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日本の伝統的なファーストフード、うどん。
調理が手軽に済み、消化に良いため体調が悪くても食べやすいといったメリットがあります。
一方、うどんは「カロリーが高そう」「太りやすそう」などのイメージも持たれがちで、その真相が気になるところです。
この記事では、うどんのカロリーをほかの麺類と比較し、うどんが持つ栄養素や簡単に作れる健康的なレシピも紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
うどんはカロリーが低め・GI値が少し高め
はじめに、うどんのカロリーやGI値などの値を、ほかのいくつかの主食と比較して紹介します。
下表に、食品100gあたりの栄養価とGI値をまとめています(麺類はゆでた状態の栄養価)。
食品 | カロリー (kcal) | GI値 | 炭水化物 (g) | 糖質 (g) | 食物繊維 (g) | たんぱく質 (g) |
---|---|---|---|---|---|---|
うどん | 95 | 62 | 21.6 | 20.3 | 1.3 | 2.6 |
そば | 130 | 46 | 26.0 | 23.1 | 2.9 | 4.8 |
中華麺 | 133 | 47 | 29.2 | 26.4 | 2.8 | 4.9 |
パスタ | 150 | 46 | 32.2 | 29.2 | 3.0 | 5.8 |
ご飯 | 156 | 75 | 37.1 | 35.6 | 1.5 | 2.5 |
食パン | 248 | 58 | 46.4 | 42.2 | 4.2 | 8.9 |
出典 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
GI Search(シドニー大学)
T. Oku et al. Int. J. Diabetes Mellit., 2010.
K. Murakami et al. Am. J. Clin. Nutr., 2006.
M. Sugiyama et al. Eur. J. Clin. Nutr., 2003.
うどんはカロリーが少なめの主食であり、ゆでた麺100gあたりのカロリーは、ほかの麺類より低い値です。
ほかの主食と1食分のカロリーを比べても、うどん1玉のカロリーは低めといえます。
- うどん1玉(ゆでた麺200g):約190kcal
- パスタ1食分(ゆでた麺250g):約375kcal
- ご飯1膳(150g):約234kcal
ただしうどんのGI値は、他の麺類よりいくぶん高めです。
GI値とは、食後の血糖値の上がりやすさを示した数値です。
GI値が高いほど食後に血糖値が急上昇しやすく、一般的にGI値70以上が高GI食品とされます。
血糖値が急上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンは血糖値を下げつつ、エネルギーを脂肪としてため込む働きがあります。
血糖値の急上昇による大量のインスリン分泌が、肥満の原因のひとつとなるのです。
うどんは、カロリーは低いものの、GI値がほかの麺類より高めで血糖値が上がりやすく、食べ方によっては太りやすいので注意が必要です。
体にやさしく太りにくいうどんの食べ方
先述のとおり、うどんのカロリーはそれほど高くありませんが、血糖値が上昇しやすい点に気を付けましょう。
レシピや食べ方を工夫すれば、血糖値の急上昇を抑えつつ、低カロリーで健康的な食事になります。
ここでは、うどんを食べる際に意識したい4つのポイントを解説します。
カロリーが高すぎるトッピングを避ける
トッピングの王道であるかき揚げやてんぷら、天かす(揚げ玉)などの揚げ物は高カロリーです。
ダイエット中には、こうしたカロリーの高いトッピングはなるべく避けるとよいでしょう。
食べごたえがあるうどんにしたいなら、卵や豚肉を使ったトッピングがおすすめです。
卵や豚肉は、良質なタンパク質が摂れるうえに、糖質の代謝をサポートしてくれるビタミンB1が含まれています。
ただし、豚肉は脂身の少ない部位を使うとよいでしょう。
トッピングやサイドメニューで食物繊維を補う
食事から摂取する食物繊維には、糖質の吸収を穏やかにする作用があり、ダイエット中はとくに重要な成分です。
しかし、うどんの麺自体には食物繊維があまり含まれません。
かけうどん(素うどん)単品では食物繊維が足りずに、糖質の吸収が早くなり、太りやすくなってしまいます。
わかめ・ねぎ・山菜・大根おろしなど、野菜や海藻のトッピングがおすすめです。
かけうどんの場合でも、野菜・海藻・きのこを使ったサイドメニューや、果物のデザートなどで食物繊維が摂れます。
しっかり噛んで食べる
うどんはよく噛んで食べましょう。
喉ごしがいいからといって、あまり嚙まずに飲み込むと胃腸に負担をかけます。
