目次
和洋中と幅広い料理に使える冬が旬の白菜。アブラナ科の葉野菜で霜に当たると風味が増します。
白菜は水分が多く栄養価が低めの野菜だと思われがちですが、カリウムやカルシウム、ビタミンCなどが豊富に含まれています。
この記事では、白菜に含まれる主な栄養素と効能を解説しています。
また、栄養を逃さず摂取できる調理方法も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
白菜に含まれる栄養素と効能
白菜は水分が約95%ですが、ビタミンやミネラルを中心に、いろいろな栄養素が含まれています。
白菜に含まれる主な栄養素は下表のとおりです。
栄養素 | 可食部100gあたりの含有量 |
---|---|
カリウム | 220mg |
カルシウム | 43mg |
ビタミンC | 19mg |
葉酸 | 61μg |
ビタミンK | 59μg |
食物繊維 | 1.3g |
各栄養素の働きや効能について順に解説します。
カリウム
白菜には、カリウムが豊富に含まれています。
カリウムは、ナトリウムとともに体液の浸透圧調整を担っているミネラルです。
カリウムには、ナトリウムを排出する働きがあるため、むくみの解消に役立ちます。
ナトリウムが過剰になると高血圧の原因になりますが、カリウムは血圧を下げる働きがあり、高血圧を起因とする生活習慣病の予防にも繋がります。
カルシウム
カルシウムは、丈夫な骨や歯をつくるために欠かせない栄養素です。
出血時に血液をかたまりやすくしたり、筋肉の収縮にも関わったりしています。
骨粗しょう症の予防には、カルシウム吸収を助けるビタミンDや、骨へのカルシウムの取り込みを促進するビタミンKを一緒に摂取すると、より効果的です。
ビタミンDは魚・卵・きのこなどに、ビタミンKは納豆・海藻・緑黄色野菜などに多く含まれています。
ビタミンC
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれる水溶性ビタミンで、白菜にも豊富に含まれています。
ビタミンCはコラーゲンの合成に深く関わっている栄養素です。
コラーゲンは、ビタミンCが欠乏するとうまく合成されず、健康な体を維持できなくなります。
たんぱく質の一種であるコラーゲンは、人体の皮膚、軟骨、血管や内臓などの組織を形作っている主要な成分であるためです。
ほかにもビタミンCは、鉄分の吸収を促進して貧血を防いだり、体内で抗酸化作用を発揮したりするため、健康維持のためにこまめに摂取したい栄養素です。
葉酸
葉酸は、白菜をはじめ、多くの葉物野菜に豊富に含まれている栄養素です。
葉酸はビタミンB12とともに、血液中の赤血球をつくるうえで重要な役割を果たしていて、悪性の貧血を防ぎます。
また、胎児の脳や神経管、心臓などの体が形成される妊娠初期に多く必要とされるため、妊娠中や妊娠を望む女性にとってとくに重要な栄養素です。
葉酸は、血中の危険因子となるアミノ酸(ホモシステイン)の濃度を下げて動脈硬化の予防にも役立ち、血管の詰まりを起こりにくくします。
ビタミンK
ビタミンKは、血液の凝固や丈夫な骨づくりに不可欠な栄養素です。
植物の葉緑体でも作り出される成分であり、白菜にも多く含まれています。
けがなどで出血しても、時間が経てば血が止まりますが、これは体内に血液凝固因子があるためです。
血液凝固因子の産生にはビタミンKが必要なため、ビタミンKが不足すると出血が止まりにくくなってしまうのです。
また、ビタミンKはカルシウムの骨への沈着を促進するため、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。
食物繊維
食物繊維はヒトの消化酵素では分解されませんが、便秘を防ぎ、腸内環境を整える働きがあります。
