あずき茶には、抗酸化作用、血糖値や脂質代謝に関わる働き、血流・血行のサポート、むくみのケアなど、健康維持に役立つさまざまな効能が期待されています。
これらの働きは、あずき茶に含まれるポリフェノールやサポニン、カリウムなどの成分が関わっています。
とくに、糖質の吸収に関わる働きを意識する場合は、食前や食事中に取り入れるのがおすすめです。
また、ノンカフェインのため、カフェインに弱い人や妊婦、子どもでも安心して飲みやすいのが特徴です。
本記事では、あずき茶に期待されている効能を成分ごとに解説するほか、自宅での簡単な作り方や飲む際の注意点についても紹介します。
あずき茶の効能を成分ごとに解説

あずき茶には、ポリフェノールをはじめ、体の健康維持に役立つ成分が豊富に含まれています。
この章では、あずき茶の効能を成分ごとに詳しく解説します。
抗酸化作用による健康維持|ポリフェノール
あずき茶には、プロシアニジンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、体の内側から健康を維持する働きが期待されています。
プロシアニジンは、リンゴやブドウ、黒豆などにも含まれるポリフェノールで、強い抗酸化作用をもつのが特徴です。
あずき茶のポリフェノールがもつ抗酸化作用には、以下のような働きがあります。
- 健康維持のサポート
体内で活性酸素が過剰に産生されると、細胞が傷つけられ、健康に影響を及ぼすことがあります。
ポリフェノールは活性酸素の影響を抑え、内側からの健康維持を助けます。 - 肝機能のサポート
肝臓での脂質の酸化を抑制し、肝機能を健やかに保つ働きが期待されています。 - 美容面での健康維持
活性酸素の影響によるシワやシミなどの肌の悩みをケアし、健康で若々しい印象を保つのに役立ちます。
食後血糖値に関わる働き|ポリフェノール
あずき茶に含まれるポリフェノールには、食後血糖値の上昇抑制に関わる働きも期待されています。
これは、あずきポリフェノールが糖分解酵素の働きを穏やかにすることによると考えられています。
食事から摂った糖質は、酵素によって分解されて吸収されます。あずきポリフェノールは、分解の過程に働きかけ、糖の吸収が穏やかになるのを助ける成分として注目されているのです。
血糖値を意識した食生活を心がけたい場合は、食前や食事中にあずき茶を飲むのがおすすめです。
血流・血行のサポート|サポニン
あずき茶には、「サポニン」という、マメ科の植物に多くみられる、苦味や渋味のある成分が含まれています。
このサポニンには、血流や血行をサポートする働きが期待されています。
一部の細胞実験では、サポニンが血管を広げる働きをもつ一酸化窒素(NO)の産生に関わり、血管の働きに影響を与える可能性が示唆されています。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/fstr/26/6/26_875/_html/-char/ja
脂質代謝に関わる働き|サポニン
あずき茶にも含まれるサポニンは、脂質代謝との関連が研究されている成分です。
複数の細胞実験や動物実験を統合して分析したレビュー論文では、サポニンについて以下のような報告があり、脂肪の吸収・蓄積・代謝に関わる過程に関与する可能性が示唆されています。
- 脂肪の消化吸収に関わる酵素(リパーゼ)の働きを阻害する可能性
- 脂肪細胞が増える過程を阻害する可能性
- 脂肪酸の合成・分解に関わる酵素(AMPK)への影響
- ラットで摂食量や体重が減少したという報告があり、食欲調節に影響する可能性
ただし、これらは基礎研究段階での知見であり、食品として摂取した場合の影響はさらなる研究が必要とされています。
参考:https://www.mdpi.com/1420-3049/21/10/1404
あずき茶は、あんこを作る際の「渋きり」で失われやすい、サポニンなどの成分も取り入れやすい飲み物です。
