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「共働き夫婦でもふるさと納税を利用できるの?」「パート勤めの場合はどうなるの?」と、疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
共働き夫婦でも、パート勤務でも、ふるさと納税は利用可能です。
ただし、年収によってはふるさと納税をしてもメリットがない場合もあります。
注意点もいくつかあるので、これから解説します。
共働き夫婦でもふるさと納税を利用できる!
夫と妻にそれぞれ収入があり、住民税や所得税が課税されている場合、それぞれの名義でふるさと納税を利用できます。
しかし、共働きの場合に控除上限額がいくらになるのかよくわからない方も多いでしょう。
上手に利用すればとてもメリットがありますので、控除上限額をどのように調べればよいかを詳しくご説明します。
共働きの場合の控除上限額は?
共働き夫婦の場合のふるさと納税の控除上限額はいくらになるのでしょうか?
総務省のホームページを見ると、年収と大体の控除上限額の目安を知ることができます。
全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安 出典:総務省 ふるさと納税の仕組み
しかし、家族構成の違いや、住宅ローン控除や医療費控除などの控除の有無などで控除上限額は変わってきます。
もし控除上限額を超えて寄附をおこなうと、自己負担が生じてしまうので注意が必要です。
そのため、より正確な金額を知るにはシミュレーションをすることがおすすめです。
「源泉徴収票」または「確定申告表の控え」がある場合は、より正確な金額を知ることができます。
ぜひ一度シミュレーションを行って、自分の控除上限額を確認してみてください。
配偶者の年収201万円以下は「共働き」にあたる?
では、共働き夫婦の実際の控除上限額について見ていきましょう。
まず前提として、配偶者の年収が201万円以下の場合は、ふるさと納税における「共働き」にはあたりません。
ふるさと納税の制度では、配偶者本人が配偶者(特別)控除を受けておらず、夫婦それぞれが年収201万円超の場合を「共働き」としています。
ただし、配偶者の年収が201万円以下で、配偶者(特別)控除を受けている場合でもふるさと納税をすることはできます。
その場合は「共働き」ではなく、「夫婦」として控除上限額を確認してください。
全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安 出典:総務省 ふるさと納税の仕組み
共働き夫婦のみの場合
家族構成によっても控除限度額は変わってきます。
まずは、共働き夫婦のみの家族構成の場合を見てみましょう。
夫婦それぞれの年収が201万円を超えている共働きの場合は、上記表の「独身または共働き」の欄を参考にします。
例えば、以下の条件で計算してみます。
- 夫 年収400万円
- 妻 年収300万円
- 夫婦のみ、医療費控除等なし
この場合、夫は約42,000円、妻は約28,000円が控除上限額というのがわかります。
高校生以上の子どもがいる場合
子どもがいる場合は、子どもの年齢によって控除上限額は変わってきます。
子どもが中学生以下の場合は控除額に影響がないため、計算で考慮する必要はありません。
「共働き」夫婦と中学生以下の子どものみの世帯の場合は、上記表の「独身または共働き」の欄を参照してください。
子どもが高校生と大学生の場合は控除額に影響があります。
そのため、子どもの扶養者は「共働き+子ども」の該当欄を確認します。
子どもを扶養していない配偶者は、「独身または共働き」の欄を確認します。
- 夫 年収400万円
- 妻 年収300万円
- 高校生1人(扶養者は夫)
- 医療費控除等なし
この場合、夫は約33,000円、妻は約28,000円が控除上限額です。
- 夫 年収400万円
- 妻 年収300万円
- 大学生1人(扶養者は夫)
- 医療費控除等なし
この場合、夫は約29,000円、妻は約28,000円が控除上限額です。
子どもが高校生の場合よりも、大学生の方が控除上限額は下がります。
同じ共働き、世帯年収でも家族構成が違うだけで控除上限額は異なります。
ふるさと納税を行う際には、家族構成にも気を付けて控除上限額を確認してください。
配偶者がパートでもふるさと納税を利用できる?
配偶者がパートの場合は、ふるさと納税を利用することは可能です。
しかし、配偶者の年収によってはふるさと納税を利用するメリットがないこともあります。
パートでも、ふるさと納税のメリットを受けられるのはどれくらいの年収からか解説します。
年収103万円未満の場合
年収が103万円未満の場合、所得税がかからないため、ふるさと納税のメリットは受けられません。
配偶者の名義のみでふるさと納税を行いましょう。
年収103万円以上201万円以下の場合
年収103万円以上の場合、所得税がかかるので、ごく少額ではありますがメリットを得られる場合もあります。
控除上限額が7,000円の場合を見てみましょう。
ふるさと納税の返礼品は寄附額の3割が上限です。そのため、7,000円の控除上限額だと2,100円程度の返礼品を受けられると考えられます。
自己負担額が2,000円なので、このあたりがちょうどメリットが少しでてくるあたりです。
ただし、寄附額が少ないと選べる返礼品も少ないですし、確定申告などの手続きもしなければなりません。
ご自身のメリットになるかよく考えて、ふるさと納税を利用するか決めましょう。
年収201万円超の場合
では、年収201万円超の場合を見てみましょう。
例えば、年収202万円、共働き、扶養なしの場合の控除上限額は15,500円です。
返礼品の限度額は寄附額の3割までなので、返礼品の額は上限4,650円程度の商品を受け取ることができます。
このくらいの年収があれば、ふるさと納税を利用するメリットは十分にあります。
共働き夫婦がふるさと納税を利用する際の注意点
共働き夫婦がふるさと納税をする場合、控除上限額の確認以外にも、よく間違えやすい点がいくつかあります。
間違えた方法でふるさと納税をしてしまうと、控除が受けられないことがあるので注意が必要です。
夫婦の年収の合算はできる?
夫婦の年収を合算してふるさと納税をすることはできません。
これはふるさと納税の制度が、個人の年収に対して支払っている税金を控除する仕組みのためです。
合算した年収で控除上限額を決めないようにしましょう。
夫婦それぞれの名義で行う
ふるさと納税の寄附は夫婦それぞれの名義で行いましょう。
納税者と注文者の名義(寄附金受領証明書の名義)が同一でなければ、ふるさと納税の控除を受けることができません。
ポータルサイトによっては、クレジットカードの名義も同一でなければいけません。
そのため、誤って配偶者名義のまま注文したり、配偶者のクレジットカードで決済したりすることのないように注意が必要です。
ふるさと納税の申請は夫婦別々に行う
ふるさと納税の申請は夫婦それぞれが行います。
申請方法は確定申告かワンストップ特例制度を利用します。
ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくても簡単にふるさと納税の寄附金控除が受けられる制度です。
この制度を利用できるのは、以下の条件を満たしている必要があります。
- 1年間の寄附自治体数が5つ以下
- 確定申告をする必要のない給与所得者
ワンストップ特例制度を利用できない場合は、確定申告をします。
まとめ
今回ご紹介したように、共働きでもパート勤務でも、ふるさと納税を利用することは可能です。
パート勤務で年収がそれほど高くないという場合でも、メリットを受けられることもあります。
とても魅力的な制度なので、控除上限額や注意点を確認しながら、ふるさと納税を利用してみてください。