目次
スーパーの鮮魚コーナーでよく目にするヒラメとカレイ。
名前だけではなく味わいや見た目などにも違いがありますが、それぞれの違いをはっきりと理解している方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、ヒラメとカレイの違いを詳しく紹介します。
さばき方とおすすめレシピも紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
ヒラメとカレイの違い

ヒラメとカレイには、それぞれ以下のような違いがあります。
- 見た目
- 価格
- 味わい
- 食感
項目ごとにヒラメとカレイの違いを詳しく紹介していきます。
見た目
ヒラメとカレイは似たような見た目をしていますが、目や口、顔の向きなどに違いがあります。
ヒラメとカレイの見た目の違いは、以下の通りです。
ヒラメ | カレイ | |
---|---|---|
顔の向き | 目を上にした時に 左向き(例外有) | 目を上にした時に 右向き |
目 | 平たい目 | 出目 |
口 | カレイに比べて大きい | おちょぼ口 |
目を上にした時に左を向いているのがヒラメで、右を向いているのがカレイという見分け方が知られていますが、ヒラメの中には右向きの種類も存在します。
見た目で見分ける際は、口の形も合わせて確認するとより確実です。
価格
ヒラメとカレイは価格にも違いがあります。
一般的にヒラメは高級魚、カレイは大衆魚といわれており、1枚当たりの価格はヒラメの方が高いことがほとんどです。
見た目が似ているのに、価格に差があるのはそれぞれの漁獲量に原因があります。
ヒラメはカレイと比べて漁獲量が少なく、希少価値が高いことから価格が高く設定されているのです。
令和2年度の統計では、カレイの方がヒラメの約6倍以上の漁獲量がありました。
味わい
ヒラメとカレイはどちらも白身魚ですが、味わいは異なります。
ヒラメは癖が少なくさっぱりとした上品な旨味があり、カレイは脂のりが良く、ややコクがある味わいです。
ヒラメは刺身やムニエル、カレイは煮付けや唐揚げなどの調理法が良く合います。
食感
ヒラメは生だとコリコリとした歯ごたえがあり、加熱するとふんわりとした食感へと変化します。
身が引き締まっているため、加熱調理でも生のままでも美味しく食べることが可能です。
カレイは、ふんわりと柔らかな食感をしています。
身が柔らかいため、刺身などの生食には向いておらず、揚げ物や煮付けといった加熱調理が一般的です。
ヒラメとカレイの見分け方

ヒラメとカレイは平べったい点など共通点が多くよく似ていますが、細部を比べれば見分けることは簡単です。
ここではヒラメとカレイの特徴をそれぞれ紹介します。
ヒラメの詳細な特徴
ヒラメの主な特徴は、以下の通りです。
- 口が大きく鋭い歯が生えている
- 横から見たときに目が出っ張っておらず平たい
- 黒目の上部が凹んでおりハート型に見える
- 沖縄を除く日本各地の沿岸の水深20~200m前後に生息している
- 最大80cm~1m前後まで成長する
- 砂泥底を好む
- 捕食時には全身を使って泳いで餌を追いかける
- 周囲の色に合わせて体の色を変えられる
カレイとヒラメは見た目だけではなく、生態にも違いがあります。
ヒラメの口が大きく発達しているのは、イワシやアジなどの小魚や甲殻類を主食としているためです。
カレイの詳細な特徴
カレイの主な特徴は以下の通りです。
- おちょぼ口
- 目が飛び出している
- 表面は茶褐色で裏側は白色
- 目を上にしたとき顔が右を向いている
- 海の中では砂の中に潜っている
- おとなしい性格
- 日本近海だけでも40種類以上いる
カレイの口がヒラメと比べて小さいのは、砂の中に生息するゴカイ類や小エビを主食としているからです。
自らエサとなる生物を襲って捕食することはなく、砂の中でほとんど動かずに過ごしています。
カレイの身がヒラメと比べて柔らかいのは、運動量が関係しており、俊敏に泳いだり獲物を追いかけまわしたりしないため、ヒラメのように筋肉が発達していません。
ヒラメとカレイのさばき方

ヒラメとカレイはどちらも同じ手順でさばけます。
さばき方には3枚おろしと5枚おろしの2種類の方法がありますが、5枚おろしの方が簡単です。
ここでは5枚おろしの手順を紹介します。
- ヒラメ・カレイをまな板の上に置き、包丁でうろことぬめりをこすり取る
- 裏返して反対の面も同様にうろことぬめりを取り除いて流水で洗う
- 頭を落とし、内臓を取り除く
- うろこと血合いを水で流して水気を拭き取る
- 背身と腹身の境目に切れ目を入れる
- 尾の付け根にも切れ目を入れる
- 背びれに沿って少しずつ包丁を入れる
- 背骨側から包丁を入れる
- 反対の面も同様に背びれと背骨側から包丁を入れておろす
ポイントは焦らずゆっくりと包丁を入れることです。
ヒラメのおすすめレシピ

