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生はもちろん、煮ても焼いても揚げても美味しい海の恵み、牡蠣。
ぷりぷりの食感と濃厚で深みのある味わいは、ほかの貝類にはない牡蠣特有の魅力です。
最近では、食べ放題の牡蠣小屋やオイスターバーなどの牡蠣専門店もすっかり定着しました。
牡蠣の人気の秘密は、実は美味しさだけではありません。
古くから滋養強壮に優れた食品として知られていて、牡蠣エキスは薬用としても重宝されています。
この記事では、そんな牡蠣に含まれる栄養について徹底解説。
栄養を逃さない調理のポイントや、安全に食べるための注意点もまとめました。
牡蠣の旬は夏?冬?種類別に解説
牡蠣は世界中に100種類以上が分布していますが、日本で食べられているのは、主に真牡蠣(マガキ)と岩牡蠣(イワガキ)の2種類。
それぞれ旬の時期や産地、サイズ、味の特徴が異なっています。
真牡蠣|濃厚クリーミーな冬の味覚
水揚げ時期
10月~4月頃
真牡蠣の旬は冬。
真牡蠣の旬は冬。春~夏の産卵期には、一度の産卵で栄養を使い切って身痩せしてしまうので、もっとも栄養を蓄えている冬が美味しいといわれています。
主な産地
北海道・岩手・宮城・三重・兵庫・広島・岡山など(太平洋側が多い)
特徴
海面下50cm~3mほどの浅瀬や沿岸部で養殖されたものが主流。
海面下50cm~3mほどの浅瀬や沿岸部で養殖されたものが主流。岩牡蠣と比べるとやや小ぶりですが、旨味と甘味がぎゅっと凝縮された味わいが特徴です。
岩牡蠣|大ぶりでジューシーな夏の味覚
水揚げ時期
5月~9月頃
岩牡蠣の旬は夏。
数回に分けてゆっくりと産卵する性質なので、春~夏の産卵期も身痩せすることがなく、味がのっています。
多くが素潜り漁で獲られる天然ものなので、禁漁期間にあたる冬にはあまり流通しません。
主な産地
秋田・山形・新潟・石川・島根・佐賀・長崎など(日本海側が多い)
特徴
海面下5~10mほどの海底で時間をかけて成長するので、殻も身も分厚く、ひと口では食べられないほどボリュームたっぷり。
牡蠣らしいコクもありつつ、比較的あっさりといただくことができます。
牡蠣に含まれる栄養と効果・効能
牡蠣は別名「海のミルク」と呼ばれ、牛乳のようにさまざまな栄養素をバランスよく含むことで知られています。ここでは、牡蠣に含まれる栄養の特徴をチェックしてみましょう。
ここでは、牡蠣に含まれる栄養の特徴をチェックしてみましょう。
低カロリー・低脂肪でヘルシー
牡蠣は、1個あたり約12kcalと低カロリー(真牡蠣むき身/生食/1個20gとした場合)。
肉や魚に比べると脂質も少なめなので、ダイエット中の人も気軽に食べられる食材です。
良質なタンパク質がたっぷり
牡蠣に含まれるタンパク質は、多種類のアミノ酸でバランスよく構成された良質なもの。
食事から摂取する必要のある9種類の必須アミノ酸がすべて含まれているので、体内でタンパク質を効率的に合成することができます。
牡蠣の代表的な栄養成分
グリコーゲン
牡蠣に豊富に含まれているグリコーゲンは、パワーの源になる糖類の一種です。
摂取後すぐに体内で利用される効率のいいエネルギーで、スタミナ維持や疲労回復に効果的です。
タウリン
牡蠣に含まれるアミノ酸の中でも、ひときわ特徴的なのがタウリン。
肝臓の働きを活発にする、コレステロールの吸収を抑える、血圧を正常に保つなど、健康維持のために重要な役割を果たしています。
亜鉛
牡蠣が魚介類でトップクラスの含有量を誇る亜鉛は、体内のタンパク質の合成や酵素・ホルモンの分泌に必要不可欠なミネラル。
不足すると味覚障害や髪・皮膚のトラブル、免疫力の低下につながります。
鉄分
牡蠣は、鉄分を多く含む代表的な食品のひとつです。
赤血球をつくって全身に酸素を運ぶ役割を担うので、貧血予防や疲労回復に欠かせません。
ビタミンB群
ビタミンB群の優れた供給源でもある牡蠣。
なかでも注目のビタミンB12には、血液をつくる、神経機能を正常に保つなどの重要な機能があります。
男性にも女性にも嬉しい効能とは?
