目次
群馬県は、古くから水はけの良い土地と豊富な水資源を活かした農業が盛んで、独自の食文化が発展してきました。
そのような群馬県には、小麦粉を使った「粉もの」をはじめ、地元の食材を活かした多彩なご当地グルメが多くあります。
今回は、群馬を訪れたら絶対に食べてほしい名物料理から、B級グルメまで幅広くご紹介します。
群馬ご当地グルメ3選【うどん編】
群馬県は全国有数の小麦の産地として知られ、その特徴を活かした個性豊かなうどん文化が発展してきました。
群馬県で有名なご当地うどんを紹介します。
ひもかわうどん

ひもかわうどんは、群馬県桐生地域の郷土料理です。
ひもかわうどんの特徴は独特な麺の形状にあります。
通常のうどんと比べて極めて薄く、厚みはわずか1mmほどしかありません。幅は店によって1.5cmから10cm以上までさまざまです。
薄くて幅広い麺は、つるっとした口当たりともちもちとした食感で、独特の食感と喉ごしです。
つけ汁で食べるのが一般的ですが、カレーやごまだれなど、店舗ごとにさまざまな味付けを楽しめます。
水沢うどん

水沢うどんは「秋田の稲庭」「香川の讃岐」と並び、日本三大うどんのひとつに数えられる、群馬県の名物です。
飛鳥時代に水澤寺の創建に尽力した高麗からの渡来僧が、製法を伝授したとされています。
小麦にこだわり、清らかな水と塩だけで丹念に練り上げられた水沢うどんは、透明感のある艶としっかりとしたコシが特徴です。
つるつるとした喉ごしの良さも魅力でしょう。
伊香保温泉エリアにある水澤寺の門前では、水沢うどんを提供する老舗店が立ち並び、訪れる人々を楽しませています。
おっきりこみ

おっきりこみは、幅広に打った小麦の麺を野菜と一緒に煮込んだ、群馬県を代表する郷土料理です。
地元では家庭の味として親しまれ、特に冬の寒い季節に欠かせない存在です。
具材には、ごぼう、にんじん、大根、里芋、しいたけ、油揚げなどが用いられ、それぞれの素材が持つ風味が料理全体を引き立てます。
野菜の甘みやだしの深い旨味がしっかりと麺に染み込み、一口ごとに滋味深い味わいが広がります。
寒さが厳しい時期に体を芯から温めてくれるおっきりこみは、多くの家庭や飲食店で楽しまれています。
その素朴で温かみのある味わいは、地元の人々だけでなく訪れた観光客にも人気です。
群馬ご当地グルメ3選【B級グルメ編】
群馬には地域ごとに特色ある名物料理があり、それぞれがB級グルメとして人気を集めています。
中でもおすすめのグルメを3つ紹介します。
上州太田焼そば

上州太田焼そばは、群馬県太田市の名物料理として知られています。
高度経済成長期に、出稼ぎで集まった東北出身者によってもたらされたとされるこの料理は、麺がのびにくいのが特徴で、手軽に食べられることから工場で働く人々に好まれました。
特徴的な太麺に各店独自のブレンドソースが絡み合い、キャベツの甘みと麺本来の小麦の味が見事に調和しています。
キャベツ、青のり、紅ショウガというシンプルな具材の組み合わせですが、各店こだわりのソースを使用し、独自の味を競い合っています。
現在では太田市が誇るご当地グルメとして定着し、市内には約80店もの焼きそば店が存在します。
高崎パスタ

高崎パスタは、群馬県高崎市で生まれた独自のパスタ文化です。
最大の特徴はそのボリューム感で、一般的なパスタの1.5〜2倍の量が提供されます。
群馬県が全国有数の小麦の産地であることを活かし、地元産の新鮮な野菜や魚介、上州産の豚肉などを使った創作パスタが多いのも特徴です。
高崎パスタは、1968年に登場した洋食店「ジャンゴ」から始まりました。
その後、日本初のスープスパゲッティや、とんかつをのせたパスタなど革新的なメニューを生み出してきました。
現在では「キングオブパスタ」というイベントも開催され、地域の新しい食文化として定着しています。
ソースカツ丼

群馬で「カツ丼」といえば「ソースカツ丼」を指します。
一般的なカツ丼とは異なり、卵でとじていないのが特徴で、サクサクの衣に甘めのソースが絡んだカツを、ご飯の上にシンプルに盛り付けた一品です。
衣はサクサクとした食感を保ちながら、特製のソースが染み込んでいて、カツのやわらかさとソースの甘じょっぱさが絶妙なバランスが楽しめます。
各店でソースや揚げ方にこだわりがあり、食べ比べを楽しむファンも多いご当地グルメです。
群馬ご当地グルメ2選【駅弁編】
群馬の駅弁は地元の食材を贅沢に使い、容器にもこだわった逸品が揃っています。
群馬県に行ったらぜひ食べてほしい駅弁を紹介します。
峠の釜めし

