロイワシ」と呼ばれるマイワシは、脂のりがよく非常に味が良いと有名です。築地市場でも高値で取引されています。

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栄養満点!いわしの栄養成分

栄養満点!いわしの栄養成分

栄養価が高いことでも知られるいわし。近年「身体に良い油」として注目を集めている不飽和脂肪酸が含まれています。不飽和脂肪酸以外にも健康に良い成分が豊富に含まれたいわしの栄養成分について解説します。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

不飽和脂肪酸の一種で、青魚に多く含まれています。心血管系疾患を予防する働きがあるとされ、また、脳や神経系の機能を向上させる効果も期待されています。

1日に1g程度摂取することが望ましいとされ、小さめのいわしなら2尾ほど必要です。

EPA(エイコサペンタエン酸)

DHAと同じく不飽和脂肪酸の一種。血中の中性脂肪を減らし、動脈硬化や血栓を予防する働きがあります。

カルシウム 

人体にもっとも多く存在するミネラルであるカルシウム。主な働きは

  • 丈夫な骨や歯を作る
  • 神経の情報を伝達する
  • 筋肉の収縮と弛緩を調節する

です。

ビタミンB6

別名美容ビタミンとも呼ばれるビタミンB6も豊富に含まれています。美容ビタミンといわれる所以は、ビタミンB6が「発育のビタミン」だからです。

ビタミンB6は、たんぱく質の合成を助け、皮膚や髪、爪などの細胞の再生をサポートする働きがあります。健康にも美肌にも良いいわし、上手に食事に取り入れましょう。

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いわしの上手な選び方

いわしの上手な選び方

いわしは非常に鮮度の落ちやすい魚です。特におさしみやお寿司など生で食べるのであれば、鮮度の高いいわしを見極める必要があるでしょう。鮮度が高く、美味しいいわしを選ぶために、見るべきポイントをお伝えします。

①目が黒く澄んでいるか

鮮度の良いいわしは、目が黒く澄んでいます。鮮度が落ちてくると、目が赤く変色してくるので、目が赤くなっているいわしは選ばないようにしましょう。

②色つやは良いか

いわしは美しい青色が特徴的な魚です。つやがあり、美しい青色をしているいわしは鮮度が高い証拠です。

③太って丸みを帯びているか

細いいわしは脂のりが少なくぱさついています。まるまると太ったいわしを選びましょう。

④うろこが残っている

いわしは非常に弱い魚なので、水揚げされて時間が経過すればするほどうろこが剥がれていってしまいます。うろこがある程度残っているほうが、鮮度が高いといえます。

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いわしの美味しい食べ方

いわしの美味しい食べ方

生で食べても、焼いても煮ても美味しいいわしですが、本記事では中でもおすすめの食べ方を3つご紹介します。

つみれ

いわしを手開きにしたあと、まるごとフードプロセッサーに入れれば簡単につみれができます。たたいて作るよりもかなりの時短。つみれの味付けは味噌と生姜がおすすめですが、シンプルに塩だけでも美味しく召し上がれます。

全国でも有数のいわしの産地である鳥取県には、「いわし団子」という郷土料理があります。こちらは、たたいたいわしにごぼうや木の葉のみじん切りを入れて煮たものですが、つみれよりふわっとやわらかい食感が特徴です。

生姜煮

いわしと生姜は非常に相性抜群。千切りにしたたっぷりの生姜で煮付けたいわしは絶品です。生姜煮を美味しく作るポイントは、煮汁を当初の1/3程度までしっかり煮詰め、いわしと生姜を煮汁になじませることです。

マリネ

新鮮ないわしが手に入ったら、白ワインビネガーとオリーブオイルでマリネにするのもおすすめです。レモンを多めに使用すると爽やかに仕上がります。

いわしのマリネは、イタリアの北西部にあるリグーリア州でとてもポピュラーな一品です。いわしの美味しさが存分に楽しめますので、ぜひ試してみてください。

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