日本の国民食ともいえるカレー。
忙しいときでも簡単に作れる一方、スパイスやあめ色玉ねぎといったこだわり方もいろいろ。
ただ、多めに作りすぎてしまって消費に困ったことがある方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのがカレーの冷凍保存。
カレーを冷凍保存するメリットや冷凍の手順、冷凍カレーをおいしくするポイントなど、カレーの冷凍術を詳しく紹介します。
今まで以上にカレーを活用して、おいしくいただいてみませんか?
カレーを冷凍するメリット
カレーの冷凍保存にはさまざまなメリットがあります。
- 玉ねぎのうまみがアップし、お肉が柔らかくなる
- 保存期間は約1ヶ月と日持ちする
- 食中毒の原因となるウェルシュ菌の繁殖リスクが減る
- 1食分ずつ保存するためアレンジの幅が広がる
一つずつ、詳しく見ていきましょう。
うまみがアップし、お肉が柔らかくなる
玉ねぎをはじめとする野菜と肉類は、冷凍すると内部の水分が凍って膨張し、細胞壁が壊れます。
すると、具材のうまみ成分がとけだしたり、お肉が柔らかくなったりとうれしい作用がたくさん。
ますます「2日目のカレー」がおいしくなりそうです。
食中毒の原因となるウェルシュ菌の繁殖リスクが減る
食中毒や下痢を引き起こすウェルシュ菌は、肉類や魚介類、野菜をつかう煮込み料理で増殖しやすく、100℃で加熱しても完全には死滅しないことも。
ウェルシュ菌は自然界に広く存在していて、少量であれば悪影響は少ないとされていますが、カレーを作ってすぐに低温保存すれば増殖を防ぐことができます。
冷蔵庫は庫内に温度差があり、出し入れの際に一時的に温度が上がるため、冷凍庫で保存すれば、よりウェルシュ菌のリスクを減らすことが可能です。
冷凍すれば保存期間は約1ヶ月と日持ちする
カレーの冷蔵庫での保存期間は約2~3日と、それほど日持ちしません。
冷凍すると保存期間は約1ヶ月と、大幅に伸びます。
1食分ずつ保存するからアレンジの幅が広がる
カレーを保存するときは、利便性からもウェルシュ菌に対する安全面からも、1食分ずつ小分けにして冷凍するのがおすすめです。
小分けにすると、1人分だけカレーがほしいときに便利で、カレーを使ったアレンジレシピも簡単に作れるので、料理の幅が広がります。
カレーの冷凍方法
カレーを冷凍して保存するときのちょっとしたコツと保存手順を紹介していきます。
小分けにする前の冷凍保存のポイント
ウェルシュ菌を増殖させないためには、カレー全体の粗熱を素早くムラなく取ることが重要になります。
保存容器に入れて冷凍する場合、余ったカレーの入った鍋を氷水を張った大きめのボウルに入れ、ゆっくりとカレーをかきまぜてください。
冷凍用保存袋に入れて冷凍する場合は、小分けにした後で冷ますこともできるので、この手順はスキップしても大丈夫です。
冷凍用保存袋に入れて冷凍する方法
冷凍用の保存袋に入れて保存する場合は、コップや円形の容器の中に冷凍用保存袋を広げて入れ、袋の口を外側にむくとカレーを入れやすくなります。
冷凍する手順
- 1食分ずつ入れ、空気を抜きながら袋の口を閉じる
- 平らにならして粗熱を取る
- すぐに冷凍庫に入れる
保存袋の口を閉じたら、袋ごと氷水に入れるとサッと粗熱が取れます。
すでに粗熱が取れていたら、この手順はスキップしてかまいません。
金属トレイの上に保存袋を置いて冷凍庫に入れると急速冷凍ができて、より風味を保ったまま冷凍することができます。
保存容器に入れて冷凍する方法
プラスチックの容器はカレーの色と匂いが移りやすいため、ラップを敷いてからカレーを入れるのがおすすめ。
それでも気になる場合は、ガラス製やホーロー製の保存容器を使うとよいでしょう。
冷凍する手順
- カレー鍋を氷水に入れて粗熱を取る
- 容器にラップを敷き、カレーを1食分ずつ入れる
- ラップの端を合わせ、ねじりながら包んで密閉する
- 容器のフタを閉じ、すぐに冷凍庫に入れる
保存容器のフタにカレーが付かないよう、ラップで密閉するように包んでください。
形としては、肉まんを包むようなイメージ。
容器を触ってみてまだ熱いようなら、濡れタオルの上に容器を置いて粗熱を取りましょう。
浅めの容器や上げ底になっているものは粗熱を取りやすく、解凍するときもムラができにくいです。
冷凍したカレーの解凍方法
冷凍カレーの解凍方法は主に、冷蔵庫での自然解凍と流水解凍の2つです。
もちろん、面倒なときは電子レンジで解凍してもOK。
冷凍庫での保存期間は約1ヶ月ですが、作ってから時間が経つほどに風味は落ちてしまうので、できるだけ早めに食べるとよいでしょう。
冷蔵庫で自然解凍
自然解凍は、食べる半日前~1日前に冷凍庫から冷蔵庫へ移すだけです。
朝食か昼食に食べるなら前日の夜に移動させ、夕食に食べるならその日の午前中に移動させるのがベスト。
冷蔵保存は冷凍保存よりも劣化が進むのが早いため、あまり早く移動させないのがポイントです。
流水解凍
保存袋に入れて冷凍した場合、流水解凍は素早く解凍したいときに便利です。
時間は夏は流水で約5分、冬は約10~15分ほど。
食べる前に温めるので、もっと短い時間でシャリっとする程度の解凍でも問題ありません。
冷凍カレーをおいしくするポイント
カレーを冷凍するメリットで野菜の細胞壁が壊れてうまみがアップすると解説しましたが、じつは野菜によってはその点がデメリットになることもあります。
そのデメリットをふまえたうえで、冷凍してもおいしいカレーの作り方のポイントを見ていきましょう。
冷凍保存に向いた具材を使う
野菜は冷凍すると細胞壁が壊れてうまみ成分と一緒に水分が出てきます。
うまみ成分は外に出てくることでよりおいしく感じられますが、水分は野菜の食感が落ちる原因となってしまいます。
特にじゃがいもとにんじんが食感が変わりやすく、冷凍カレーが苦手と感じる要因の一つとなっています。
そのため、冷凍カレーには玉ねぎ、きのこ類、ナス、トマトなど、冷凍しても食感が変わりにくい具材を選ぶのがおすすめです。
じゃがいもとにんじんは一工夫すればおいしく食べられる
じゃがいもとにんじんはカレーの定番の具材。
一工夫くわえれば、冷凍してもおいしく食べられます。
- 小さめにカットしておく
- 冷凍する前にすりつぶす
- 冷凍する分のカレーからは取り除き、食べるときに加熱したものを入れる
- 炒めたじゃがいもとにんじんを、冷凍直前にカレーに入れる
いろいろな方法がありますが、食感の好みや手間の少なさで選んで問題ありません。
作った日づけを保存袋か保存容器にメモしておく
冷凍すれば冷蔵保存よりも日持ちしますが、永久に保存できるわけではありません。
冷凍する際に、保存容器にふせんで日づけをメモしておき、いつ作ったものなのか分かるようにしておきましょう。
直接メモ書きできるタイプの保存袋なら、ふせんを用意する一手間が省けます。
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