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オリーブオイルの長所は、料理のおいしさを引き出す風味だけではありません。
オリーブオイルは、健康維持に欠かせない栄養素が多く含まれ、生活習慣病の予防やアンチエイジングなどの効能が期待できます。
本記事では、オリーブオイルの効能をはじめ、栄養面で相性が良い食材なども紹介します。
食生活や健康維持を気にしている方は、ぜひ参考にしてください。
オリーブオイルの栄養素や機能性成分
オリーブオイルにはさまざまな栄養素や機能性成分が含まれており、毎日大さじ2杯ほどの量を摂るのがおすすめです。
この章では、オリーブオイルに含まれている栄養素と効能について解説します。
なお、オリーブオイルの脂肪酸組成や栄養価については、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考にしています。
オレイン酸
オレイン酸は、オリーブオイルに含まれる脂肪酸のうち70〜80%を占めている不飽和脂肪酸で、特徴や効能は下記のとおりです。
- 摂取しても血中コレステロール値を上げにくい
- 食後血糖値の急な上昇を抑える
- アンチエイジング
- 便秘の予防や解消
オレイン酸は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やしにくいため、血中コレステロール値が気になる方におすすめです。
さらに、糖質の吸収を遅らせることで、食後の血糖値の急な上昇を防ぎ、糖尿病や脂質異常などの生活習慣病の予防にもつながります。
オレイン酸には、腸を刺激してぜん動運動を促すはたらきもあり、便秘の改善にも役立ちます。
リノール酸
リノール酸は、オリーブオイルに含まれる脂肪酸のうち5〜10%ほどを占めており、コレステロール値を低下させ、食後血糖値の上昇を穏やかにしてくれる不飽和脂肪酸です。
リノール酸は体内で作れないため、食べ物からの摂取が欠かせない「必須脂肪酸」のひとつです。
リノール酸は、血中の悪玉コレステロールを減らす効果があるほか、食後血糖値の上昇を穏やかにしてくれるため、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の予防も期待できます。
不足すると皮膚障害が起こることもあり、健康維持に欠かせない栄養素です。
その他の脂肪酸
オレイン酸とリノール酸のほかに、オリーブオイルに含まれている主な脂肪酸は、以下の3つです。
- アラキドン酸
- ステアリン酸
- パルミトレイン酸
アラキドン酸は、血圧や血中コレステロール値を調整するはたらきがあり、オメガ6系の多価不飽和脂肪酸の一種です。
ステアリン酸は、血圧の上昇と血栓が作られるのを防ぐため、脳梗塞や心筋梗塞などの予防になります。
パルミトレイン酸は、悪玉コレステロールを減らしたり、血糖値を下げたりするはたらきがあります。
ビタミン
ビタミン類としては、オリーブオイルには主に、β-カロテンとビタミンEが含まれています。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養素です。
ビタミンAは、眼や皮膚・粘膜の健康維持に欠かせないほか、抗酸化作用により血中コレステロールの酸化を防ぐ作用があります。
ビタミンEは、主に細胞膜などの生体膜中で、脂質の酸化を防ぐ役割があります。
ポリフェノール
オリーブオイルに含まれているポリフェノールは、アンチエイジングや、高血圧などの生活習慣病の予防に役立ちます。
ポリフェノールは、抗酸化作用により活性酸素から体を守ってくれるほか、血流を良くすることで、冷え性や肩こりの改善も期待できます。
さらに、美肌やシワ予防などのアンチエイジング効果もあります。
オリーブオイルがもたらす効能
オリーブオイルにはさまざまな効能があり、風味を楽しむ以外に、健康維持にも役立ちます。
この章では、オリーブオイルがもたらす3つの効能について解説します。
生活習慣病の予防
オリーブオイルに含まれる脂肪酸やビタミンの摂取は、生活習慣病の予防にもなります。
悪玉コレステロールを減らしたり、高血圧や食後血糖値の急上昇を抑えたりするのに効果的です。