ヒラメのおすすめレシピを2つ紹介します。
どちらも簡単に作れるレシピなので、ヒラメの食べ方で迷った際はぜひ挑戦してみてください。
ヒラメのカルパッチョ
ヒラメの刺身で作るカルパッチョのレシピです。
材料(2人分)
- ヒラメ(刺身) 2人分
- バジル 10枚
- オリーブオイル 大さじ2
- レモン汁 小さじ1
- 塩 少々
- コショウ 少々
- 醤油 小さじ1
作り方
- ヒラメを薄く削ぎ切りにして器に盛り付ける
- バジルを洗ってザルに上げ、水気を切ってから器に盛り付ける
- ボウルにオリーブオイルとレモン汁、塩、コショウ、醤油を入れて混ぜ合わせ、ドレッシングを作る
- ドレッシングを全体に回しかけて完成
バジルはベビーリーフでも代用できます。
よりボリュームを出したい時は、ミニトマトやレタス、豆苗などを加えてみてください。
ヒラメの唐揚げ
白身魚が苦手な方でも美味しく食べられるヒラメの唐揚げのレシピです。
材料(2人分)
- ヒラメ 1枚
- 塩 少々
- コショウ 少々
- 酒 大さじ1
- 片栗粉 大さじ2
- 揚げ油 適量
作り方
- ヒラメの下処理をして一口大にカットする
- ヒラメに塩とコショウ、酒を振りかけて10~15分寝かせる
- キッチンペーパーで表面の水分を拭き取り片栗粉をまぶす
- 鍋の底から2cmほど油を入れて火にかける
- 油の温度が170℃に達したらヒラメを入れ、しっかりと火が通るまで揚げる
- 中まで火が通り表面がきつね色になったら完成
ヒラメは時間をかけてしっかりと揚げれば、骨まで食べられます。
骨付きのまま唐揚げにする際は、揚げ時間を調整してください。
カレイのおすすめレシピ

カレイを使った定番のレシピを紹介します。
カレイの調理方法で迷った際はぜひ挑戦してみてください。
カレイのムニエル
少ない手順で簡単に作れるカレイのムニエルのレシピを紹介します。
材料(2人分)
- カレイの切り身 2切れ
- 塩 少々
- コショウ 少々
- 薄力粉 適量
- オリーブオイル 大さじ1
- バター(有塩) 20g
作り方
- カレイの水気をキッチンペーパーで拭き取り、塩とコショウ、薄力粉をまぶす
- フライパンにオリーブオイルを引き、バターを加えて中火にかける
- バターが溶けたらフライパンにカレイを入れ、中火で片面2~4分ほど焼く
- しっかりと焼き色が付いたら裏返して再度2~4分ほど焼く
カレイのサイズに合わせて加熱時間は調整してください。
付け合わせの野菜には、ミニトマトやニンジン、ブロッコリー、ベビーリーフなどがおすすめです。
カレイの煮付け
ごはんのおかずに最適なカレイの煮付けのレシピを紹介します。
調理にかかる時間は煮込み時間を含めても50分ほどです。
材料(2人分)
- カレイの切り身 2切れ
- 生姜 1かけ
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
- 醤油 大さじ3
- 水 200cc
- 塩 少々
作り方
- カレイに塩を振り、10~15分置く
- 生姜を薄切りにする
- ザルにカレイを載せて表面が白くなるまで90~95℃の熱湯を回しかける
- 冷水に取って表面のぬめりを取り除いてから表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る
- フライパンに薄切りにした生姜と酒、みりん、砂糖、醤油、水を入れ中火にかける
- 沸騰したらカレイを入れ落し蓋をしてから15分~20分煮る
- 器に盛り付けて完成
煮る際はカレイの切り身同士が重ならないよう位置に注意しましょう。
まとめ
ヒラメとカレイの違いを紹介しました。
ヒラメの特徴は口が大きく、鋭い歯が生えていることで、カレイの特徴は目が飛び出しており、おちょぼ口なことです。
ヒラメとカレイの違いを、顔の向きだと認識している方は多いですが、一部のヒラメはカレイと同じく右を向いています。
ヒラメかカレイかを見分けたい時は、顔の向きと合わせて口の形を確認すると確実です。
食べ方で迷った際は、ぜひ本記事で紹介したレシピを試してみてください。