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よく冷やしたすいかは、暑い夏には欠かせない果物です。
最盛期には、糖度が高く、甘いすいかがたくさん出回りますが、カロリーはどのくらいあるのでしょうか。
この記事では、すいかのカロリーと糖質について詳しく解説し、すいかに含まれる栄養素や1日の適量も紹介します。
すいかのカロリーと糖質を他の果物と比較
すいかのカロリーは、可食部100g当たり41kcalです。
可食部とは、すいかの種と皮を除いた部分です。約5kgのすいかを1/8にカットし、さらに食べやすく1/4にカットした1切れが約100gです。
下表に、すいかのカロリーと糖質を、他の果物と比較して示します。
なお本記事では、食品の栄養価を「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より引用しています。
果物の種類 | 可食部100g当たりの含有量 | |
---|---|---|
カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
いちご | 31 | 7.1 |
すいか | 41 | 9.2 |
メロン | 45 | 9.9 |
みかん | 49 | 11.0 |
キウイフルーツ | 51 | 10.8 |
りんご(皮つき) | 56 | 14.3 |
バナナ | 93 | 21.4 |
すいかは、果物の中では比較的カロリーが低く、糖質が少ないといえます。
すいかに含まれる栄養素と機能性成分
すいかはカロリーの低い果物ですが、糖質の他にも多くの栄養素が含まれています。
この章では、すいかに含まれる栄養素と機能性成分を紹介します。
すいかに含まれる糖質以外の主な栄養素
すいか100g当たりに含まれる、糖質以外の主な栄養素を下表にまとめます。
すいかに含まれる 主な栄養素 | 可食部100g当たり 含有量 | 詳細 |
---|---|---|
β-カロテン | 830μg | カロテノイドの一種で、体内でビタミンAに変わる。 ビタミンAには、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがある。 抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素の影響を抑える。 |
ビタミンC | 10mg | 皮膚や血管を構成するコラーゲンの生成に必須の成分で、毛細血管を正常に保つ。 抗酸化作用があり、生活習慣病の予防、美肌効果などが期待できる。 |
カリウム | 120mg | 細胞内の浸透圧を正常に保つ働きがあり、体内のナトリウムの排出を促す。 むくみ改善、高血圧予防などの効果が期待できる。 |
マグネシウム | 11mg | カルシウムとともに骨や歯を形成する。筋肉の収縮や、体温・血圧の調整に関わる。 不足すると骨の形成に影響が出るほか、筋肉のけいれんをまねくことがある。 |
カルシウム | 4mg | 骨や歯を形成し、筋肉の収縮にも関わる。 不足すると、骨粗しょう症、高血圧、動脈硬化をまねくことがある。 |
食物繊維 | 0.3g | 体内で消化されない難消化性成分。 便秘改善、血糖値の上昇を抑える、コレステロールの排出を促すなどの働きがある。 |
すいかに含まれる食物繊維は、それほど多くありません。
100g当たりで比較すると、キウイフルーツは2.6g、りんご(皮つき)は1.9g、バナナは1.1gの食物繊維を含みます。
すいかに含まれる機能性成分
機能性成分とは、生命活動に必要な栄養素ではないものの、健康維持に寄与する効果が期待される成分のことです。
ここでは、すいかに含まれる「リコピン」と「シトルリン」について解説します。
リコピン
リコピンとは、すいかの赤い色素で、カロテノイドの一種です。
カロテノイドは、動植物に存在する赤色や黄色の色素で、カロテン類とキサントフィル類に大別されます。
カロテン類には、リコピンやβ-カロテンがあります。β-カロテンと違い、リコピンは体内でビタミンAに変換されないため、栄養素には分類されません。
リコピンは抗酸化作用が強く、体内での活性酸素の影響を抑えます。この作用により、生活習慣病の予防や美肌効果などが期待できます。
すいかには、生のトマトの約1.4倍のリコピンが含まれるといわれています。
シトルリン
シトルリンは、ウリ科の植物に多く含まれるアミノ酸の一種で、すいかにはとくに多く含まれます。
シトルリンはたんぱく質を構成しないアミノ酸です。血流改善、疲労回復、肌の保湿などに効果があり、「スーパーアミノ酸」ともいわれています。
