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甘酒は、主に米麹甘酒と酒粕甘酒の2種類があり、どちらも栄養価の高い飲み物です。
とくに米麹甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれるほど、健康や美容に関する効果が期待できます。
ただし、甘酒は特別に低カロリーではないため、飲みすぎには注意が必要です。
また、酒粕甘酒は含まれるアルコール分にも注意しましょう。
この記事では、米麹甘酒と酒粕甘酒の違いをはじめ、甘酒に期待できる効果や、甘酒を飲むときの注意点、おすすめの飲み方やタイミングを紹介します。
米麹甘酒と酒粕甘酒の違い

甘酒には、米と米麹から作られる「米麹甘酒」と、酒粕から作られる「酒粕甘酒」の2種類があります。
| 比較項目 | 米麹甘酒 | 酒粕甘酒 |
|---|---|---|
| 原材料 | 米、米麹、水 | 酒粕、水、砂糖や甘味料 |
| 作り方 | 米を加熱し米麹を加えて発酵させる | 酒粕を水に溶かして砂糖などで甘味を加える |
| 甘味 | 砂糖を加えなくても強い甘味がある | 甘味が弱いため砂糖などで甘味を加える |
| 特徴的成分 | ブドウ糖 遊離アミノ酸 オリゴ糖 エルゴチオネイン | たんぱく質 レジスタントプロテイン 食物繊維 ビタミンB群(米麹甘酒より豊富) |
| アルコール | 含まれない | 多少含まれる |
米麹甘酒の特徴
米麹甘酒は、蒸した米や炊いた米に米麹を加え、米のでんぷんを発酵させたものです。
発酵で多量のブドウ糖が作られ、濃厚な強い甘味が生まれます。また、ブドウ糖が豊富なことから「飲む点滴」と呼ばれることもあります。
米麹甘酒にはアルコールが含まれていないため、妊娠中の方や子どもでも安心して飲むことができます。
酒粕甘酒の特徴
酒粕は、米を米麹や酵母菌で発酵させて日本酒(清酒)を作る過程でできる「もろみ」を搾った後に残る固形物で、微量のアルコールも含まれます。
酒粕には、食物繊維やたんぱく質が豊富に含まれています。
酒粕甘酒は、この酒粕に、水や砂糖を加えて火にかけながら溶かして作ります。
甘酒に含まれる栄養素や特徴的な成分

米麹甘酒と酒粕甘酒は、どちらも栄養豊富ですが、特徴的な栄養素や成分には明確な違いがあります。
それぞれの甘酒の、豊富に含まれる栄養素や特徴的成分を表にまとめました。
| 栄養素/成分 | 米麹甘酒 | 酒粕甘酒 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ブドウ糖 | 多い | – | 即効性のあるエネルギー源 |
| 遊離アミノ酸 | 多い | – | 消化いらずで素早く吸収 |
| オリゴ糖 | 多い | – | 善玉菌(ビフィズス菌)のエサになる |
| レジスタントプロテイン | – | 特徴的成分 | 脂質を吸着して体外へ排出 |
| たんぱく質 | – | 多い | 筋肉や肌をつくる材料 |
| 食物繊維 | – | 多い | お腹の調子を整える |
| ビタミンB群 | 含む | 多い | 代謝を助け、肌や粘膜の健康を維持 |
| コウジ酸 | 多い | 多い | シミの元(メラニン生成)を抑制 |
| エルゴチオネイン | 特徴的成分 | – | 強力な抗酸化作用のある希少成分 |
※特徴的な成分といえるほど多くない項目では“-”を記載。
また、米麹甘酒と酒粕甘酒のカロリーや栄養価も比較します。
| 栄養素 | 米麹甘酒 (約200g) | 酒粕甘酒 (約200g) |
|---|---|---|
| エネルギー | 152kcal | 125kcal |
| たんぱく質 | 3.4g | 5.7g |
| 糖質 | 35.8g | 18.3g |
| 食物繊維 | 0.8g | 2.0g |
※酒粕甘酒は、酒粕50g・上白糖15g・水200g強で作る場合を想定し、200gあたりに換算して算出。
米麹甘酒や酒粕甘酒に期待できる効果

