目次
パセリは、ビタミンやβカロテン、鉄などの栄養を豊富に含んでいる野菜です。
この記事では、パセリの特徴や含まれている栄養素、上手な選び方や保存方法などについて詳しくご紹介します。
また、料理に活用しやすい乾燥パセリの作り方や食べる際の注意点などについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
パセリの特徴
パセリは、地中海沿岸が原産地とされるセリ科の二年草です。
漢名は「香芹(こうきん)」といい、その名の通り香りが特徴的な野菜だといえます。
また、見た目からはイメージできないほど、栄養を豊富に含んでいる点も大きな特徴です。
料理に添えるのはもちろんのこと、細かく刻んだり粉状にしたりしたものを料理に振りかければ、味のアクセントになります。 そして、きれいな緑色は食卓に彩りも与えてくれます。
さらに、パセリは自宅でも簡単に育てることが可能です。
プランターに野菜用の培養土を入れて苗を植えれば、窓辺などのちょっとしたスペースで気軽に育てられます。
イタリアンパセリとの違い
日本でパセリというと、一般的には、葉が細かく縮れているものをイメージするかもしれませんが、実はパセリにはイタリアンパセリという種類もあります。
イタリアンパセリは日本のスーパーなどでよく見かけるパセリのように葉がカールしておらず、平たい点が特徴です。
見た目は三つ葉やパクチーに似ており、ヨーロッパではイタリアンやフレンチなどでよく使われています。
イタリアンパセリもビタミンやβカロテンなどの栄養素が豊富です。
また、味に関してはイタリアンパセリの方がクセが少なくマイルドです。
パセリに含まれる栄養
パセリには、次のような栄養素が豊富に含まれています。
- ビタミンK
- ビタミンC
- カリウム
- βカロテン
- 鉄
ビタミンK
ビタミンKはパセリなどの野菜や魚介類などに多く含まれている栄養素です。また、腸内の細菌によっても作られています。
ビタミンKにはカルシウムを骨に定着させる役割があり、丈夫な骨の形成には欠かすことのできない栄養素です。
また、ケガなどの出血時に血を止める血液凝固においても、ビタミンKは重要な役割を担っています。
血液を固めるには「プロトロンビン」のような血液凝固因子が必要です。
このプロトロンビンが肝臓で生成される際に、ビタミンKは補酵素として働くことが知られています。
ビタミンC
ビタミンCはさまざまな野菜、果物に含まれている栄養素です。そして、パセリは野菜の中でもトップクラスのビタミンC含有量を誇ります。
ビタミンCには、活性酸素を抑える働きがあります。
活性酸素の増加は老化につながるだけでなく、生活習慣病の原因にもなるため、若々しさをキープするためにも積極的に摂取したい栄養素の一つです。
また、ビタミンCは抗ストレスホルモンであるアドレナリンの生成にも役立ちます。
そのため、ストレス対策としてパセリを摂取するのもおすすめです。
さらに、たんぱく質の一種であるコラーゲンの生成にもビタミンCは必要不可欠であり、皮膚や粘膜の健康維持にも大切な栄養素といえます。
カリウム
カリウムは生命を維持するために欠かせない必須ミネラルの一つです。
細胞の浸透圧を調整したり、ナトリウムの排出を助けたりする働きがあり、むくみや高血圧の予防・改善に役立ちます。
カリウムには水に溶けやすい性質があるため、パセリでカリウムを摂取する場合は、生で食べるのがおすすめです。
βカロテン
パセリにはβカロテンも豊富に含まれています。
βカロテンは、にんじんやブロッコリーなどの緑黄色野菜や、果物などに多く含まれる栄養素です。
ビタミンCと同様、活性酸素を抑える抗酸化作用を備えており、アンチエイジング効果が期待できます。
また、摂取したβカロテンの一部は体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜、免疫機能の維持にも役立ちます。
鉄
鉄もカリウムと同様に必須ミネラルの一つです。
鉄は赤血球の材料になる栄養素であり、酸素を全身に運ぶという役割を担っています。
鉄が不足すると鉄欠乏症貧血につながる恐れがあるため、貧血予防にパセリを食べるのはおすすめです。
鉄は、タンパク質と結合している「ヘム鉄」と、していない「非ヘム鉄」に分類され、パセリなどの野菜に含まれる鉄は非ヘム鉄となります。
ヘム鉄と比べると、非ヘム鉄は体に吸収されにくい特徴がありますが、タンパク質やビタミンCなどと一緒に摂取することで吸収率がアップします。
パセリの選び方
パセリを選ぶ際には、以下のようなポイントを抑えておきましょう。
- 葉の色が濃くて鮮やかであるか