よく噛んで食べると脳の満腹中枢が刺激され、満腹感を得られやすくなり、食べ過ぎによるカロリー過多を防げます。
塩分量に気を配る
塩分の摂りすぎは、健康によくないだけでなく、むくみによる体重増加にもつながることがあります。
うどんは気付かないうちに塩分を多く摂ってしまいやすい食べ物です。
おつゆにも塩分が多く含まれています。減塩醤油を選ぶ、おつゆを飲み干さないなど、塩分の摂取量に気を配るようにしましょう。
カロリーを抑えたうどんの簡単・健康レシピ
どのようなレシピやトッピングにすれば、カロリーや塩分の過多、血糖値の上昇を気にせずうどんを食べられるのでしょうか。
ここでは、簡単で太りにくい、カロリーを抑えたうどんのレシピを2つ紹介します。
豚しゃぶおろし冷やしうどん
先述したおすすめトッピングの豚肉と大根おろしが含まれています。
オクラと大根おろしの食感や風味により、夏でもさっぱり食べられるレシピです。
豚肉の代わりにツナ缶や納豆を使ってもたんぱく質が摂れますし、お好みで梅干しとめんつゆの代わりに、梅ドレッシングをかけても美味しいですよ。
材料(2人分)
- うどん 2玉
- 豚肉スライス 120g
- オクラ 3本
- 大根おろし 2~3cm分
- 梅干し 2個
- めんつゆ 適量
作り方
- 沸騰させたお湯で最初にオクラを1分ほどゆで、小口切りにする。
- 1.と同じお湯で豚肉をさっとゆで、ザルにあげて粗熱を取る。
- うどんを袋に書かれた通りゆで、最後に水でしめてから器に盛る。
- 3.の上に全ての具材を盛り付ける(梅干しはお好みでそのままのせるか、刻む)。
- めんつゆをお好みで適量かける。
鶏おろしうどん
鶏肉でたんぱく質を補い、大根おろしで食物繊維も摂れるレシピです。
基本的な具材はこの2つですが、ワカメやキノコ、卵などもあれば一緒にゆでてしまいましょう。
手間を増やさずに栄養を増やすことができますよ。
材料(2人分)
- うどん 2玉
- 鶏モモ肉 100g
- 大根 8cm分
【うどんつゆ】
- 水 500mL
- みりん 50mL
- 薄口しょうゆ 50mL
- 顆粒だし 小さじ2
作り方
- 鶏肉を一口大にカットする。
- うどんつゆの材料と1.を鍋に入れて火にかける。
- 煮立ってきたら、うどんを入れる。
- 大根おろしを作る。
- 鍋の中の具材を器に移し、最後に大根おろしをのせる。
うどんに含まれる主な栄養素とカロリーの関係
うどんのカロリーの大部分は糖質に由来します。
ここでは、うどんに含まれている主な栄養素と、カロリーの関係について解説します。
炭水化物
炭水化物は、脂質、タンパク質とともに三大栄養素のひとつです。
炭水化物は、胃腸で消化可能な糖質と、消化されない食物繊維に分けられます。
うどんは麺類の中では糖質の割合が高いため、胃での停留時間が短く、消化に良い炭水化物といえます。
糖質
糖質は脳や筋肉など体を動かすエネルギー源になる栄養素です。
糖質のカロリーは、1gあたりおよそ4kcalです。
エネルギーとして消費されずに余った糖質は、脂肪となって体内に蓄えられます。
糖質の摂りすぎには注意しましょう。
摂取した糖質をエネルギーとして燃焼させるには、豚肉などに多く含まれるビタミンB1が必要です。
うどんを食べる際は、麺の量を増やしすぎずに、トッピングの種類も意識するとよいでしょう。
食物繊維
食物繊維は、ヒトの消化酵素で分解されないため、ほとんどカロリーはありません。
エネルギーにはなりませんが、腸内で重要な役割を果たす成分です。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があります。
水溶性食物繊維は腸内環境を整えたり、食後の血糖値の上昇を穏やかにしたりする作用があります。
不溶性食物繊維も腸内環境を整えるのに効果的です。
腸内で便をかさ増しし、それによって腸の運動を促してお通じをよくしてくれます。
うどんにもいくらか食物繊維が含まれますが、十分な量ではありません。
うどんには野菜や海藻などを組み合わせて、食物繊維を補うと健康的に食べられます。
たんぱく質
たんぱく質も、炭水化物と同じく三大栄養素のひとつです。
たんぱく質は、1gあたり約4kcalのエネルギーがありますが、それよりも体を作る材料として重要な栄養素です。
たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚や髪などを作るために必要で、ホルモンや免疫に関わる物質の材料にもなります。
生命維持には欠かせない栄養素ですが、現代人はたんぱく質が不足しがちです。
うどんにも小麦由来のたんぱく質がいくらか含まれていますが、質と量ともに十分ではありません。
うどんには、卵や肉、魚肉製品などの動物性食品や、油揚げのような大豆製品を組み合わせると、良質なたんぱく質が補給できるメニューになります。
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