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枝豆といえば、暑い夏、キンキンに冷えたビールのお供に欠かせないおつまみ。
口の中で広がるほのかな甘味と豆の旨味、枝豆ならではの楽しい食感は、一度食べ出したら止まらない美味しさです。
そのまま食べるだけでなく、ご飯・炒めもの・サラダなど、鮮やかな緑色を活かした料理メニューも満載。
枝豆をすりつぶして作られる「ずんだ」は、東北地方などの郷土料理としても有名です。
そんな枝豆に、身体にいい栄養素がふんだんに含まれていることをご存知ですか?
この記事では、枝豆の主な栄養素やその健康効果、栄養素を効率的に摂取するための保存や調理の方法についてご紹介します。
枝豆ってどんな豆?
日本人にとって身近な存在の枝豆ですが、そもそも枝豆とは何なのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか?
まずは枝豆の基本情報をチェックしてみましょう。
枝豆=熟す前に収穫された大豆
枝豆とは、未成熟の状態で収穫された大豆のこと。
つまり、枝豆と大豆はもともと同じもので、まだ色が青いうちに収穫されたものを枝豆、完熟して茶色くなってから収穫されたものを大豆と呼んでいるのです。
実際には、枝豆として食べるのに適した枝豆専用の品種と、大豆としての利用に適した大豆専用の品種に分かれていることがほとんどで、目的に応じて使い分けられています。
枝豆の分類は「豆類」ではなく「野菜類」
植物分類上は同じ「マメ科ダイズ属」に属する枝豆と大豆ですが、栄養学の観点からは異なるカテゴリーの食品として扱われます。
大豆が豆類とされるのに対し、枝豆が分類されるのは野菜類。
体内での働きに基づいて食品を色分けする「三色食品群」の考え方でも、大豆は「赤(体をつくるもとになる)」のグループに、枝豆は「緑(体の調子を整えるもとになる)」のグループに分類されています。
茶豆や黒豆も!枝豆の種類とブランド
現在国内で栽培されている主な枝豆は、もっとも流通量が多い白毛豆(青豆)、豆の薄皮が茶色い茶豆、黒大豆を未熟なうちに収穫した黒豆の3種類。
特定の地域だけで栽培されている在来品種が多く、希少価値の高いブランド枝豆も数多く存在しています。
山形県庄内地方の「だだちゃ豆」や、兵庫県丹波篠山市などの「丹波黒(黒豆枝豆)」は、ブランド枝豆の代表格です。
枝豆の主な栄養素の特徴と効果・効能
枝豆は、大人のおつまみはもちろん、子どものおやつや赤ちゃんの離乳食にもぴったりな栄養満点の食材。
ここでは、枝豆に含まれる代表的な栄養素と効果・効能について解説します。
タンパク質:筋トレにもおすすめ
「畑の肉」と呼ばれる大豆と同様、枝豆も良質なタンパク質をたっぷりと含んでいます。
筋肉・骨などの体づくりや、体内のホルモン・酵素などの生成を担うタンパク質は、人体に欠かすことのできない重要な栄養素です。
枝豆に含まれる植物性タンパク質の特徴は、肉や魚などの動物性タンパク質に比べて脂肪が少ないこと。
高タンパクなのにヘルシーなので、筋トレの効果を引き出す食材としても注目されています。
イソフラボン:美肌・美容に役立つ女性の味方
イソフラボンは、枝豆の胚芽部分に多く含まれているポリフェノールの一種です。
体内で女性ホルモンに似た働きをして肌のハリ・ツヤを保ったり、しわやたるみを改善したりする美肌効果を発揮してくれます。
ホルモンバランスの乱れによる女性の心身の不調や、更年期障害の症状を和らげる効果も有名です。
メチオニン:アルコールを分解!二日酔いにも効果あり
肝臓の機能を司るアミノ酸・メチオニンも、枝豆の特徴的な栄養素。
枝豆は、野菜類の中でダントツのメチオニン含有量を誇ります。
肝臓でアルコールが分解されるときに欠かせない成分で、二日酔い対策の薬に含まれていることも。
ビールと枝豆の定番コンビは、アルコール分解の観点からも理にかなった組み合わせです。
ビタミンB1などのビタミン類:疲労回復・夏バテ防止
枝豆に含まれるビタミン類で代表的なのは、ビタミンB1・B2。
体内で糖質や脂質を分解してエネルギーをつくり出すので、疲労回復や夏バテ防止に役立つことで知られています。
枝豆はビタミンCも豊富に含んでいて、免疫力アップにも効果的。
これらのビタミン類は、メチオニンとともにアルコールの分解を助ける役割も果たしています。
カリウム:高血圧防止・むくみ解消
枝豆に含まれているカリウムは、細胞内液の浸透圧を調節するミネラル。
余計なナトリウム(塩分)を体外に排出するので、血圧を下げて高血圧を予防する効果があります。
むくみの解消や、筋肉の収縮を正常に保つのにも有効な成分です。
枝豆と大豆に含まれる栄養素の違い
野菜類に分類される枝豆と、豆類に分類される大豆の栄養素を比較してみると、両者の間にははっきりとした違いがあります。
それは、枝豆が野菜類に特徴的なビタミンCやβカロテン、葉酸などの栄養素を含んでいること。
これらは、大豆にはほとんど含まれていない成分です。
一方、豆類に特徴的なタンパク質やイソフラボン、メチオニンなどを豊富に含んでいることは、枝豆と大豆の共通点。
枝豆は、豆類と野菜類両方の栄養的特徴をあわせ持った、いいとこどりの食材です。
枝豆の薄皮や「さや」も栄養たっぷり!