- 葉がちぢれていてハリがあるか
- 茎にみずみずしさ・ハリ・弾力があるか
上記のポイントを抑えることで、新鮮で栄養豊富なおいしいパセリを選びやすくなります。
パセリの保存方法
パセリの保存方法には、主に次の2種類があります。
- 冷蔵保存
- 冷凍保存
冷蔵保存
冷蔵保存する場合は、水洗いしたパセリをぬれたままキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れます。
これだけで1週間以上は鮮度をキープできます。
また、水にパセリをつけて冷蔵庫で保存することも可能です。
茎の先が浸るくらいの水をコップに入れてパセリをさし、葉の部分にビニール袋やラップをかぶせて乾燥しないようにした上で冷蔵庫に入れます。
こまめに水をかえれば2週間ほど日持ちします。
冷凍保存
冷凍保存する場合は、まず葉と茎を分けます。
葉を水で洗い、しっかり水気を拭きとってから、保存袋に入れて空気を抜き冷凍庫で凍らせてください。約1ヶ月保存可能です。また、凍ったパセリを袋の上からもむとみじん切りのように細かくなるため、調理の手間を省くことができます。
パセリの栄養を上手に摂取するポイント
パセリの栄養を上手に摂取するには、以下のような方法がおすすめです。
- 油と一緒に摂取する
- 肉と一緒に摂取する
- 細かくカットする
油と一緒に摂取する
パセリに含まれるβカロテンは、水に溶けにくく脂に溶けやすい脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂取することで体内に吸収されやすくなります。
サラダとして食べるときは、油分を含むドレッシングやオリーブオイルをかけるのがおすすめ。また、炒め物などでも活用することで、効率的に栄養素を取り入れることができます。
肉と一緒に摂取する
パセリに含まれる鉄は、肉や魚などのタンパク質と一緒に食べることで体内に吸収されやすくなります。
鉄をしっかり摂取したい方は、肉料理や魚料理にパセリを添えたり、味のアクセントとして使ったりするのもおすすめです。
ただし、パセリに含まれるビタミンCは熱に弱いため、栄養素を壊したくない場合は、生で添える、さっと手早く加熱するなどの工夫が必要といえるでしょう。
細かくカットする
パセリは細かくカットしてサラダにトッピングする、ドレッシングに混ぜるといった使い方にも適しています。
栄養を摂取できるだけでなく、パセリの緑が加わることで見た目もきれいになるのがうれしいポイントです。
さらに、他の食材に混ぜることでパセリ特有のクセを感じにくくなる効果も期待できます。
乾燥パセリの作り方
パセリの葉を乾燥させた「乾燥パセリ」もおすすめの活用方法です。
まず、耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、よく洗ったパセリの葉をのせて電子レンジに入れます。
パセリの水分がなくなるまで加熱し、粗熱が冷めたらビニール袋に入れ、袋の上から手で揉んで粉々にします。
高温多湿の場所を避け、密閉容器に入れて約1ヵ月保存可能です。
なお、一度に長時間加熱すると焦げる恐れがあるため、乾燥具合はこまめに確認しましょう。
パセリを食べる時の注意点
栄養豊富なパセリですが、食べる際には以下のような点に注意が必要です。
- 食べ過ぎると内臓に負担がかかる
- 洗い方に注意する
食べ過ぎると内臓に負担がかかる
パセリには胃に刺激を与えるアピオールという成分が含まれており、食べすぎると吐き気などを引き起こす可能性があります。
また、アピオールには子宮を収縮させる作用もあるため、妊娠中の摂取は控えた方がよいとされています。
パセリの適切な摂取量は、1日3g程度です。
ドレッシングに混ぜたり、付け合わせに使ったりする程度であれば、過剰摂取になる心配はありませんが、胃腸の弱い方や妊娠中の方などはご注意ください。
洗い方に注意する
パセリを洗う際は、ボウルなどに水をためて茎をつかみ、葉を水に沈めて振るように洗います。
振り洗いをすることで葉の間の汚れまでしっかり落とすことができます。
ただし、水洗いをしすぎるとカリウムや鉄などのミネラルが流出してしまうため、洗いすぎにはご注意ください。
まとめ
パセリの特徴や栄養素、保存方法や効果的な摂取の仕方などについて詳しくご紹介しました。
独特の香りや味わいが特徴のパセリは、ビタミンKやC、βカロテン、カリウム、鉄などの栄養を豊富に含んでいる野菜です。
また、細かくカットしたり、乾燥させたりすることでさまざまな料理に取り入れやすくなります。
こちらの記事でご紹介した内容を参考にしていただき、ぜひ日々の食卓にパセリを活用してみてください。