紅茶にはどんな効能がある?成分と期待できる効果を詳しく解説

紅茶にはどんな効能がある?成分と期待できる効果を詳しく解説

紅茶を飲むと、心が落ち着き、心身ともにリラックスできます。

紅茶には、このような効果のほかにも、健康によい効能がたくさんあります。

この記事では、紅茶に期待される効能や含まれる成分、紅茶を飲む際の注意点について詳しく解説します。

紅茶を選ぶとき、種類や名前がたくさんあってよく分からないと思いませんか?紅茶は、産地によって味や色が異なるため、特徴を知っておくと好みの紅茶を選べます。この記事では、紅茶の主な産地と、代表的な紅茶の種類を紹介します。

紅茶の効能に関与する主な成分

紅茶の効能に関与する主な成分

紅茶には、カフェインやカテキンなど、さまざまな成分が含まれています。

この章では、紅茶の効能に関与する主な成分を紹介します。

カフェイン

カフェインは、コーヒー豆、茶葉、カカオ豆などに含まれる天然の食品成分です。

日本人の主なカフェインの摂取源はコーヒーと茶です。

以下に、それぞれの飲料100mLあたりのカフェイン含有量を示します。

飲料カフェイン含有量(100mLあたり)
コーヒー60mg
紅茶30mg
煎茶20mg
ウーロン茶20mg

※参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

カフェインは、適量を摂取すると中枢神経が刺激され、頭がすっきりして集中力が高まり、眠気を感じにくくなります。

しかし過剰に摂取すると、動悸や震え、不眠、下痢や吐き気などの症状が出ることがあるため、注意が必要です。

カテキン

カテキンは、茶葉に含まれる渋み成分で、ポリフェノールの一種です。お茶の中では、とくに緑茶に多く含まれます。

カテキンには、抗酸化作用や、抗菌・殺菌作用があります。

これらの作用により、生活習慣病の原因にもなる活性酸素の影響を抑えたり、感染症や虫歯などを防いだりする効果が期待できます。

テアフラビン

テアフラビンは、紅茶に含まれる赤い色素成分で、ポリフェノールの一種です。

紅茶は、茶葉を発酵させて作られます。

これは微生物による発酵ではなく、生の茶葉に含まれる酵素によりカテキンなどが酸化され、別の成分に変化する酸化発酵です。

テアフラビンは、茶葉の発酵の過程で、カテキンが酸化され2つ結びついて生成します。

カテキンと同様に強い抗酸化作用や殺菌作用があり、血糖値やコレステロール値を下げる効果も期待されています。

テアニン

テアニンは、茶葉に含まれるアミノ酸の一種で、お茶のうま味成分のひとつです。

紅茶や緑茶、ウーロン茶などに含まれ、玉露や抹茶にはとくに多く含まれます。

テアニンを摂取すると、脳にα波が発生し、リラックス効果が得られます。

テアニンは、チャノキ以外には一部の植物にしか含まれておらず、身近に摂取できる飲み物はお茶類だけといってよいでしょう。

フッ素

フッ素は、原子番号9の元素で、自然界では単体ではなくフッ化物として存在します。

オーラルケア用品などに用いられるフッ素は、厳密にはフッ化物をさしますが、本記事でも単にフッ素と記します。

フッ素は以下の働きにより、歯を強くし、虫歯を予防します。

  • 歯の表面のカルシウムなどが溶け出す「脱灰だっかい」の抑制
  • 溶け出たカルシウムなどを補って歯の表面を修復する「再石灰化」
  • 虫歯菌の活動の抑制

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紅茶の効能・効果

紅茶の効能・効果

紅茶に含まれるさまざまな成分は、それぞれが健康への効能をもたらします。

この章では、紅茶の代表的な6つの効能・効果について解説します。

集中力アップ・眠気の軽減

紅茶には、集中力アップや眠気の軽減などの効果が期待できます。

これは、紅茶に含まれるカフェインとテアニンによるものです。

カフェインには、鎮静作用のあるアデノシンという物質の働きを阻害し、神経を興奮させる作用があります。

一方、テアニンにはリラックス効果があり、神経を鎮めて心を落ち着かせます。

カフェインとテアニンの相互作用により、紅茶には集中力を高める効果が期待できます。

カフェインの血中濃度は、摂取後およそ30分〜2時間で最大となり、2〜8時間その効果が続くといわれています。

仕事や勉強に集中したいときに役立つ紅茶ですが、カフェインにより眠気が妨げられるので、飲む量や時間帯には注意が必要です。

リラックス効果

紅茶にはリラックス効果があります。

紅茶の香りは心理的なストレスを軽減させることがわかっており、睡眠の質の向上につながるといわれています。

また、紅茶に含まれるテアニンも、リラックス効果のあるα波を発生させることがわかっています。

この効果は、テアニンを摂取した約40分後にあらわれ、2時間程度続くと考えられています。

日々の生活のなかでストレスを感じたときは、紅茶を飲んでリラックスしてみましょう。

血糖値上昇の抑制

紅茶には、食後の血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。

食事に含まれる糖質が、消化器官でブドウ糖などの単糖に分解されて吸収されると、血糖値が上がります。

このとき、急激に血糖値が上がったり、血糖値の高い状態が続いたりすると、肥満や糖尿病などを引き起こしやすくなります。

紅茶に含まれるテアフラビンなどのポリフェノールには、糖質を分解する酵素の働きを阻害する作用があります。

その結果、ブドウ糖の吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇が抑制されると考えられています。