肉体疲労のケア|ビタミンB群
あずき茶には、肉体疲労のケアに関わるビタミンB群も含まれます。
ビタミンB群は、さまざまな酵素の働きを助ける補酵素として、エネルギー産生に欠かせない栄養素です。
あずき茶に含まれるビタミンB群の主な作用は以下のとおりです。
- ビタミンB1
糖質のエネルギー代謝をサポートし、肉体疲労のケアを助ける。 - ビタミンB2
脂質の代謝や細胞の再生に関わり、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする。 - ビタミンB6
たんぱく質やアミノ酸の代謝を助けて筋肉の材料となるアミノ酸の利用を促し、筋肉の健康維持に寄与する。 - 葉酸
ビタミンB12とともに赤血球の生成に関与し、健康な血液づくりをサポートする。
なお、あずきにはビタミンB12が含まれないため、B12を含む動物性の食品を一緒に摂ることが大切。
むくみのケア・適正な血圧維持のサポート|カリウム
あずき茶に含まれるカリウムには、むくみをケアし、血圧を適正に維持する働きが期待できます。
カリウムは、細胞内の浸透圧を正常に保ち、体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を促す栄養素です。
体内の塩分が過剰になると、濃度を下げようとして体内の組織が水分を蓄えやすくなり、これがむくみの一因となります。
同様に、血中のナトリウム濃度が高まると水分量が増え、血圧の上昇につながります。
あずき茶を飲むと、カリウムによりナトリウムの排出が促されるため、むくみの軽減や適正な血圧の維持に役立つのです。
血液の生成や骨の形成に関わる働き|鉄・銅・カルシウム
あずきには、血液の生成に関わる鉄や銅、骨の形成に欠かせないカルシウムなどが含まれます。
それぞれの働きや性質を以下にまとめます。
- 鉄
血液に含まれるヘモグロビンの成分。
ヘモグロビンは全身へ酸素を運ぶ役割があり、健康な生活の土台となる。 - 銅
ヘモグロビンの合成に関わり、鉄とともに健やかな血液づくりをサポートする。 - カルシウム
人体に最も多く存在するミネラルで、体重の1〜2%を占める。
このうち約99%が骨や歯に存在し、骨格を形成している。
鉄や銅、カルシウムは、水に溶け出しにくい性質をもちます。
成分を逃さずに取り入れるには、粉末タイプのあずき茶や、手作りで煮出した後の豆を利用するとよいでしょう。
良好な腸内環境の維持|食物繊維・オリゴ糖
あずきに含まれる食物繊維やオリゴ糖は、良好な腸内環境の維持に役立つ成分です。
あずきに多い不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増やし、排便を促す働きがあります。
また、食物繊維とオリゴ糖は腸内細菌の栄養となって善玉菌を増やし、腸内環境を整えやすくします。
食物繊維やオリゴ糖は、粉末タイプのあずき茶に多く含まれます。手作りのあずき茶なら、煮出した後の豆を食べると効率よく取り入れられます。
次の章では、豆から作るあずき茶のレシピや、煮出した豆の活用法を紹介します。
あずき茶の種類・作り方・煮出した豆の活用法

市販のあずき茶には、手軽なペットボトルやティーバッグ、栄養を逃さず摂取できる粉末などがあります。
ここからは、市販品の特徴に加え、豆から作るあずき茶のレシピや、煮出した豆の活用法を紹介します。
市販のあずき茶の種類
市販されているあずき茶は、主に3つのタイプに分けられます。
ライフスタイルや摂取したい栄養素に合わせて選ぶとよいでしょう。
- ティーバッグタイプ
焙煎したあずきを砕いてティーバッグに入れた、最も一般的なタイプ。
煮出しや水出しで手軽に利用できる。
多くの製品がノンカフェイン・ゼロカロリーのため、就寝前の飲用にも適している。 - 粉末タイプ
きな粉のように、あずきを粉末状にしたもの。
お湯や牛乳に混ぜて飲むほか、料理やスイーツにも活用できる。
