アボカドは、オレイン酸などの不飽和脂肪酸をはじめ、ビタミンEや葉酸、カリウム、食物繊維などを豊富に含む果物です。
これらの栄養素には、コレステロール対策や肌の健康維持、良好な腸内環境のサポートなど、さまざまな働きが期待できます。
この記事では、アボカドに含まれる主な栄養素とその働きに加え、効果的に取り入れるためのポイントや、食べる際の注意点も紹介します。
アボカドに含まれる栄養素とその働き

この章では、アボカドの栄養価を記載した後、主な栄養素の働きを詳しく解説します。
アボカドの可食部100g当たりの栄養価
| 栄養素など | 含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 176kcal |
| 脂質 | 17.5g |
| オレイン酸 | 8.8g |
| 食物繊維 | 5.6g |
| カリウム | 590mg |
| ビタミンE (α-トコフェロール) | 3.3mg |
| β-カロテン | 67μg |
| ビタミンK | 21μg |
| ビタミンC | 12mg |
| 葉酸 | 83μg |
| ビタミンB1 | 0.09mg |
| ビタミンB2 | 0.20mg |
| ビタミンB6 | 0.29mg |
| パントテン酸 | 1.55mg |
なお、一般的な大きさのアボカド1個の可食部は、中サイズで140〜150g程度です。
不飽和脂肪酸(主にオレイン酸)|悪玉コレステロール対策
アボカドには、脂質を構成する脂肪酸のうち、「飽和脂肪酸」よりも「不飽和脂肪酸」が豊富です。
なかでも豊富な「オレイン酸」は、比較的酸化されにくい性質があり、動脈硬化の一因ともいわれるLDLコレステロールの酸化の抑制に関与するとされています。
オレイン酸が豊富なアボカドは、摂取する脂質の成分バランスも整えやすい食品です。
ビタミンE|血管や肌の健康維持
アボカドには、血管や肌の健康維持に関わるビタミンEが豊富です。
ビタミンEは抗酸化作用をもち、細胞膜などで脂質の酸化を抑えることで、血管や肌などの健康維持を支えています。
なお、ビタミンEは脂溶性のため、アボカドなどの脂質の多い食品に豊富な傾向があります。
脂質もビタミンEも多いアボカドは、ビタミンEが脂質と一緒に吸収されやすい点も特徴です。
食物繊維|良好な腸内環境をサポートする
アボカドには食物繊維が豊富に含まれ、良好な腸内環境をサポートします。
食物繊維は水溶性と不溶性に大別され、それぞれ以下のような働きが期待できます。
水溶性食物繊維
- 水分を含んでゲル化する。
- 腸内の善玉菌のエサとなる。
不溶性食物繊維
- 水に溶けず、水分を吸収して膨らむ。
- 便のカサを増やして腸を刺激する。
アボカドには、水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれます。
カリウム|塩分の排出を助ける
アボカドに含まれるカリウムには、余分な塩分の排出を助ける働きがあります。
食事で塩分を摂りすぎると体内のナトリウム濃度が高くなりますが、カリウムにより過剰なナトリウムが排出されやすくなります。
高すぎるナトリウム濃度はむくみの一因ともなるため、アボカドはむくみが気になる人にもおすすめの果物です。
なお、アボカドは、ほかの果物や野菜と比べてもカリウムがとくに多い食品です。
腎臓に疾患があるなど、カリウムの摂取制限がある場合は注意してください。
葉酸|造血を助ける
アボカドは、ビタミンB群のひとつである葉酸が豊富です。
葉酸は、ビタミンB12と協力して赤血球のもとになる細胞の成長を助け、健康な血液の形成をサポートします。
さらに、葉酸はDNAやRNAなどの核酸の合成にも関わり、体の細胞が新しく生まれるためにも必要な栄養素です。妊婦や授乳婦、成長期の子どもには、とくに重要とされます。
ビタミンB群|エネルギーの代謝を助ける
アボカドには、葉酸以外のビタミンB群も含まれています。
ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸などは、糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変換する際の補酵素として働き、体内でのエネルギー代謝を円滑にします。
これらのビタミンB群は、肉や魚、乳製品などにも多く含まれます。しっかりと摂取するには、特定の食材に偏らず、さまざまな食材をバランスよく取り入れることが大切です。
ビタミンC|コラーゲンの生成に関わる
アボカドに含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。
ビタミンCはコラーゲンの合成に関わる酵素の働きを助け、皮膚や血管など体の組織の健康を支えます。
また、ビタミンCは抗酸化作用をもつ水溶性ビタミンで、体内で活性酸素の影響を抑え、細胞の健康維持にも寄与します。
皮膚の健康を保つ働きがあるビタミンCは、美容が気になる人にとっても、積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンK|骨の健康維持
アボカドには、骨の健康維持に関わるビタミンKも含まれます。
ビタミンKは、骨に存在するたんぱく質「オステオカルシン」を活性化し、骨にカルシウムが沈着するのを助けます。
また、骨の健康維持に加えて、ビタミンKはけがをした際などの血液の凝固にも関わる栄養素です。
アボカドの栄養の効果的な摂取方法と注意点

