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たくさんの黄色い小花を咲かせる菜の花は、春の風物詩のひとつです。
この菜の花は食用としても親しまれていますが、おいしい時期がいつ頃なのかご存じでしょうか。
この記事では、菜の花の主な産地別の旬や、豊富に含まれる栄養素、選び方やおいしく調理するポイントなどを紹介します。
菜の花がおいしい時期はいつ?主な産地別の旬
菜の花がおいしい時期は春先です。
食用の菜の花が店頭に並び始めると、春の訪れを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
菜の花は、さまざまな地域で栽培されていますが、おいしい時期のピークとなる旬は、産地によって若干の違いがあります。
ここでは、主な産地別の旬について解説します。
関東(千葉)の旬
千葉県産の菜の花は、出荷時期が11月〜4月、旬が1月〜2月ごろとなります。
千葉県の南房総は、冬も暖かいことから食用菜の花の栽培が盛んです。
長期間収穫できるため生産規模が拡大し、収穫量が全国一位となりました。
菜の花は千葉県の県花でもあり、観賞用品種の花畑も有名です。
開花の季節には多くの場所で菜の花畑が見られ、食用菜の花の収穫体験を行っている農園もあります。
関西(三重)の旬
三重県産の菜の花は、出荷時期が10月〜3月、旬が2月〜3月ごろです。
三重県は全国二位の収穫量があり、「三重なばな」というブランドの菜の花は、県の伝統野菜として登録されています。
三重県はもともと、菜種油の原料となる菜種を採取するために、菜の花の栽培が盛んでした。
その菜の花の成長を促すために摘んだ芯を、農家で食用としたのが始まりといわれています。
四国(徳島)の旬
徳島県産の菜の花は、出荷時期が11月〜4月、旬は三重県と同様に2月〜3月ごろです。
徳島県も気候が温暖で、全国三位の収穫量があります。
寒暖差が大きいため、甘くみずみずしい菜の花ができるのが特徴です。
菜の花は稲刈り後の水田で栽培されることが多く、開花した菜の花で一面が黄色に染まる時期には、たくさんの観光客が訪れます。
菜の花の特徴と種類
菜の花は、甘くほろ苦い味わいで、シャキッとした食感が楽しめる野菜です。
実は、「菜の花」は特定の植物の名前ではありません。
アブラナ科アブラナ属の植物のつぼみや花茎、柔らかな若葉の総称が「菜の花」です。
菜花(なばな)、花菜(はなな)とも呼ばれます。
菜の花は食用・観賞用・菜種油用と、それぞれに適した品種が開発されており、水菜・小松菜・チンゲン菜・かぶ・白菜・キャベツ・ブロッコリーなどがアブラナ属の野菜です。
食用の菜の花は、花が咲き始める前の最も風味が良い状態で収穫されます。
菜の花に含まれる主な栄養素
菜の花は緑黄色野菜のひとつで、β-カロテン以外にも、さまざまな栄養が豊富に含まれている野菜です。
ここでは、菜の花に含まれる主な栄養素を5つ紹介します。
可食部 100gあたり |
菜の花(和種なばな)の食品成分 | ほうれん草の食品成分 | ||
---|---|---|---|---|
栄養素 | 生の状態 | ゆでた状態 | 生の状態 | ゆでた状態 |
ビタミンC | 130 mg | 44 mg | 35 mg | 19 mg |
葉酸 | 340 μg | 190 μg | 210 μg | 110 μg |
β-カロテン | 2,200 μg | 2,400 μg | 4,200 μg | 5,400 μg |
カルシウム | 160 mg | 140 mg | 49 mg | 69 mg |
鉄 | 2.9 mg | 1.7 mg | 2.0 mg | 0.9 mg |
ビタミンC
菜の花に含まれるビタミンCは、ほうれん草の約3.7倍、ゆでた状態でも約2.3倍あります。
