目次
暖かな環境で育つ「デーツ」には、カルシウムや食物繊維、カリウムといった豊富な栄養素が含まれています。
手軽に栄養補給できるうえに、低脂質・低コレステロールなことから、ダイエット中の間食などにもおすすめです。
この記事では、普段あまり馴染みのないデーツの基本情報から、含まれる栄養素、美味しい食べ方などをご紹介します。
ぜひご覧いただき、より健康的かつ楽しい食生活を作り上げる参考にしてみてください。
デーツとはどんな果物?
なかなか名前を聞く機会がない「デーツ」ですが、じつは優れた特徴を多く持っています。
そもそもデーツはヤシ科「ナツメヤシ」の実で、自然乾燥させてから食べることが多い果物です。
ここでは、デーツの味や果物としての特徴、気になる栄養素について詳しく解説していきます。
栄養たっぷりのスーパーフード
デーツは、果物のなかでも特に多くの栄養が含まれています。
スーパーフードと呼ばれるほど栄養が豊富で、健康的なおやつを探している方にもおすすめです。
特に多く含まれているのが「食物繊維」で、100gあたりに含まれる食物繊維量は7.0g。
食物繊維が多いイメージのさつまいもでも100gあたり3.8gなので、いかにデーツに多くの食物繊維が含まれているのかがわかります。
他にもミネラルやカルシウムなど、体の健康を維持するのに役立つ栄養素をたっぷり備えていることから、率先して食生活に取り入れたい果物の一つです。
エジプトやサウジアラビアなどの中近東で採れる
デーツはエジプトやサウジアラビア、イランなど、気温が高く乾燥した気候の中近東諸国で多く収穫されます。
世界に流通するデーツの約半分が上記3カ国にて生産されており、日本で使用されるデーツもイランなどから輸入されることが多いです。
輸入されたデーツはドライフルーツとして売られたり、食卓に欠かせないウスターソースの原料として利用されたりしています。
あまり馴染みのない果物ですが、以前より輸入量が増えていることもあり、今後さらに身近な食材として定着していくことが予想できます。
参考※1:デーツ統計情報
干し柿や黒糖に似た深い甘みが特徴
太陽の光をたっぷり浴びられる環境で育ったデーツは、干し柿や黒糖のようなコクのある甘みが特徴です。
加工しなくても十分甘く、一口頬張ればナチュラルで優しい味わいを楽しめます。
また、「ダイエット中だけど、極力甘いものを食べるのを控えたい」という方にもデーツがおすすめです。
そのままでもしっかり甘さを味わえるため、砂糖などの摂取量を抑えつつ、満足感のあるおやつタイムを過ごせるでしょう。
健康的かつ、甘さを楽しめるおやつを探している方にはピッタリの食材と言えるでしょう。
デーツに含まれる栄養は?
「スーパーフード」と名高いデーツに含まれる栄養素について詳しく解説していきます。
「不足しがちな栄養素を補いたい」という方は、これから解説する内容を参考に自身に必要な栄養素が含まれているか確認してみてください。
豊富な食物繊維
何と言ってもデーツには、食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。
食物繊維は「タンパク質」「糖質」「脂質」などの5大栄養素に続く「第6の栄養素」とも呼ばれ、便秘を防いだり、脂質や糖を身体の外に排出する働きがあります。
デーツに含まれる食物繊維の量は100gあたり7.0gで、これは干し柿や乾燥いちじくに次ぐ量であるため、気軽に食物繊維を摂取したい方にもうってつけの食材と言えるでしょう。
ただし、デーツ単体だけだと水に溶けにくい「不溶性食物繊維」を多く摂ってしまい、逆にお通じが悪くなる可能性があります(※2)。
水溶性食物繊維を含む海藻や野菜なども一緒に食べ、同じ食物繊維でもバランス良く摂取するのがおすすめです。
参考※2:食物繊維の多い食べ物と効果★食物繊維の種類(水溶性・不溶性)も解説 | キッコーマン | ホームクッキング
バナナ以上のカリウム
デーツには、100gあたり500mgものカリウムが含まれています。
これはカリウムが多い果物として知られるバナナ(生)の100gあたり330mgを上回る量です。
カリウムにはナトリウムを排出する効果があるため、塩分を摂りすぎた際などに効果を発揮します。
また、カリウム不足は食欲不振や脱力感などに繋がる可能性もあることから、日頃から適切に摂取することが重要です。
生活習慣病の予防を目的としている場合、1日あたり男性は3,000mg、女性は2,600mg以上のカリウム摂取が推奨されています(※3)。
必要なカリウムを手軽に補う果物としてもデーツはおすすめです。
プルーンに匹敵する量のナイアシン
プルーンに似た見た目をしているデーツですが、含まれるナイアシンの量もプルーンに匹敵します。
100gあたり2.2mgのナイアシンが含まれるプルーンに対し、デーツに含まれるナイアシンは100gあたり1.8mgと果物のなかではトップクラスです。