牡蠣には、男性、女性、それぞれに多くみられる体の悩みを解消してくれる効果もあります。
例えば、男性によく聞かれる抜け毛や薄毛、生殖機能の悩みには、牡蠣に含まれる亜鉛が効果を発揮。
女性の月経中に起こりがちな貧血の対策には、牡蠣の鉄分やビタミンB12が有効です。
このほか、美容に気をつかう女性にとっては、髪や肌にうるおいを与えてくれる亜鉛や、アンチエイジングに欠かせないセレンなどの栄養素も見逃せません。
「生食用」と「加熱用」で栄養成分は違う?
スーパーや魚屋さんに並んでいる牡蠣には、「生食用」と「加熱用」があるのをご存知ですか?
この2種類の区別は獲れた海域の違いによるもので、保健所などが指定する、ウイルスや菌の少ない海域で獲れたものが「生食用」、それ以外の海域で獲れたものが「加熱用」として出荷されています。
どちらも含まれる栄養に大きな差はないと考えられますが、プランクトンなどが多い河口近くの海域で育っている「加熱用」の方が栄養価が高いという声も。
味に関しても、出荷前に浄化・滅菌の処理が施される「生食用」より、「加熱用」の方が濃厚で美味しいといわれることがあります。
調理による栄養の損失を抑えよう
牡蠣に含まれるタウリンやビタミンB群は水溶性のため、茹でたり煮たりする調理法ではせっかくの栄養が流れ出してしまいます。
加熱調理する場合は、煮汁も一緒にいただける鍋料理やスープのほか、調理時に水に触れない牡蠣フライなどの揚げ物にするのがおすすめです。
牡蠣の食べ過ぎには要注意!
ついついたくさん食べたくなってしまう牡蠣ですが、時と場合によっては牡蠣が原因で体調を崩してしまうことも。
ここでは、牡蠣を食べるときの注意点について解説します。
牡蠣に「あたる」理由は?
牡蠣を食べた後に食中毒(食あたり)の症状に苦しめられたことはありませんか?
牡蠣に「あたる」理由には、腸炎ビブリオや貝毒、アレルギーなども考えられますが、多くの場合はノロウイルスが原因です。
海水経由でウイルスを取り込んでしまった牡蠣を、生または加熱が不十分な状態で食べた場合、食後1~2日のうちに症状があらわれるといわれています。
どんなに新鮮な牡蠣でもノロウイルスが付着している可能性はあるので、十分注意が必要です。
牡蠣を食べるときに気をつけること
食中毒を防ぐため、牡蠣を食べるときは次の5つのポイントに注意しましょう。
- 「加熱用」の牡蠣は生食しない
- 調理前後の手洗いを徹底する
- 調理器具や調理台を清潔に保つ
- 確実に加熱する(中心部が85~90℃になる状態で90秒以上)
- 体調が優れないときは食べるのを控える
牡蠣は1日10個までが目安
牡蠣の食べ過ぎは食中毒のリスクを高めるだけでなく、亜鉛やプリン体の過剰摂取を引き起こす可能性があります。
亜鉛の耐容上限量は1日35~45mg、プリン体の推奨摂取量は1日400mg以下です。
牡蠣1個(約20g)あたりの亜鉛含有量は約2.8mg、プリン体含有量は約37mgであることを踏まえると、安心して食べられる牡蠣の量は1日10個ほどが目安になると考えられます。
組み合わせて栄養アップ!牡蠣のおすすめ食べ合わせ
栄養を効率よく取り込むためには、食材の組み合わせも重要です。
牡蠣の場合は、どんな食材と一緒に食べるのがいいのでしょうか?
柑橘類(レモン・すだちなど)
牡蠣に含まれる鉄や亜鉛は、体内に吸収される割合が15~30%ほどと非常に低いのが特徴です。
そのため、鉄や亜鉛の吸収率をアップさせるビタミンCやクエン酸がたっぷりの食材と一緒に食べるのがおすすめ。
生牡蠣や牡蠣フライは、レモン・すだち・かぼすなどの柑橘類をキュッと絞ってからいただきましょう。
キムチ
ピリ辛で美味しいキムチも、牡蠣と相性抜群の食材。
牡蠣のキムチチゲ鍋やキムチ炒めなどにすると、キムチに含まれる豊富なクエン酸が鉄や亜鉛の吸収をサポートしてくれます。
にんにく
牡蠣に含まれるビタミンB1の吸収を高めるためには、にんにく・ねぎ・ニラなどに含まれるアリシンと同時に摂取するのがポイント。
特にアリシン含有量が多いにんにくと組み合わせて、牡蠣のガーリックバターソテーやアヒージョにするのもおすすめです。
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