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ターメリックは、鮮やかな色合いが特徴的なスパイスの一種です。
日常的にはあまり目にしないスパイスですが、カレーのルーにターメリックは欠かせません。
また、二日酔い対策に飲む栄養ドリンクにも、ターメリックの成分が含まれています。
この記事では、ターメリックの効能を解説し、あわせてターメリックを使用したおすすめレシピを紹介します。
ターメリック(ウコン)とは?
ターメリックは、日本では「ウコン」の名前で親しまれてきたスパイスです。
まずは、ターメリックやウコンがどのようなスパイスなのか解説します。
インド料理に欠かせないスパイス
ターメリックはショウガ科に属する植物であり、根や茎を乾燥させて粉末状にしたものがスパイスとして利用されています。
インドでは、古来よりターメリックが活用されてきました。
インド料理を代表するカレーには、鮮やかな色と風味を加えるために使用されています。
さらに化粧や傷の治療、布の染料にもターメリックが使われてきました。
ウコンの種類
ウコンには数々の品種がありますが、主に春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類が知られています。
一般的にターメリック(ウコン)と呼ばれるのは、秋ウコンです。
秋に花を咲かせることから秋ウコンと呼ばれており、健康効果が注目されている成分「クルクミン」を豊富に含んでいます。
春ウコンは、ミネラルや食物繊維を多く含むものの、クルクミンの含有量は少なめです。
紫ウコンは、根の断面が淡い青紫色をしており、クルクミンをほとんど含みません。
このように、ウコンは品種によって含有成分や色などに違いが見られます。
サフランとターメリックの違い
料理を黄色く着色するスパイスとしては、ターメリックの他に「サフラン」も有名です。
このサフランとターメリックの違いは、色素成分の性質と香りにあります。
サフランの色素は水に溶けやすく、水やぬるま湯に浸けるだけで色素が抽出されます。
一方で、ターメリックの色素は油に溶けやすく、油とともに調理すると鮮やかに着色できます。
また、サフランはエキゾチックで甘い独特な香りですが、ターメリックは土を思わせる穏やかな香りです。
サフランは、収穫が手作業なうえに少量しか採れないため、高価なスパイスとして知られています。
着色が目的の場合、サフランの代わりに、比較的安価なターメリックが使われることも少なくありません。
ターメリックの効能
ターメリックは鮮やかな色に加えて、さまざまな効能も持ち合わせています。
ここからは、ターメリックの効能について詳しく解説します。
肝機能の向上
ターメリックの成分であるクルクミンには、肝臓の働きをサポートする作用があります。
肝臓の働きのひとつに、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドの分解が挙げられます。
お酒の飲みすぎで二日酔いになるのは、アセトアルデヒドが大量に生成されて、肝臓での分解が追いつかなくなるためです。
アセトアルデヒドには毒性があり、分解されずに体内にたまると、吐き気や頭痛など二日酔いの症状が現れるとされています。
ターメリックを摂取すると、クルクミンが肝臓の働きを助けてアセトアルデヒドの分解が進むため、二日酔いの防止に役立つでしょう。
こうした作用があるので、市販の二日酔い対策ドリンクにはクルクミンが配合されています。
消化促進
ターメリックを摂取すると、胃の働きが活性化されます。
胃酸の分泌が促されて、食欲増進や消化促進の効果が得られるでしょう。
ターメリックには、胆汁の分泌を促す作用もあります。
胆汁には脂肪の消化を助ける働きがあるため、脂質の分解がスムーズになる効果も期待できます。
感染症の予防
感染症の予防も、ターメリックの効能のひとつです。
ターメリックに含まれるクルクミンには抗菌作用があります。
体内に侵入した病原菌やウイルスの増殖が抑えられるため、感染症の防止に役立つでしょう。
炎症の抑制
炎症の抑制には、ターメリックの摂取が効果的です。
ターメリックの成分であるクルクミンには、歯周病菌による炎症反応や関節炎などを抑える効果があるとされています。
さらに、ターメリックに含まれる成分「ターメロノール類」は、肥満や生活習慣の乱れなどが原因でゆっくりと進行する慢性炎症を抑制することが示唆されています。
そのため、慢性炎症が原因となる生活習慣病や心血管疾患などの予防にも効果が期待できるでしょう。
美肌効果
ターメリックには、肌にシミやしわができるのを防ぐ効果があるとされています。
活性酸素の増加によりメラニン色素が過剰に生成されると、肌にシミができやすくなります。
肌にしわができるのも、活性酸素の影響で肌のコラーゲン生成が妨げられることが原因です。
ターメリックに含まれるクルクミンは、ポリフェノールの一種でもあり、活性酸素の害から体を守る抗酸化作用を備えています。
ターメリックを摂取すると、クルクミンの抗酸化作用により活性酸素が除去されて、肌にシミやしわができにくくなるでしょう。
コレステロール値の低下
ターメリックに含まれるクルクミンは、胆汁の分泌を促すことで血中のコレステロール値を低下させます。
胆汁は、コレステロールをもとに肝臓で作られます。
胆汁の分泌が促進されると、コレステロールの必要量が高まるため、コレステロール値が下がるでしょう。
ターメリックを食べすぎるとどうなる?
