目次
マグネシウムは、心身の健康を保つために欠かせない栄養素です。
とくに、現代人には不足しがちな栄養素であり、意識して摂る必要があります。
マグネシウムの重要性を知っていても、どんな食べ物からどれぐらい摂れるのか、分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、マグネシウムが豊富に含まれる食材を分類別に紹介しています。
マグネシウムを食べ物から摂りたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
マグネシウムが豊富な植物性の食材
マグネシウムは、精製や加工が行われていない食品に多く含まれています。
マグネシウムを多く摂取するためには、できるだけ加工が行われていない食べ物を選ぶとよいでしょう。
この章では、マグネシウムが豊富に含まれている植物性の食材を紹介します。
栄養価は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」から引用しています。
穀類
精製されていない穀物には、マグネシウムが豊富に含まれています。
マグネシウムが豊富な穀類を下表にまとめました。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
キヌア | 180 |
そば(乾麺) | 100 |
きび | 84 |
全粒粉パン | 51 |
玄米ごはん | 49 |
※可食部100gあたり
玄米や全粒粉パンなど、未精製の穀物には豊富なマグネシウムに加えて、食物繊維やビタミンなどの栄養素も多く含まれています。
ただし、未精製穀物は食物繊維が非常に豊富なため、消化に悪いのがデメリット。白米などの精製された穀物よりも、よく噛んで食べる必要があります。
豆類
豆類は、マグネシウムが豊富なうえ、食卓に取り入れやすい食品です。
マグネシウムが豊富な豆類は下表のとおりです。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
きなこ | 260 |
糸引き納豆 | 100 |
がんもどき | 98 |
木綿豆腐 | 57 |
※可食部100gあたり
納豆や豆腐はパックを開けるだけで食事に追加でき、マグネシウムを摂取しやすい食材です。
とくに豆腐は製造過程で、にがり(塩化マグネシウム)が添加されており、マグネシウムが多く含まれています。
種子類
アーモンドやくるみなどの種子類もマグネシウムが豊富。
マグネシウムがとくに多い種子類を下表にまとめました。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
ごま | 370 |
アーモンド | 290 |
くるみ | 150 |
※可食部100gあたり
ごまやくるみは、料理のアクセントにも使いやすく、手軽に摂取できます。
海藻類
毎日の食事に取り入れやすい海藻も、マグネシウムが多く含まれています。
マグネシウムがとくに豊富な海藻は下表のとおりです。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
アオサ | 3200 |
ひじき | 640 |
カットわかめ | 460 |
焼きのり | 300 |
※乾物100gあたり
海藻は乾物で保存されている場合が多く、常備しやすいのが特徴。
わかめや焼きのりは、食事に加えやすいため、マグネシウム摂取にはおすすめの食べ物です。
野菜・果物類
野菜や果物はマグネシウムだけでなく、ビタミンや食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいます。
ここでは、比較的摂取しやすい野菜と果物から、とくにマグネシウムが豊富なものを紹介します。
マグネシウムが豊富な野菜・果物は下表のとおりです。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
切り干し大根 | 160 |
ほうれん草(生) | 69 |
えだまめ(生) | 62 |
ごぼう(生) | 54 |
アボカド | 34 |
バナナ | 32 |
※可食部100gあたり
野菜・果物類は、穀類や海藻に比べれば、それほど多くのマグネシウムは含まれていません。
しかし、野菜も果物も日常的に摂取しやすく、他のビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
毎日欠かさず野菜や果物を摂ることで、マグネシウムなどの栄養素を多く摂取できるのです。
きのこ類
マグネシウムを効率的に摂りたいなら、きのこもおすすめの食品です。
マグネシウム含有量が比較的多いきのこを下表にまとめました。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
