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納豆は、スーパーフードとも呼ばれる栄養価の高い食品です。
大豆や発酵食品の豊富な栄養を摂取でき、さまざまな成分による多くの効果・効能が期待できます。
この記事では、納豆に期待されている効果・効能とともに、納豆に含まれる栄養素や特徴的な成分、健康や美容に効果的な食べ方を解説します。
納豆に期待できる効果・効能
納豆には、良質なたんぱく質やビタミン・ミネラルなど、さまざまな栄養素が含まれ、健康や美容への働きも多岐にわたります。
まずは、納豆に期待できる効果や効能を解説します。
栄養補助
納豆は、栄養価が高いことで知られ、スーパーフードとも呼ばれています。
大豆に含まれる栄養素が摂取できるだけでなく、発酵の過程で生まれる成分の働きも得られます。
食生活で不足しがちな栄養素を含むことから、普段の栄養不足が気になるときに献立に加えるのもよいでしょう。
しかし、全ての栄養素をもれなく含んでいるわけではないため、納豆だけに頼らないことも大切です。
免疫力アップ・腸内環境改善効果
免疫力を高める方法のひとつに、腸内環境を整えることがあります。
発酵食品は、腸内環境を整えるのに役立つため、納豆を食べると免疫力アップが期待できるでしょう。
また、食物繊維も、便秘解消や腸内環境の向上に役立つ食品成分です。
納豆は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含むことからも、腸内環境の改善がより期待できます。
ダイエット効果
納豆は比較的低カロリーで、たんぱく質や食物繊維を含み、その他の栄養素も豊富なことから、ダイエット効果が期待できます。
腸内環境の改善効果も含め、便秘解消に役立つこともダイエットに有用な理由のひとつです。
食物繊維により食後の満腹感も得やすいため、食べ過ぎ防止にも効果的です。
ただし、納豆にもカロリーや脂質が含まれるため、食べ過ぎると逆効果にもなります。
カロリーや脂質が過剰にならないよう、適度な分量を食べるようにしましょう。
骨粗しょう症の予防
骨粗しょう症の予防に役立つ栄養素として、カルシウム・ビタミンK・ビタミンDの摂取が推奨されています。
納豆は、カルシウムとビタミンKが含まれており、とくにビタミンKを多く含むことから、骨粗しょう症の予防に役立つ食品として勧められています。
納豆にはビタミンDが含まれていないため、ビタミンDを含む魚や鶏卵などと一緒に食べると、より効果が期待できるでしょう。
血液サラサラ効果
納豆に含まれるナットウキナーゼには、血液をサラサラにする効果が期待されています。
ナットウキナーゼは、血栓を予防する働きが研究されていますが、十分には有効性が解明されていないため、日常の健康維持の範囲で活用するのがおすすめです。
また、血栓の形成を防ぐ作用のある薬の服用中は、納豆に含まれるビタミンKが薬の働きを弱めるため、納豆の摂取を控えることが一般的に指導されています。
そのため、自身の体調や体質に合わせて摂り入れることが大切です。
美肌・美髪を作る働き
納豆には、美髪や薄毛対策に役立つたんぱく質やビタミンB群、ビタミンE、亜鉛、鉄などが含まれています。
美肌に良いとされるビタミンB2は、とくに豊富です。
また、「大豆イソフラボン」は女性ホルモンに似た働きがあり、女性の美肌や薄毛対策に効果的といわれています。
心の安定作用
納豆には、必須アミノ酸であるトリプトファンが豊富です。
トリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌に必要なため、納豆による心の安定作用が期待できます。
セロトニンは神経伝達物質のひとつであり、分泌が減少すると、不安になったり、攻撃的になったりするといわれています。
納豆の効果・効能に関わる栄養素や成分
先述したように、納豆にはさまざまな働きが期待されていますが、その主な理由は含まれる栄養素にあります。
ここでは、納豆の栄養素や特徴的な成分とともに、食事制限中に気になるカロリーと糖質量もまとめます。
納豆に含まれる栄養素
納豆には五大栄養素である、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルがバランス良く含まれており、栄養価が高い食品です。
下記は、納豆に含まれる主な栄養素です。
- 炭水化物
- たんぱく質
- 脂質
