目次
※本コンテンツはAI技術を活用しつつ人による執筆や監修をしています。
「ふるさと納税はいつからできるの?」「年収が確定していないけれど大丈夫?」
新卒の多くが最初に抱く疑問は、この2つです。ふるさと納税は入社初年度からでも実施できます。
住民税は前年の所得(つまり寄附を行った年の所得)をもとに計算されるため、1年目に寄附しても翌年(2年目)の住民税で控除が反映されます。
さらに、年収が確定していなくても、給与・ボーナス・アルバイト収入などを合計した見込み年収で上限額の目安を出すことが可能です。
この記事では、総務省と国税庁の公式情報に基づき、新卒が安心してふるさと納税を始めるためのポイントをわかりやすく解説します。
ふるさと納税は新卒1年目でもできる

ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税とは、自分が選んだ自治体に寄附を行うと、寄附額のうち2,000円を超える部分が所得税・住民税から控除される制度です。生まれ故郷に限らず、応援したい地域やお世話になった自治体など、全国どこにでも寄附ができます。制度の本質は「寄附によって地域を支援できること」であり、返礼品はその結果として受け取れる特典です。
新卒が始められるタイミング
所得が発生した年から寄附可能です。4月入社の場合、4〜12月の給与やボーナス、入社前のアルバイト収入も当年の所得に含まれます。寄附を行った年の所得が翌年の住民税に反映されるため、初年度からふるさと納税をしても問題ありません。
年収が確定していなくても大丈夫な理由
上限額は見込み年収で試算できます。月給とボーナスを合計し、入社前のアルバイト収入を加えた金額をもとに寄附額を設定します。初年度は収入変動があるため、少し余裕を持たせた寄附額にすることで上限超過を避けられます。
給与明細の「総支給額×勤務月数+ボーナス」で目安を出すのが実務的です。
なお「総支給額」とは、手取り額ではなく各種控除前の金額を指します。
新卒がふるさと納税をするメリット

翌年の住民税が軽くなる
ふるさと納税による控除は、翌年の住民税に反映されます。
本来納めるべき住民税額から控除されるため、6月以降の給与天引き額が減り、実質的な手取りが増える形になります。
1年目に寄附した分が、2年目の生活に還元されるイメージです。
返礼品で生活を支援できる
新生活では、食費や日用品の出費が増えがちです。寄附先を工夫すれば、お米や飲料、生活用品など日々の暮らしに役立つ返礼品を選ぶことができます。地域への貢献と生活の充実を同時に実現できる点も魅力です。
上限額の目安と控除の仕組み

控除の基本構造
控除は3段階で構成されています。算式を理解しておくと上限額を計算しやすくなります。
- 所得税からの控除 =(寄附金額-2,000円)×所得税率
- 住民税からの控除(基本分)=(寄附金額-2,000円)×10%
- 住民税からの控除(特例分)=(寄附金額-2,000円)×(100%-10%-所得税率)
ただし、住民税の所得割額の2割が上限です。上限を超えると控除しきれない部分が出るため、余裕を持った設定が安心です。
年収別・独身新卒(給与所得者)の寄附上限目安
下表は独身で扶養家族がいない場合の寄附上限の目安です。
実際の金額は社会保険料の控除額や各種控除の有無で前後します。
| 年収 | 寄附上限額(目安) | 自己負担2,000円を含む控除額 |
| 200万円 | 約14,000円 | 約12,000円控除 |
| 250万円 | 約22,000円 | 約20,000円控除 |
| 300万円 | 約30,000円 | 約28,000円控除 |
| 350万円 | 約37,000円 | 約35,000円控除 |
| 400万円 | 約47,000円 | 約45,000円控除 |
この金額はあくまで目安です。住宅ローン控除や医療費控除などを受ける場合は、上限が変わるため注意してください。
ケーススタディ:年収300万円の例
- 想定:月給20万円×9か月=180万円、夏冬ボーナス計120万円 → 見込み年収300万円
- 上限額の目安:約3万円
- 寄附3万円の場合:自己負担2,000円を除く28,000円が控除対象
年末に寄附を行う際は、クレジットカード決済等の手続き日ではなく、自治体が寄附金を受領(入金確認)した日がその年の寄附として認められます。
そのため、12月中の駆け込み寄附は特に注意が必要です。
12月中旬までに決済を完了しておくと安心です。
銀行振込や払込票は反映に時間がかかる場合があるため、クレジットカードでも数日の遅延が起こることがあります。余裕を持った手続きを意識しましょう。
新卒がふるさと納税を行う手順

① 上限額を確認する
給与明細や源泉徴収票を参考に見込み年収を計算し、総務省の控除シミュレーションで上限を確認します。はじめは上限ぎりぎりを狙わず、少し手前の金額を目安にするのが安全です。
② 自治体・返礼品を選ぶ
応援したい地域や、生活に役立つ返礼品を軸に選びましょう。お米、飲料水、日用品、宿泊券など選択肢は多彩です。地域の使い道(教育・環境・子育てなど)を確認すると、より意義ある寄附になります。
③ 申請方法を選ぶ(確定申告またはワンストップ特例)
確定申告が原則ですが、確定申告が不要な給与所得者で、かつ寄附先が5自治体以内の場合は「ワンストップ特例制度」を利用できます。寄附先から届く申請書を返送すれば、翌年の住民税から自動で控除されます。マイナンバーカードを使ったオンライン申請に対応する自治体もあります。忙しい新卒世代でも簡単に完結できる点が魅力です。
新卒が注意すべきポイント

寄附の締切と入金日
寄附日は入金日で判定されます。12月末の駆け込みで入金が翌年にずれると、翌年分の寄附扱いになるため注意が必要です。銀行振込や払込票は反映まで日数がかかる場合があるため、12月中旬までに手続きを完了しておくと余裕を持てます。
住所・勤務先の変更手続き
ワンストップ特例を申請後に転居や転職をした場合は、「変更届出書」の提出が必要です。未提出のままだと控除が無効になるおそれがあるため、書類の提出状況を確認しておきましょう。
証明書類の保管
寄附後に自治体から届く寄附金受領証明書は、確定申告や控除確認で必要になります。郵送物を紛失しやすい時期でもあるため、届いたらすぐにファイルへ保管しておくと安心です。
新卒向けチェックリスト

- いつから寄附できる?
→ 所得が発生した年から可能。4月入社なら4〜12月分+入社前バイト収入も対象。 - 年収が確定していない
→ 見込み年収で上限を試算し、少し控えめに寄附。 - 返礼品選びのコツ
→ 常温保存や消耗品が使いやすい。配送時期も確認。 - 申請方法は?
→ 確定申告が不要な給与所得者で、寄附先が5自治体以内ならワンストップ。 - 寄附の期限は?
→ 入金日で判断。12月中旬までの決済が安心。 - 引越し・転職したら?
→ ワンストップ特例の変更届を提出。
まとめ
新卒1年目でも、ふるさと納税は問題なく始められます。制度は「寄附→控除(自己負担2,000円)」というシンプルな流れで、寄附した年の所得に基づき翌年の住民税から控除が反映されます。年収が確定していなくても、見込み年収で試算して少し余裕を持たせれば安心です。
寄附日は入金日で判定されるため、年末は早めの手続きが大切です。返礼品は新生活に役立つものを選び、手続きは確定申告またはワンストップ特例で進めましょう。証明書の保管や住所変更手続きも忘れず行うことで、初めてでもスムーズに控除を受けられます。
制度を正しく理解し、地域を応援しながら、翌年の家計に良い効果をもたらす——それが新社会人にとっての「ふるさと納税」の第一歩です。
