抽出液に溶け出しにくい食物繊維やミネラルなどの栄養素を逃さず摂取できる。 - ペットボトル・缶
外出先でも買ってすぐに飲める、利便性に優れたタイプ。
ティーバッグや粉末タイプに比べてやや割高だが、手軽に継続したい場合や持ち運びたいシーンに適している。
豆から作るあずき茶のレシピ
あずき茶は、乾燥豆から手作りできます。
- 下準備
あずきを洗って水分を取り、乾かす。 - 焙煎(から煎り)
鍋やフライパンにあずきを入れ、中火〜弱火でから煎りする。
あずきがうっすらと色づき、香ばしくなったら火を止める。 - 煮出し
焙煎したあずきに水を加え、煮汁に色がつくまで弱火で煮出す。 - 仕上げ
ザルなどで豆を濾して完成。
手作りのあずき茶は、煮出す時間によって好みの濃さに調整できます。濃すぎると渋みが出やすいため、味を見ながら調整するとよいでしょう。
作ったあずき茶は傷みやすいため、冷蔵庫で保存し、2日以内を目安に飲み切るようにしてください。
煮出した豆の活用法
煮出した後のあずきは、お茶に溶け出しにくい食物繊維やミネラルが豊富に残っています。
おやつ代わりにそのまま食べても楽しめるほか、さまざまな料理に活用できます。
- そのままトッピングする
サラダやヨーグルト、シリアルなどに加える。
豆の食感やほのかな甘みを楽しめる。 - 料理の具材として加える
スープやカレー、煮込み料理などに加える。
くせが少ないため、幅広いメニューになじみやすい。 - ご飯と一緒に炊き込む
白米と一緒に炊き込むと、手軽にあずきご飯が楽しめる。
豆に火が通っているため、炊飯時に加えるだけでふっくらと仕上がる。
あずき茶を飲む際の注意点

健康への効能が期待でき、日常的に取り入れやすいあずき茶ですが、飲む際には注意したい点もあります。
ここからは、あずき茶を飲む際の注意点を2つ紹介します。
カリウムの過剰摂取
あずき茶にはカリウムが含まれるため、一度にたくさん飲みすぎないことが大切です。
カリウムは、体内の水分やナトリウムのバランスに関わる栄養素です。
一度に多く摂取すると、体質や体調によってはトイレの回数が増えるなどの変化を感じる場合があります。
外出時や就寝前などは、状況に合わせて飲む量を調整するとよいでしょう。
とくに腎臓に疾患があるなど、病気によりカリウムを制限している人は、主治医と相談してから利用するようにしてください。
タンニンの過剰摂取
あずき茶に含まれる、ポリフェノールの一種であるタンニンも、飲む量やタイミングに注意が必要です。
タンニンとは、茶葉や赤ワインなどに多く含まれる渋み成分です。
食事に含まれる鉄の吸収に影響を与えたり、胃を刺激したりする性質があるため、以下の点に注意するとよいでしょう。
- 食事の前後を避けて飲む
鉄の吸収への影響を抑えるため、食事中や食後すぐは避け、少し時間を空けて飲むのがおすすめ(鉄分の摂取を重視したい場合)。 - 空腹時は薄めにして飲む
胃への刺激を和らげるには、空腹時や手作りで濃く淹れた際は、薄めて飲むなどの工夫をするとよい。
飲むタイミングに関しては、糖質の吸収に関わる働きを意識するなら「食前や食事中」に、食事からの鉄分の吸収を重視するなら「食事の前後を避ける」というように、目的に応じて調整してください。
まとめ
あずき茶には、抗酸化作用のあるポリフェノールをはじめ、血行や脂質代謝に関わるサポニン、むくみケアをサポートするカリウムなどが含まれ、さまざまな健康への効能が期待されています。
手軽に飲める市販のあずき茶のほかに、乾燥豆で手作りする方法もあり、煮出した後の豆からも食物繊維やミネラルなどの成分を無駄なく摂取できます。
さらにあずき茶は、ノンカフェインでやさしい甘みがあり、子どもからお年寄りまで安心して飲みやすいのも魅力です。
ただし、カリウムやタンニンの摂取量には注意が必要です。まずは少量から始めて、適量を見つけるとよいでしょう。