乾燥キクラゲ | 210 |
干ししいたけ | 100 |
しいたけ(原木栽培) | 16 |
えのきたけ | 15 |
※可食部100gあたり
生のきのこには、それほど多くのマグネシウムは含まれていません。
しかし、乾物では水分が抜け、重量あたりのマグネシウム含有量が大幅に増加します。
鮮度の落ちやすいきのこですが、乾物にすると保存性が上がり、マグネシウムを手軽に摂取できます。
いも類
いも類にも少量ながら、マグネシウムが含まれています。
マグネシウムが比較的多く含まれているいも類は、下表のとおりです。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
さつまいも(皮付き) | 24 |
じゃがいも(皮付き) | 19 |
里芋 | 19 |
ながいも | 17 |
※生の食品の可食部100gあたり
いも類に含まれているマグネシウムの量は、特出して多くはありません。
しかし、いも類は保存性が高く、一度に食べる量も多めな食材。
手軽にマグネシウムを摂取できるのが、いも類のよいところです。
マグネシウムが豊富な動物性の食材
マグネシウムは、植物性の食材だけでなく、動物性の食材にも多く含まれています。
マグネシウムが豊富な動物性の食材は下表のとおりです。
この章の栄養価も、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」から引用しています。
食品名 | マグネシウム含有量 (mg) |
---|---|
干しエビ | 520 |
あさり | 100 |
きんめだい | 73 |
しらす | 67 |
かつお(春獲り) | 42 |
※可食部100gあたり
肉類よりも、マグネシウムが豊富な海で育つ魚介類の方が、マグネシウム含有量は多くなっています。
とくに干しエビやしらすなら、少量で手軽にマグネシウムを補えます。
飲み物からもマグネシウムは摂れる
マグネシウムを日常的に摂取するには、普段の飲み水を変える方法もあります。
日本の水道水は飲みやすい「軟水」が主流ですが、海外のミネラルウォーターには、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが多い「硬水」もあります。
製品によりマグネシウム含有量に多少の差はありますが、硬水なら普段の水分補給でも、マグネシウムを摂取できます。
ただし硬水は味に癖があるため、飲み慣れない人は少量から試してみるとよいでしょう。
そもそもマグネシウムとはどんな栄養素?
マグネシウムは体の中に多く含まれているミネラルで、骨や歯、筋肉や神経などに多く存在しています。
体内でさまざまな酵素の働きに関わっており、代謝においても重要な役割をもつミネラルです。
マグネシウムの主な働き
マグネシウムの代表的な働きは下記のとおりです。
- 骨や歯の成長を助ける
- 酵素の働きをサポートする
- 腸内水分量を増やす
- 筋肉の収縮を制御する
- 神経の興奮を抑える
ほかにもマグネシウムは、食物からエネルギーを産み出すことにも関与しており、健康維持のためには欠かせません。
推奨されているマグネシウムの摂取量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ほとんどの人にとって十分な量となる一日あたりのマグネシウム摂取量(推奨量)は、下表のとおりです。
性別 | 年齢 | 推奨量 (mg/日) |
---|---|---|
男性 | 18〜29歳 | 340 |
30〜64歳 | 370 | |
65~74歳 | 350 | |
女性 | 18〜29歳 | 270 |
30〜64歳 | 290 | |
65~74歳 | 280 |
妊娠中の人は、通常よりも多くの栄養を摂る必要があり、年齢区分の数値より、さらに40mg多くマグネシウムを摂取することを勧められています。
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、日本では多くの人が十分な量のマグネシウムを摂取できていない状況です。
加工や精製された食べ物ばかりにならないよう、幅広い食べ物からマグネシウムを補う必要があります。
マグネシウムを食べ物から摂る際の注意点
マグネシウムは不足しがちなミネラルですが、摂りすぎても体に悪影響を及ぼします。
とくに腎臓の機能が弱っている人は、体内の過剰なマグネシウムを上手に排出できず、マグネシウムが蓄積されてしまうことも。
通常の食事での過剰摂取は起こりにくいものの、薬やサプリメントなどの服用時には注意が必要です。
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