ビタミンCは、水溶性ビタミンのひとつです。
その名の通り、水にさらす、ゆでるなどの調理で栄養素が水に溶け出して減ってしまいます。
人体に最も多く必要なビタミンであり、効能は老化防止や疾病予防となる抗酸化作用などです。
葉酸
菜の花に含まれる葉酸は、ほうれん草の約1.6倍、ゆでた状態では約1.7倍あります。
葉酸も水溶性ビタミンのひとつです。
赤血球の生成や、DNAなどの核酸合成を促進します。
近年では、葉酸は胎児における先天異常の発症リスクを減らせることが確認されました。
妊娠の計画中〜妊娠中は、通常時よりも多くの葉酸を摂取することが推奨されています。
β−カロテン
菜の花に含まれるβ−カロテンは、ほうれん草の約半分です。
それでも、「可食部100g中にカロテンを600μg以上含む」という緑黄色野菜としての条件は十分に満たしています。
β-カロテンは脂溶性ビタミンのひとつで、体内で必要となる分だけが、抗酸化作用をもつビタミンAに変換されます。
また、成長の促進や、皮膚粘膜の健康を維持するのに役立つ栄養素です。
カルシウム
菜の花に含まれるカルシウムは、ほうれん草の約3.2倍、ゆでた状態では約2倍となっています。
カルシウムは、栄養素として人体に欠かせない必須ミネラルのひとつです。
骨や歯の主な成分となり、血液が固まる作用や心臓の収縮を促す効果もあります。
鉄
菜の花に含まれる鉄は、ほうれん草の約1.4倍、ゆでた状態で約1.8倍です。
鉄も必須ミネラルのひとつで赤血球の成分となるため、不足すると貧血などの症状が出ます。
鉄を摂取するときは、動物性たんぱく質やビタミンCと合わせると、吸収が促進されて効果的です。
菜の花の選び方とおいしく調理するポイント
菜の花をよりおいしく食べるには、新鮮な菜の花を選び、特有の食感を活かして調理するのがおすすめです。
ここでは、新鮮な菜の花の選び方と、おいしく調理するポイントを紹介します。
新鮮な菜の花の選び方
食用の菜の花は、根元の切り口が乾いていないものが新鮮です。
また、つぼみが青くしまっていて花が咲く前が味も良く、特有の歯ざわりが楽しめます。
鮮度が落ちるにつれて栄養価も下がっていくため、購入後は早めに調理しましょう。
調理前に水にさらす
菜の花は、収穫されてからお店に並ぶまでに、ある程度の水分が抜けてしまいます。
そこで、菜の花をシャキッとみずみずしくさせるために、調理前に軽く水にさらすのがおすすめです。
ただし、水にさらすのは水溶性のビタミンが溶け出す原因でもあるため、長時間水にさらさないように注意しましょう。
ゆでる時間は短く
菜の花は、短時間でさっとゆでるのがおすすめです。
菜の花に含まれるビタミンCは水溶性のため、ゆで時間が長くなると溶け出す量が増えてしまいます。
また、シャキッとした食感も菜の花の特徴ですので、それを生かせるようにゆでる時間は短くしましょう。
ゆで時間の目安は、沸騰したお湯に入れてから、根元の太い部分で1分半、つぼみのある先端部分で30秒程度です。
茎の太い方から順に時間差を付けてゆでると、仕上がりが均一になります。
ゆであがった後は水にさらさず、ザルに広げて粗熱を取りましょう。
苦みを和らげるには
ほのかな苦みは菜の花の特徴ですが、苦手な方は苦みを抑えて調理することも可能です。
たとえば、ゆでる際に色を良くさせるための塩と、湯が濁る程度の和からしを入れると、苦みがやわらぐでしょう。さらに、ゆでた後に水にさらすと、より苦みを減らせます。
ただし、水にさらしすぎるとビタミンCなど水溶性の栄養素が流れ出てしまうため、注意しましょう。
また、油分がある調味料を使うのもおすすめです。
油分はβ−カロテンの吸収を助ける効果もあり、ゆでた菜の花に食用油やマヨネーズなどを加えると苦みをまろやかにできます。
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