食物繊維は腸内細菌により一部が分解され、善玉菌の活動を活発にして、悪玉菌を減らします。その結果、腸内環境が良好に保たれるのです。
ほかにも食物繊維には、食後の血糖値の上昇を穏やかにしたり、血清コレステロール値を低下させたりする働きもあります。
食物繊維は食後に水分を吸って膨らみ、食べたものが消化管内で移動する速度を抑えます。すると、糖質の吸収がゆっくりとなり、血糖値の急上昇も抑えられます。
さらに、コレステロールを原料に分泌される「胆汁酸」の再吸収を防ぐことで、体内でのコレステロール消費を促進し、血清コレステロール値を低下させることが知られています。
食物繊維は野菜や果物、海藻、きのこなどに含まれている成分です。とくに白菜は、加熱すればかさが減り、たくさんの食物繊維を摂取しやすい野菜です。
白菜はダイエットにもおすすめの野菜
白菜100gあたりのカロリーは13kcalで、糖質は1.9gです。
白菜は野菜のなかでも低カロリー・低糖質で、ダイエットにもおすすめの野菜といえます。
また、白菜に含まれるモリブデンというミネラルは、糖質や脂質の代謝に関わる酵素の構成成分であり、エネルギー消費の低下を防ぎます。
ただし、調理方法や合わせる食材によってはカロリーや糖質も高くなるので注意しましょう。
たとえば、白菜と豚バラ肉を層状に重ねるミルフィーユ鍋は、カロリーが高めです。豚バラを豚ロースに変えると、しっかりとたんぱく質を摂取しつつカロリーを抑えられます。
栄養が偏らないように白菜をほかの食材と上手く組み合わせ、健康を維持しながらダイエットに役立てましょう。
白菜の栄養を逃さず摂取できる調理方法
白菜はさまざまな栄養素を含む野菜です。ただし白菜には、加熱で壊れやすい栄養素や、水に流出しやすい栄養素も含まれています。
調理方法によっては栄養を損ないやすいので注意が必要です。
この章では、白菜の栄養を逃さないための3つの調理のポイントを紹介します。
生のままサラダにする
白菜は生でも食べられる野菜です。ビタミンやミネラルをしっかり摂りたいなら、白菜を生のままサラダにするとよいでしょう。
白菜に含まれているビタミンCや葉酸、カリウムは、水に流出しやすい栄養素です。また、ビタミンCや葉酸などのビタミンは熱に弱い性質があります。
生のまま食べるサラダなら、こうした要因による栄養の損失を防げるのです。
サラダには、繊維がやわらかく甘みが強い、白菜の内側の葉がおすすめです。また、白菜は長期保存しやすい野菜ですが、生で食べるならなるべく新鮮なものを使いましょう。
加熱して汁ごといただく
白菜は長時間茹でたりすると、カリウムなどのミネラルがゆで汁に流出してしまいます。
しっかりとミネラルを摂るには、煮汁ごといただく、鍋物やスープなどのメニューがおすすめです。
加熱調理すると白菜のかさが減り、たくさん食べられるので、食物繊維もたっぷりと摂取できます。
ただし、熱に弱いビタミンもしっかり摂りたいなら、加熱時間を短くすることが重要です。
その場合、火が通りやすいように小さく切り、サッと加熱してスープにしたりするとよいでしょう。
電子レンジで蒸す
電子レンジで蒸すと、茹でたり炒めたりするよりも短時間で加熱でき、調理に手間がかかりません。スープやナムル、豚肉と白菜のミルフィーユ鍋なども短時間で作れます。
電子レンジなら手早く加熱できるので、ビタミンCや葉酸などの栄養素が分解しにくくなります。
また、蒸した際に白菜から出てきたエキスも調理時に捨てずに使うと、流れ出たビタミンやミネラルも逃さず摂取できます。
【耳より情報】ふるさと納税で美味しい食材がもらえる!
ふるさと納税を活用すれば、新鮮な魚介類や厳選されたお肉、旬の野菜やフルーツなど、全国の特産品や美味しい食材を手に入れることができます。
しかも、地域の活性化を応援しながら税控除を受けられるメリットも。
この機会にぜひ、ふるさと納税で美味しい食材を手に入れて、食卓を豊かにしてはいかがでしょうか!