アボカドには、脂質やビタミンE、食物繊維などが豊富に含まれます。
この章では、これらの栄養素を効果的に摂取する方法と、アボカドを食べる際の注意点を紹介します。
ビタミンCをプラスする・切ったらすぐ食べる
アボカドに含まれるビタミンEや葉酸は、光や空気で酸化されやすい栄養素です。
酸化を防ぐには、抗酸化作用のあるビタミンCを含む食材を加えるとよいでしょう。
ミニトマトやブロッコリー、レモンなどはアボカドとの相性もよく、取り入れやすいです。
また、カットしたあとで長く置いておくと酸化が進むため、早めに食べるのもポイントです。
食べるまでに時間が空く場合は、オリーブオイルなどで和えて空気との接触を減らすと、酸化を抑えられます。
発酵食品と組み合わせる
腸内環境の健康維持には、アボカドと発酵食品の組み合わせがおすすめです。
アボカドには、腸内細菌のエサとなる食物繊維が豊富に含まれ、ヨーグルトや味噌、キムチなどの発酵食品には、乳酸菌など体に有益な善玉菌が含まれています。
食物繊維と発酵食品を組み合わせることで、腸内細菌が活動しやすい環境づくりにつながります。
緑黄色野菜と組み合わせる
トマトやにんじん、ほうれん草などの緑黄色野菜とアボカドを組み合わせると、リコピンやβ-カロテンを体内に取り込みやすくなります。
これは、アボカドに含まれる脂質が、緑黄色野菜に含まれるリコピンやβ-カロテンなどの脂溶性成分の吸収を高めるためです。
このように食材の組み合わせを工夫すると、栄養をより効果的に摂取できます。
摂取量は1日1/2個が目安
アボカドは脂質が多くカロリーが高いため、1日に食べる量は1/2個程度を目安にするとよいでしょう。
アボカド1個のカロリーは、およそ250kcal前後です。
ヘルシーなイメージもあるアボカドですが、カロリーは意外と高いため、食べすぎないようにしましょう。
揚げ物など脂質の多いおかずとの組み合わせに注意するなど、食事全体でのカロリー調整も大切です。
おいしいアボカドの選び方と保存方法

購入したアボカドが固い場合、保存方法に迷うこともあるでしょう。
ここからは、アボカドの適切な選び方と、おいしく食べるための保存方法を紹介します。
アボカドの選び方
アボカドを購入する際のポイントを、食べるときのタイミング別にまとめます。
- すぐに食べる場合
全体が黒っぽく、軽く握ると弾力があるものを選ぶ。 - 数日後に食べる場合
緑色が残っており、固さがあるものを選ぶ(自宅で追熟)。 - 避けるべきアボカド
ヘタのとれた穴が黒く変色しているもの。
柔らかすぎて簡単にへこむもの。
詳しくは、アボカドの選び方について解説した記事をご覧ください。
アボカドの保存方法
アボカドをおいしく食べるには、保存方法も大切です。
使いかけや長期保存の方法もまとめたので、参考にしてください。
- 熟していないもの(緑色)
常温(15~20℃)で追熟させる。
袋にりんごやバナナと一緒に入れておくと追熟が速まる(密閉しすぎない)。 - 食べ頃(黒色)
保存用袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ(追熟がほぼ止まり数日の保存が可能)。 - カット済みの使いかけ
断面にレモン汁を塗り、ラップで密着させて冷蔵保存。 - 長期保存
カットして冷凍保存(1か月程度の保存が可能)。
詳しい保存方法については、アボカドの食べ頃について解説した記事をご覧ください。
まとめ
アボカドには、脂質や食物繊維、ビタミンEや葉酸、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれます。
脂質のなかでも、不飽和脂肪酸のオレイン酸がとくに多く、コレステロール対策などの健康維持に寄与します。
また、ビタミンEは血管や肌の健康のサポート、食物繊維は良好な腸内環境の維持、カリウムは塩分の排出など、それぞれの栄養素に健康を支える働きがあります。
アボカドの栄養は、ビタミンCを含む食品や発酵食品、緑黄色野菜と組み合わせると、さらに効果的に取り入れられます。
ただし脂質が多くカロリーがやや高いため、食べすぎに注意しつつ毎日の食卓に加えてみてください。













