椿の季節はいつ?開花時期や種類・着物の着用時期を詳しく解説

椿の季節はいつ?開花時期や種類・着物の着用時期を詳しく解説

古くから日本人に愛されてきた椿。

どの季節に咲くのか、気になったことはありませんか?

椿の種類や品種ごとの開花時期、椿柄の着物の着用時期などについてしっかりと解説します。

この記事では、日本有数の観光地である古都・京都のお土産品として人気の高いお菓子や雑貨類をご紹介します。

椿はどんな植物?特徴や種類をチェック

椿はどんな植物?特徴や種類をチェック

椿は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹です。

お椀型の赤い花びらと円柱状の雄しべの先に黄色い葯(やく)という見た目が一般的ですが、品種によってはこの特徴にまったくあてはまらないこともあります。

日本原産で、日本に自生している椿はヤブツバキ(藪椿)、ユキツバキ(雪椿)、ユキバタツバキ(雪端椿)の3種。

18世紀にイエズス会の修道士カメルによってヨーロッパに紹介されると人気を博し、カメルの名からCamelliaと英語名がつけられました。

徳川二代将軍・秀忠は椿をとても好んだことで「寛永の椿」という一大ブームが巻き起こったほどです。

花の色

椿の花びらの色は赤・白・ピンクが多く、黄・紫・黒などの変わった色も

斑(ふ)という白いまだら模様が入ったものや、絞りという赤色やピンク色の模様が入ったものもあります。

花の大きさ

花の直径によって小さい方から順に、極小輪(ごくしょうりん)、小輪、中輪(ちゅうりん)、大輪(たいりん)、極大輪と呼びます

咲き方

花の形や見た目などの咲き方もさまざまです。

名称特徴
一重咲き花弁が8枚までのもの
八重咲き花弁が9枚以上のもの
猪口(ちょこ)咲き極小輪の花のこと
筒咲き花弁がV字形以上には開かないもの
ラッパ咲き花弁が外側に反るもの
抱え咲き花弁が内側に反り、雄しべを抱えるように咲くもの
椀咲き花底が丸く、お椀のような形をしたもの
平開咲き花底が丸まらず、平たく全開するもの
蓮華咲き花弁と花弁の間に隙間があり、立体的に開くもの
千重(せんえ)咲き花弁が中心部まで多数重なり、雄しべが見えないまたはないもの
二段咲き雄しべの一部が花弁に変化し、中心にもう一段花が咲いたように見えるもの

一重咲き・猪口咲き・椀咲きなどひとつの品種で複数の特徴を持つことが多く、咲き方の組み合わせで多種多様な表情を見せてくれます

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椿が見頃の季節

椿が見頃の季節

椿の開花時期や品種による季節の違いを見ていきましょう。

椿は秋から春にかけて咲く

椿の花が咲く季節は品種によって違い、

  • 9月~11月に咲く早咲き
  • 12月~2月に咲く冬咲き
  • 3月~5月に咲く春咲き

の3つに分けられます。

原種であり見かけることも多いヤブツバキは12月~4月頃に花開きます。

椿園や植物園などさまざまな品種の椿を植えているところでは、秋から春までいろいろな椿が代わる代わる花を咲かせることも。

季節をまたいで長く楽しめることも椿の魅力です。

椿は春の季語

俳句や連歌では、椿は三春を表す春の季語とされています。

三春(さんしゅん)とは初春(旧暦1月)・仲春(旧暦2月)・晩春(旧暦3月)の総称で、現在の暦では2月~4月にあたります。

冬から春へ移り変わる時期ということもあり、人によって椿が冬の花だったり春の花だったりするというイメージにも納得です。

品種ごとの開花時期

椿の品種数は日本だけで2400種、世界中では2万種を超えるといわれています。

ここで紹介するのはごく一部ですが、特徴も開花時期も品種によってまちまちであることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

藪椿(ヤブツバキ)

ヤブツバキは園芸品種の元となった原種の椿で、九州・四国をふくむ西日本全域と東日本の温暖な地域に生息しています。

開花時期12月~4月頃
花弁の色
咲き方一重咲き・やや筒咲き

雪椿(ユキツバキ)

ヤブツバキが寒い地域に適応したものと考えられており、東北地方から北陸地方の日本海側に生息しています。

雪解けにあわせて開花するため、開花時期が遅いのが特徴です。

開花時期4月~6月頃
花弁の色
咲き方一重咲き・やや平開咲き

雪端椿(ユキバタツバキ)

ヤブツバキとユキツバキの中間種とされ、それぞれの分布域の中間に生息しています。

花弁の色や咲き方に変化が出やすく、自生しているものでもさまざまな花を咲かせることがあります。

開花時期4月~5月頃
花弁の色赤・ピンク・白
咲き方一重咲きまたは八重咲き・筒咲き~やや平開咲き

曙(アケボノ)