β-カロテンやビタミンA、ビタミンEは、優れた抗酸化作用があり、コレステロールをはじめとする脂質の酸化を防ぐことができます。
免疫力の維持
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、腸内環境の改善により、免疫力を保つはたらきがあります。
免疫細胞の7割は腸内に存在しているともいわれ、腸内環境が乱れると免疫系にも影響があります。
腸内環境によい影響を与えるオリーブオイルは、免疫力の維持にも効果的なのです。
アンチエイジング効果
オリーブオイルにはアンチエイジング効果が期待できます。
オリーブオイルに含まれているビタミンやポリフェノールには抗酸化作用があり、老化の原因にもなる活性酸素の影響を抑えます。
とくにポリフェノールは、美肌効果やシワの予防に効果的といわれている成分です。
オリーブオイルと相性が良い料理や食材
オリーブオイルは、相性の良い食材と組み合わせることで、栄養価に優れた料理となり、より高い効能をもたらします。
この章では、オリーブオイルと相性が良い料理や食材を3つ紹介します。
サラダ
サラダと組み合わせると、オリーブオイルに足りない、ビタミンCなどの水溶性ビタミンや食物繊維をしっかりと補えます。
また、サラダの材料の定番であるトマトには「リコピン」という強い抗酸化作用をもつ物質が含まれています。
リコピンは脂溶性であり、油脂と一緒に摂ると吸収率が高まるため、オリーブオイルとの相性が抜群です。
発酵食品
オリーブオイルと発酵食品は、栄養面でも相性が良い組み合わせです。中でも、納豆やキムチ、ヨーグルトなどは、安価で手軽に入手できておすすめです。
納豆に含まれているナットウキナーゼは、血液をサラサラにして血栓予防に効果があるため、オレイン酸やリノール酸と相性が良く、血中コレステロール値や血圧を気にしている方にもおすすめです。
キムチやヨーグルトには乳酸菌が含まれていて、オリーブオイルにも整腸作用があるため、便通や免疫力に対しても相乗効果を発揮してくれます。
魚介類
魚介類のなかでも、青魚には血液をサラサラにしてくれるDHAやEPAが含まれているため、オリーブオイルと一緒に摂ると、生活習慣病の予防でさらなる効能が期待できます。
DHAやEPAは青魚に多く含まれている脂肪酸で、ヒトの体内では作れない必須脂肪酸です。
オリーブオイル中のリノール酸も必須脂肪酸であり、魚介類と一緒に食べると良質な脂質が摂取できます。
オリーブオイルの使用・保管で注意すること
この章では、オリーブオイルの使用や保管についての注意点をまとめました。
オリーブオイルの効能を効果的に引き出すためにも、ぜひ参考にしてください。
とりすぎに注意する
オリーブオイルなどの油脂類はカロリーが高く、とりすぎると脂肪となって体内へ蓄積し、肥満や高血圧の原因になります。
また、油脂の摂取量が多すぎると、消化器系への負担にもなります。
オリーブオイルの1日の摂取量は、大さじ2杯ほどが適量といわれているため、とりすぎには注意しましょう。
冷暗所に保管する
オリーブオイルは光や熱に弱いので、温度が高くならない場所で、直射日光が当たらないように保管しましょう。
とくに、夏になると室内も暑くなり、鮮度が落ちる原因にもなります。
コンロなどの近くではなく、棚の中や床下収納など、暗くて涼しいところがオリーブオイルの保管場所に適しています。
新鮮なうちに使い切る
オリーブオイルは新鮮なうちに使い切らないと、酸化して風味が落ちてしまいます。
とくにエキストラバージンオリーブオイルは、古くなると風味の劣化が目立ちます。
さらに、オリーブオイルの酸化が進むほど過酸化脂質が発生するため、健康面でも悪影響があります。
オリーブオイルは新鮮なうちに使い切りましょう。
まとめ
本記事では、オリーブオイルの効能を中心に、栄養面で相性が良い食材なども紹介しました。
毎日大さじ2杯ほどの量をとるだけで、高血圧を予防したり、血中コレステロール値を適正に保ったりする効能が期待できます。
さらに、アンチエイジング効果もあり、美容の面でもメリットがある食品です。
さまざまな効能をもつオリーブオイルを、ぜひ食生活に積極的に取り入れてみましょう。