ヒトの血管では、一酸化窒素という物質が産生されています。一酸化窒素には血管の筋肉を緩める働きがあり、これにより血管を拡張させ、血行を促進します。
シトルリンには、一酸化窒素の産生を促す作用があるため、血管をしなやかに保ち、血流を改善させるのです。
シトルリンは、果肉よりも果皮に多く含まれます。
すいかに含まれるシトルリンも皮に多いため、表面の硬い部分を取り除き、炒め物などに利用するとよいでしょう。
すいかはダイエットに向く果物
すいかはダイエットに向く果物です。
この章では、すいかがダイエットに向く理由を解説します。
カロリーや糖質が少ない
すいかは、果物のなかでも比較的カロリーが低く、糖質が少ないため、ダイエットに効果的です。
お腹がすいたときの間食としてすいかを選ぶと、摂取カロリーや糖質を抑えられます。
ただし、すいかだけを食べるようなカロリー制限は避けるようにしましょう。
ダイエット中は、バランスのよい食事と適度な運動を取り入れることが大切です。
水分が多く満腹感を得られる
すいかは水分が多く、満腹感が得られやすい果物です。
すいかは、重量の約90%が水分です。
水分の多い食材は少量でも満足しやすいので、ダイエットに役立ちます。
むくみを解消できる
すいかに含まれるカリウムとシトルリンの作用により、むくみが解消されます。
塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、ナトリウム濃度を薄めるために、体内の組織が水分を多く抱え込みます。この状態がむくみの原因のひとつです。
カリウムには、細胞内の浸透圧を正常に保つ作用があり、余分なナトリウムの排出を促します。
また、シトルリンの血流改善効果により、足のむくみが改善されたという報告もあります。
すいかは、余分なナトリウムの排出を促すカリウムと、血行を促進させるシトルリンを含むため、むくみ解消に効果的です。
アンチエイジング効果が期待できる
ダイエット中にすいかを食べると、アンチエイジング効果が期待できます。
カロリー制限が必要なダイエット中は、栄養素が不足し、肌荒れを起こしたり疲れやすくなったりしがちです。
すいかに含まれるβ-カロテンとリコピンには抗酸化作用があり、体内で活性酸素の悪影響を防ぎます。
また、シトルリンには血流改善や疲労回復などの効果があるため、健康的にダイエットができます。
シトルリンは果皮に多く含まれるので、すいかの白い部分を調理に使うと、より効果がアップします。
ダイエットに効果的なすいかの食べ方
すいかは、比較的低カロリーで糖質が少ないため、ダイエットに効果的です。
この章では、すいかの1日の適量や、食べるタイミングについて解説します。
すいかは1日200g(1~2切れ)まで
すいかの1日の適量は、200g(1〜2切れ)までです。
すいかは低カロリーですが、食べすぎれば糖質の摂りすぎにつながります。
また、冷やして食べることが多いので、たくさん食べると体を冷やしすぎてしまうこともあります。
すいかに限らず、ビタミンやミネラルを豊富に含む果物は、毎日の食事に取り入れたい食品ですが、1日の適量に気を付けながら摂取しましょう。
厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド(PDF)」に、1日の果物の適量が示されています。
他の果物と組み合わせる場合は、すいかの量も減らすようにしましょう。
デザートや間食としてお菓子の代わりに食べる
デザートや間食として、お菓子の代わりにすいかを食べると、ダイエットに効果的です。
菓子類には、糖質だけでなく、脂質も多く含まれているものがあります。
たまに食べるのはいいですが、毎日のようにお菓子を食べていると、カロリー過多になりがちです。
すいかなどの果物は、菓子類に比べて糖質が少なく、脂質はごくわずかしか含まれず、低カロリーです。
たとえば、すいかとアイスクリームを比較すると、カロリーはおおよそ以下のようになります。
- すいか(200g):82kcal
- アイスクリーム(1個):200~400kcal
菓子類は高カロリーのものが多いため、ダイエット中は食べすぎないようにしましょう。
間食のときに、お菓子の代わりにすいかを食べると、カロリーが抑えられます。
まとめ
すいかは他の果物と比べてカロリーが低く、糖質も少ないため、ダイエットに向く果物です。
また、β-カロテンやカリウム、リコピンなど、健康や美容によい成分を豊富に含みます。
しかし、いくら低カロリーでも、食べすぎればカロリー過多になってしまいます。
すいかは1日200gまでが適量です。ダイエット中は、バランスのよい食事と組み合わせて、適量を取り入れるようにしてください。