曙はヤブツバキ系の園芸品種。

ごく淡い薄桃色が優しい雰囲気を持つ、大輪の椿です。

開花時期11月~4月頃
花弁の色薄桃色
咲き方一重咲き・椀咲き~抱え咲き

旭鶴(アサヒヅル)

雄しべが梅芯(ばいしん)という散開した形状になっているのが特徴。

雄しべの存在感が大きく、派手な印象を受けます。

開花時期3月~4月頃
花弁の色赤色に白斑
咲き方一重咲き・平開咲き・梅芯

乙女椿(オトメツバキ)

澄んだピンク色の花弁がバラのように幾重にも重なり、可憐な雰囲気を持つ品種。

見た目がかわいく育てやすいため、人気の品種です。

開花時期2月~5月頃
花弁の色ピンク
咲き方千重咲き

寒椿(カンツバキ)

カンツバキは、ツバキとサザンカが自然に交わってできた交雑種とされています。

花弁の先に浅い裂け目があり、波打ったようなひらひらとした形状が特徴です。

開花時期12月~3月頃
花弁の色ピンク・赤
咲き方八重咲き

金魚椿(キンギョツバキ)/ 錦魚葉椿(キンギョバツバキ)

葉の先が金魚の尾びれのように割れたり変形したりしている変わった品種です。

金魚葉は他にも種類があり、黒獅子錦魚葉椿や白金魚葉椿などの品種があります。

開花時期3月~4月頃
花弁の色
咲き方一重咲き・筒咲き~平開咲き

胡蝶侘助(コチョウワビスケ)

一重咲きの小ぶりな品種を「侘助(ワビスケ)」といい、胡蝶侘助は侘助から派生した品種です。

侘助系は控えめな美しさが茶人にとくに好まれ、千利休も愛でたという話が有名です。

開花時期2月~4月頃
花弁の色ピンクに白斑
咲き方一重咲き・猪口咲き

玉の浦(タマノウラ)

赤い花びらのふちに白くぼかしたような覆輪という模様が特徴の玉の浦。

長崎県五島列島に突然変異で自生していたのを偶然発見され、世界的な名花にまでなりました。

開花時期1月~4月頃
花弁の色赤地に白い覆輪
咲き方一重咲・筒咲き~ラッパ咲き

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椿の着物の着用時期

椿の着物の着用時期

椿柄の着物をどの季節に着るのが好ましいのかは、着用するシーンによって異なります。

椿の着物は冬以外に着てもOK

椿柄の着物や和服は一般的に冬の柄とされ、季節感を出すためにも冬に着用する人が多いです。

ですが冬以外に着てはいけないというルールはなく、日常生活やカジュアルな場であれば夏に椿の着物を着ても問題ありません

とくにデフォルメされた椿柄やパターン化された椿文様などは通年で着るのに向いています。

茶道や茶席での着物のルールはより厳格

茶席の場で着用する着物のルールやマナーは細かく、季節外れの花の柄は避けるべき。

また、茶席には季節の花(茶花)が添えられていて、冬の花といえばまず椿が選ばれます。

茶花と着物の柄が被るのも好ましくありません。

ただし、着物での季節感の先取りはおしゃれとされているので、椿の着物を着るなら茶花に椿が出る前、椿が花開く前に着ていくのがおすすめです。

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椿にそっくりのナツツバキとサザンカ

椿にそっくりのナツツバキとサザンカ

椿と似ているナツツバキとサザンカですが、明確な違いや見分け方があります。

ナツツバキは椿ではない

ナツツバキという木も椿の品種のひとつかと思いきや、じつは椿とは全く別の植物。

ナツツバキはツバキ科ナツツバキ属の落葉樹で、別名をシャラノキやサラノキ、シャラなどといいます。

椿に似た白い花を咲かせることと、仏教の聖樹の沙羅双樹に似ているのが名前と別名の由来です。

お受験にも出る椿とサザンカの違い

狭義で「椿」というとサザンカ(山茶花)もふくめるほど、見た目が酷似している椿とサザンカ。

両者の違いや見分け方が小学校・中学校受験の問題として出ることもあります。

椿(ここではヤブツバキに限定)とサザンカを見分けるポイントを見てみましょう。

見分けるポイント椿サザンカ
花の散り方花が丸ごとボトッと落ちる花びらが1枚ずつ散る
咲き方お椀型に丸く咲く平たく平開して咲く
開花時期12月~4月頃10月~3月頃
葉のふちのギザギザが浅いギザギザがハッキリしている
葉柄(葉と茎をつなぐ細い枝の部分)毛が生えていない毛が生えている

一番わかりやすいのは散り方で、サザンカは花びらがハラハラと一枚ずつ散っていくのに対し、椿は花が付け根からそのままボトッと落ちます

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まとめ

椿の開花時期はヤブツバキが12月~4月頃、品種によっては9月~5月頃と幅広く、秋から春まで長く楽しむことができます

古来から愛されているだけあって品種も多く、奥深い魅力を持つ椿。

見かけたらじっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。

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