コレステロール値の低下

紅茶には、コレステロール値を低下させる効果が期待できます。

これは、紅茶に含まれるテアフラビンが、胆汁酸たんじゅうさんの再吸収を阻害するためです。

胆汁酸は、肝臓でコレステロールから合成され、腸管に分泌された後、再吸収されて肝臓で再利用されます。

胆汁酸の再吸収が阻害されると、コレステロールからの合成が促進されるため、血中コレステロール値が低下するのです。

テアフラビンには、胆汁酸を再吸収させる輸送物質の働きを阻害する作用があります。

紅茶を飲むと、テアフラビンの作用でコレステロールの合成が促進され、血中コレステロール値が低下すると考えられます。

殺菌効果・抗ウイルス作用

紅茶に含まれるカテキンやテアフラビンには、殺菌・抗ウイルス作用があります。

身近な細菌に食中毒菌がありますが、これらは種類によって「感染型」と「毒素型」に分けられます。

紅茶ポリフェノールは、感染型の腸炎ビブリオ、毒素型の黄色ブドウ球菌・ウェルシュ菌・セレウス菌などに殺菌効果があることが確認されています。

また、紅茶はインフルエンザウイルスを無力化することも確認されており、カフェインレスの紅茶でも効果が認められます。

ティーバッグで淹れた2回目以降の紅茶にも効果があるため、うがいに利用すると、インフルエンザ予防に効果的です。

歯の健康維持

紅茶には、歯周病予防など、歯の健康維持への効能があります。

歯周病は、さまざまな病気を引き起こす原因となり、糖尿病や心血管疾患などとの関連性が報告されています。

歯垢1mgの中には10億個以上の細菌が存在し、歯周病や虫歯の原因となります。

テアフラビンなどの紅茶ポリフェノールには、歯垢形成酵素の働きを抑制する働きがあり、その効果は緑茶ポリフェノールよりも高いことがわかっています。

また先述のとおり、紅茶にはフッ素が含まれます。

フッ素は歯の脱灰を抑制し、再石灰化を促進させるため、歯質が強くなり、歯が脆くなるのを防ぎます。

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紅茶を飲む際の注意点

紅茶を飲む際の注意点

健康への効能が期待される紅茶ですが、飲み方には注意すべき点があります。

この章では、紅茶を飲む際の注意点を紹介します。

カフェインの過剰摂取

紅茶にはカフェインが含まれるため、過剰摂取に注意が必要です。

カフェインを過剰に摂取すると、めまい、心拍数増加、震え、不眠、下痢、吐き気などを引き起こす場合があります。

カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、カフェインの一日摂取許容量(ADI)は、日本においても国際的にも設定されていません。

海外の状況をみると、健康に悪影響のないカフェインの最大摂取量として、健康な成人で400mg/日以下、妊婦は200mg/日以下といった値が設定されています。

※参考:内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン(PDF)

しかし、上記の値はあくまでも目安であり、カフェインの感受性には個人差があります。

紅茶1杯にはおよそ40mg前後のカフェインが含まれますが、自分の許容量を把握して、適量を飲むようにしましょう。

タンニンの過剰摂取

紅茶に含まれるタンニンには、鉄の吸収を阻害する作用があるため、過剰摂取に注意が必要です。

タンニンとは、茶葉や赤ワインなどに含まれる渋み成分で、ポリフェノールの一種です。

お茶に含まれるカテキン類や、テアフラビンなどの赤色色素は、タンニンに分類されます。

タンニンの摂りすぎは鉄の吸収を低下させるため、鉄不足による貧血がある人は紅茶の飲みすぎに注意が必要です。

食中や食後にはタンニンを含まない飲み物を選ぶなど、飲み方も工夫するとよいでしょう。

空腹時は避ける

紅茶には、カフェインやタンニンなど胃に刺激のある成分が含まれるため、空腹時には注意が必要です。

カフェインには胃酸の分泌を促す作用があります。空腹時に紅茶を飲むと、胃酸によって胃が荒れる場合があるので注意しましょう。

また、タンニンには胃を刺激する作用があり、過剰に摂取すると胃の粘膜を傷つけることもあります。

空腹時に紅茶を飲むと、腹痛や吐き気を引き起こすことがあるので、避けたほうがよいでしょう。

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