- ビタミンK・B1・B2・B6・E、葉酸
- 鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅
- 食物繊維
納豆は、植物性の食品ながら、必須アミノ酸を多く含む良質なたんぱく質を摂取できます。
たんぱく質が十分な必須アミノ酸を含んでいるかは、100点満点の「アミノ酸スコア」で表されます。納豆の元となる大豆のアミノ酸スコアは100で、とても良質なたんぱく質を含んでいるのです。
納豆に含まれる特徴的な成分
納豆や大豆には、下記のような特徴的な成分が含まれています。
- ナットウキナーゼ
- 大豆イソフラボン
- 納豆菌
- サポニン
- レシチン
- ポリアミン
ナットウキナーゼは、納豆菌で大豆を発酵させる際に作られるたんぱく質分解酵素で、納豆のネバネバした部分に含まれている成分です。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンのような働きをする、大豆の胚芽部分にとくに多く含まれる成分です。
原料の大豆より含有量がやや減少するものの、納豆にも大豆イソフラボンが比較的多く含まれています。
納豆菌は納豆作りに欠かせない菌で、納豆菌による腸内環境の改善効果も注目されています。
サポニンは、大豆などのマメ科植物にとくに多く含まれる界面活性作用をもつ成分で、抗酸化作用などが期待されています。
レシチンは「リン脂質」という脂質の一種で、生活習慣病の予防に役立つ成分です。
情報伝達にも関わる成分であることから、記憶力を高める効果で注目されることもあります。
ポリアミンは生物の体内にある成分で、大豆にも多く含まれることが知られています。
抗酸化作用や炎症の抑制などの働きがあるとされる成分です。
納豆のカロリーと糖質量
健康や美容を意識した食生活では、カロリーや糖質の量を調整することも多いため、納豆の数値も把握しておくと役立つでしょう。
納豆は1パックあたり、30g~50gと製品によって容量が異なります。厳密な調整が必要なときには、個々の製品の表示を確認しましょう。
重量別に、納豆(糸引き納豆)のカロリーと糖質量を表にまとめています。
納豆の量 | カロリー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
100g | 184 | 2.6 |
50g | 92 | 1.3 |
40g | 74 | 1.0 |
30g | 55 | 0.7 |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を元に計算
健康・美容に効果的な納豆の食べ方
納豆のさまざまな効果・効能をうまく活用するには、適量を守ったり、ほかの食材と組み合わせたりすることも重要です。
ここでは、納豆を健康や美容により活かすための、効果的な食べ方のコツを紹介します。
ほかの食材と栄養を補い合う
栄養価が高い納豆ですが、ビタミンDが含まれない、ビタミンCの含有量が少ないなど、不足する栄養素もあります。
例えば、納豆のビタミンCは、みかんの1/10程度しか含まれていません。
栄養バランスの良い食事にするには、納豆以外の食材も組み合わせた献立がポイントです。
ダイエットに取り組む際なども、納豆だけに頼らず、バランスの良い食事メニューを心がけましょう。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
毎日納豆を食べるなら適量を守る
納豆は、食べれば食べるほど効果が期待できるわけではありません。食べ過ぎると、カロリー過多や体調不良などのデメリットにつながることがあります。
毎日食べ続ける場合には、1日の適量を守るようにしましょう。
納豆は、食事バランスガイドでは主菜にあたります。主菜の1日の目安量は3~5つとなり、納豆1パックは1つ分にあたります。
栄養素をバランス良く摂取するためにも、肉や魚、卵などの主菜も食べながら、納豆は1日に1パックまでにするのがおすすめです。
まとめ
納豆は栄養価に優れ、腸内環境を整えたり、骨粗しょう症の予防につながったりと、さまざまな効果・効能が期待できる食品です。
食べる際には、薬とビタミンKの関係や、食べ過ぎなどに注意しましょう。
納豆をより効果的に摂り入れるためには、食事のバランスに気を配ることもポイントです。
自身の体調や体質に合わせた効果的な食べ方、おいしい食べ方を見つけて、納豆を上手に健康や美容に活かしてみましょう。