この章では、含まれる成分に着目して、米麹甘酒や酒粕甘酒に期待できる5つの効果を解説します。
- 疲労時の栄養補給(※米麹甘酒のみ)
米麹甘酒のブドウ糖や遊離アミノ酸 - 良好な腸内環境の維持
米麹甘酒のオリゴ糖・酒粕甘酒の食物繊維 - シミ対策や抗酸化作用
コウジ酸・米麹甘酒のエルゴチオネイン - 美しい髪や肌のための栄養補給
ビタミンB群・米麹甘酒の遊離アミノ酸・酒粕甘酒のたんぱく質 - 脂質の排出をサポート(※酒粕甘酒のみ)
酒粕甘酒のレジスタントプロテイン
疲労時の栄養補給(米麹甘酒のみ)
米麹甘酒には、疲労時に役立つ「ブドウ糖」が多く含まれています。
ブドウ糖は素早く吸収される即効性のあるエネルギー源で、運動後に摂取すると、筋肉の疲労回復を助けます。
脳のエネルギー源でもあるため、作業中の集中力や記憶力の維持をサポートします。
さらに米麹甘酒には、「遊離アミノ酸」も多く含まれています。遊離アミノ酸は体内で素早く吸収されやすく、運動後の栄養補給にも適した食品成分です。
良好な腸内環境の維持
米麹甘酒に多い「オリゴ糖」や、酒粕甘酒に多い「食物繊維」は、腸内で善玉菌が増えるためのエサとなり、良好な腸内環境の維持を助けます。
また、オリゴ糖からは、腸内細菌による発酵で短鎖脂肪酸が作られ、善玉菌に適した腸内環境作りに役立ちます。
オリゴ糖や食物繊維が含まれる甘酒は、便秘がちの方にもおすすめの飲み物です。
シミ対策や抗酸化作用
米麹甘酒や酒粕甘酒には、シミ対策でも注目されている「コウジ酸」が含まれています。
シミは、皮膚の内部にあるメラノサイトと呼ばれる細胞から、メラニンという色素が過剰に生成されることで現れます。
コウジ酸は、このメラニン生成を抑制する働きにより、薬用化粧品の美白有効成分としても使われている成分です。
また、コウジ酸には抗酸化作用もあり、生活習慣病などの一因ともされる「活性酸素」の働きを抑えます。
加えて、米麹甘酒には、強力な抗酸化作用のある希少成分「エルゴチオネイン」が含まれています。
エルゴチオネインは、硫黄を含むアミノ酸の一種で、美容への働きが期待されている成分です。
美しい髪や肌のための栄養補給
甘酒には、代謝を助けるビタミンB群と、体を作る材料のたんぱく質やアミノ酸が含まれていて、美容に気を使う人にもおすすめです。
甘酒にはビタミンB群が含まれており、酒粕甘酒にはとくに豊富です。
ビタミンB群は、糖質や脂質、たんぱく質などの代謝を助ける栄養素です。
代謝を円滑に保つことは、細胞の生まれ変わりにも関わり、調子の整った肌や髪作りにもつながります。
とくに、甘酒に多く含まれるビタミンB群の「ビオチン」は、髪の毛を形作るたんぱく質「ケラチン」の生成にも深く関連する栄養素です。
また、甘酒には、髪や肌をつくる材料となるたんぱく質や遊離アミノ酸も多く含まれています。
米麹甘酒には吸収の素早い遊離アミノ酸が多く、酒粕甘酒にはたんぱく質が豊富に含まれています。
脂質の排出をサポート(酒粕甘酒のみ)
酒粕甘酒には、脂質を吸着して体外への排出を助けるレジスタントプロテインが含まれています。
レジスタントプロテインは、食物繊維に似た働きを持つたんぱく質です。コレステロールから生成される胆汁酸を吸着して排出を促します。
消化吸収を助けるために分泌される胆汁酸は、体外に排出されると、新しい胆汁酸の生成が促進されます。この過程により、体内の余分なコレステロールの消費につながります。
さらに、酒粕甘酒には食物繊維も豊富に含まれているため、いっそうの働きが期待できます。
甘酒を飲むときの注意点