ターメリックを食べすぎると、胃の調子が悪くなるおそれがあります。
ターメリックには胃酸の分泌を促進する作用があるため、過剰摂取により胃痛や胸焼けの症状が現れる可能性があります。
さらに、胆汁の分泌を促すこともターメリックの作用のひとつです。
胃潰瘍、胃酸過多、胆道閉鎖症の人はターメリックの摂取を控えましょう。
ターメリックのおすすめレシピ
ターメリックの効能に期待して食事に取り入れようと思っても、使い方に困ってしまうのではないでしょうか。
そこで、ターメリックを活用したおすすめのレシピを紹介します。
ターメリックライス
- 洗って浸水させた米を炊飯器の釜に入れて、目盛まで水を加える。
- ターメリックと顆粒コンソメを加えてよく混ぜる。
- バターを加えて通常炊飯する。
- 炊き上がったら、バターがなじむように全体を混ぜる。
ターメリックを手軽に摂取するなら、ターメリックライスがおすすめです。
炊飯器で炊くだけで、鮮やかな色とバターの香りに食欲がかき立てられるターメリックライスが作れます。
カレーやシチューに添えたり、ミートソースやホワイトソースをかけてドリアにしたりするとよいでしょう。
ターメリックラテ
- 小鍋に牛乳を入れて火にかける。
- 牛乳が温まってきたら、ターメリック、シナモンパウダー、はちみつを加える。
- 沸騰させないように弱火で加熱しながら、はちみつが溶けるまでよく混ぜる。
さまざまな効能をもつターメリックを摂取できる飲み物として、ターメリックラテには近年注目が集まっています。
ターメリックと同様に、シナモンには抗酸化作用が、はちみつには抗菌作用があるとされています。
ターメリックラテを飲んでシナモンとはちみつを一緒に摂取すれば、健康への相乗効果が期待できるでしょう。
にんじんのアチャール
- にんじんをせん切りにする。
- ボウルにターメリック、酢、塩を入れてよく混ぜ合わせ、1. を加えて軽く和える。
- フライパンにサラダ油とクミンシードを入れて、香りが立つまで弱火で加熱する。
- フライパンを火からおろし、クミンシードを油ごと2. のボウルに加えてよく和える。
アチャールとは、インドで食べられている漬物風の惣菜です。
クミンはセリ科の植物であり、クミンシードと呼ばれる種子がスパイスとして利用されます。
クミンには消化を促す作用があるため、ターメリックとともに摂取すると消化促進効果が高まるでしょう。
また、にんじんには強い抗酸化作用をもつ色素成分「β-カロテン」が含まれています。
β-カロテンとターメリックを一緒に摂取できるこの料理は、美肌づくりにも役立つでしょう。
まとめ
ターメリックはインド料理に欠かせないスパイスです。
料理の色を鮮やかにするだけではなく、肝機能の向上や炎症の抑制、血中コレステロール値の低下などの効能も期待できます。
ターメリックライスやターメリックラテなどで簡単に摂取できるため、食生活に取り入れて健康増進に活かしてみましょう。