普段は捨ててしまうことの多い枝豆の「さや」。
実は、食物繊維やβカロテンが豊富に含まれていて、捨ててしまうのはもったいない部分です。
イチオシの食べ方は、さやのかたい筋を取ってから素揚げや唐揚げにする枝豆のさやチップス。
さやを30分ほど煮込んで作る栄養たっぷりの野菜だし(ベジブロス)は、スープや煮込み料理など、さまざまなメニューに活用することができます。
また、枝豆を1粒ずつ覆っている薄皮も、実は食物繊維の宝庫。
便秘予防に抜群の効果を発揮するので、薄皮はむいたり取り除いたりせず、そのまま食べるのがおすすめです。
枝豆のカロリーは高い?ダイエット効果はある?
<可食部(ゆで)100gあたりのカロリー>
- 枝豆 118kcal
- 大豆 163kcal
- そら豆 103kcal
- グリンピース 99kcal
- さやえんどう 36kcal
- さやいんげん 25kcal
枝豆のカロリーは100gあたり118kcalで、大豆に比べるとやや低めの水準です。
ほかの野菜と比べると決して低カロリーとは言えませんが、間食を枝豆に置き換えたり、食事の前に枝豆を食べたりして満腹感を得やすくすることで、一日の摂取カロリーを大幅に抑えることができます。
運動と組み合わせると、枝豆に含まれるタンパク質が筋肉量を増加させ、代謝アップにつながることも。
枝豆は、優秀なダイエット食材としても注目されています。
枝豆を美味しく食べる調理のポイント
枝豆の食べ方といえば、シンプルな塩茹でが定番。
単純な調理方法に思えますが、実際にやってみると、食感や塩加減をちょうどよく仕上げるのは意外と難しいですよね。
ここでは、枝豆の正しい茹で方や、栄養をまるごといただくための調理や保存のコツをご紹介します。
枝豆の基本の茹で方
- ①枝豆を流水で洗う
- ②枝豆1袋(200~250g)に対し、小さじ2杯ほどの塩をふりかけて塩もみする
- ③沸騰したお湯に大さじ2杯の塩と枝豆を入れ、3~4分茹でる
- ④枝豆をザルにあけ、うちわや扇風機などで風を当てて冷ます
余熱でも火が通るので、茹で上がりは少しかために感じるくらいがベスト。
やや手間はかかりますが、茹でる前にさやの両端を切り落としておくと、豆にしっかりと塩味が行き渡ります。
枝豆は美味しさも栄養価の高さも収穫直後がピークなので、手に入ったらすぐに調理するのが最大のポイントです。
栄養も美味しさも逃さない!蒸し焼き&レンジ調理
定番の調理法・塩茹では、茹でるときにビタミンなどの水溶性の栄養素が流れ出てしまうのがデメリット。
できるだけ栄養を逃さないためには、水を使わずに調理することが重要です。
おすすめは、枝豆をフライパンに広げ、蓋をして5~10分ほど蒸し焼きにする方法。
500~600Wの電子レンジで5分ほど加熱する方法もお手軽です。
冷凍保存OK!冷凍枝豆も栄養はそのまま
枝豆は、生・加熱後ともにフリーザーバッグなどに入れて冷凍保存することができます。
冷凍しても栄養素が失われることはほとんどなく、1ヵ月程度の長期保存が可能です。
市販の冷凍枝豆も、含まれる栄養素は生の枝豆とほとんど変わりません。
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