ナイアシンは糖質や脂質の代謝、エネルギーの産生に加え、二日酔いの原因となる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補助素としての働きを見せる栄養素となっています(※4)。
デーツは美味しく食べながら、内側から身体を整えるのに役立つ魅力的な果物です。
キウイ約2つ分のカルシウム
デーツにはカルシウムが多い「キウイ」約2つ分となる、100gあたり71mgものカルシウムが含まれています。
カルシウムは歯や骨を強くするだけでなく、血液を固めて出血を防いだり、神経の興奮を防いで精神を安定させる効果を持つ栄養素の一つです。
また、高齢者にとっては骨粗鬆症の予防にも役立つため、柔らかく食べやすいデーツはカルシウムが不足しがちな高齢者にもおすすめの果物となっています。
デーツを食べる3つのメリット
デーツは栄養素を多く含む魅力的な果物で、バランスの良い食生活を送るのに効果的です。
しかし、まだまだ魅力的な効能に期待できるのがデーツという果物の奥深さ。
ここではデーツを食べるメリットを3つ紹介するので、ぜひご覧ください。
低脂質・低コレステロールだからダイエットに良い
デーツは黒糖のような濃い甘さとは裏腹に、脂質・コレステロールが共に低い果物です。
健康的な間食として取り入れやすく、ストレスが溜まりがちなダイエット中のお供としておすすめできます。
とはいえ糖質は100gあたり64.3g含まれていることから、食べすぎると他の食事を減らしたり、運動をしたりする意味が薄れてしまいます。
他の食事とのバランスを考慮しつつ、摂取しすぎないよう注意しましょう。
低GI食品だから血糖値上昇を防げる
品種にもよりますが、デーツのGI値はおおよそ30〜60程度の低GI値食品です(※5)。
GI値とは食べ物に含まれる糖質の吸収度合いを示す指標で、低GIの食べ物なら食後の急激な血糖値上昇を防げます。
血糖値の上昇を防げると「インスリン」というホルモンが大量に分泌されるのを防ぐことができ、肥満や糖尿病の防止に繋がるのです(※6)。
参考※5:GI Search|THE UNIVERSITY OF SYDNEY
参考※6:「食品のGI値」を活用し、健康な体をつくりましょう! | 山梨県厚生連健康管理センター
抗酸化作用が生活習慣病を防ぐ
デーツには、100gあたり160μgのβカロテンが含まれています。
この栄養素は抗酸化作用を持つビタミンAの一種で、活性酸素の発生・働きを抑制する効果を持ち、生活習慣病の防止に特に役立つのが特徴です。
動脈硬化や糖尿病といった大きな病気の予防にも繋がるため(※7)、デーツの摂取でアンチエイジングを行うのも良いでしょう。
参考※7:抗酸化ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
デーツの1日摂取量はどのくらい?
デーツを摂取する際は、1日2〜4粒程度に留めるのが好ましいでしょう。
一般的に間食の適量は200kcal程度で、デーツ1粒あたりの重さは約20g、カロリーは約50kcalです。
つまり、1日に4粒程度までなら適量の範囲内で食べられるということになります。
ただし、デーツは低脂質・低GIとはいえ糖質は高めです。
食べすぎると1日の摂取カロリーが増加し太る原因にもなりかねないため、適量を心がけて食べるようにしましょう。
デーツのおすすめの食べ方は?
優しい甘みが特徴のデーツは、さまざまな食べ方で楽しむことができます。
ここではデーツの魅力をさらに引き出すおすすめの食べ方を紹介するので、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。
そのまま食べて優しい甘みを楽しむ
デーツをそのまま頬張れば、果物ではなかなか味わえないコクのある甘みを楽しめます。
ドライフルーツとして売られているデーツなら手軽に購入できるので、ぜひ一度味わってみてください。
ヨーグルトに入れて爽やかな朝食に
朝食のヨーグルトに入れて食べるのもおすすめです。
2粒程度のデーツを細かく刻み、少し酸味のあるヨーグルトと混ぜ合わせて食べると食欲のない朝にもぴったりな爽やかデザートの完成です。
栄養たっぷりのジャムにして食べやすく
甘みと栄養たっぷりのデーツを使えば、砂糖不使用でも美味しいジャムを作ることができます。
ヨーグルトはもちろん、パンやクラッカーなどにも合うため、「デーツの食感が苦手だけど健康維持のために食べたい」という方でも召し上がりやすいのが特徴です。
なお、砂糖を使わずに作った場合は市販のジャムより保存期間が短くなるため、早めに食べきるようにしましょう。
クッキーやパウンドケーキに入れて
刻んだデーツをクッキーやパウンドケーキに入れると、デーツならではの鼻腔をくすぐる香りをまとったスイーツを作ることができます。
特にクッキーに入れた場合は少ししっとりした食感になるため、食べごたえも抜群です。
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