甘酒は、毎日の健康習慣として人気の飲み物ですが、気をつけたいポイントもあります。
ここでは甘酒を飲む際の注意点を解説します。
飲みすぎによるカロリー過多に注意
甘酒はコップ1杯で150kcalほどある場合も多く、これはソフトビスケットを3〜5枚食べたときと同量です。
頻繁に飲むと、カロリー過多になりやすいため注意しましょう。
1日に200g程度までを目安に、自身の適量を意識してみてください。
酒粕に含まれるアルコール分に注意
酒粕が使用された甘酒にはアルコールが含まれるため、子どもや妊娠中・授乳中の方、お酒に弱い方、運転時などは注意が必要です。
甘酒製品のパッケージ表示では、米麹甘酒と酒粕甘酒の違いがわかりにくい場合もあり、米麹と酒粕が両方含まれている製品も多数あります。
製品を選ぶ際には、原材料を確認して選ぶようにしましょう。
市販の甘酒は原材料のチェックが重要
甘酒製品には、砂糖や食塩などで調味されたものもあります。
砂糖不使用や自然の甘味にこだわるなら、無添加タイプの米麹甘酒がおすすめです。
また、乳酸菌を加えて作られる甘酒もあります。乳酸菌の入った甘酒は乳成分のアレルギー物質が含まれるものがあるため、食物アレルギーのある方はとくにご注意ください。
甘酒のおすすめの飲み方とタイミング

甘酒は、適量を守ればいつでも飲めますが、飲むタイミングも意識すると理想的です。
また、毎日飲んでいると飽きてしまう人のために、おすすめの美味しい飲み方も紹介します。
甘酒を飲むタイミング
以下のような目的に合わせて、飲むタイミングを決めるとよいでしょう。
- 朝がおすすめ
朝食でしっかり栄養を摂りたい。 - 昼がおすすめ
午後のおやつや休憩時間に。 - 夜がおすすめ
リラックスしたい。疲れが気になる。
また、甘酒は満腹感を得やすいため、食前に飲むと食べすぎを防ぐ働きが期待できます。
甘酒の美味しい飲み方
甘酒はそのままでも美味しいですが、飽きずに飲み続けるためのアレンジ方法もあります。
冬の寒い時期や寝る前は、人肌に温めたホット甘酒や、ハチミツ生姜甘酒もおすすめです。
また、炭酸で割ると、さらに満腹感を得られるでしょう。
- ホット甘酒
鍋で弱火にかける、または電子レンジの600Wで約30秒~1分ほど加熱し、人肌程度の温度になるまで温める - 甘酒ソーダ割り
1対1の割合で甘酒をソーダで割る - ハチミツ生姜甘酒
甘酒にお好みの量のハチミツとすりおろした生姜を加える - 甘酒ミルク
甘酒と牛乳をお好みの割合で混ぜ合わせる - 甘酒ヨーグルト
甘酒にお好みの量のヨーグルトを混ぜ合わせる - 甘酒フルーツスムージー
お好みのフルーツと甘酒をミキサーやブレンダーで混ぜる
このほか、パンケーキやマフィンの生地に甘酒を加えるなど、さまざまなアレンジ方法があります。
まとめ
米麹甘酒と酒粕甘酒にはそれぞれ特徴があり、どちらも健康や美容にうれしい効果が期待できます。
とくに、疲労が気になるときには米麹甘酒、脂質が気になるときには酒粕甘酒がおすすめです。
ただし、酒粕甘酒にはアルコールが含まれるため注意しましょう。
甘酒はいつ飲んでも良いですが、飲むタイミングを工夫すると目的に合った効果を得られやすいです。
温めたり、アレンジドリンクにしたりと、少し手を加えると味わいの変化で飽きずに楽しめます。
お気に入りの甘酒を探して、毎日の健康や美容に役立ててみましょう。