峠の釜めしは、群馬県安中市の「おぎのや」が製造・販売する名物駅弁です。
益子焼の土釜で炊かれた薄い醤油味の炊き込みご飯は、お米一粒一粒にだしの旨味が染み込み、優しくも奥深い風味が口いっぱいに広がります。
その上に彩りよく盛られた筍、こんにゃく、栗、ごぼう、鶏肉などの具材は、それぞれが丁寧に調理され、お互いの味を引き立て合う絶妙な組み合わせです。
1958年の発売以来、変わらぬ製法と味で多くのファンを魅了し続け、「日本随一の人気駅弁」と評価されています。
土釜の温もりで最後まで温かく楽しめる上、食べ終わった後は貯金箱として再利用できるなど、食事以外の楽しみも提供してくれる心温まる駅弁です。
だるま弁当
高崎駅を拠点とする高崎弁当株式会社の看板商品「だるま弁当」は、高崎名物のだるまをかたどった容器が特徴的な駅弁です。
毎年1月の高崎少林山達磨寺の「だるま市」にちなんで作られたこの駅弁は、縁起物としても人気があるご当地グルメです。
醤油の風味が香る茶飯は、一粒一粒がふっくらと炊き上がり、素材の旨味を引き立てています。
その上に盛られた山菜きのこ煮、筍煮、しいたけ煮、コールドチキン、鶏八幡巻、花豆煮など、山の幸を贅沢に使った具材は、それぞれに丁寧な味付けがなされ、優しい和の味わいが楽しめます。
だるまの口の部分に穴が空いており、食べ終わった後は貯金箱として使えるユニークな仕掛けがあるのも特徴です。
自然の恵みを活かした手作りの味と、縁起物としての楽しみを兼ね備えた思い出に残る駅弁です。
群馬ご当地グルメ3選【食材編】
群馬県には、その土地ならではの環境を活かして育てられた特産品が数多くあります。
群馬県が誇る食材を紹介します。
こんにゃく

群馬県は、全国のこんにゃく生産量の90%以上を占める一大産地です。
水はけの良い土壌や、夏暑過ぎず冬乾燥する環境が、こんにゃく芋の栽培に適しているためです。
こんにゃくは、豊かな水源を持つ群馬県のおいしい水と、食物繊維のグルコマンナンを主成分として作られます。
独特な歯ごたえと淡白な味わいが特徴で、すき焼きや煮物などの料理などに幅広く使われています。
特に、群馬県の郷土料理である「こんにゃく味噌おでん」は、茹でたこんにゃくに甘めの味噌だれを絡めた一品で、冬場に親しまれています。
また、刺身こんにゃくは、ぷるんとした食感と淡白な味わいが酢味噌とよく合い、お酒のつまみとしても人気です。
上州牛

上州牛は、群馬県で育てられた黒毛和種やホルスタイン種との交雑種の総称です。
利根川水系の豊富な水資源と上毛三山に囲まれた自然環境の中で、明治時代から生産が行われてきました。
特徴は、自然の中で放牧されることで発達した筋肉によって生まれる、しっかりとした旨味のある赤身です。
また、きめ細やかなサシとやわらかい食感も特徴で、「たくさん食べても飽きない」という評価を受けています。
上州牛は、すき焼きやしゃぶしゃぶ、焼肉などさまざまな調理法で楽しまれています。
薄切り肉はすき焼きやしゃぶしゃぶでその甘みとやわらかさを堪能でき、厚切りのステーキや焼肉では、脂肪分のおいしさとやわらかな食感を味わえます。
下仁田ネギ

下仁田ネギは、群馬県甘楽郡下仁田町周辺で栽培される特産品です。
通常のネギよりも太く、白根の部分が直径6〜9cmにもなる大きさが特徴です。
軟白部の長さは20cm前後まで成長し、濃い緑色の太い葉を持っています。
生のままでは辛味が強いものの加熱すると驚くほど甘みが増し、まろやかな味わいに変化します。
冬の鍋料理では、トロッとした食感と深い甘みが引き立ち、他の具材との相性も抜群です。
焼きネギや天ぷらにしても絶品で、その甘みと香ばしさは一度食べたら忘れられないおいしさです。
栽培には約15ヶ月かかり、霜が降りる冬に向かうと甘みがさらに増すため、12月が収穫の最盛期です。
この時期ならではの濃厚な味わいを求めて、全国から多くのファンが訪れる群馬の冬の味覚です。
群馬ご当地グルメ2選【スイーツ編】
群馬には、昔から地元で愛され続けている伝統的な甘味があり、今でも多くの人々に親しまれています。
中でも有名な2つを紹介します。
あまねじ

あまねじは、群馬県の郷土菓子です。
小豆を砂糖で煮て味付けし、小麦粉を水で溶いて作った生地を団子状にして茹で、甘い小豆と一緒に食べる素朴なスイーツです。
もちもちとした生地はつるっとした食感で、口の中でほどけるやわらかさが特徴です。
上品な甘さに仕上げた小豆と一緒に食べると、優しい味わいが広がります。
家庭や地域の行事で作られることも多く、郷土の味として大切に受け継がれているご当地スイーツです。
焼きまんじゅう

焼きまんじゅうは、群馬県を代表するソウルフードです。
蒸した餡なしの「すまんじゅう」を竹串に刺し、味噌だれを塗って焼き上げます。
焼くことで外はカリッと、中はもちもちとした絶妙な食感に変化し、香ばしい香りが食欲をそそります。
特製の味噌だれは、甘みと塩味のバランスが絶妙で、まんじゅうに何度も塗って焼き上げることで、深い味わいと艶のある美しい仕上がりになります。
熱々のうちに頬張ると、口いっぱいに広がる香ばしさと甘じょっぱい味わいが、やみつきになるおいしさです。
県内各地の老舗店では、代々受け継がれた秘伝の味噌だれで作る焼きまんじゅうを味わうことができ、観光客にも人気の群馬グルメです。
まとめ
群馬県の多彩なご当地グルメを紹介しました。
群馬県には、水と土地に恵まれた環境から生まれた「粉もの文化」を象徴するグルメが多くあります。
また、こんにゃくや下仁田ネギといった特産品、焼きまんじゅうなどの庶民的なスイーツまで、バラエティ豊かな食文化が息づいています。
群馬県を訪れた際は、ぜひこれらの郷土の味を堪能してみてください。